インプレッションとは?媒体別に数え方や増やし方を徹底解説
広告やSNSの運用を行っていると必ず耳にする「インプレッション」は、広告やコンテンツが表示された回数を意味します。

インプレッションとは?
インプレッションとは「印象」という意味を持ちますが、マーケティングにおいては広告やコンテンツが露出された回数のことを指します。広告や投稿したコンテンツの効果を表す指標の一つとして使用されますが、単に表示された回数となるため広告がクリックされたかどうかは考慮されません。
そのため、同一ユーザーに広告が2回掲載された場合はインプレッション数は2とカウントされます。表示された回数を知ることで、自社が配信もしくは投稿した内容を見る機会がどのくらいあったのかを把握することができるということになるのです。
インプレッションと混同されやすい指標
マーケティングにおいてはさまざまな指標を用いて分析を行いますが、インプレッションと混同されやすい指標がいくつかあるため、それぞれの違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
ここでは、インプレッションと似た意味を持つ指標とその違いについて解説します。
PV
PV(ページビュー)は、Webサイト内の特定のページが開かれた回数を表します。Webサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための指標の一つとなるため、広告が表示されただけではPVとしてカウントされません。
また、ユーザー単位でのカウントではなく単純にページを訪れた回数となるため、同じユーザーが2回訪問してもPV数は2となります。インプレッションが表示された回数なのに対し、PVは実際に表示された広告やコンテンツをクリックしてWebページ内に遷移した数になるということです。
リーチ
リーチとは広告やコンテンツの到達率を指す指標で、その広告やコンテンツに接触した人数、もしくは全体における割合を表します。ユーザー単位でカウントされるため、同一ユーザーが同じ広告を3回見た場合でもリーチは1とカウントされます。
PVとよく混同される指標ですが、PVが訪問回数をカウントするのに対しリーチはユーザー単位での訪問回数をカウントするという違いがあるため、混同しないように注意しましょう。
また、インプレッションとの違いで言うと、表示された広告やコンテンツをクリックしたかどうかという違いがあります。
エンゲージメント
エンゲージメントは、広告や投稿に対してユーザーが反応した割合を表す指標です。各SNSによってエンゲージメントとしてカウントされるアクションは異なりますが、主に良いねやコメントなどがあります。
広告や投稿が表示されるだけのインプレッションとは異なり、表示されたものに対してユーザーが反応しアクションを起こすことをエンゲージメントと言います。
エンゲージメントは、双方向でのコミュニケーションを可能にしたり、ユーザーとの関係性を可視化できるなどのメリットがあるため、企業の成果に繋がる重要な指標の一つとなるのです。
インプレッションの数え方
前述したように、インプレッションは広告やコンテンツが表示されるとカウントされます。しかし厳密には、インプレッション数の数え方はメディアや媒体によって異なります。
たとえば、広告の1部分のみが表示されていれば1とカウントされる場合や、広告のすべてが表示されてから1とカウントされる場合など、メディアごとに異なることもあるためしっかりと確認しておくことが大切です。
また、広告を例にすると、インプレッション数は以下の計算式で求めることができます。
ただし、このような計算式で求めなくても、広告やSNSの管理画面から簡単に確認できるようになっています。そのため、自身で計算をしてインプレッション数を求めるということはほぼありません。
インプレッションの重要性
インプレッションが重要な理由の一つに、広告費があります。インターネット広告では、広告出稿料がインプレッション1回あたりという計算方法で算出されます。
一般的には、広告費はインプレッション数に応じて支払われ、1,000回のインプレッション (CPM)単位で発生します。そのため、広告コストを把握するためには、どれだけのインプレッションが発生しているのかを知ることが重要です。
また、広告に限らずSEOなどの検索媒体では、対策したキーワードのなかでどの記事が反応が良いのかを知る際にも重要な指標となります。
インプレッション数を把握することで、広告効果が良いのかや対策キーワードやコンテンツ内容が適切なのかということを判断する基準となるのです。
【媒体別】インプレッションを増やす方法
媒体ごとに仕組みや特徴が異なるため、それぞれでの増やし方をしっかりと把握するようにしましょう。
インターネット広告
インターネット広告とは、検索エンジンの検索結果に表示されるリスティング広告やWebサイト内に掲載される広告などがあります。
キーワードを見直す
インターネット広告では、設定しておいたキーワードが検索された際に、検索結果に広告が表示されるような仕組みになっています。
そのため、どのようなキーワードで自社の広告を表示させるのかということが広告効果を高める重要なポイントとなります。
検索ボリュームの高いキーワードは競合性も高く、広告表示される機会が減ってしまいます。一方で、検索ボリュームが低く競合性の低いキーワードは検索されれば表示されますが、そもそも検索される回数が少ないため、結果として表示回数が少なくなってしまいます。
このように、キーワード選定を行う際には考慮すべき点が多いですが、正しく選定できれば競合との差別化ができ、かつCV獲得もできるようになります。
インプレッションを増やしたい場合には、キーワードを見直したり新たなキーワードがないかを洗い出してみましょう。
広告予算を増やす
多くの広告アカウントは、1インプレッションに対して予算を設定しているケースが多いです。たとえば、1インプレッションの単価が10円、月額の広告予算が10万円の場合、月に10,000回のインプレッションを獲得できるということになります。
そのため、予算が増えれば表示回数も増えるということになるのです。
しかし、広告費を増やす場合には、それによって増えるインプレッションが価値のあるものなのかを考える必要があります。キーワードと広告を見てほしいターゲットのニーズがマッチしているかなどによってインプレッションの価値は変わるため、事前にしっかりとその価値を考えておくことが重要です。
キーワードの入札単価を上げる
オークション形式の広告ではキーワードに対して入札単価が決まっているため、入札単価を上げることで表示回数を増やすこともできます。
しかし、入札価格が低い場合や入札目標によっては掲載順位が下がってしまい、表示される機会、つまりインプレッションも増えづらくなる可能性があるため、注意が必要です。
入札単価をあげるキーワードを選定する際には、現状の表示回数や検索ボリューム、競合性などを総合的に判断して設定するようにしましょう。
SNS
SNSといってもさまざまな媒体がありますが、ここではそれぞれのSNSで共通してできるインプレッションの増やし方を解説します。
投稿回数を増やす
SNSでは、投稿がフィードとして流れてしまうため、時間が経てば埋もれてしまいユーザーに見てもらえない可能性が十分に考えられます。
そのため、投稿回数を増やすことでフォロワーやユーザーに見てもらえる機会が増え、インプレッション数の増加を期待できます。
また、投稿をする際にはユーザーがアクティブな時間帯を狙って投稿することで、より多くのインプレッションを集められるようになります。
過剰な投稿はユーザーから敬遠される原因にもなりますが、リツイートやストーリーズ機能などをうまく活用することで、表示回数を増やすことができます。
インフルエンサーを活用する
SNSには、インフルエンサーと呼ばれる大きな影響力を与えられる人たちがいます。
インフルエンサーは比較的フォロワーが多く、SNSを通じてトレンド情報やPRを発信し世間に対して購買意欲を促進させるなどの影響力を持っています。
フォロワー数によってインフルエンサーの種類も異なりますが、インフルエンサーを活用することで多くの人に自社の商品やサービス、コンテンツを届けることができるようになるのです。
具体的には、インフルエンサーの投稿に反応したり、自社の投稿をリツイートしてもらうなどが方法として挙げられます。
トレンドのハッシュタグをつける
SNS特有の機能として、ハッシュタグというものがあります。このハッシュタグを投稿に設定することで、SNS検索をした際に同じハッシュタグがつけられている投稿が表示されます。
ハッシュタグを設定する際には、投稿に関連性があるものや競合性を下げるために複数設定するなどの工夫が重要ですが、インプレッションを多く獲得するためには、多くのユーザーが使用しているハッシュタグや、トレンドのハッシュタグを使用することも効果的です。
トレンドのハッシュタグをつけることで、自社のアカウントをフォローしていないユーザーにも見てもらえるチャンスが増え、インプレッションの増加にも繋がります。
自然検索
検索エンジンの検索結果でインプレッションを獲得するためには、SEO対策が重要となりますが、ここではインプレッション増加に繋がるものを3つ解説します。
上位表示させる
自然検索での表示回数を増やすためには、上位表示させる必要があります。上位表示をさせる方法は、一言で完結に説明できるものではありませんが、主にSEO対策が必要となります。
たとえば、表示させたいキーワードを見出しやタイトルに含めたり、被リンクを獲得してサイトのドメインランクを高めたりなどさまざまな対策が考えられます。
Googleのアルゴリズムが掲載順位を決めるため、Googleにコンテンツを評価してもらう必要があります。しかし、Googleだけではなくユーザーからの評価も大きなランキング要素となるため、上位表示をさせるためにはSEO対策をしっかり行う必要があるということになります。
コンテンツ数を増やす
配信するコンテンツ数を増やすことで、さまざまなキーワードで自社のコンテンツが表示されるということになります。もちろん上位表示されなければユーザーの目に触れる可能性も低くなりますが、逆を言えば上位表示ができれば多くのインプレッションを獲得できるということになります。
しかし、ただキーワードに沿ったコンテンツを追加すればいいと言うわけではなく、本当にユーザーが求めている情報なのか、というところが重要です。
ユーザーニーズを意識した質の高いコンテンツを継続して作成していくことで、検索エンジンからも評価されやすくなり、結果的に上位表示に繋がります。
競合性の低いキーワードで対策する
コンテンツを作成する際には、対策キーワードを決めてそれに沿った内容で作成していきますが、競合性の高いキーワードは文字通り競合が多くなるため、上位表示のハードルが高くなります。
そのため、競合性の低いキーワードで対策することでより上位表示を狙えるようになります。しかし、競合性の低いキーワードの中には検索ボリュームが低く、インプレッション獲得をあまり期待できないものもあります。
キーワードを選定する際には、検索ボリュームが一定数あり、かつ競合性の低いニッチなキーワードを見つけることが重要です。
インプレッションを増やす際の注意点
インプレッションを増やす際には注意すべき点もあるため、しっかりと理解しておくことが大切です。
ターゲットを絞る
インプレッションはただ闇雲に増やせばいいというものではありません。インプレッションが増えても、クリックされずにコンテンツの内容を見てもらえないことも十分に考えられます。
特に広告の場合は、インプレッションが増えるとその分コストがかかる場合もあるため、しっかりとターゲットを絞ることが重要です。
ターゲットを絞ることで、より成果につながるユーザーに効果的に広告やコンテンツを表示させることができるようになります。
クリック単価も上がる可能性がある
インプレッションの増加を見込んで入札単価を上げると、クリック単価も上がる可能性があります。
入札価格を上げてインプレッション数を増やすと、クリック単価が上がった状態で広告がクリックされます。そうすると広告費が想定以上に膨れ上がる可能性があり、思わぬコストとなるリスクが高いです。
入札価格を上げるのはインプレッション数の増加には効果的ですが、かけられるコストや予算についても考慮するようにしましょう。
自分のインプレッションもカウントされる
インプレッションは単純に表示された回数をカウントするため、自身や社内の人が業務を行う上で閲覧してしまった場合にもカウントされてしまいます。
大きな会社や部署の場合は、社内の人だけでも一定の数のインプレッションを獲得できるため、正確な数値の取得が難しくなります。
そのため、特定のユーザーやパソコンからのインプレッションはカウントしないなどの設定ができる場合には、事前に対応しておくことが重要です。
まとめ
