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RTB(Real Time Bidding)とは? 仕組みをわかりやすく図解

RTB(Real Time Bidding)とは? 仕組みをわかりやすく図解2024年におけるWEB広告では、RTB(Real Time Bidding / リアルタイムビディング)を用いた広告配信が主流となっています。

 

そんななか、世界中で、プライバシー問題の法的な規制が厳しくなっていて、WEB上のCookie(クッキー)を廃止する動きが目立っています。Google社も例外ではなく、ChromeブラウザにおけるサードパーティCookieを段階的に廃止する旨を発表しています。

 

こうした動きは、WEB広告業界に大きな影響を与えることから話題となっています。そのため、WEBサイトの広告担当者としては、「RTBとはどのような仕組みなのか」、そして、「今後どのように変化するのか」を把握しておく必要があります。

 

SEOコンサルタントそこで今回は、RTBについて解説します。RTBの仕組みを図を用いてわかりやすく解説します。さらに、今後、WEB広告の仕組みがどのように変化していくのかについてもまとめています。

 

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RTBとは

RTB(Real Time Bidding / リアルタイムビディング)とは、リアルタイムでWEB広告の広告枠を売買取引することです。国内では、リアルタイム入札とも呼ばれます。

 

RTBは、WEBメディアで広告が表示(インプレッション)するたびに実施されます。このとき、広告情報と広告枠の情報をもとに、リアルタイムでオークションが実行されて、表示する広告が決定します。

 

RTBのメリット

RTBは、WEB広告を配信する広告主、広告枠を販売するメディアの双方にとって利益のある仕組みとして、WEB広告業界で重宝されています。それぞれの利点を広告主、メディアにわけてご紹介します。

 

広告主の利点:広告枠を希望価格で入札できる

広告主がRTBを利用すると、広告枠を購入する費用として、CPMで希望する広告費用を指定できます。具体的には、DSPでWEB広告の情報を設定する際に、CPMの上限の入札価格と下限の入札価格を決められます。

 

また、リアルタイム入札という性質柄、無闇に広告枠の価格が高騰することもありません。そのため、適切な市場価格で効率的に広告枠を抑えられます。

 

メディアの利点:高単価のWEB広告を掲載できる

メディアがRTBに受ける恩恵は、高単価のWEB広告を掲載できるということです。

 

広告主は、広告枠を確保するために自社広告の上限価格を設定します。そして、RTBではオークション形式の入札が実施されます。そのため、メディアの広告枠には、高単価で価格を設定するWEB広告が配信されやすくなります。

 

RTBでWEB広告が表示されるプロセスのイメージ図

RTBでWEB広告が表示されるまでの流れは、次の図のとおりです。

 

  1. WEBメディアが閲覧される
  2. WEBメディアがSSPに広告リクエストする
  3. SSPがDSPに広告枠の情報を共有する
  4. DSPがSSPにWEB広告の入札情報を共有する
  5. SSP内で高価格のWEB広告を抽出する
  6. WEBメディアに広告が表示される

 

RTBでは、この一連の流れを0.1秒以内で実施します。そのため、WEBメディアに訪問したユーザー視点では、スムーズにメディアを閲覧できます。そして、メディア内で広告を視認することになります。

 

RTBの仕組み

RTBでは、オークション形式で広告主がメディアの広告枠を自動で買い付ける仕組みになっています。

 

具体的には、まず、広告主がメディアの広告枠を確保するために、CPM(Cost Per Mile)と呼ばれる広告単価で入札しておきます。インプレッションが発生すると、この入札が他の広告主の入札とリアルタイムで自動的に競いあい、もっとも高単価で入札した広告主が広告枠を落札します。そして、落札者のWEB広告が表示されます。

 

RTBの仕組みを詳しく理解するうえでは、次のような点を抑える必要があります。

 

  • 広告枠の買い付けにはCPMで入札される
  • アドエクスチェンジがRTBが可能にしている
  • 広告枠はSSPとDSP間で取引される
  • 1インプレッションごとにRTBが実施される

 

広告枠の買い付けにはCPMで入札される

RTBでは、WEB広告の費用をCPM(Cost Per Mile)という単価で入札されます。CPMとは、広告が1000回表示されるごとにかかる広告費用のことです。そして、この表示回数のことをインプレッション(IMP)ともいいます。

 

関連記事:インプレッションとは

 

厳密には、広告主はSSPを利用してCPMの上限、または下限価格を設定します。それをもとに、SSPとDSPが連動してRPBが処理されます。

 

アドエクスチェンジがRTBを可能にしている

アドエクスチェンジと呼ばれる広告配信の仕組みが、RTBを可能としています。アドエクスチェンジとは、メディアやアドネットワークの広告枠を束ねて、配信する広告単価をCPMに統一するというものです。

 

もともと、成果報酬型のWEB広告には、その成果地点をCPC(クリック)CPA(アクション)などさまざまな課金形式で設定できます。この成果地点をCPM(表示)に統一することで、リアルタイムでの入札を可能にしています。

 

広告枠はSSPとDSP間で取引される

2024年現在では、RTBを実施するうえで、SSP(Demand Side Platform)、DSP(Demand Side Platform)と呼ばれる2つの広告配信ツールを利用する手法が主流となっています。

 

この2つのツールは、広告配信するうえで利用されるものなのですが、それぞれ立場によって使い手が異なります。たとえば、SSPは広告主側(広告枠の買い手)に、DSPはメディア側(広告枠の売り手)によって用いられます。

 

SSPはメディア側の指示を受け、DSPと連携して適切な広告をピックアップする

 

上記図のように、SSPとDSPが連動する形でWEB広告の配信を実行します。このとき、赤印の工程で広告主がDSPに登録した価格をもとに、RPBが実施されます。

 

関連記事:SSPとは

 

関連記事:DSPとは

 

1インプレッションごとにRTBが実施される

RTBは、1インプレッションごとに実施されます。これは、わかりやすくいうと、WEBメディアが閲覧されるたびに、広告枠で表示するWEB広告をRTBで決定するということです。

 

訪問ユーザーがWEBページを閲覧すると、RTBの文字どおりリアルタイムで広告枠のオークションが実行されます。そして、もっとも、高単価で入札したWEB広告が表示されます。

 

今後のRTBについて

2024年現在では、WEBサイト利用者のプライバシーの観点から、Cookie(クッキー)廃止の動きが目立っています。このうち、サードバーティーCookieと呼ばれるCookieは、ユーザー属性を特定するうえで、RTBをはじめとするWEB広告配信にも利用されています。そのため、サードバーティーCookieの廃止は、WEB広告業界において大きな影響を与えると予測されています。

 

そこで昨今では、これまでどおり、WEB上における広告ビジネスを続けるために、サードバーティーCookieの代替となる仕組みが模索されています。そして、その代替となるシステムとしては、次のようなものがあります。

 

  • Protected Audience API
  • RTB House

 

Protected Audience API

Protected Audience API

引用:The Privacy Sandbox

 

Google社は、Chromeブラウザにおける、段階的なサードバーティーCookieの廃止を進めています。この工程のプロジェクトは、プライバーシーサンドボックス(The Privacy Sandbox)と呼ばれています。その一環として、サードバーティーCookieの代替となる、Protected Audience APIの開発を進めています。

 

Protected Audience APIでは、ブラウザ内で広告掲載の意思が決定します。そのため、ユーザー情報を割り出すために、外部のサーバーに個人情報が流出することがありません。こうしたことから、ユーザーのプライバシーを保護したうえで、これまでどおりのRTBが実行されます。ただし、本機能はあくまでも、Chromeブラウザ限定のものです。現状では、SafariやFirefoxといった有名なブラウザでは利用できません。

 

RTB House

RTB House

引用:RTB House

 

RTB Houseとは、ポーランドのRTB House社が手がけるリターゲティング広告配信のサービスのことです。従来のWEB広告配信システムとは異なり、独自のディープラーニング(深層学習)と呼ばれる技術を採用することで、Cookieレスでネットワーク型のWEB広告配信を可能としています。

 

もともと、2020年にGoogle社がサードバーティーCookieのサポートを終了する旨を発表しました。そして、本サービスは、Cookieレスの時代に備える目的で、広告主からも支持を受けました。そして、プライバシー問題を解決でき、かつ効果が高いことから急成長を遂げています。

 

RTBのよくある質問

RTBに関する、よくある質問をまとめています。
 

Q:RTBとはどのような意味ですか?

Answer)RTBとは、WEB広告枠をリアルタイムのオークションで売買することを表すWEBマーケティング用語です。

 

Real Time Biddingの略称で、リアルタイムビディングと読みます。日本語では、リアルタイム入札と訳されます。仕組みとしては、まずはWEBメディアが表示された際に、メディアの広告枠に対して、掲載する広告主同士で自動的にリアルタイム入札がおこなわれます。そして、もっとも高単価の広告がメディアの広告枠に掲載されます。

 

Q:RTBとアドエクスチェンジの違いは何ですか?

Answer)RTBとアドエクスチェンジの違いは、概念が異なる点です。

 

前者は、リアルタイムオークションで広告枠を売買取引するというプロセスを指します。対して後者は、アドネットワークを含めた複数の広告枠を束ねて広告配信するシステムのことです。さらに、アドエクスチェンジにて複数の広告枠の単価をIMPで統一していることから、RTBを可能としています。

 

Q:RTBとターゲティング広告の違いは何ですか?

Answer)RTBは、ターゲティング広告を応用した手法です。

 

そもそもターゲティング広告とは、ユーザーの行動履歴をもとに、ターゲットを絞って広告を配信することです。厳密には、Cookie(クッキー)を用いて、ユーザーの情報を収集して、そのターゲットが関心や興味を持つ広告を配信する手法です。RTBでは、この仕組みを利用しています。具体的には、RTBが実行時、ターゲティング条件に合致する広告を呼び出す際に、Cookie(つまり、ユーザー情報)を用いています。

 

Q:RTBとDSP/SSPの関係性は?

Answer)RTBは、リアルタイムで広告枠が売買されるシステムを指します。対して、DSPとSSPは、広告枠を売買するために利用するツールです。そのため、両者では概念が異なります。

 

関連記事:SSPとは

 

関連記事:DSPとは

 

 

まとめ

SEOコンサルタントRTBとは、リアルタイムでWEB広告枠を競売して、広告配信するシステムのことです。RTBは、アドエクスチェンジによって、広告の課金形式をIMPに統一することで実現しました。仕組みを簡単にまとめると、広告枠が表示されるたびに、RTBが実行されて高単価で入札された広告が配信されるといったものです。しかし、昨今では、プライバシーの問題により、WEBのネットワーク広告に大きな変化が訪れる時代に突入しています。WEB広告を扱う担当者の方は、その動向を把握するように努めてください。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

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