リード獲得とは?具体的な方法と一連の流れを解説
リード獲得とは見込み客の情報を獲得することです。オンラインやオフラインのツールを用いて、今後顧客になる可能性のある企業や個人の情報を集めることをさします。
リード獲得は効率的に営業活動を進めるために大切なプロセスです。大量にリード獲得できれば売上げ向上につながる可能性があるため、マーケティング活動では重要視されています。
しかし、リード獲得の施策は闇雲に講じればよいわけではありません。PDCAサイクルを回しながら精度を上げる努力が必要です。また、リード獲得の段階では見込み客に過ぎませんので売上げに繋げるためにはリード獲得後のフォローは必須です。

リード獲得とは
リード獲得のリードとは見込み客の意味です。見込み客は自社のサービスや商品に興味を持っており、将来的に購入に至る可能性があるユーザーをさします。つまり、リード獲得とはこれから顧客になる可能性のある見込み客の情報を収集する活動のことです。リード獲得はリードジェネレーションと呼ばれることもあります。
リード獲得の目的
リード獲得の目的は効率的で効果的な営業活動を実現させることです。
リードのデータは、すでに自社のサービスや商品に興味を持っているユーザーの情報です。獲得したユーザーのデータには担当者の名前やメールアドレス、会社名、部署名、電話番号などが含まれます。リードに対してサービスの案内やアポイントをとれば、不特定多数に向けて自社商品やサービスをアピールするよりも売り上げに繋げやすくなります。
仮に即時の購買行動に繋がらないとしても、相手は自社に興味を持っているユーザーです。営業活動を続けても、ネガティブなイメージを持たれることは軽減できると考えられます。また、リード獲得をきっかけに良好な信頼関係を築くことができれば、今は見込み客であっても未来における有力な顧客候補です。
リード獲得に成功すれば、直近の売上げのみならず未来の売上げに貢献する可能性が広がります。
リード獲得計画の作成手順
リード獲得を効果的におこなうには明確な目標設定が大切です。いずれの数字も具体的に設定してください。
- いつまでに
- どのようなユーザー層に
- 何件アプローチするか
- 何件のリードを獲得すべきか
リード獲得数の計算方法
リード獲得数を計算する際は、次の3つの段階を経ます。
- KGIの設定
- KPIの設定
- リード獲得数の計算
KGIの設定
KGIとは重要目標達成指標のことです。例えば、売り上げ目標は前年比で120%の達成、といったような形です。具体的な数値と最終的な目標を含めて設定してください。
KPIの設定
KPIとは重要業績評価指数を意味します。KGIで設定した最終目標に至る過程の中間的な指標がKPIです。KGIから逆算して、いつの段階でどの程度の数字に達している必要があるかを算定します。
先のKGIの例でいうなら、売り上げ目標である前年比120%を達成するために、今月は○円の売り上げが必要、のようになります。
リード獲得数の計算
KPIで算定された目標金額を達成するために、何件のリード獲得が必要かを算定してください。
リード獲得すべき目標の数値が算出できたら、目標達成するにはどんな方法を用いれば良いかを検討します。
リード獲得の方法と選び方
リード獲得をより効果的におこなうためには、適切なアプローチ方法を選択しなければなりません。リード獲得の方法を選定する際に考えるべきポイントは2つあります。
- オンラインもしくはオフライン
- インバウンドもしくはアウトバウンド
これまではマーケティング担当者がリード獲得し、その情報をもとに営業担当者が見込み客にアプローチする過程を経るパターンが一般的でした。しかし、インターネットの普及によって、顧客自身が積極的に情報を収集できる環境が普及しています。それに伴いオンライン上でおこなうリード獲得により注力する傾向が見られます。
オンラインもしくはオフライン
オンラインとオフラインのどちらでリード獲得するのが自社のターゲットとするユーザーには効果的かを検討します。オンラインによるリード獲得の方法には、WEBサイトやWEBプラットフォームを活用したものがあります。
オンラインの特徴には次のようなものがあります。
- 時間も場所を問わず情報を発信できる
- 幅広いユーザー層に訴求できる
- 見せ方を意図的にコントロールできる
- 情報伝達のスキルを要する
自社のサービスや商品がデジタルデバイスを利用したものである場合やWEB上で情報発信可能なものであれば、オンラインツールが適しています。
オフラインではユーザーと直接的な接点ができます。時間や場所、交流できるユーザーの人数は制限されますが、体験を伴う強い訴求効果を発揮できるのがオフラインのメリットです。
オフラインの特徴は次のとおりです。
- 場所や時間が制約される
- 特定のユーザー層に強く訴求できる
- 身体的体験をユーザーに提供できる
- カタログにより詳細に情報伝達できる
自社のサービスや商品の特性とターゲットのユーザー層に合わせて、オンラインとオフラインのリード獲得方法を使い分けてください。
オンラインでのリード獲得方法
インターネットを活用したリード獲得方法には、次のようなものがあります。
- WEB広告
- オウンドメディア
- インターネットメディア掲載
- SNS
- ウェビナー(ウェブセミナー)
WEB広告は種類が豊富です。一例を挙げると、検索エンジンの検索結果に表示されるリスティング広告や、検索エンジンの広告枠に表示されるディスプレイ広告、SNSの広告枠を活用したSNS広告といったものがあります。
オウンドメディアを運営し、有用な情報を発信することでユーザーを集める方法です。オウンドメディア運営にあたってはSEO対策をしてコンテンツが上位表示されるような施策を打つことが欠かせません。
この他にも自社で運営するWEBサイトではなく他社のインターネットメディアに掲載依頼する方法や、SNSで情報発信することでリード獲得する方法もあります。
また、最近ではインターネットを用いてセミナーを開催するウェビナーが盛んに開催されています。ウェビナーは主催者、ユーザーいずれにとってもコストや利便性の面でメリットの多いセミナー開催の手法です。
オフラインでのリード獲得方法
オフラインでのリード獲得方法の一例にはこのようなものがあります。
- セミナー・展示会
- ダイレクトメール(DM)
- 広告
- テレアポ
- 飛び込み営業
セミナーや展示会を開催すればユーザーに直接アプローチできるため、古くから活用されています。名刺交換の機会もあり、リード獲得しやすい方法です。ただし、これは集客できた場合に限られます。会場費や人件費も見込まなければならないため最近ではウェビナーやオンライン展示会といったケースが増えています。
ダイレクトメールも古くから用いられるオンラインマーケティングの手法ですが、今は郵便物を使ったDMではなくインターネットを活用したメールマーケティングが主流です。
このほかにも人目につく箇所に広告を設置する方法や、電話で営業するテレアポ、直接ユーザーの本を訪ねる飛び込み営業といった手法もオフラインのリード獲得方法です。
インバウンドもしくはアウトバウンド
インバウンドは受動的、アウトバウンドは能動的なリード獲得に向けたアプローチです。
インバウンドのリード獲得方法の一例を挙げると、オウンドメディアやセミナーといった方法があります。
インバウンドの特徴は次のとおりです。
- ユーザーの商品やサービスへの関心が強い
- 反応率が高い
- リード獲得までに時間がかかる
インバウンドでは、すでに強く興味を持っているユーザーをリードして取り込むことが可能です。関心度の高いユーザーが集まるため、ユーザーが自発的にアクションを起こす確率が高くなります。
その反面でインバウンドの場合、リード獲得の場を構築するための時間やコストが必要です。WEBサイトであればコンテンツを増やし、SNSで継続的に情報発信してユーザーとの信頼関係を構築することは欠かせません。インバウンドの場合、リード獲得に至るには長期的な取り組みが必要です。
アウトバウンドのリード獲得には、展示会やダイレクトメール、テレアポといった方法があります。
アウトバウンドの特徴には次のようなものがあります。
- 不特定多数のユーザーに向けてアピールする
- 反応率が低い
- 短期間でリード獲得に繋がる可能性がある
アウトバウンドでは一斉に多くのユーザーに働きかけるので、短期間のうちにリード獲得できる可能性を秘めています。しかし、自社のサービスや商品への興味の度合いは加味せずアクションを起こすので、思わしい反応が得られないことも少なくありません。
獲得したリードを売上に繋げるステップ
リード獲得は売上げアップの有効な手段ですが、リードは見込み客にすぎません。リードを顧客にランクアップさせるためには、リード獲得してからのアフターフォローが肝心です。
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、見込み客の段階にあるリードを顧客にするためのアフターフォローです。リードの興味や熱量に合わせた定期的な情報発信やコミュニケーションで信頼関係を構築して、購入行動を促します。
リードナーチャリングで採用する手法の一例にはメルマガやセミナーがあります。
このとき、講じるべき施策はリードが示す興味の度合いによって異なります。もうひと押しで購買に達するリードであれば、興味を掻き立てる情報を渡せば自発的に購買行動に至ります。しかし、購買に至るにはほど遠い興味の段階にあるリードでは、購買によるメリットや期待できる未来のイメージを丁寧に時間をかけて伝えなければなりません。
リードがサービスや商品に抱く興味や熱量に応じた方法を採用すれば、リードナーチャリングを効率的かつ効果的に進められます。そのために必要なのが、リードクオリフィケーションとリードスコアリングです。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションは、リード獲得した見込み客の絞り込みをおこなうプロセスです。購買意欲の高低という基準でリードを分類し、受注の見込みが高いユーザーを抽出します。
抽出された購買意欲の高いユーザーリストをもとに、営業部門で適切なリードナーチャリングをおこないます。
リードクオリフィケーションには2つのメリットがあります。
- 効果的にリードナーチャリングできる
- 顧客満足度が高まる
リードクオリフィケーションをおこなえば、購買に対するユーザーの熱量に応じたアプローチができます。最小限のコストで売上げを向上させることも可能です。
また、リードクオリフィケーションは自社企業だけでなくリードの満足度にも貢献します。
リードクオリフィケーションをおこなえば、購入意欲が高いユーザーには、購買行動に向けた適切なアフターケアが可能です。納得して自発的に購買行動を起こすことで顧客満足度は向上します。
適切な人に適切なアフターケアを提供できるリードクオリフィケーションを活用すれば、売上げを効率的に向上させながら顧客満足度の向上も図れます。
リードスコアリング
リードで獲得したユーザーの購買意欲をスコア化することをリードスコアリングといいます。ユーザーの属性や興味、関心、行動を数値化して、購買意欲の成熟度合いを判断します。
リード獲得の流れを効率化する方法
リード獲得の一連の流れを効率化するために活用したいのがMAです。
MAとはマーケティングオートメーション(Marketing Automation)の略です。MAを導入すると、リード獲得からリードナーチャリング、リードクオリフィケーションをいうマーケティング活動における一連の流れを自動化できます。
リード獲得からリードクオリフィケーションまで、膨大なデータをいくつもの工程で処理します。どのステップにおいてもアナログな手作業には限界があり、人為的ミスによる機会ロスも起こりかねません。
MAを活用すれば、マーケティング活動の精度を上げると同時に大幅に効率化できるほか、データの管理も一元化できるので、営業部門との連携も容易です。
リード獲得の精度を高め、売上げ向上に繋げるためには、PDCAサイクルを回しながら試行錯誤を繰り返すことが欠かせません。MAを導入してリード獲得を効率化することで、最短で利益を出せる仕組みを活用してください。
MAとSFAの違い
MAと並んで目にする言葉にSFAがあります。SFAとは営業支援システム(Sales Force Automation)のことです。営業活動を効率化するためのシステムとして利用されます。MAはマーケティングを効率化し、質の高いリードを獲得するために貢献します。SFAはMAで創出した質の高いリードを顧客化するステップをサポートする仕組みです。
MAとSFAのどちらを優先的に導入すべきか迷うべきかは、企業の方針や課題によって異なります。マーケティング部門の強化にはMAを、営業部門の強化にはSFAを優先してください。
まとめ
