Googleアナリティクスとは?導入手順・使い方・用語の意味まで
Google Analytics(以下、Googleアナリティクス)はGoogleが提供する無料ツールですが、非常に高機能な必須ツールです。サイトを作ったらGoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの両方の設置は絶対に行いましょう。
- 自分のサイトへのアクセスはどのくらいなのか?
- よく見られるコンテンツはどのようなものなのか?
- どんな経路で流入があるのか?
Googleアナリティクスを使うことで上記のようなユーザー行動を確認することができます。

Googleアナリティクス
Googleアナリティクスとは?
Googleアナリティクス(Google Analytics)は名前の通り、Googleが提供している解析ツールです。業界ではGA(ジーエー)と略すことも多く、サイトを立ち上げたら最初にGoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールは導入すべきでしょう。Googleアナリティクスは基本無料で利用可能ではあるものの、非常に高機能で上場企業3711社中3477社が利用しているというデータ(DataSign Report 上場企業調査 2021.4 )があり、導入率93.69%を考えるといかに普及しているかがわかります。
利用は無料
GoogleアナリティクスはGoogleが無償で提供しているツールです。利用は無料で非常に豊富な機能を持っていますのでサイト運営するにあたって最初に導入すべきツールといえます。
分析の敷居は高い
Googleアナリティクスの機能は非常に豊富なため、初めて使った人が使いこなせるツールではありません。詳しい分析をするためにはデータ集計用に設定を作り変えたり、カスタムレポートを使って作業の簡略化を行うなどの必要があります。
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)という資格(試験は無料です)があるくらいですのでしっかりとした分析をするためには敷居が高いツールといえます。しかし、表面的なデータであっても参考になる数値は多く、後々分析するためにも導入しておく必要があることは間違いありません。
Googleアナリティクスを使った分析方法についてはSEOを学びたいときに読むべき5冊の本【上級WEB解析士厳選】 で紹介した書籍がお勧めです。
以前はGoogleアナリティクスでもサイトへの流入クエリ(実際に入力されたキーワード)を確認することができましたが、現在ではほとんどできなくなっています。これはSSL化によりセキュリティが強化されたことに起因しています。
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの違い
サイトへの流入クエリを確認するにはGoogle Search Console(Googleサーチコンソール)を使う必要があります。Googleアナリティクスだけではわかりません。
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールはどちらもGoogleが提供する無償ツールではありますが、用途が大きく異なります。そのため、サイトを立ち上げた際には両方のツールを導入することを強くおすすめいたします。大きく分けるとサイトに流入するまでがGoogleサーチコンソール、流入後の動きはGoogleアナリティクスとなります。
Googleアナリティクスの導入方法
Googleアナリティクスの設置は慣れれば5分程度で終わるとても簡単なものです。Googleアカウントさえ持っていれば、以下の2つのステップで終わります。
- Googleアナリティクスのアカウントを作る
- トラッキングIDを設置する
Googleアナリティクスアカウントの作成
まずはGoogleアカウントにログインし、Googleアナリティクスのページ に行き「測定を開始」をクリック。

アカウントの設定
アカウント名(必須)を入力して「次へ」。上図では「東京SEOメーカー」と入力しています(後で変更することも可能です)。
プロパティの設定
プロパティ名を入力する画面に変わりますので以下のように入力し、その下にある「ユニバーサルアナリティクス プロパティの設定」の右側をチェック。
プロパティ名 | サイト名(例:東京SEOメーカー) |
レポートのタイムゾーン | 日本 |
通貨 | 日本円(JPY ¥) |
詳細は省きますが、ユニバーサルアナリティクス(Universal Analytics、GA4の1つ前のGAでUAと略す。)とは一般的に呼ばれるGoogleアナリティクスのことです。2021年5月時点でもっとも普及しているバージョンですので、今回はこちらの設定を施します。
ユニバーサルアナリティクス プロパティの作成
上図のように「ウェブサイトのURL」を入力し、「ユニバーサルアナリティクスのプロパティのみを作成する」をチェックして「次へ」。

ビジネスの概要
業種、ビジネスの規模、利用目的を聞かれますので、もっとも近いものを選択して「作成」
Googleアナリティクス利用規約の確認
Googleアナリティクスの利用規約が出てきますが、最初はアメリカ合衆国が選択され英語で書かれています。「日本」を選択すると日本語に変わりますので内容を確認し「同意する」をクリック。
自分のメール配信
アカウントの作成は終了しましたが、最後に「自分のメール配信」という画面が出てきます。必要に応じてチェックを入れて保存を押してください。
トラッキングIDの設置
Googleアナリティクスアカウントの作成が終わるとトラッキングIDの画面に遷移します。ここに表示されているグローバルサイトタグ(gtag.js)をコピーして計測したいサイトのすべてのページに貼り付けてください(上図ではトラッキングIDはマスクしています)。

「<HEAD>タグ内の最初の要素として張り付けてください。」とありますが、実際には<HEAD>タグ内であれば動作するはずです。
計測したいすべてのページにコードを貼り付けるのは大変ですが、WordPress(ワードプレス)などのツールを使っている場合にはコードではなく、トラッキングIDを設定するだけで設置が終わる場合もあります。
Googleアナリティクスの使い方
Googleアナリティクスは非常に機能が多く、詳しい分析をするには専門的な知識が必要です。しかし、WEB担当者であれば最低限の使い方くらいは押さえておくべきです。
ホーム画面では全体の概要(サマリ)を見ることができます。
1週間のユーザー数、セッション数、直帰率、滞在時間、リアルタイムの訪問者数、アクティブユーザー数、訪問する時間帯、使われたデバイス、訪問されたページなど全体的な数字が網羅されています。
更に詳しい情報が欲しい場合には左メニューから情報を取りに行きましょう。
リアルタイム
「リアルタイム」では開いた時点で何人のユーザーが訪問してきていて、どのページを見ているかをリアルタイムで計測することができる画面です。
広告やSNS投降後の動作を見るのに使えますが、Googleアナリティクスを設置した直後やフォームなどの動作確認の際に使われることもあります。
ユーザー
「ユーザー」では概要でユーザー数、セッション数やユーザー属性、地域、デバイス情報などユーザーに紐づいた情報を確認することができます。
頻繁に使う画面ではありませんが、ユーザーはパソコンで見ているのかモバイルで見ているのか、画面サイズはどのくらいなのかを確認することでUI/UXの改善に役立てたり、どのような分野に興味を持っているのか、どこの地域からよく見られているのかなどを確認することでユーザー理解を促進させることができます。
集客
「集客」ではユーザーがどのようにしてサイトに流入してきたのかがわかります。
多くの場合ではGoogleやYahooなどの検索エンジンから流入しますが、ブックマークからの流入、広告からの流入、SNSからの流入など経路はさまざまです。
「集客」では次のような用語が使われます。
Organic Search | GoogleやYahooなどの検索エンジンからの流入 |
Paid Search | リスティング広告による流入 |
Direct | URLの直接入力やブックマークからの流入 |
Referral | 他サイトからのリンクをたどった流入 |
Social | TwitterやFacebookなどSNS経由の流入 |
Display | ディスプレイ広告による流入 |
Other | 上記以外の流入 |
特にReferral(リファラル)は被リンクを受けているサイトを見ることができますので定期的に見ることをお勧めします。
行動
「行動」ではユーザーがサイト内のどのページを閲覧したか、どのページを最初に見たか、どのように画面遷移したかなどを確認することができます。
どのページが注目されていて、滞在時間がどのくらいか、離脱率はどのくらいかなどを見ることができますので注意深く分析をしていくことでサイト改善につなげることができます。
コンバージョン
コンバージョンとは、サイトの目標を達成した数のことです。あらゆるサイトには目的があります。サイトにより問い合わせ数、登録者数、購入件数などさまざまです。
設定が必要ではありますが、ぜひ設定して自社のコンバージョン数の推移を確認してみてください。
Googleアナリティクスとサーチコンソールを連携する方法
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの両方を使っている場合、GoogleアナリティクスからGoogleサーチコンソールの一部の情報を見ることができます。
設定は非常に簡単で、次の3つのステップでできます。
- プロパティ設定から「Search Consoleを調整」をクリック
- Search Console の設定で「追加」をクリック
- Search Consoleプロパティを選択
プロパティ設定から「Search Consoleを調整」をクリック
左下の管理(歯車のアイコン)からプロパティ→プロパティ設定→Search Consoleを調整をクリックしてください。
Search Console の設定で「追加」をクリック

Search Consoleの設定に遷移するので「追加」をクリック。
Search Consoleプロパティを選択
Search Consoleに移動するので登録されているプロパティを選択。これだけで連携は完了です。
有料版Googleアナリティクスと最新版Googleアナリティクス
冒頭で2020年10月にGoogle Analytics 4が正式にリリースしたことを述べていますが、ここではGoogle Analytics 4よりも1つ前のバージョンについて解説しています。さらには有料版のGoogleアナリティクスもあります。
ここでは複数あるGoogleアナリティクスについてご紹介いたします。
Universal Analytics(UA)
Universal Analytics(ユニバーサルアナリティクス)はGA4の1つ前のものです。本来はGoogle AnalyticsからUniversal Analyticsに名称変更をしているのですが慣習的にGoogle Analyticsの名称が引き継がれています。
将来的には後述するGoogle Analytics 4がスタンダードになるはずですが、2021年5月時点ではGoogle AnalyticsといえばUniversal analyticsのことを意味しています。
Google Analytics 4(GA4)
2020年10月に正式にリリースした最新版のGoogle Analyticsです。
非常に新しい解析ツールで機能も豊富ですが、使い勝手が従来のGAから大きく変わったこと、解説サイトが少ないこと、GAの普及率が非常に高いことからリリースから半年以上経っても利用者はそこまで多くありません。
初期設定の際にGA4にしてしまうとGAに戻せない、使っているGAと連携できるツールがGA4に対応していないなどの問題も普及率が高まらない原因かもしれません。しかし、GAの後継として今までできなかったことができるようになっているため将来的には普及は進むはずです。
Google Analytics360(GA360)
Google Analytics360はいわゆる有料版のGAです。
実は無料版のGAには機能制限があるのですが、月間1000万アクセスという非常に高いものです。普通の規模のサイトではここまでのアクセス数を稼ぐことは難しく、無料版でも十分に対応できます。
大規模のサイトを管理する場合、本当に詳細まで分析したい場合にはGA360を導入するのもよいですが、月間100万円以上のコストがかかります。
押さえておきたいGoogleアナリティクス用語
Googleアナリティクスではさまざまな用語が出てきますが、特有の用語も多く、意味を誤解してしまうと正しい分析に支障が出ます。
最低限、次の用語の意味は押させておいてください。
ユーザー数
Googleアナリティクスでのユーザー数はユニークユーザー数、アクティブユーザー数と同義です。
ただし、ユーザー数と実際の人の数が一致するとは限りません。1人がパソコンとスマホで閲覧することもあれば、2台のパソコンで閲覧することもあり得ます。この場合にはどちらも2ユーザーとカウントします。反対にパソコンを共有している場合には何人で閲覧しても1ユーザーとカウントされます。
セッション
セッションとはユーザーが訪問した数のことを意味します。一人が時間を置いて2回と訪問することもありますので、この場合には1ユーザー、2セッションとなります。サイト内を回遊し続けた場合には何ページ見ても1セッションとカウントします。
ただし、セッションは次の時にカウントしなおすことになります。
- 30分以上何も操作をしなかった場合
- (回遊中であっても)日付が変わった場合
そのため、ユーザー数とセッションを比較すると必ずセッションの方が多くなります。
ページビュー(PV)
閲覧されたページ数のことをページビュー(PV)といいます。
1日の間に一人が訪問して2ページ閲覧し、時間をおいて再訪問してページを見た場合には1ユーザー、2セッション、3PVとなります。
ランディングページ
ユーザーが最初に閲覧したページのことをランディングページといいます。
多くの場合には検索から流入したページになりますが、広告のリンク先になっているページやリンクを受けているページ、ブックマークしているページなども対象になります。
直帰率と離脱率
非常に似た言葉ですので誤解されやすいのが直帰率と離脱率です。
直帰率は、アクセスしたページを見て他のページを見ずに離脱した割合のことです。1ページしか見ていないので回遊しなかった割合ともいえます。
離脱率はセッションにおける最後の閲覧ページになった割合のことを意味します。どのようなユーザーでも必ず離脱はします。しかし、直帰をするとは限りません。

例えばA、B、Cという3つのページがあったとします。上図のように100人が流入してページAで50人が離脱、ページBで30人が離脱、ページCで20人が離脱した場合の直帰率と離脱率は次のようになります。
直帰率 | 離脱率 | |
ページA | 50% | 50% |
ページB | 0% | 60% |
ページC | 0% | 100% |
ページAは50人は回遊せずに離脱しているので直帰率は50%です(この場合は離脱率も50%)。ページBは50人流入がありますが、この50人は直帰していないのでページBの直帰率は0%、対して30人は離脱しているので30人/50人で60%が離脱率です。ページCは全員が離脱しているので離脱率100%となります。
実際にはページBとページCもランディングページ(最初に訪問したページ)になることがありますので、直帰率が0%になることは少ないですが、直帰率と離脱率をわかりやすく説明するための例だとお考えください。
