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多言語サイトの制作方法は?必要性やメリットも徹底解説

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グローバル化が進んでいる昨今、Webサイトの多言語化も重要性も日ごとに大きくなっています。

 

王道DXの「Webサイトの多言語化対応調査」の結果によると、東証プライムの上場企業の9割がWebサイトを多言語化しているとのデータもあります。

 

この傾向は今後もますます強くなっていくと想定され、現在Webサイトを運営している企業も対応が急がれますが、多言語化するのは複雑と考えている方もいるかもしれません。

 

SEOコンサルタントそこで本記事では、多言語サイトのメリットや必要性などを踏まえたうえで、制作方法・手順を解説しています。概要を掴むだけでも新しいビジョンが見えてくることがあるため、本記事を参考にして、多言語サイト展開を考えるきっかけにしてみてください。

 

コンテンツ悩み解消

多言語サイトとは

多言語サイトとは、その名の通り、複数の言語に対応したWebサイトのことを指します。

 

グローバル化が進む現代社会において、自社のサービスや商品を海外の市場に向けても積極的に発信することは一般的になってきており、多言語サイトの需要は今も高まり続けています。

 

ただし、多言語サイトを構築する際には、単にサイトの文章を翻訳するだけでは不十分です。

 

言語を超えたコミュニケーションでは、直訳が意図したメッセージを正確に伝えない場合が多々あり、文化の違いにも細心の注意を払う必要があります。

 

例えば、色に関する意味は文化によって大きく異なることがあり、使用の際には細心の注意が必要です。また、ある文化では正常と見なされる表現が、別の文化では不適切である可能性もあります。

 

したがって、多言語サイトを作成するにあたっては、単に言葉を翻訳するのではなく、ターゲットとなる各言語圏の文化や習慣、価値観を理解し、それに合わせてコンテンツを適切に調整することが求められます。

 

WEB上の使用言語ランキング

インターネットは国境を越えて広がっているため、当然言語も多種多様な情報が交換されています。

 

2023年1月時点でのデータによると、インターネットで最も利用されている言語は英語で、その使用率は58.8%と圧倒的に多いことがわかります。

 

また、2位にはロシア語が5.3%で続き、3位はスペイン語の4.3%となっており、英語の使用率が高い一方で、他の言語でのコンテンツ需要も無視できないことが明らかです。

 

そのため、多言語サイトを制作する際には、「多言語翻訳を行う目的は何か」という点を深く考える必要があります。

 

あなたの

  • ウェブサイトやサービスが目指すユーザー層
  • ターゲットとする市場
  • ブランドのメッセージをどの言語圏の人々に届けたいか

 

などによって、翻訳すべき言語を決めると良いでしょう。

 

たとえ英語が広く使われているとはいえ、ロシア語やスペイン語など、他の言語の使用者も大きな市場を形づくっています。

 

英語のみに言語を絞らないことで、新たなユーザー層を開拓することは、グローバルな視野でビジネスを展開する大きなチャンスとなるでしょう。

 

参照:2023年1月時点 インターネットで最も使われている言語(全ウェブサイトに占める割合)

 

多言語サイトの必要性やメリットとは

多言語サイトの利点として挙げられるのが、他国のユーザーにもアプローチできることですが、それによってどのようなメリットがあるかまで考えている人は多くないのではないでしょうか?

 

まずは多言語サイトの必要性やメリットを確認しましょう。

 

サービスや商品を紹介する機会が増える

Webサイトを多言語化することは、グローバルな視野でビジネスを行う上で非常に重要な戦略の一つです。

 

特に、日本語が母語ではないユーザーにとって、理解しやすい言語で情報を提供することは、ウェブサイトの使いやすさを大きく向上させてくれます。

 

また顧客満足度の向上はもちろんのこと、サービスや商品に対する信頼性や親しみやすさを感じてもらうことなどの利点もあります。

 

そして多言語サイトを構築するもうひとつのメリットの一つは、サービスや商品を紹介する機会が飛躍的に増えることです。

 

日本語のみのサイトでは、日本語を理解できるユーザーに限定されてしまいがちですが、複数言語に対応することで、世界中どこにいるユーザーにもアプローチすることができるようになります。

 

これは、新しい市場への進出はもちろん、さまざまな背景を持つユーザー層を開拓する絶好のチャンスとなるでしょう。

 

市場での存在感を高められる

多言語サイトを持つことは、国際市場での存在感を高める上で非常に効果的な手段でもあります。

 

さまざまな文化や言語を持つユーザーに対してポジティブなイメージを与えられるため、企業のブランディングや信頼性が大きく向上することが期待できるでしょう。

 

【BOX】

多言語サイトは、企業がグローバルな視野を持っているかや、多様性を重視していることを示す重要な指標となります。

 

そのほかにも、日本は多くの外国人観光客やビジネスパーソンが訪れる国であり、また国際的なビジネスが盛んな場でもあります。

 

そのため、日本国内でサービスや製品を提供しながら、複数の言語で情報を提供することは、これらの訪問者やビジネス関係者にとって非常に便利です。

 

将来的に企業で働くかもしれないグローバル人材に対しても、企業が国際的な視野を持っていること、多様性を尊重していることを示せるため、好印象を与えられるでしょう。

 

売上の増加が期待できる

多言語サイトは、単純にユーザー数が増えること、そして企業が世界の市場をターゲットにできるようになるため、企業にとって売上増加の大きなチャンスとなります。

 

特に使用人口の多い言語への対応は影響が大きいと言えます。

 

例えば、英語、スペイン語、中国語などの広範囲にわたる言語をサイトに取り入れることで、それぞれの言語圏の膨大なユーザー数がアクセス可能になります。

 

結果的に購入や利用される商品が増えることで、売り上げ増加につながることが期待できるでしょう。

 

しかし、いくつかの注意も必要です。

 

使用人口が多い言語を対象にする場合、その分競合も多くなる傾向があります。これは、より多くの企業が同じ言語圏の顧客をターゲットにしているためです。

 

そのため、多言語サイトを構築する際には、単に言語を増やすだけでなく、ターゲット市場に合わせた独自のコンテンツやマーケティング戦略を考えることが重要となるでしょう。

 

その国の競合と差別化を図ることが、売上増加への重要な鍵となります。

 

より多くのトラフィックを得られる

サイトを多言語化することには、SEO(検索エンジン最適化)の観点から見ても大きな利点があります。

 

異なる言語での検索クエリに対してサイトが表示される機会が増えるため、より多くのトラフィックを獲得できるようになることを意味します。

 

流入が増加すると、サイトやドメイン自体の評価も向上も期待できるでしょう。

 

これは、検索エンジンが多くのユーザーに利用されているサイトを高く評価し、ランキングを上げる傾向があるためです。

 

その結果、多言語サイトとすることで日本語のページにもSEOにも好影響を与える可能性があります。

 

つまり、一つの言語でのトラフィック増加が、サイト全体の信頼性やブランド力を高め、他の言語の検索結果にも良い影響を及ぼすことになります。

 

しかし検索エンジンが異なる言語のコンテンツを正しく識別し、適切な検索結果に表示させるために、言語ごとに個別のURLを使用するなど、技術的な施策も視野に入れようにしましょう。

 

【BOX】

hreflangタグのようなHTMLマークアップを適切に使用し、同じコンテンツの異なる言語バージョン間で関連付けを行うことも、検索エンジンによる正確なコンテンツの認識に役立ちます。

 

新たな需要を発見できる可能性がある

多言語サイトは、ただ国際的な視野を広げるだけでなく、言語の違いを通じて文化や環境の違いにも目を向ける機会も与えてくれます。

 

それぞれの言語は、その話者が存在する文化や環境の多様性を反映しており、それぞれの言語圏で異なるニーズや問題点があります。

 

例えば、ある言語圏では特定の機能やサービスが特に重要視されているかもしれませんが、別の言語圏では全く異なるニーズが存在するかもしれません。

 

多言語サイトは異なる市場のニーズを見つけ出し、それに応えることで新たな需要を発掘する絶好のチャンスを掘り当てる可能性を秘めているといえるでしょう。

 

また、新たな需要を発見することは、企業が提供する製品やサービスのイノベーションにもつながります。

 

異なる言語圏のユーザーからのフィードバックや要望を受け入れることで、企業はよりクオリティの高い商品やサービスを開発できる可能性があります。

 

事前に知っておきたい多言語サイトの注意点

多言語サイトのメリットはいろいろありますが、注意点についてもあらかじめ知っておくことで、大きな失敗を避けられます。

 

そもそも自社に取り入れる必要があるのか、導入が可能なのかの判断基準としても確認してみてください。

 

コストが高い

複数の言語に対応することは、単に言語を追加するだけでなく、それぞれの言語に対して厳密な管理とメンテナンスが求められます。

 

特に、サイト上で情報の更新や修正が必要になった場合、その変更を全ての言語バージョンに反映する必要があり、日本語のみの場合と比較して、明らかに作業量が増加することを意味します。

 

また、多言語サイトを成功させるには、単に言語を翻訳するだけでなく、その言語と文化に精通した人材の確保も必要です。

 

これは、単に文章を変換するということだけでなく、各言語圏の文化的なニュアンスや習慣を理解し、反映させる必要があるためです。

 

例えば、マーケティングメッセージや製品説明をただ直訳するだけでは、ターゲットとする言語圏のユーザーに適切に伝わらない、あるいは誤解を招く可能性があります。

 

このようなトラブルを避けるためには、各言語に対して専門的な知識を持った翻訳者やローカライゼーション専門家を雇用する必要があり、これがさらにコストを増大させる要因となります。

 

管理が複雑になる

多言語サイトを運営する際、翻訳だけでなく、その言語や言語にあわせたローカライゼーションを含む全体の維持や管理が複雑な作業になります。

 

この複雑さは、単に言語を変換するだけでなく、各言語圏の文化的背景、さらには法的要件に至るまで、広範囲にわたる配慮が必要になるためです。

 

品質の高い翻訳を実現するためには、専門的知識を持った翻訳者や地域に詳しい専門家を雇用する必要も出てくるでしょう。

 

さらに、多言語サイトでは、各言語での問い合わせ対応も重要な要素となり、ユーザーからの問い合わせに対して、その言語で迅速かつ適切に対応する体制を整える必要もあります。

 

これには、多言語を扱えるカスタマーサポートスタッフの確保や、場合によっては各言語ごとに異なる問い合わせ対応の設計が必要になることもあります。

 

これも、管理の複雑化を招くひとつの要因です。

 

文化的に合わせた対応が必要

多言語サイトを構築する際には、言語を超えた文化的配慮が非常に重要です。

 

世界には多様な国や文化が存在し、それぞれに独自の慣習やタブーがあります。

 

これらの文化的要素は、ウェブサイトのコンテンツに大きな影響を及ぼす可能性があるため、各地域の文化に適切に合わせた対応が求められます。

 

特に、テキストコンテンツだけでなく、使用する画像や色の選択においても、その地域の文化に合っているかどうかを慎重に考慮する必要があります。

 

例えば、一部の文化では特定の動物やシンボルが不吉とされる場合があり、これらを無意識にウェブサイト上で使用してしまうと、その地域のユーザーに不快感を与えたり、誤解を招いたりする可能性があります。

 

また、色に関しても、文化によっては喪や祝いを象徴する色が異なるため、これらを考慮せずにウェブサイトのデザインに取り入れることは避けるべきです。

 

文化的に敏感な対応を行うことは、ユーザーからの信頼を得るための鍵となるため、きちんと対応することで、企業のブランド価値を高めることができるでしょう。

 

多言語サイトを制作する方法

多言語サイトを制作する方法としては大きく3通りが挙げられます。

 

どの方法も長所短所が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで、その制作方法がもっとも適しているかを考えましょう。

 

フルスクラッチで新しく制作する

まず多言語サイトの制作方法の一つに、既存の日本語サイトを基にして、フルスクラッチで新しく制作するという選択肢があります。

 

この方法では、ゼロからサイトを構築するため、既に運用している日本語サイトに合わせた設計をしつつ、異なる言語や文化に対応したカスタマイズを施すことが可能です。

 

フルスクラッチでのサイト制作の最大のメリットは、カスタマイズの自由度が非常に高いことです。

 

特定の市場やユーザー層に合わせて、デザインや機能を細かく調整できるため、ターゲットとする言語圏の文化やニーズにピッタリ合ったウェブサイトを制作することができます。

 

また、将来的にサイトの拡張や変更が必要になった場合でも、フルスクラッチで開発されたサイトは柔軟に対応することが可能です。

 

ただし、フルスクラッチでのサイト制作は、時間やコストがかかる場合が多いという点も考慮する必要があります。そのため、予算やスケジュールの計画をしっかりと立てることが重要です。

 

また、CMS(コンテンツ管理システム)を利用したサイト制作も一般的ですが、CMSとフルスクラッチ開発のどちらを選ぶかで迷っている場合は、CMSとフルスクラッチの両方で利用できるツールが存在することを知っておくと良いでしょう。

 

プラグイン機能を活用する

WordPressをはじめとしたCMS(コンテンツ管理システム)を使用している場合、多言語サイトを制作する手段として、プラグイン機能を利用するのが最も一般的です。

 

プラグインを利用することで、比較的簡単に多言語対応を実装することが可能になり、技術的な専門知識が少ない方でも手軽に多言語サイトを構築できるという大きなメリットがあります。

 

CMS用の多言語対応プラグインは、サイトの翻訳を自動化するものから、手動での翻訳をサポートするものまで、さまざまな種類があります。

 

自動翻訳機能を持つプラグインを使用すると、効率的にサイト全体を異なる言語に翻訳することができますが、その一方で、翻訳の質には注意が必要です。

 

自動翻訳された内容は、言語によっては不自然な表現や誤訳を含むことがあり、そのまま利用するとサイトの信頼性を損なう恐れもあります。

 

フルスクラッチでの開発と比較すると、プラグインを利用した多言語サイト制作は柔軟性に欠ける場合があります。

 

独自の機能や特定のデザイン要素を多言語サイトに取り入れたい場合、プラグインの機能や設定の範囲内で解決しなければならないため、制限を感じることがあるかもしれません。

 

制作会社に依頼して開発する

多言語サイトの構築を計画している企業や個人にとって、Webサイト制作会社に開発を依頼することは、有効な選択肢の一つです。

 

この最大の利点は、複雑なスキルや専門的な知識が不要になる点にあります。

 

制作会社は

 

  • プロジェクトの企画
  • デザイン
  • 開発
  • 多言語対応

 

に至るまでのすべての工程を担当してくれるため、発注者は自身のビジネスに専念することができます。

 

そして制作会社に開発を依頼する際のもう一つの大きなメリットとして挙げられるのが、プロジェクトの管理が楽になることです。

 

専門的なチームが開発を担当することで、品質の高いサイトを期間内に完成させることが可能になります。

 

また、デザインや機能の要望に対しても、専門家からの提案を受けることができるため、最終的なウェブサイトの質が向上する可能性が高まります。

 

しかし、多言語サイトの完成後の管理についても考慮する必要があります。

 

サイトが公開された後も、定期的な更新やメンテナンスが必要になるため、これらの対応を制作会社が提供するか、あるいは自社で管理するのかを事前に決定しておくことが重要です。

 

多くの制作会社では、サイト完成後の運用サポートやメンテナンス契約を提供しているので、長期的な運用を見越してこれらのサービスを利用することも一つの方法です。

 

多言語サイトを制作する流れ・手順

新規制作もしくはリニューアルするかで細かな対応は異なりますが、ここではおおよその多言語サイトを制作する流れ・手順について解説します。

 

サイトの状況やマーケティング戦略によっては変更があるかもしれませんが、まずは大筋の流れを理解しましょう。

 

1. 翻訳する言語や戦略を決める

多言語サイトを制作する際の最初のステップは、どの言語に翻訳するかや全体の戦略を決めることです。

 

これは、ターゲットとする市場やユーザーをもとに行われますが、市場調査や既存のユーザーのデータを分析することで、どの地域や言語圏にポテンシャルがあるかを見極めることが重要です。

 

例えば、ある製品やサービスが特定の国や地域で高い需要がある場合、その地域の言語への翻訳が優先されるべきといえるでしょう。

 

次に、サイトの全コンテンツを翻訳するのか、それともキーページや重要なコンテンツだけを選択的に翻訳するのかを決定する必要があります。

 

予算や翻訳の緊急度、サイトの目的に応じて、フェーズごとに翻訳するコンテンツを決めることもひとつの戦略です。

 

例えば、初期段階では製品紹介ページやお問い合わせフォームなどの重要セクションのみを翻訳し、その後ユーザーの反応やアクセス状況を見ながら残りのセクションを段階的に翻訳していく方法も考えられます。

 

そして、翻訳やローカライゼーションの費用は言語やコンテンツの量によって大きく変わるため、事前に詳細な見積もりを行うことが重要です。

 

サイトが複数言語に対応した後の維持管理にもコストがかかるため、長期的な運用コストも合わせて考慮するようにしましょう。

 

2. 必要な技術やプラットフォームを選ぶ

多言語サイトを効果的に構築し運用するためには、適切な技術やプラットフォームの選択が欠かせません。

 

特に、多言語対応を容易にするコンテンツ管理システム(CMS)の選定は、サイト制作の基盤を決定づける重要なステップです。

 

【BOX】

CMSとは、ウェブサイトのコンテンツを簡単に管理、編集できるように設計されたソフトウェアのことです。

 

多言語対応が可能なCMSを選択することで、各言語版のサイトを効率的に管理することが可能になります。

 

市場には多数のCMSが存在しますが、特に多言語サイト制作において人気があるのは、

  • WordPress
  • Drupal
  • Joomla

などです。

 

WordPressはその使用のしやすさから非常に人気が高く、多言語プラグインを追加することで、複数言語に対応したサイトを簡単に構築できるでしょう。

 

そして、翻訳作業をより効率化するためには、翻訳管理ツールやサービスの利用を検討することもおすすめです。

 

これらのツールなら、翻訳プロセスを自動化して、翻訳の一貫性を保つのに役立ちます。

 

翻訳メモリー機能を備えたツールを使用することで、既に翻訳されたフレーズや段落を再利用できるため、翻訳コストの削減にもつながるでしょう。

 

3. 翻訳とローカライゼーション

多言語サイトの制作において、翻訳とローカライゼーションがとても重要なステップになります。

 

この段階では、単にテキストを他の言語に翻訳するだけでなく、ターゲット市場の文化や慣習に合わせてサイトのコンテンツを適応させる必要があります。

 

まず、翻訳に関しては、専門の翻訳者に依頼することがおすすめです。

 

これは、言語だけでなく、その言語が話されている地域の文化的なニュアンスや専門用語に精通している必要があるからです。

 

特に、ビジネス用語や技術的なテキストを扱う場合、正確な翻訳が求められるため、翻訳者の選択には細心の注意を払う必要があります。

 

また、翻訳後は、誤訳や不自然な表現がないか、再度チェックするプロセスを設けることが望ましいでしょう。

 

ローカライゼーションに関しては、単なる翻訳を超えた作業が必要になります。これには、日付や通貨のフォーマット、単位の変換(例えば、キロメートルからマイルへの変換)など、ターゲット市場の標準に合わせた調整も含まれます。

 

翻訳とローカライゼーションを適切に行うことができれば、多言語サイトはターゲットとする各市場のユーザーにとってより親しみやすく、使いやすいものになるでしょう。

 

4. 技術的な実装をする

多言語サイトを制作する過程で、言語の翻訳とローカライゼーションが完了した後は、実際にそれを実装することが必要になります。

 

まず基本となるのは、ユーザーが自分の言語を選択できるように、サイトに言語選択機能を実装することです。

 

この機能は、サイトの目立つ位置、通常はヘッダーまたはフッターに配置されるのが一般的です。

 

ユーザーがサイトにアクセスした瞬間に、自分の言語でコンテンツを閲覧できるオプションを提供することで、ユーザビリティーを大幅に向上させることができるでしょう。

 

その際、各言語は以下のような分類でページを分けることが一般的です。

 

【多言語サイトの設け方の分類】

  • 独自ドメインごとに分ける
  • ディレクトリごとに分ける
  • サブドメインごとに分ける

 

また、ユーザーが言語を手動で選択する手間を省くために、IPアドレスの地理的な位置情報やブラウザの言語設定を基に、自動的に最適な言語ページにリダイレクトする機能を実装することも一般的に使用されている技術です。

 

この方法であれば、ユーザーが意識することなく、すぐに自分に合った言語でサイトを利用できるため非常に役立ちます。

 

さらに、各言語版のサイトにおいても、SEO対策を施すことが欠かせません。

 

多言語サイトにおけるSEO対策では、単にメタデータやキーワードを翻訳するだけではなく、言語ごとの検索エンジンの動向を理解し、各言語圏のユーザーが使用する検索クエリに最適化することも重要です。

 

【BOX】

hreflangタグを適切に使用して、検索エンジンに各ページの言語バージョンを正しく認識させることも大切です。

 

5. 定期的なコンテンツの管理と更新

多言語サイトを成功させるためには、その制作を終えた後も継続的な管理と更新が行われるかどうかにかかっています。

 

サイトの内容や機能を最新の状態に保ち、すべての言語バージョンで一貫性を維持することが重要です。

 

コンテンツの更新では、新しい情報やニュース、ブログ記事などを定期的に追加することが求められ、同時にまたは非常に短いタイムラグで翻訳と公開を行う必要もでてくるでしょう。

 

特に、プロモーションやイベントの告知など、時期に敏感なコンテンツについては特に迅速な対応が求められます。

 

サイトの機能に関しても、新しい機能の追加や既存の機能の改善を行う際には、それがすべての言語バージョンにおいて一貫したユーザー体験を提供できるかに注意を払う必要があります。

 

例えば、新しい予約システムやお問い合わせフォームを導入する際には、すべての言語で利用者が直感的に操作できるようにデザインし、適切にローカライズされた説明文を掲載することが重要です。

 

さらに、ユーザーからのフィードバックは、サイトの継続的な改善に不可欠です。

 

異なる文化や言語圏のユーザーからの意見や提案を積極的に収集し、それをサイトの改善に反映させることで、より多くのユーザーに受け入れられるサイトを目指すようにしましょう

 

多言語サイトの例3選とポイント

多言語サイトの事例として、ここでは3つのサイトを紹介します。

 

どれも大企業のサイトとはなりますが、個人規模のサイト運営でも利用できる知識があるため、今後の参考にしてください。

 

Amazon

Amazonは、世界最大のオンライン小売業者として、その多言語化で多くの成功を収めている代表的なサイトです。

 

Amazonでは、利用者が簡単に自分の言語や国を選択できるように、サイト構造を工夫しています。

これによって、ユーザーは自分の地域に適した

 

  • 商品
  • 価格
  • 配送オプション
  • 通貨

 

を確認できるようになっています。

 

Amazonのもう一つの特徴は、商品レビューを多言語で提供している点です。

 

そのため、異なる国のユーザーが自分の言語でレビューを読むことができるだけでなく、商品のグローバルな人気や使用感を把握することもできます。

 

この機能は、ユーザーにとって非常に価値が高いだけでなく、商品を掲載している企業にとっても分析するための貴重なデータとなるでしょう。

 

スクエアエニックス

スクエアエニックスは、世界的に人気の高い日本のゲーム会社であり、その多言語サイト戦略はグローバルなファンをさらに拡大するための鍵を握っています。

 

特に注目すべきなのが、アジア市場向けに特化した「SQUARE ENIX ASIA NEWS PORTAL」です。

 

スクエアエニックスは、海外からも非常に人気があるため、このメディアでは、アジア市場向けに多言語で情報を提供する戦略をとっています。

 

これによって、日本以外のアジア諸国のユーザーも、自分の言語で最新のゲーム情報やニュースにタイムリーにアクセスすることができるようになりました。

 

そして訪れる各国のユーザー情報を分析し、それに基づいて各国のニーズに合わせた情報を発信しています。

 

このデータ駆動型のアプローチにより、各国のゲーマーが関心を持つ可能性の高いコンテンツをピンポイントで配信できるため、より効果的なユーザー体験を実現しています。

 

JAL

日本航空(JAL)のウェブサイトは、国際的な航空会社としての役割を果たすために、多言語サイトの運用において顕著な例といって良いでしょう。

 

JAL Webサイトは、海外からの訪問者だけでなく、日本に在留する外国人向けにも多言語でサービスを提供しており、日本国内外を問わず、幅広いユーザーが利用しやすいプラットフォームとなっています。

 

日本に在留する外国人の中でも、特に在留者数が多いアジア圏の国々

 

  • 中国
  • 台湾
  • 香港
  • 韓国

 

の言語に絞っており、これはユーザーの多様性を認識し、需要性の高い市場に焦点を当てた戦略的な判断と言えるでしょう。

 

多言語WEBサイトの制作時によくある質問

最後に多言語WEBサイトの制作時によくある質問について紹介します。

 

まだ多言語サイトに関して疑問が残っている場合は確認しておきましょう。
 

Q:どの言語を選べば良いでしょうか?

Answer)どの言語を選択するかは、

 

  • どのような商品やサービスを取り扱っているか
  • そのような国や地域に働きかけたいのか
  • どのようなマーケティング戦略を考えているか

 

人気な言語を選んだからと言って必ずしも正解とは限らないため注意しましょう。

 

ただし、使用言語として人気が高く、世界で最も使用されている言語として「英語」は1つの選択肢となるでしょう。

 

Q:多言語サイトをGoogle翻訳で作成するのはやめた方がいい?

Answer)無料で利用でき、誰でも簡単に使用できるGoogle翻訳ですが、不自然な翻訳をすることが多く、多言語サイトのすべての翻訳を任せるのは避けた方がよいでしょう。

 

他言語のユーザーにとっても不自然な言語が使用されていると信頼性の面でマイナス効果となりかねません。

 

ブランド力や信頼性を獲得するサイトを展開したいのであれば、きちんと監修をつけて言語展開するのがおすすめです。

 

Q:フォントはどのように選べばいい?

Answer)各言語を選ぶ際に合わせて確認しておきたいのが、言語の顔とも言うべき不可欠な要素「フォント」です。

 

言語によって利用できるフォントは異なり、日本でよく利用される明朝体などは当然英語などでは利用できません。

 

また、画像の中で言語を使用してしまうと更新の手間がかかるため、一貫性を保つことや・管理のコストを抑えるためには、Webフォントを使用するのがおすすめです。

 

Googleによって開発された「Noto fonts」であれば、1,000以上の言語をカバーしているため、こだわりがないなら優先的に選ぶと良いでしょう。

 

 

まとめ:多言語サイトで売り上げやトラフィックを増加させよう!

SEOコンサルタント多言語サイトは管理やコストなど、導入でのいくつかの注意点こそあるものの、Webサイトにとって多くの利益をもたらしてくれます。単純な売り上げの拡大だけでなく、新たな市場に参加することで得られる発見や副次的な利点も多いです。本記事では大まかな多言語サイト制作手順について解説しましたが、ツールやプラグインを利用すれば今日からでも多言語展開は可能です。グローバル化が進む現代のマーケティング戦略に乗り遅れないように、積極的に多言語展開を取り入れるようにしましょう。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

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