なぜSEOは重要なのか?売れるサイトに育てるSEOの基本を解説
なぜSEOは重要なのか。それはWEBサイトという事業で売上を出すために欠かせないからです。
WEBサイトは、自社のサービスや商品の購買や問い合わせにつなげるために作成します。しかし、インターネット上には無数のWEBサイトが存在するため、WEBサイトを作成しただけで広くユーザーの目に留まることはありません。
そこで活用したいのがSEOです。SEOで高い評価を得ることができれば、ユーザーが検索した画面の上位に自社サイトを表示できます。これによってインターネットという大海原の真っ只なかに存在する自社サイトに、ユーザーを誘導することが可能です。
しかし、すべてのWEBサイトに共通した成功法則やマニュアルはありません。自社サイトのサービスや商品、ターゲットとするユーザーごとに適切なSEO施策は異なります。また、SEOは流動的ですから時代の変化に合わせて施策を修正変更することも欠かせません。

SEOとは
SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化のことです。
検索エンジンとはGoogleやYahoo!JAPAN、Bingといったインターネットの情報を検索するための機能のことです。ユーザーが検索エンジンにキーワードを入力して検索した結果の上位に自社のWEBページが表示されるように施策をすることを、SEO対策といいます。
SEO対策の目的
SEO対策の目的は、検索順位の上位に表示させることです。インターネット上にWEBサイトは無数にあります。検索結果の上位に表示されないと、ユーザーの目に触れる機会すら得られません。
次の表はseoClarityが公開している、日本における検索順位別クリック率データ(2021年11月)です。なお、クリック数とは検索結果に表示された数のうち実際にクリックされた回数の割合を示しています。つまりWEBサイトに実際に訪問した割合のことです。
検索順位別クリック率データ
検索順位 | クリック率 |
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
参考:2021 CTR Research Study(seoClarity)
検索順位1位ではクリック率13.94%ですが、2位では7.52%と、およそ50%低下しています。検索順位10位に至っては、クリック率は1.32%にまで落ち込みました。検索順位1位以下は、ユーザーに閲覧される可能性が大きく低下することがわかります。
ユーザーにWEBページが閲覧されなければ、自社サービスや商品の存在を知らせることができず、購買にもつながりません。WEBサイトを作成するための時間と労力への投資が損失になりかねません。
WEBサイトが多くのユーザーに訪問されるようになってようやく価値を発揮できます。SEO対策はWEBサイトというツールの効果をいかんなく発揮するために欠かせない施策です。
なぜWEB集客が必要なのか
インターネットという場には多岐にわたるニーズがあり、いまだ満たされぬ需要があります。つまり無数のビジネスチャンスがあるのがインターネットです。
総務省が発表する情報通信白書令和3年版によれば、個人のインターネット利用率は約8割であり、このうち13歳〜59歳までの各階層で9割を超えていることが明らかになりました。

画像引用:インターネット利用率(個人)(総務省)

画像引用:属性別インターネット利用率(総務省)
社会情勢の影響もあり、これまで以上に人との接触を伴わない方法による商品の販売やサービスの提供に対するニーズは高まっています。インターネットを活用した集客を度外視してのビジネスは成立しません。
WEBマーケティングは、すべての企業が真剣に注力すべき領域です。
なぜSEOが重要なのか
WEBマーケティングを考えるうえで必須ともいえるのがSEO対策です。
WEBマーケティングの施策はSEO以外にもさまざまなものがあります。一例を挙げると、インターネット上のさまざまな場所に表示されるWEB広告やSNSの運用、YouTubeチャンネル、メールマガジン、公式LINEといったように、枚挙にいとまがありません。
そのなかでも特に重要な施策がSEOといえるのはなぜか。なぜ代表的なWEBマーケティング施策であるWEB広告では不十分なのか。その答えをWEB広告とSEOそれぞれの特徴やメリットの観点からみていきます。
WEB広告とSEOの違い
WEB広告とSEOの違いをまとめたものが次の表です。
WEB広告とSEOの違い
比較項目 | SEO | WEB広告 |
即効性 | 低い | 高い |
料金 | 無料 | 有料 |
クリック率 | 高い | 低い |
ブランディング | できる | できない |
掲載順位のコントロール | できない | ある程度できる |
まとまった費用を投じるゆとりがあり、即効性を求める場合はWEB広告は有益です。WEB広告は、早ければ出稿したその日のうちに広告が掲載されます。WEB広告は検索結果画面の最上部に掲載されるため、ユーザーの目につきやすいのも特徴です。
しかし、WEB広告はクリックされるたびに料金がかかります。表示される際に広告と明示されており、クリック率もSEOと比べて低い傾向があります。

さらにコンバージョンを獲得しやすいキーワードはクリック単価が高いので、利益に繋がりにくいのが弱点です。
WEB広告で利益を出すには、需要はあるが競合に発見されていないキーワードを見つけなければなりません。ターゲット層やキーワードといった条件ごとに効果測定を繰り返しながら最適解を見つけるまで、利益が十分に出ない可能性もあります。
一方のSEOではWEBサイトを構築に時間はかかるものの、上位表示されれば高いクリック率が見込めます。また、いったん上位表示されれば、検索エンジンのアルゴリズムが変わらない限り上位表示され続ける可能性が高いのもメリットです。
またWEB広告と違い、SEOではクリック料金がかかりません。継続的な利益を生み出すことが期待できます。さらに上位表示されれば、自社商品やサービスのブランディングにも貢献します。
SEOは自社の未来への投資
SEOに成功したWEBサイトは、継続的に利益を生み続ける自社の財産です。
WEBサイトにSEO施策を講じることは自社の未来に投資するのと同義であることから、SEOは重要です。しかし、SEOでは結果を出すまでに時間がかかります。すでに数多くの企業が長い時間と膨大な労力を投じてSEO対策しています。
WEBサイトを運営しているなら、迷っている暇はありません。今すぐにSEO対策を始めてください。
なおWEB広告は、SEOと併用することでその効果を十分に発揮できます。まずSEOに取り組み、サイトが成長していく過程でWEB広告を取り入れることも検討してください。
H2:SEO対策のポイント
SEO対策とはGoogleの検索エンジンに評価されるWEBサイト作りのための施策といっても過言ではありません。

画像引用:Search Engine Market Share in Japan – April 2022
日本で利用される検索エンジンは、2021年4月のデータでGoogleがおよそ76%、Yahoo!JAPANがおよそ16%です。Yahoo!JAPANはGoogleの検索アルゴリズムを使用しています。なお、アルゴリズムとは、検索結果の表示順を決めるプログラムのことです。
Googleから高い評価を得て検索上位に表示されるには、GoogleがWEBサイトに何を求め、何を目指しているかを理解するのが近道といえます。
Googleの示す評価基準
SEO対策でもっとも重視すべきは、Googleがどのような基準でWEBサイトを評価しているかという点です。GoogleはWEBサイトの品質評価ガイドラインのなかでE-A-Tという指針を示しています。(参考:General Guidelines October 19, 2021)
E-A-TとはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとったものです。E-A-Tが備わったWEBサイトをユーザビリティが高いとしてSEOにおいて評価し、多くのユーザーの目に触れるように上位表示させるとしています。
Googleの理念
GoogleがWEBサイトに対して何を求めているのかを理解する手がかりがもう1つあります。それが「Googleが掲げる10の事実」と題して公開しているリストです。
このなかでは、ユーザに焦点を当ててWEBサイトを作成することの重要性が説かれています。
WEBサイトはユーザーの不安や悩みといった問題を解決するために存在するというGoogleの理念は、SEOの評価においても反映されています。Googleからの高い評価を得るためには、Googleの理念を具現化する一助となるようなWEBサイトを作成することが大切です。
SEO対策の方法
SEO対策は大きく分けて次の3つに分類できます。
- 内部対策
- 外部対策
- コンテンツ対策
内部対策
内部対策とは、検索エンジンがWEBサイトの内容を適切に理解できるようにサイトの構造を整えることを意味します。
具体的には次のような施策です。
- キーワードの適切な使用
- HTMLタグを正しく設置
- モバイルファースト
- 表示速度の高速化
- サイトマップの設置
- 内部リンク
すべてのWEBページはコンピュータの言語であるHTMLを使って、人間が読みやすいデザインで表示されるように作成されています。このときHTMLの構造に誤りがあると、コンピュータである検索エンジンはWEBサイトの内容を十分に理解できません。
HTMLには使用上のルールが細かく定められています。正しくSEO施策を実施するためには専門的な知識が必要です。
また、WEBページの表示を高速化する施策やスマートフォンからWEBページを閲覧しても最適な画面で表示されるように設定すること、内部リンクの設置などはユーザビリティの観点で欠かせないSEO対策です。
先述の「Googleが掲げる10の事実」でも、ユーザーに焦点を当てること、そして遅いよりも速いことが大切であると言及しています。
外部対策
SEOの外部対策とは被リンク、つまりほかのWEBサイトから自社WEBサイトへのリンクを貼られることです。対策といっても、方法を誤るとSEOにおける評価につながらない可能性もあるので注意してください。
被リンクがSEOで評価される理由は、GoogleがWEBサイトの評価に使用するE-A-Tを裏付けるためです。
ほかのWEBサイトからリンクされるということは、自社がある分野の権威である場合や専門性が高いと社会から認められている、もしくは自社サイトのコンテンツの信頼性が高いことを意味します。
しかし、被リンクはWEBサイトの成長に従って自然に数が増えていくべきです。被リンクは、リンクしている相手方のサイトの価値も含めて評価されます。質の低いサイトからの被リンクが多くても評価にはつながりにくいため、被リンクを依頼する行為は避けてください。
コンテンツ対策
SEOのコンテンツ対策とは、ユーザーにとって有益なコンテンツをWEBサイト上に増やすことです。
コンテンツがなければSEOの評価を受けることもできません。また、コンテンツの数は多くても文字数が極端に少なく内容も希薄で、ユーザーの求めている情報が含まれていない場合も、SEOで高く評価されることは困難です。
Googleが評価するコンテンツの条件は次のとおりです。
- キーワードを織り込んでいる
- ユーザーニーズを満たすのに適したボリュームの文字数
- 画像やリンクでユーザーの理解を助けている
ユーザーにとって有益なコンテンツが豊富なWEBサイトであることが、SEOでの評価につながります。
SEOの注意点
WEBサイトを作成しただけでは、SEOで高い評価を得るには不十分です。検索エンジンに評価されるための基準を満たすWEBサイトを作らなくてはなりません。
しかし、内容や効果を理解せず、闇雲に小手先のテクニックだけを駆使するのも誤りです。
SEOの手法にはトレンドがあり、インターネットを検索すると、さまざまなSEO対策の手法が紹介されています。例えば、2022年は動画を活用したSEOの手法がトレンドです。
たしかに動画SEOは有効活用すれば効果を発揮する手法です。しかし、動画に関する知識がないままに制作コストを度外視して飛びつけば再生回数が伸びず、費用対効果が得られない可能性もあります。
また、GoogleはイレギュラーにSEOの評価の基準を改訂しています。コアアップデートとよばれる規模の大きいアップデートだけではありません。日々小さなアップデートを繰り返しています。
検索エンジンの定める評価基準の変更内容を把握しておくことは大切です。しかし、アップデートを気にかけてコンテンツの有用性を疎かにしてはいけません。自社がターゲットとするユーザーにとって有益なWEBサイトを、一貫して作り続ける姿勢が大切です。
最低限必要なSEO対策
SEO対策にゴールはありません。また対策の内容も多岐にわたります。そこで最低限度必要なSEO対策を3つピックアップしました。この3つのSEO対策は、WEBページを作成する際に最優先しておこなってください。
- 一目で内容がわかるタイトル
- hタグの適切な設置
- ユーザーニーズに応えるコンテンツ
一目で内容がわかるタイトル
コンテンツのタイトルは、ユーザーと検索エンジンの双方に訴求する働きを持っています。
ユーザーは忙しい時間の合間を縫って情報を検索しています。タイトルを見てすぐに、自分に必要な情報が書かれていると感じられることが重要です。
また同時に、検索エンジンのロボットもタイトルからWEBページの内容を理解しています。そのためタイトルは、ユーザーと検索エンジンのロボットが理解しやすいものでなければなりません。
タイトルに欠かせない条件が次の3つです。
- ターゲットの明確化
- キーワードを織り交ぜる
- 32文字以内
長すぎるタイトルでは、ユーザーが内容を理解するまでに時間がかかります。これではユーザビリティが高いとはいえません。また検索結果画面に表示できる文字数に限りがあります。32文字を超えると、デバイスによってはタイトルの後半部分が表示されません。
前半部分にキーワードを置いてタイトルを作成してください。一目でコンテンツの内容が伝わるタイトルになります。
hタグの適切な設置
hタグは見出しタグともよばれます。適切に設置するとユーザーにとって理解しやすいWEBページを作成することが可能です。
hタグにはh1〜h6まであります。h1タグは大見出しです。h2は中見出しで、数字が小さくなるに従って階層が下がります。hタグは階層順に設置することが大切です。
階層順が守られていない使い方や、関連性の低い内容をh2、h3の関係で記述するような使い方はしないでください。
またhタグの数にルールはありませんが、hタグが多すぎるとユーザーがコンテンツを読みにくくなるので注意してください。
SEO対策に欠かせないHTMLタグの種類は豊富で、適切に使いこなすには知識が必要です。しかし、hタグであればルールも少なく、取り扱いが容易です。
hタグの設置方法についてはGoogleも言及しており、SEO対策を考えるうえで欠かせません。WEBページを作成する際は、適切にhタグが設置されているか確認してください。
ユーザーニーズに応えるコンテンツ
SEO対策でもっとも重要なのは、ユーザーニーズを満たすコンテンツを作成することです。
SEO施策にはさまざまな方法があります。これらはすべて、ユーザーに有益なコンテンツの存在を知らせ、ユーザーの抱える問題を解決する手助けをする手段です。数多くのSEO施策を講じてもユーザーニーズとかけ離れているなら、SEOで評価を得るのは困難です。
ユーザーニーズを満たすコンテンツを作成するためには、ターゲットを絞り込んでください。ターゲット層を広げてWEBサイトを作成した方が、多くのユーザーに響くと考えるのは誤解です。
性別や年齢、生活環境といった条件によって、ユーザーニーズは異なります。万人受けは結果論です。特定のユーザーのニーズを満たせないコンテンツでは誰のニーズも満たせないことを念頭に、コンテンツを作成してください。
的確にターゲットを絞り込む方法
自社のサービスや商品をアピールするためにターゲットとすべきユーザー層を見極めるのは容易なことではありません。ターゲットを見誤れば、SEO施策を講じても思うような結果につながらない可能性もあります。
WEBサイトを育てながら試行錯誤を繰り返すのも1つの方法です。ただしサイト構築のために費やした時間や労力を台無しにするリスクもあります。
ターゲットのユーザーを絞り込むためには、市場データの収集や分析が欠かせません。WEBサイトを作成する前にあらかじめマーケティングを専門とするプロに相談することで、リスクを低減しながら効果を最大化することが可能です。
まとめ
