検索エンジンとは?日本と世界の検索サイト一覧を紹介
日本で有名な検索エンジンといえば、大半の方がGoogleと答えるのではないでしょうか。実際Googleは世界中のユーザーに活用され、トップのシェア率を誇ります。しかし世界では他にも多くの検索エンジンが存在し、機能や特徴は多種多様といえます。

検索エンジンとは?
検索エンジンとは、検索窓に入力されたキーワードに対して、関連する情報をインターネット上に存在するすべてのサイトの中から探し出すシステムのことです。
インターネット上にはWebページをはじめ、画像や動画など膨大な量の情報が公開されています。また日々新たな情報が更新され続けていることもあり、すべての情報に触れることは不可能といえます。
そのため検索エンジンというシステムを活用することで、ユーザーは求める情報を瞬時に取得することが可能になります。
ここでは、検索エンジンの分類や役割について解説していきます。
検索エンジンの分類
検索エンジンには「ディレクトリ型」と「ロボット型」の2種類が存在します。いまではロボット型が主流となっていますが、従来はディレクトリ型が軸として活用された時代もありました。
ここでは、検索エンジンの分類について解説していきます。
ディレクトリ型
ディレクトリ型とは、人が情報を集めてデータベースへ登録する仕組みのことを指し、1994年に生まれたYahoo! が代表になります。
サイトの紹介文やカテゴリ分けに関しても人が一つひとつ登録するため、登録するまでに膨大な時間がかかっていたことが特徴です。
また当初は検索窓にキーワードを入力するといったシステムは存在せず、ユーザーは分類されたカテゴリからサイト名を探す仕組みでした。
例えば「スポーツ」というカテゴリであれば、
- スポーツ
- -球技
- -サッカー
といった形で深い階層へとすすみ、「サッカーに関連するサイト一覧」から自分でサイトを探す流れです。
このように深い階層へとすすんでいく流れのことを「ディレクトリ」と呼ぶことから、ディレクトリ型検索エンジンとして分類されます。
ロボット型
ロボット型とは、人に代わってプログラムがインターネット上のサイトを巡回し、自動でデータベースへ登録する仕組みです。1995年に生まれたAltaVista(アルタビスタ)が先駆者となり、現代では世界中で最も利用されているGoogleが分類されます。
またユーザーの「検索」に応じて関連するサイトが自動で表示される点は、ロボット型が先駆けとなります。しかしディレクトリ型も後から検索機能が備わったため、大きな違いはデータベースへ登録するまでの流れといえます。
とはいえ検索順位や検索キーワードなど、いままでにはない新しい概念がロボット型から生まれ、ユーザーとサイトとの出会いがより簡易的になった点が特徴です。
検索エンジンの役割
検索エンジンの主な役割は、検索ユーザーの求める情報に対して、最善となる検索結果を提示することです。
ユーザーは日々、悩みや知りたい情報を求めて検索エンジンを活用しています。しかし検索エンジンをとおして何も情報を得られなければ、検索エンジンの活用頻度は減少するといえます。
対して満足するような検索結果を得られた場合、ユーザーは長期的に検索エンジンを活用し続けると考えられます。
最終的には広告の閲覧数やクリック数が増加し、検索エンジンを提供している会社の収益にもつながる流れです。
そのためGoogleをはじめ大半の検索エンジンでは日々サイトごとに適切な評価を行い、常にユーザーが満足のいく検索結果の提供を追求しています。
検索エンジンの仕組み
前述では検索エンジンの種類について触れましたが、現在では基本的にロボット型検索エンジンが主流です。名前のとおりロボットを活用した検索エンジンとなり、具体的な仕組みは以下の3要素から成り立ちます。
- クローリング
- インデックス
- ランキング
ここでは、検索エンジンの仕組みについて詳しく解説していきます。
クローリング
検索エンジンには「クローラー」と呼ばれるロボットが存在し、インターネット上を巡回して各サイトの情報を取得しています。この情報収集の流れを「クローリング」といい、検索エンジンにサイトが認知される最初の段階です。
サイトを公開している場合でも、仮にクロールされなければ検索エンジンに存在を知ってもらえず、検索結果には表示されません。
実際インターネット上では1日に数億ページが作られており、クローラーはすべてのサイトを巡回できないこともあります。そのためクローラーが認識しやすいサイト構築や定期的な更新を意識し、まずはクロールされやすい状態を作ることが重要です。
インデックス
クローリングによって集められたサイトの情報は、整理整頓されたうえで検索エンジンのデータベースに保存されます。この保存する流れを「インデックス登録」といい、検索結果に表示されるためには欠かせない段階です。
またインデックス時に注意しなければいけない点は、すべてのサイト情報がデータベースへ登録されるわけではないことです。インデックス登録時には重複コンテンツやコンテンツ内容の質を確認しています。
仮に低品質なコンテンツの場合、どんなに新しいコンテンツであってもインデックス登録されなくなります。
そのため正常にインデックスされるためには、検索エンジンが評価する「ユーザーにとって役立つ情報」を意識することが大切なポイントです。
関連記事: Googleにインデックスされない原因は?対処法も紹介
ランキング
クローリングやインデックス後、最終的な段階となるのが検索アルゴリズムによる「ランキング」です。
検索エンジンは、ユーザーがキーワードを入力し検索を行うたびに、データベースの情報から関連度順にランキング付けを行ないます。そしてランキング付けした順位ごとに、実際の検索結果に反映する仕組みです。
Googleではランキングを行う際の明確な評価基準を公表しておらず、日々アップデートを行っている検索アルゴリズムによって決まります。
過去にはパンダアップデートやペンギンアップデートなどの検索順位を大きく変化させるアップデートもありました。現在では年に数回行われているコアアップデートが軸となります。
内容によっては検索順位への影響が強い場合もあるため、アップデート前にアナウンスされる情報は、できるだけ確認するようにしましょう。
日本の主要な検索エンジン一覧
日本の主要な検索エンジンは3種類となり、各検索エンジンのシェア率は以下のとおりです。
<検索エンジンの国内シェア>
- Google:77%
- Yahoo!:14%
- Bing:8%
引用:Desktop Search Engine Market Share Japan
上記はPCにおける検索エンジンのシェア率ですが、モバイル端末でも大きな差はなく、Bingのシェア率がYahoo! に移動した状態となります。このように日本ではGoogleのシェア率が圧倒的となり、GoogleとYahoo! が全体の9割を占めているのが特徴です。
ここでは日本の主要な検索エンジンについて、上記の3種類から紹介していきます。
Google(グーグル)は日本だけでなく世界中で最も利用されている検索エンジンになります。日本では「ググる」という言葉が生まれていることからも、日本人にとって「インターネットで検索する=Google」といえます。
さまざまなツールやサービスを展開している点も特徴ですが、最大の魅力はユーザーファーストの考えに沿った機能やアップデートです。
実際Googleのトップページは検索窓が中央に配置され、シンプルなインターフェースとなっています。通常であればトップページに広告を配置するなど、利益を追求しても問題になることはありません。
しかしGoogleでは常にユーザーの利便性を考えており、検索アルゴリズムのアップデートでもより良いサイトを評価するための基準が設けられています。
そのため検索上位に表示させることは簡単ではありませんが、上位化した際のアクセス数や得られるメリットは他の検索エンジン以上に多くあります。
Yahoo!
Yahoo!(ヤフー) はGoogleに次いでシェア率2位の検索エンジンとなり、日本では知らない人が少ないといえます。
従来までは独自の検索エンジンを活用していましたが、2011年からはGoogleの検索技術を利用しているため、検索結果はGoogleと大半が一致します。
異なる要素としては、Googleの検索結果に以下のようなYahoo! 独自のサービスを追加している点です。
- Yahoo!ニュース
- Yahoo!知恵袋
- Yahoo!ショッピング
- Yahoo!地図
そのため普段からYahoo! のサービスを活用しているユーザーや、検索以外のアプリやサービスを活用したいユーザーには使い勝手が良い検索エンジンとなります。
Bing
Bing(ビング)はMicrosoft社独自の検索エンジンとなり、Microsoft Edgeというブラウザではデフォルトで設定されています。
最大の特徴はGoogleやYahoo! とは異なる検索技術が使われており、検索結果ではユーザーの状況に合わせた動画など、テキスト以外の内容が充実している点です。
また2011年にスタートしたサービスでは、Edyパラダイスの検索ボックスから検索すると、Edyポイントとして2円分を貰える仕組みとなります。
他にもショッピングサイトの価格情報一覧や価格比較機能は利便性が高く、今後注目すべき検索エンジンの一つといえます。
世界の主要な検索エンジン一覧
世界の検索エンジンのシェアは、
- Google 91.88%
- Bing 3.19%
- YANDEX 1.52%
- Yahoo! 1.33%
- Baidu 0.76%
- DuckDuckgo 0.64%
となっています。
つづいて世界の主要な検索エンジンについて、以下の7つから紹介していきます。
- Baidu
- YANDEX
- DuckDuckGo
- Ecosia
- CocCoc
- Seznam
- Naver
Baidu
Baidu(バイドゥ)は中国で最も利用されている検索エンジンとなり、トップページのインターフェイスや広告収益の仕組みなどGoogleと似ている点が特徴です。
またBaiduでもGoogleやYahoo! と同様に、以下のような広告を出稿できます。
- リスティング広告
- アドネットワーク広告
- ブランドリンク広告
- インフィード広告
他にもニュースや地図サービスなど、展開しているサービスが多い点も強みといえます。
ただし中国ではインターネットを検閲する「グレートファイアーウォール」というシステムが存在するため、画像や投稿内容によっては規制される可能性があります。
したがって機能面は優秀なものの、検索できる情報量ではGoogleよりも少ない傾向といえます。
YANDEX
YANDEX(ヤンデックス)はロシアを中心に、ウクライナやカザフスタンなどのロシア語圏で活用されている検索エンジンです。
「MatrixNet」と呼ばれるデータに基づき、常に検索順位を改善する技術が特徴となります。
またGoogleが以前活用していた「Page Rank」という仕組みを用いて、YANDEXでは「Citation index」という被リンクの評価指標が加えられています。
そのため検索結果の質の高さから多くのユーザーに利用され、ロシアのインターネット広告市場では全体の8割を占める人気ぶりです。
DuckDuckGo
DuckDuckGo(ダックダックゴー)は、検索ユーザーのプライバシー保護を軸にした検索エンジンです。
他の検索エンジンの場合、PCやスマートフォンなどのCookieを使用することで、ユーザーの行動記録やログイン情報を活用しています。
しかしDuckDuckGoではユーザーの検索履歴や行動記録を保存しないため、ユーザーのプライバシーが流出するようなことがありません。
またユーザー情報を活用したリターゲティング広告なども存在せず、検索エンジン上の広告が少ないという特徴をもちます。
近年ではプライバシー保護が重要視されているため、今後の需要増加に期待がもてる検索エンジンといえます。
Ecosia
Ecosia(エコシア)はドイツで開発され、世界中の植樹プロジェクトを兼ね備えた珍しいタイプの検索エンジンです。
他の検索エンジンと同様に基本的な検索機能は備わっています。ただしEcosiaの検索窓から検索した場合、45回の検索につき1本の割合で植樹をする仕組みです。
また通常の検索エンジンを使用する場合、1回の検索で約0.2gのCO2が排出されています。しかしEcosiaではソーラーエネルギーを導入しているため、1回の検索でCO2を1kg取り除く効果があるなど、さまざまなメリットを得られます。
日常で何気なく行っている「検索」という行動ですが、このようにCO2削減や植樹活動につながる点は、非常に魅力的な特徴といえます。
CocCoc
CocCoc(コックコック)はベトナムで開発された検索エンジンとなり、ベトナム国内のニーズに特化している点が特徴です。
また他の検索エンジンにはない、CocCoc独自の機能が世界中から注目を集めています。
具体的には以下の3つです。
- ダウンロード機能:動画を8分割にしてダウンロードを行える
- 予測変換:アルファベットを入力することで発音記号の補充が行える
- 地図サービス:バイクを活用し最新情報の更新
なかでも地図サービスは、小型カメラを搭載したバイクを活用することで、Googleよりも鮮度の高い情報更新が可能となります。
季節ごとにお店の形態が変化するベトナムだからこそのシステムではありますが、常に最新情報へと更新する流れは検索エンジンにとって欠かせない要素といえます。
Seznam
Seznam(セズナム)は、チェコ共和国の検索エンジンです。チェコ共和国での最初の検索エンジンとしてリリースされて、Googleに次いで国内では2番目のシェアを持っています。独自のランキングアルゴリズムでチェコ共和国内のユーザー向けに使いやすい機能を搭載しています。
国内向けに使いやすくするために、検索エンジンの機能以外にも、日本のYahoo!Japanのように、国内や海外の最新ニュースや、天気予報、星占い、Eメールなどもあります。
Naver(ネイバー)は、大韓民国(韓国)の最大手の検索エンジンです。韓国では、Google検索よりもNaverが1番使われている検索エンジンです。
NAVERはもともとLINEの親会社でもありました。NAVERは2002年に開始した「知識iN(=日本のYahoo!知恵袋のようなサービス)」が大ヒットしました。現在は終了していますが、日本で「NAVERまとめ」というキュレーションサービスを提供していました。
韓国独自の検索エンジンで、韓国ユーザーに最適化されたサービスを展開しています。Yahoo!Japanのようなポータルサイト型の検索エンジンで、検索結果をカテゴリーごとに表示します。
韓国人のためにとにかくローカライズして構築された検索エンジンのためシェアを守るため韓国独自のインターネット規制や韓国語と韓国の文化に非常に特化されています。
まとめ
