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アップセル・クロスセルとは?基本事項や実施するメリットなど解説

アップセル・クロスセルとは?基本事項や実施するメリットなど解説

顧客数を増やすことなく、今すぐ収益を向上させる方法をご存じですか?その方法は、アップセル・クロスセルです。

 

WEB担当者やマーケティングに携わる人なら、一度はこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、実際にアップセル・クロスセルの意味がよく分からなかったり、どう具体的に実践して良いのかイメージか掴めないことも多いと思います。

 

SEOコンサルタントそこでここでは、アップセル・クロスセルの基本概念から、具体的な施策例を紹介しますので、自社でも早速導入して、収益を向上させることができないか検討してください。

 

SEOコンサルティング

アップセル・クロスセルとは

1960-70年代頃からセールスの世界で使われてきた手法としてアップセルやクロスセルがあります。これらは古典的手法とはいえ、現代でも通用する売上向上策です。事実、WEBマーケティングが主流の現代になっても、これらの手法は以前よりも一層注目が集まるようになりました。

 

そこでこの2つの手法について、その定義や基本事項を解説します。

 

参考ページ:Cross-Selling and Upselling – HubSpot

 

アップセルとは

アップセルとは、顧客がある商品を購入する際に、それよりもグレードの高い商品の購入を促すことです。

 

例えば、年会費無料のクレジットカードを契約する際、有料のゴールドカードを契約するよう打診されることがあります。これはアップセルの典型的な例です。

 

それ以外にも、スマートフォンの端末を購入しようとすれば、同じモデルの記憶容量がより大きい端末を勧められるなどのこともアップセルの例です。

 

このように、アップセルとは顧客が元々興味を持っている商品と同種のもので「よりグレードの高いバージョン」を勧め、企業の売上や利益を向上させる手法です。

 

クロスセルとは

クロスセルとは、顧客がある商品やサービスを購入する際に、関連する別の商品やサービスを提案する売上向上策のことです。

 

典型的な例としては、Amazonのレコメンド機能が挙げられます。仮にAmazonでテレビを購入すれば、決済画面などでそのテレビに対応するスタンドやHDMIケーブルなどが提案されます。こういった「Aという商品を購入するなら、Bという商品も必要ですよ」と顧客のニーズを上手く捉えて提案し、売上額の向上を図ります。

 

クロスセルでは顧客が購入する商品と関連するものや組み合わせて使えるものなどの購入を促し、結果として1回あたりの取引額を向上させます。

 

アップセル・クロスセルが注目される背景

アップセル・クロスセルが注目される背景には、以下のような要因があります。

 

WEBマーケティングの発展

WEBマーケティングやデータベースの発展がアップセルやクロスセルを後押ししています。顧客の行動データや購入履歴などをベースに、顧客の興味や趣向に合わせた個別の販促が可能になりました。

 

また、アップセルやクロスセルを自動化させることによって、企業は効率的に売上額を拡大させることに成功しています。

 

新規顧客の獲得コストが高い

新規顧客の獲得に必要な広告費は年々上昇を続けています。しかも、仮に新規客を獲得したとしても、その後、一定期間の時間をかけて育成(ナーチャリング)する手間や労力もかかります。

 

一方、一度購入を決断した顧客に追加商品を購入してもらうことは、労力や費用面でほとんどコストがかかりません。

 

つまり、アップセルやクロスセルによる販促は、企業にとって非常に効果の高い売上拡大の機会なのです。

 

アップセル・クロスセルのメリット

アップセルとクロスセルは、取引額の向上に役立ちます。

 

例えば、毎月新規顧客が10人獲得できたとします。そして、1回の販売額がここでは平均1万円と仮定します。すると6ヶ月で企業の収益は60万円に達します。

 

 

  1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 合計
顧客数 10人 10人 10人 10人 10人 10 60人
収益 10万円 10万円 10万円 10万円 10万円 10万円 60万円

 

 

次は、これにアップセル・クロスセルを追加したシュミレーションをみてください。例えば、毎月30%の顧客が3万円の取引額に向上したとします。すると、次のように収益が変化します。

 

 

 

  1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 合計
顧客数 10人 10人 10人 10人 10人 10人 50人
収益 16万円 16万円 16万円 16万円 16万円 16万円 96万円

 

 

アップセル・クロスセルを導入後、わずか6ヶ月で収益が1.6倍に増加していることが分かって頂けると思います。このように、アップセル・クロスセルを導入することで、顧客数を増やすことなく収益を大幅に向上させることができるのです。

 

現在の新規顧客数のまま収益を向上させることができるため、企業にとってはリスクや負担なく、利益額増を実現できるのです。これが、アップセル・クロスセルのメリットです。

 

アップセル・クロスセルの施策例

アップセル・クロスセルを活用した販促例を紹介します。アップセル・クロスセルを活用したマーケティング施策を考える際の参考にしてください。

 

アップグレード版の提案

ある商品やサービスを購入する顧客に対し、アップグレード版を提案します。例えば、パソコンの購入をしている顧客に対して、数万円の増額をするだけでハイスペックなバージョンを購入できることを告知するなどのことです。

 

同じ商品のアップグレード版を提案することで、顧客はより多くの利便性や価値をえることができ、企業の売上も向上します。このアップグレード版の提案は、もっともよく見られる施策の1つです。

 

量の追加を提案する

同じ商品やサービスをより多く購入することで、単価を上げることができます。例えば、飲食店で「ご飯を大盛りにするのなら+150円」などのような施策です。

 

量のアップセルを提案することで、顧客はリーズナブルな料金で増量できるため、顧客満足度が向上しやすいのが特徴のです。

 

サブスクリプションの提案

ある商品を購入した顧客に定期購入(サブスクリプション)を提案することができます。例としては、雑誌を購入した顧客に対して定期購読をすすめるなどが挙げられます

 

あるいは、動画編集アプリを購入した顧客に対して、動画用テンプレートの定期購入をすすめるなどのことも該当します。

 

顧客と定期購入の契約を結べるなら、企業としては収益が安定するため非常に魅力的な施策です。

 

一緒に使われる商品・サービスを組み合わせる

クロスセルの基本的な戦略ですが、顧客が購入する商品やサービスをさらに利用しやすくするためのものを提案します。

 

例えば、テレビを購入した顧客にテレビ台やスピーカー、液晶保護シートなどの購入を促すことができます。

 

特定の商品に付随するものをセットで購入してもらえれば、1回あたりの購入額が増えるメリットに加え、顧客にとっても利便性の高い形で商品を使用できるため、満足度の向上につながります。

 

保証期間延長の提案

ある程度高額な商品を販売しているときには、保証期間をつけるのが一般的です。例えば、電化製品だと1-3年程度の保証期間がついています。この保証期間をいくらかの金額を上乗せすることで5年保証に切り替えられるようにします。

 

このように、保証期間の延長を有料でつけることは、クロスセルの施策の1つです。

 

アップセル・クロスセルをおこなう際の注意点

アップセル・クロスセルは顧客の収益性をあげるために有効な手段ですが、注意すべき点があります。

 

  • 顧客にとって本当に必要な商品を提案すること
  • 過去の履歴を活用する
  • テストをする
  • 無関係な商品は販売しない

 

それぞれの内容について詳しく解説します。

 

顧客にとって本当に必要な商品を提案する

アップセル・クロスセルは売上向上に役立つ手法ですが、顧客のニーズに応えるものを提案する必要があります。言い換えれば、顧客のニーズを満たさない商品やサービスをすすめることは、信頼を損ねる可能性が高いです。顧客のニーズを十分に聞き取り、顧客に役立つ見込みが高い商品の提案をおこなうことが大切です。

 

過去の履歴を活用する

とりわけオンラインでアップセル・クロスセルを実施する場合、顧客の購入履歴を活かすようにしてください。顧客の興味・関心にもとづいた提案をすることで、アップセル・クロスセルのコンバージョンを向上させやすいです。自社に過去の購入履歴が残っている場合、それを整理することから始めてください。

 

テストをする

アップセル・クロスセルを実施する際には、繰り返しテストをおこなってください。何が最適な提案なのかは、最終的にテストをして確かめる以外方法がないからです。

 

例えば「こんな高額な商品をアップセル・クロスセルしても、売れるわけがない」のように考えていても、実際に販売してみると意外にコンバージョンが高いということも起こりえるからです。

 

クロスセル・アップセルの基本セオリーは守りつつも、テストを繰り返し最適な提案をみつけてください。

 

無関係な商品は販売しない

アップセル・クロスセルでは、顧客が購入する商品と同じ種類、あるいは関連したものを販売するのが基本です。まったく無関係なものをアップセル・クロスセルしても成約に結びつく可能性は低いです。

 

例えば、パソコンを購入しようとしている顧客に、クロスセルとしてプリンターをおすすめすることは適切です。しかし、ペット用品を購入してもらえる見込みは低いです。

 

このように、購入しようとしている商品と同種のもの、あるいは類似したものを提案するようにしてください。どんなに良い商品であっても、無関係なものだと購入してもらえる可能性は低いです。

 

アップセル・クロスセルについてよくある質問(Q&A)

アップセル・クロスセルの内容でよくある質問について解説します。
 

Q:オンラインでも実践可能ですか?

Answer)もちろんです。むしろ、オンラインの方が実行が簡単です。例えば、決済完了画面でアップセルやクロスセルを仕掛ける方法などは一般的です。

決済画面でセールスできるように準備すれば良いだけですので、一度設定すれば、あとは自動でアップセル・クロスセルを展開できます。オンラインで実施する場合は、Amazonの販売サイトは大いに参考になるはずです。

 

Q:メリットとしてどのようなことがありますか?

Answer)アップセルやクロスセルのメリットは、次のとおりです。

 

  • LTVの向上
  • 営業効率の向上
  • 顧客満足度の向上

 

アップセルやクロスセルは1回の取引金額を向上させますので、LTV向上に直結します。また、オンラインの場合は、一度仕組みを作れば、自動でアップセル・クロスセルを展開できますので、営業効率もあがります。

 

また、提案する商品やサービスの内容が適切であれば、顧客からも新たな商品の提案を歓迎してもらえます。

 

Q:クロスセルをおこなうための準備とは?

Answer)クロスセルのために、顧客の購入履歴の把握や顧客情報の分析などをおこなうことが重要です。また、提案する商品やサービスに関する情報を熟知しておくことは大前提です。準備をしておくことにより、顧客のニーズに沿った関連性の高い商品を提案できます。

 

Q:アップセル・クロスセルはどのような業種でおこなえる?

Answer)アップセル・クロスセルはどのような業種でもおこなえます。むしろ、実施できない業種の方が少ないといえます。特に、オンラインで商品を販売している場合は、アップセル・クロスセルを入れることで、収益構造が大幅に改善されることも多いので、ぜひ自社でも実践してみることをおすすめします。どうしても、アップセル・クロスセルで販売する商品が見つからない場合は、同じ商品をもう1つ購入するよう促してもかまいません。

 

Q:ダウンセルとは

Answer)類似した言葉にダウンセルがあります。ダウンセルは、顧客が過去に購入した商品やサービスよりも低価格な商品を提案することです。顧客が購入を躊躇しているときなどに役立ちます。

 

例えば、スマートフォンの購入を迷っている顧客に、価格を抑えた別機種のスマートフォンを提案することなどです。このように金額面で顧客を取り逃している可能性がある場合、ダウンセルを実践するのが効果的です。

 

 

まとめ

SEOコンサルタントアップセル・クロスセルは、1回の取引額を向上させ、顧客との長期的な関係を築くのにも非常に有効な手法です。Q&Aで解説したとおり、業種を問わずアップセル・クロスセルを活用することができます。また、どうしてもアップセルやクロスセルで販売できる商品が見つからない場合は、保証期間延長・メンテナンス・同じ商品を追加購入してもらうなどのことが考えられます。場合によっては他社の商品をアップセル・クロスセルで代理販売し、マージンを受け取るという形も可能です。アップセル・クロスセルには、さまざまな可能性があるため今回の記事を参考に早速、自社で検討してください。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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