SEO対策の東京SEOメーカー

海外SEO(グローバルSEO)とは?日本との違いから取り組む手順やアクセスアップの方法など解説[#海外SEO完全ガイド]

海外SEOの記事のPOINT
海外SEOとは
海外SEOに取り組むべきケース
海外SEOのポイント
海外SEOの手順
海外SEOの手順2
海外SEOの手順3
海外SEOのアクセスを増やす方法
海外SEOの注意点

海外SEOとは、海外のユーザーに向けて行うSEO対策のことで、国内SEOとは異なる戦略と技術が求められる重要なマーケティング手法です。

グローバル市場でのビジネス展開を目指す企業にとって、言語や文化、検索エンジンの違いを理解し、現地のニーズに合ったコンテンツを提供することが不可欠です。例えば、英語圏、フランス語圏、中国語圏など、それぞれの市場特性に応じたSEO対策を講じることで、より多くの海外ユーザーにリーチし、ビジネスの成長を促進できます。

 

SEOコンサルタント本記事では、海外SEOの基本、国内SEOとの違い、海外SEOの動向から、取り組む手順やアクセスアップの方法など企業が成功するためのポイントを提供します。

 

海外SEOの関連ページ
海外SEO対策サービス 海外マーケティング支援 海外WEB広告サービス
英語SEOライティング 国別GoogleのSEO対策 海外マーケティングとは
越境ECとは 海外ECのサイトランキング アメリカの越境EC

 

目次

海外SEOコンサルティング

海外SEOとは?

海外SEO(グローバルSEO、多言語SEO)とは、海外のユーザーに向けて行うSEO対策のことです。海外向けSEOの考え方は国内に向けたSEOの考え方と同じですが、海外SEOに取り組むことで戦略的に海外へ商圏を広げたり、海外向けサービスを展開することができます。

SEOの基本はユーザーが満足するコンテンツを提供することです。キーワードを盛り込む、外部リンクを獲得するというテクニカルな面も重要ではありますが、ベースとなるサイトがユーザーの課題解決につながらないようでは評価はされません。

そのため、単純に日本語コンテンツを現地語に翻訳するだけではなく、その地域の特性を考慮してコンテンツを作り変えたり、ユーザー文化を理解したうえでのコンテンツ作りが重要になってきます。

 

海外SEOの重要性とメリット

SEOは有力なWEBマーケティング手法ですが、国内SEOとは異なり、海外SEOには市場の大きさとコストの安さというメリットがあります。英語ユーザーは日本語ユーザーの10倍以上存在しますので、競合が多い一方で市場としては10倍以上の大きさがあることを意味しています。

国内で需要がある商品が海外で需要がある場合以外にも、国内では需要がないようなサービスであっても海外では市場が存在することがあります。海外SEOではコンテンツ制作にかかるコストが国内SEOと比較して高いものの、実際に海外に出向いて海外展開する際にかかるプロモーション費用やマーケティング費用を考えれば、海外SEOを行って日本から世界に情報発信をするという手段はコスト面でもメリットがあります。

海外SEOは日本企業が海外展開するという点でも、日本企業が日本にいながら海外ユーザーに対してリーチするという点でも非常に重要な施策です。特に英語圏、フランス語圏、中国語圏などは日本語圏よりも人口が多いため、大きな市場を持っているため、海外SEOを効率的に回すことで非常に大きな成果を上げることが可能です。

日本ではSEO対策とはGoogle対策とほとんど同じ意味を持ちますが、これは日本で利用されている検索エンジンシェアの大部分がGoogleであることに依存しています。

 

2024年になってから生成AIとの統合によりBingがシェアを伸ばしていますが、それでも日本ではSEO対策といえばGoogle対策です。しかし、国によっては検索エンジンシェアが大きく変わりますので、必然的に対策する検索エンジンも変わります。

各国の検索エンジン

例えば、アメリカではGoogleが強いものの、ロシアではYandexがシェアの半分弱を占めており、中国ではBaiduがシェアの8割ほどを占めています。韓国ではGoogleのシェアは6割ほどはありますが、Naverも3割弱のシェアがあります。

検索エンジンの対策を行わないということは、検索からの自然流入が見込めないということですので、現地情報を十分に調査することはもちろん、海外SEOの知見を持った担当者または外部コンサルタントの協力が不可欠です。海外市場では、言語や文化、検索エンジンの違い以外にも競合が変わることや検索ニーズが変わることによる戦略の相違もあるため、専門的な知識と経験が必要になってきます。

 

海外SEOの特性と取り組むべきケース

具体的に海外SEOが必要となるケースにはどのようなものがあるでしょうか。海外SEOは現地情報を加味したうえで対策する必要があります。

コンテンツ費用も日本のSEOと比較して高額になる可能性が高いため、海外SEOの特性を十分に理解したうえでの実施が求められます。また、日本のSEOは手順を間違えずに対策した場合には時間がかかれば一定の効果を得ることは可能ですが、海外SEOでは時間をかけたとしても想定よりも効果が出ず、撤退するという可能性もあります。そのため、実施の前に海外SEOの特性を理解したうえで検討すべきといえます。

そこでここでは、海外SEOの特性と取り組むべきケースを整理してお伝えします。

 

現地語で良質なコンテンツを作る必要性

海外SEOでは現地語でのコンテンツ制作が必須です。コンテンツを作るためにが、キーワード選定、競合調査、コンテンツ作成という手順が必要ですが、すべてのプロセスで言語がかかり、特にキーワード選定でネイティブの意見を入れずに対策を進めることは難しく、工数が増える分、コストが嵩みます。

同じ英語であっても、イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語などでニュアンスが変わることがあるため、国毎にネイティブの意見を参照にしたコンテンツ制作のノウハウを持っておく必要があります。

時間をかけても結果は保証されない

国内SEOであっても時間をかけたから効果が出るとは限りませんが、一般的に国内SEOと海外SEOでは海外SEOのほうが難しいことが多く、時間をかけても成果がほとんど出ないということもありえます。

これは市場の大きさとキーワード毎の難易度によって大きく変わりますので事前に入念な調査が必要です。特にGoogle以外の検索エンジンの対策方法は明確なものがないことも多く、さらに巨大な海外市場では競合も多いことから対策を難しくしています。

そもそも、検索エンジンごとに仕組みが異なり、検索順位を出すロジックが変わり、自身で操作できない不確定要素が大きいという前提を受け入れたうえでの海外SEOということは理解してください。

 

販路を拡大したい

通常、日本市場のみに依存すると、市場の飽和や景気の変動によるリスクが高まります。また、同じ商品を扱う同業他社が多いといった状況もあるかもしれません。こういった問題を解決するために、海外に販路を拡大したいと考えることもあると思います。そういった企業にとって、現地での認知度向上や売上拡大に海外SEOが役立ちます。

 

インバウンドに備えたい

外国から観光客が日本に訪れることを「インバウンド」と称し近年、その数が増加しています。このような海外からの観光客をターゲットにしたいと考える企業も多いと思います。インバウンド需要を取り込みたい場合、海外の旅行者に向けたプロモーションが欠かせません。その際、海外SEOが重要な役割を果たします。

なぜなら、検索エンジンを通じて情報収集する外国人旅行者が多いためです。海外SEOによって検索結果で上位表示しておけば、それを見た外国人旅行者が実際に自社に訪問し、商品を購入することにつながります。

 

グローバルな人材を採用をしたい

企業が海外の人材を採用したい場合、WEBを通じて自社の認知度を高めることができます。国によっては、企業の情報を求める際にインターネットを利用する傾向が高いからです。例えば、企業のWEBサイトや採用ページを海外の検索エンジンに最適化させておけば、そこから、グローバル人材の獲得につなげることができます。

 

海外SEOと国内SEOの違い

海外SEOと国内SEOではさまざまな違いがあります。6つの点にまとめて解説します。

 

  • 言語の違い
  • トレンドの違い
  • 検索エンジンの違い
  • モバイル利用の違い
  • 競合の違い
  • WEBサイトに求めるニーズが異なる

言語の違い

海外SEOでは現地の言葉を使う必要がありますが、対策として日本語のコンテンツを翻訳にかけて作った文章では不十分です。

直訳でコンテンツとして成立することは少なく、文章表現や言い回しは地域によって大きく異なります。単純な語彙力の問題ではなく、ネイティブレベルの知識を持っていなければ検索エンジンで評価されるコンテンツを作るのは難しいのが海外SEOです。

トレンドの違い

日本と海外ではトレンドが大きく異なります。日本で流行ったコンテンツを海外にそのまま転用しても受け入れられない可能性もあります。

これは考え方や文化の違いが大きく、日本人の考え方は世界的に見ると特殊だという前提でサイトやコンテンツを作る必要があります。

また、ページの見せ方も日本と海外では異なります。テキスト情報の多い日本に対して、海外では写真を多く掲載することが多く、視覚的なわかりやすさを重視する傾向にあります。

そのため、サイトを立ち上げる際に日本の感覚で作ってしまうと海外ユーザーには使いづらいサイトと評価されてしまう恐れがあります。

検索エンジンの違い

前述したように、主要な検索エンジンは国によって変わります。日本、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど多くの国でGoogleが主流なことは間違いありませんが、中国ではBaidu、ロシアではYandex、韓国ではNaverのようにGoogle以外の検索エンジン対策も必要です。

特にNaverは仕様が特殊であるため、対策するためにはGoogleの考え方だけでは十分な成果が挙げられない可能性が高いのが注意点です。

アイルランドの企業が運営するWEBトラフィック解析ツールのStatConuterで2022年1月〜12月間の検索エンジン利用率を見てみると、下記のとおりGoogle検索エンジンが世界中で圧倒的なシェアを誇っていることがわかります。

statcounter
引用:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share#monthly-202201-202212
  • Google:91.88%
  • bing:2.87%
  • Yahoo!:1.12%
  • YANDEX:1.02%
  • DuckDukGo:0.52%
  • Baidu:0.42%

2022年では、Googleが91%のシェアを取っていましたが、open AIのchatgpt出現後、Bingが同AIを実装させたBingが28%とシェアを伸ばし、Googleは、65%までシェアを縮小しました。(一番最初の図参照)

その一方で、中国では政府が情報規制している関係で、独自のBaidu(百度 / バイドゥ)という検索エンジンが広く普及しています。

逆に、Google検索エンジンのシェア率は極めて低くいです。具体的にはStatConuterによる2022年1月〜12月間の検索エンジン利用率では、下記のような結果が出ています。

statcounter2
引用:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/china/#monthly-202201-202212
  • Baidu:49.1%
  • bing:14.95%
  • Sogou:12.71%
  • YANDEX:9.13%
  • Google:6.69%
  • Haosou:4.71%

 

このように、国によって普及している検索エンジンが大きく異なるケースもありますので、現地で利用している検索エンジンを把握のうえで適切にSEO対策することが求められます。

 

モバイル利用の違い

SEOではユーザーのデバイスがパソコンからなのか、スマホなのかを考慮する必要があります。日本ではデスクトップ(PC)からのアクセスが主流ですが、世界的にはモバイルのほうが多い傾向にあります。

商材やサイトコンセプトによっても対応方法は変わりますが、モバイルが主流である国ではモバイルを強く意識した対策が必要です。

 

下記は世界、日本、アメリカ、中国のデバイス比率ですが、比率が近くても人口が異なるため、リーチできるユーザー数には大きな開きが出てくる可能性があり、サイト設計段階からモバイルを意識することが求められます。

 

デスクトップ モバイル タブレット
世界 37.23% 60.61% 2.16%
日本 59.2% 38.68% 2.11%
アメリカ 49.04% 48.25% 2.71%
中国 33.87% 64.31% 1.82%

参照:stat counter Global Stat

競合の違い

海外SEOでは現地の言語で対策する必要がありますが、世界的には日本語のユーザーはそこまで多くはありません。

2022年のデータでは中国は10億人、インドは約7億人、アメリカは約3億人です。日本の順位は7位ですので必然的に中国語圏、英語圏では競合数が多くなり、それだけ難易度が高くなります。

 

そのため、日本以上にキーワード選定の重要度が高く、検索ヒット数や検索ボリュームを考慮したコンテンツ作りが必要です。

参考:世界のインターネットユーザー数 国別ランキング・推移(グローバルノート)

WEBサイトに求めるニーズが異なる

海外SEOをおこなう際、国ごとにWEBサイトに対するニーズが異なることを考慮する必要があります。

例えば、日本では正確で充実した情報量を求めるユーザーが多いのですが、アメリカでは強いメッセージ性とコンパクトな情報提供を好む傾向にあります。また、中国市場では、多様なコンテンツと派手なデザイン性が好まれます。

このため、単に翻訳するだけでなく、各国の文化的背景を考慮した表現や情報提供の仕方が必要です。国ごとの違いを理解したうえで、現地向けの最適化をおこなうことが海外SEOでは欠かせません。

参考:アメリカにおけるWEBマーケティングについて[日本との違い]

 

海外SEOの動向

海外SEOであってもGoogle向けに対策する場合の基本的な考え方は変わりません。

しかし、Googleはアメリカで展開したサービスを世界展開することが多いため、特に英語圏のGoogleは日本のGoogleよりも進んでいます。日本のGoogleが追随する立場である以上、海外SEOではより先進的な考え方に取り組む必要が出てきます。

 

コアアップデートによる低品質コンテンツの淘汰

Googleは定期的にコアアルゴリズムのアップデートを行い、そのたびに大きな検索結果変動が起きますが、2024年3月のアップデートは低品質コンテンツや非オリジナルコンテンツの淘汰という点では顕著でした。

ユーザーに役立つコンテンツを高く評価するという点では以前の考え方を踏襲していますが、低品質で非オリジナルなコンテンツを40%以上検索結果から削除したという事実は今までにはないものでした。

Googleは方針を変えることはほとんどありませんので、今後もコンテンツの品質を精査した検索結果を表示していくものと考えられます。

結果的には海外SEOではネイティブの考え方や言い回しを重視するともいえますので、日本語コンテンツの翻訳対応は避けたほうが無難です。

 

AIによる新機能の実装

ChatGPTが世の中に大きな影響を与えましたが、2024年はGoogleもAIを取り入れたことで話題になりました。AI Overview(旧SGE)は長いフレーズの検索やニッチな検索クエリに対応できるような文章を生成し、ユーザーに回答するサービスです。

AI Overviewが導入された結果、サイトにアクセスしなくてもユーザーが回答を得られるため自然流入の減少やユーザー動向の変化が見られており、今後もAIの導入は加速する可能性があることを視野に入れておく必要があります。

日本で導入されていなくてもアメリカでは先に導入されているサービスもよくあるため、海外SEOを実施する際には必ず現地の検索エンジンでの動向を確認するようにしてください。

参考:Generative AI Overview

 

E-E-A-Tの重要度

Googleはコンテンツの品質をE-E-A-T(専門性、権威性、信頼性、経験)という観点で評価します。

サイトやコンテンツのE-E-A-Tは検索順位には直接影響しないとされていますが、検索エンジンを評価する際に利用される指標ですので間接的にはE-E-A-Tを意識したサイトは検索結果の上位に表示されやすいといえます。

従来のE-A-T(専門性、権威性、信頼性)の重要度も高いのですが、特に海外ではExperience(経験)が重視される傾向にあるため、競合コンテンツにはないような独自情報を取り入れる必要があります。

 

参考: General Guidelines(Google)

ローカルSEO(MEO)

SEOとMEOに直接的な関係はありませんが、海外では地域情報を活用したローカルSEO(MEO)は重要なマーケティング手法になっています。

キーワード、コンテンツ、マップ上のビジネス情報には日本にはない集客効果があるため、海外への店舗展開と同時に海外SEOを実施する場合には必ずローカルSEOを意識するようにしてください。

 

音声検索

日本では音声検索はそこまで重要視されませんが、国によってはモバイルデバイスからの音声検索は日常的に行われます。

単語検索ではなく、口語的なフレーズによる検索が怒りますので、音声検索を意識したコンテンツ設計が必要になってきます。

日本では音声検索をまったく意識せずともコンテンツ制作を進めることが可能ですが、音声検索を意識した場合にはネイティブレベルの文化や言語理解が必要になってくるため、必ず現地語を扱えるメンバーの協力が必要です。

 

画像検索

前述したように海外では日本と比較して写真を多く扱う傾向があります。

これは視覚的なわかりやすさを重視してのことですが、画像が多くなってくると自然と画像検索の需要も高まります。

国内SEOではコンテンツの検索結果を意識しますが、海外SEOではコンテンツの検索結果以外に画像検索の検索結果も意識してコンテンツ制作を進めることになります。

ドメイン・サーバーの選定

日本でSEOをする場合、国内のサーバーとドメインを利用しますが、海外SEOでは現地のサーバーとドメインを利用する必要があります。

ドメインでは.jpや.co.jpは日本のドメインであるため、日本以外では強いドメインとはいえません。アメリカであれば.us、中国であれば.cnのように国にあったドメインを利用するか、.comのように汎用性の高いドメインを利用したサイト制作が必要です。

 

また、国内サーバーであっても海外からアクセスすることは可能ですが、検索結果に表示されづらいというデメリットがあるため、SEO効果を見込むのであれば現地のサーバーでのサイト制作が必須です。

 

【基本】海外SEOに取り組む手順

ここでは、実際に海外SEOに取り組む際の手順を整理してお伝えします。次の3つの手順で進めてください。

 

  • ターゲット国を決める
  • 日本向けWEBサイトの品質を高める
  • コンテンツを翻訳する
  • 海外向けWEBサイトを構築
  • 現地のキーワードを調べる
  • WEBサイトの最適化

上記の3ステップを1つずつ解説します。

 

参考ページ: How to Optimize Your Website for Other Countries – Hubspot

 

1.どこの国をターゲットにするかを決める

最初に自社がどの国や地域をターゲットにするのかを決める必要があります。その際に、考慮すべき点としては、その国で見込めるの需要や経済状態などです。

また、可能であれば、すでに類似品を売っている競合他社がどれくらいいるかなども確認してください。

また、ターゲット国が変われば、ニーズや文化が異なるだけでなく使用される検索エンジンも異なる可能性があります。たとえば、中国では、主にBaiduが利用されています。

そして、BaiduにはGoogleとは異なる独自のSEO基準やアルゴリズムが存在します。このように国によって対応が変わるため、最初の段階でどこをターゲットにするのかを決めてください。

 

2.日本向けWEBサイトの品質を高める

海外向けWEBサイトを構築する前に、まずはすでにある国内向けWEBサイトの品質をチェックしてください。なぜなら、翻訳のもととなるサイト品質が、新たに構築した海外向けWEBサイトの品質に直結するからです。

 

例えば、日本向けのWEBサイトの品質が低く、情報量も不十分だとします。それを現地向けのWEBサイトに翻訳しても、やはり品質は低いままです。逆に、日本向けのWEBサイトの品質が高ければ、翻訳後も良質なWEBサイトになる傾向が高いです。

 

3.コンテンツを翻訳する

現地の市場調査などを通じて、既存の日本向けWEBコンテンツをターゲット国の言葉に翻訳します。

ただ、機械翻訳しただけでは、非常に不自然なコンテンツになってしまうため注意が必要です。自社にターゲット国の文化や言語を理解している従業員がいない場合は、ネイティブな人材を雇い翻訳依頼するなどのことを検討してください。

 

4.海外向けWEBサイトを構築

このステップでは、翻訳したコンテンツをWEBサイトの形にして公開します。日本向けのWEBサイトを構築するのとは異なり、URLやサーバーなどに注意を払う必要があります。具体的には、下記の3点に注意してください。

 

言語ごとにURLを用意する

言語ごとに独自のURLを設定してください。というのも、異なる言語のコンテンツを持つページが同じURLで表示されると、検索エンジンはそのページがどの言語や地域をターゲットとしているのかを正確に識別するのが困難になります。

言語ごとにURLを明確に分けることで、検索エンジンはコンテンツの対象言語や地域を正確に判断でき、関連する検索クエリに対応する適切に結果を表示することができます。

 

hreflang属性を設定する

hreflang(エイチレフラング)属性とは、同じ内容のページが複数の言語で存在する場合に、検索エンジンに対して「このページはこの言語のバージョンです」と明示するためのHTML属性です。

この属性を設定することで、検索エンジンは英語版を英語の検索結果に、日本語版を日本語の検索結果に表示します。

 

対象地域のサーバーを利用する

サーバーはターゲット国やその周辺地域のサーバーを利用してください。なぜなら、検索順位はどの地域にあるサーバーにデータがアップされているかによって影響を受けることがあるからです。

例えば、掲載されるサイトが現地のサーバーにアップロードされている場合、その地域の検索エンジンはサイトを地元密着型と判断し、その結果として検索順位が向上する可能性があります。

参考ページ: 多言語SEOにおける設計のポイントと多言語サイト制作時の注意点

 

5.検索キーワードを調べる

ターゲット国で主に使われている検索エンジンを確認してください。そのうえで、検索されているキーワードを調査します。いくつかのキーワード選定ツールがありますが、ターゲット国で使用されている検索エンジンがGoogleなら、Ubersuggestなどで調べることができます。

 

また、海外SEOを進める際には、日本語とその国の言葉の違いを理解しキーワードを選定してください。ズボンを例にとると、アメリカ英語では「Pants」、イギリス英語では「Trousers」と訳されます。他にも次のようなキーワードが例として挙げられます。

アパート 車のトランク(荷物入れ)
アメリカ英語: Apartment アメリカ英語: Trunk
イギリス英語: Flat イギリス英語: Boot

 

6.検索エンジン最適化

購買に結びつくキーワードを特定したら、その地域で使われている検索エンジンに対して、WEBサイトを最適化します。

具体的にはターゲット国で使用されている検索エンジンの傾向を調べ、どういった対策が効果的かを予想しテストを繰り返します。

テストを繰り返している内に、効果的な方法が見えてくるため、WEBサイトをそのルールにあわせて最適化します。

また、この段階になれば、海外向けコンテンツマーケティングにも取り組んでください。さ

まざまなキーワードに対して、役立つコンテンツを作成し、それを公開することで着実に集客力が向上します。

 

参考ページ: 海外のコンテンツマーケティングの事例5選! 取り組みのポイントも解説

 

海外SEOでアクセス数を増やす方法

アクセス数を増やすには、ターゲット国で使用されている検索エンジンの特性に応じた対策が必要です。

ですが、比較的どの検索エンジンにも有効な方法もあります。そこで、アクセス数を増やすために次のことに取り組んでください。

 

現地の被リンクを集める

現地で公開されているWEBサイトから、被リンクを集めることは海外SEOにおいて効果的です。

そもそも被リンクの獲得は、SEO面で高い効果を発揮します。ただ、どのWEBサイトでも良いわけではなく、自社のWEBサイトと同ジャンルから被リンクをもらうようにしてください。

 

現地のトレンドを踏まえる

現地のトレンドや話題になっているコンテンツを制作してください。そうすることで、検索エンジンにおいてより高い順位を獲得できる可能性があります。

ユーザーは常に最新の情報や流行に関心を持っています。そのため、それに関連したコンテンツを提供すれば、ターゲットの関心を集めることができます。

 

海外SEOの注意点

海外SEOを効果的に進めるためにはいくつかの注意点があります。国内向けSEOとは大きく事情が異なるので、下記の点に注意してください。

 

ネイティブチェック

翻訳したあとの表現や言葉遣いを現地のネイティブにチェックしてもらってください。

機械翻訳や非ネイティブによる翻訳では、言葉のニュアンスや表現に違和感が生じることがあるからです。

例えば、英語圏でのマーケティングを考えた場合、米国と英国では使う言葉や表現に違いがあります。適切な国のネイティブチェックを経ることで、その国の文化にマッチした最適なコンテンツを作成することができます。

 

表示速度テスト

海外におけるインターネットの環境は、日本のように高速かつ安定しているとは限りません。

特に発展途上国や一部の地域では、回線速度が遅かったり、不安定な状況も考えられます。

このため、海外向けのSEOをおこなう際には、WEBサイトの表示速度テストをおこないます。

具体的には、Googleが提供するツール「Test My Site」を利用してください。このツールを使えば、WEBサイトの表示速度を手軽にチェックすることができます。

また「Test My Site」3G回線を前提として速度を評価するため、海外のユーザー環境に近い形で評価を確認できるのもメリットです。

参考ページ: Test My Site – Google

 

海外事情に精通したSEOコンサルタントに依頼

SEOコンサルティングを受ける場合は、海外の事情に精通したコンサルタントに依頼してください。SEO戦略は、国内市場とは異なる多くの要因を考慮する必要があるからです。

例えば、地域特有の検索エンジンの動向、文化的な違い、言語のニュアンスなどです。

特に、初めて海外展開をおこなう企業や、複数国で展開を考えている企業にとって、このような専門家のサポートは不可欠です。

参考ページ:SEOコンサルティング会社9選!自社にあった会社を選ぶためのガイド

 

海外SEOのよくある質問

海外SEOに関する、よくある質問をここでとりあげ解説します。
 

Q:海外SEOはどのような場合に必要ですか?

Answer)EC事業の海外展開を予定していて、SEOでWEBサイトに集客する場合は海外SEOが必要です。ただし、WEBサイトに対する主軸の流入経路を別途用意する場合は、必ずしも海外SEOが必要になるとは限りません。

 

Q:翻訳だけで海外展開できますか?

Answer)翻訳は海外SEOの基本的ですが、それだけでは収益増加などの目的を達成することは困難です。海外SEOにおいては、特定の地域や文化の検索動向を理解し、それに応じたキーワードリサーチやコンテンツ最適化をおこなうことが重要です。

 

Q:同時に複数の国に展開できますか?

Answer)同時に複数の国に対して展開したり、SEOをおこなうことは可能です。ただし、優先順位をつけて戦略を組むことが望ましいです。優先順位は、各国の市場の大きさや、自社にとっての重要度などにもとづいて優先度を決定します。優先度の高い国から1つずつターゲット国を増やした方が、SEOの成功パターンを応用しやすいです。

 

Q:「多言語SEO」の意味は?

Answer)「多言語SEO」は「海外SEO」と同義で使用されることが多々ありますが、厳密には意味合いが異なります。海外SEOとは、海外向けサイトを構築した際に実施するSEO施策のことです。対して多言語SEOとは、複数言語を用いて構築したサイトの検索エンジン最適化を指します。例えば、事業を海外展開する際にゼロベースから海外向けのWEBサイトを構築して、使用言語を英語だけに絞ったとしたら、多言語SEOではなく海外SEOという言葉が使われます。

 

 

まとめ

SEOコンサルタント海外SEOは、企業がグローバル市場で成功するための重要な施策です。事業を海外展開するときに、現地向けにWEBサイトの構築が必要となるケースがあります。こうした場面で役に立つ考え方が海外SEOです。海外SEOをうまく取り入れることで、現地で利用される検索エンジンで自社ページの上位表示が実現します。その結果として、自社商品やサービスを国内外問わずに訴求できたり、販売につなげることができます。そのためにも、まずはWEBコンテンツを現地のネイティブに求められる品質に高める方法を考えることが大切です。国内SEOと同様に、ユーザーに価値あるコンテンツを提供することが基本ですが、言語や文化、検索エンジンの違いを考慮した戦略が求められます。例えば、中国ではBaidu、ロシアではYandexなど、韓国ではNaverなど各国で主流の検索エンジンに最適化する必要があります。現地の市場調査やネイティブの意見を取り入れることで効果的なSEO対策を実現し、競合との差別化を図ることができますが、市場が大きい分、難易度が高く、海外SEOの知見を持った担当者または外部コンサルタントの協力が不可欠です。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
facebookで共有 Xで共有 LINEで共有

関連記事

新着記事

人気記事

WEBマーケティング

SEO対策