Googleアナリティクスの設定方法とは?使い方やしておくべき設定を徹底解説
GoogleアナリティクスはGoogleが提供しているアクセス解析ツールです。メディア運営にとって必要な様々な機能が備わっている反面、うまく使いこなせずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

Googleアナリティクスでは2つのバージョンが利用可能
Googleアナリティクスには、ふたつのバージョンがあります。従来版の「ユニバーサルアナリティクス(UA)」と、最新版の「Googleアナリティクス4プロパティ(GA4)」です。
GA4ではUAと比べてWebサイトだけでなくアプリにも対応できるようになりました。たとえば、今までのUAは計測は全て「セッション」に変換されていましたが、GA4では「イベント」として集計されることも大きく変わった点のひとつです。
とはいえ、GA4はまだリリースされたばかりで情報がまだ少ないため、UAとGA4の両方を併用すべきでしょう。
関連記事: Googleアナリティクスとは?導入手順・使い方・用語の意味まで
Googleアナリティクスの設定の仕方

一見難しそうな設定でも手順は意外とシンプルなので、ひとつひとつの工程をしっかりと行えば初心者の方でも簡単に導入することができます。
それでは、設定手順5つをそれぞれ詳しく解説していきます。
Googleアカウントの作成

Googleアナリティクスを使うためにはGoogleアカウントが必要になるため、持っていない場合はまずアカウントの作成を行いましょう。
Googleのアカウント作成ページに移動して名前、メールアドレス、パスワードの設定など必要な情報を入力していき、最後に規約を読んで同意をすれば登録完了です。
また、Googleのアカウントを持っておけば、Gmailやカレンダーといった他の様々なサービスを使うことができるのでビジネスにも役立ちます。
Googleアナリティクスの登録

アカウントが作成できたら、アナリティクスのトップページに移動し登録を始めます。
最初にアカウント名を入力しますが、Googleでは複数のアカウントを持つことできるので分かりやすいアカウント名にしておきましょう。データ共有設定の項目は4つ全てにチェックを入れておきます。
次にプロパティの設定です。初期設定ではタイムゾーンがアメリカになっているので日本に変更します。通貨を円に設定した後、「詳細オプション表示」で「ユニバーサルアナリティクスプロパティの作成」をオンにします。これでUAとGA4を併用できます。
サイト情報の登録

次に解析するサイトのURLを入力します。現在はUAとGA4の両方を使用することが推奨されているので、「Googleアナリティクス4とユニバーサルのプロパティ両方を作成する」にチェックが入っていることを確認してください。
また、「Googleアナリティクス4のプロパティの拡張計測機能を有効にする」にもチェックを入れておきましょう。
最後に利用規約を読んで、設定を「日本」に変更して同意をすれば登録は完了です。
サイトにGoogleアナリティクスのトラッキングコードを設置

Web上のデータを計測する専用の計測コードをトラッキングコードといいます。
この設定を行うことでユーザーはどこからきたのか、どのくらいサイトに滞在しているのかなどが分かるようになります。細かいアクセス解析が可能なため、メディアを運営していくのに必ず必要になってきます。
手順としては、コードをサイトのHTMLの編集画面の<head>タグ内に貼り付けるという流れです。
動作確認
コードを設置したら、データの取得ができているかの動作確認をします。まずは自分のサイトに一度アクセスした後に「リアルタイム」を見てみましょう。

数字が1と表示されていればサイトへのアクセスがカウントされているため、データ取得が正常に行われているということです。
もし数字がゼロの場合は、一度ページの更新をしてみましょう。それでも反映されない場合はもう一度やり直す必要があります。
Googleアナリティクスのトラッキングコード設置方法
先述したように、メディア運営ではトラッキングコードは非常に大切です。せっかくメディアを立ち上げてもコードを設置していなければ、ユーザーの細かい動向を分析することができません。
今回はWordPressを例に、トラッキングコードの設置のやり方を詳しく解説していきたいと思います。
なお、UAとGA4の両方を使う場合はどちらも設置することになります。手順はほぼ同じなので、併用して使用するようにしましょう。
WordPressに設置する場合
まず管理画面からデータストリームへ移動します。
コードを設置するwebサイトを選択すると下に「グローバルサイトタグ」という欄があり、そこをクリックするとコードが表示されます。

UAと併用する場合は、次に「UA-」から始まるプロパティに移動し、コード内にあるこの赤枠の部分だけをコピーしてGA4のコードに追加します。

WordPressのテーマエディターのヘッダーphpにある<head>タグ内にコードを貼り付けたら設置完了です。
Googleアナリティクスの基本的な確認項目と使い方
Googleアナリティクスをうまく活用することで、サイト運営に必要なあらゆるデータを解析することができ、サイトの改善やマーケティングにも役立てることができます。
そのためには、サイトを運営していく上で確認しておくべき項目をしっかりと把握しておく必要があります。
アクセス数
どれだけサイトにアクセスがあったかを意味します。ただ、アクセス数にはいくつか種類があります。
まず、サイトを訪問したユーザーの数を知りたい場合は「ユーザー数」を見ます。これはあくまで人数を表しているため、同じ人がサイト内で複数のページを閲覧してもユーザー数は「1」となります。
「セッション数」はサイトにアクセスされた回数です。30分以上間隔があれば、たとえ同じユーザーでも1日に3回アクセスするとセッション数は「3」とカウントされます。
サイト内でユーザーがどういったページを多く見ているのかを知ることができるのが「ページビュー数」です。サイト上でよく読まれるコンテンツや、ユーザーがどのくらいそのページに滞在しているかも把握できるので必ず確認しましょう。
ユーザー属性
メディアを運営してる以上、どういった人たちに見てもらいたいかというターゲット像があるはずです。「ユーザー」→「ユーザー属性」をクリックすると、サイトを訪れているユーザーの年代や性別の割合を確認できます。
これはサイトがどういった世代や性別の人によく見られているかが分かるだけでなく、ターゲットとするユーザーが実際にどれだけ訪問しているか、新規ユーザーが多いのかリピーターが多いのか、といった項目もチェックできるのでサイトの改善やコンテンツを考える上でも非常に大切です。
また、パソコン、スマートフォン、タブレットなどどのデバイスからアクセスが多いのかも分かります。同じwebサイトでもデバイスが違えばサイトの見え方も雰囲気も変わってくるため、それぞれのデバイスに合うサイト作りをし続けるための良いヒントになるでしょう。
流入経路
ユーザーの下にある「集客」で、ユーザーがどうやってサイトに辿り着いたのかを知ることができます。Organicは自然検索のことで、Yahoo!やGoogleなどから検索をしているということです。
このOrganicの数値が高いということは、キーワードを検索したときにサイトが上位表示されているということなので、SEO対策がうまく機能していることを意味します。
SocialはSNSを通しての流入を意味し、具体的にどのSNSからのアクセスが多いのかも確認することができます。SNS運用に力を入れている場合はこの数値が重要になってきます。
他にもReferral(他のサイトに載っていたURLから)やPaid Research(リスティング広告)、Direct(直接流入)など色々あります。意外なところからの流入が多かったり新しい発見もあるのでぜひチェックしましょう。
サイト内行動
どのページの閲覧数が多いのか、どのくらいの時間そのページに滞在しているのかなどを見ることでユーザーがどういった行動をしているのかを確認できます。
ユーザーがアクセスしたとしても、滞在時間が短かったり記事を最後まで読まなかったり、他のページに移動せずに離れていってしまう場合もあります。
直帰率は最初にアクセスしたページしか見ずにサイトを離れた割合のことです。アクセス数=全て読まれているということではないので、アクセス数は多いのに滞在時間が短かったり直帰率が高いということもあるでしょう。
直帰率が高いということは必ずしも悪いことではありませんが、ユーザーが求めている情報をきちんと届けられているか、他のページにも興味を持ってもらえるようなサイト作りができているかを見直すためにもユーザーの行動は大切な指標のひとつです。
コンバージョン成果
コンバージョンとは、ユーザーがサイトを訪れた際に運営側が目標とするアクションを起こした成果を意味します。
サイトを運営する以上「自社のサイトを通じて商品を買ってもらいたい」「お問い合わせや申し込みを増やす」といった何らかの目標があるはずです。よってサイトを運営するにはコンバージョンを明確にしておくことが必要です。
ユーザーのサイト内での行動を確認して、どのページからのコンバージョン率が高いのかなどといった分析を細かくすることでコンバージョンへの導線が見えてきます。
アクセス数やセッション数が多いからといって、必ずしもコンバージョン率が高いわけではありません。コンバージョンの成果が出るには時間がかかるかもしれませんが、キーワードを見直したりユーザーのニーズを探ったり試行錯誤することでコンバージョン率のアップに繋がるでしょう。
Googleアナリティクス導入時しておくべき設定
Googleアナリティクスを使うにあたって確認するべき項目や便利な機能はたくさんありますが、データを正しく解析するために大切なのが初期設定です。
初期設定を怠ってしまうと、正しい数値が計測されなくなってしまいます。そのためにも導入した際にやっておくべき設定がいくつかあります。
Googleサーチコンソールとの連携
Googleサーチコンソールはサイトに問題がないか、Googleからサイトがどのように見られているのかが分かるツールです。ユーザーがサイトにアクセスする前のデータも見ることができるのでGoogleアナリティクスと合わせて使うことがおすすめです。
連携は「集客」→Search Console→「Search Consoleを調整」→「追加」をクリックするとSearch Consoleの設定画面に移動します。

プロパティを保存して、Search Consoleのレポートが一緒に表示されていれば連携が取れています。
関連記事: Google Search Console(グーグルサーチコンソール)とは?導入方法と使い方
IPアドレスの除外設定
IPアドレスは、インターネット上の「住所」のようなものを表す言葉です。IPアドレスの除外をしないまま使っていると、自分や関係者がサイトにアクセスしたときもカウントされてしまいます。
管理画面のフィルタから「ファイルを追加」をクリックし、カスタムを選択します。フィルタフィールドをIPアドレスにしてIPアドレスを入力したら操作は完了です。

一旦サイトにアクセスして、リアルタイムの画面でアクセス数がカウントされていないことが確認できれば除外できているということです。
関連記事: IPアドレス分散とは?SEOに効果のある被リンクは本当か?
Google広告との連携
Google広告とGoogleアナリティクスを連携させて使用することで、Google広告の効果をさらにあげることにも繋がります。
広告を出すだけではなく、広告をクリックして流入してきたユーザーがどのくらいサイトに滞在しているのか、直帰率やコンバージョン率も分かるようになります。
管理画面上にある「グーグル広告とのリンク」から連携をすることができます。

「続行」をクリックしてリンクグループのタイトルのところにGoogle広告のリンクを入力すれば連携は完了です。また、Google広告のアカウントから連携することもできます。
アナリティクスの共有設定
サイトを複数人で運営している場合は、共有機能を設定しておくことをおすすめします。共有設定をすることで、自分だけでなく他のメンバーもそれぞれのGoogleアカウントを使ってデータを見ることができるからです。
なお、共有する範囲はアカウント、プロパティ、ビューの3つがあり、権限も管理や編集者、アナリストといったように種類があります。
どこまで共有してどの権限を与えるのか、目的に合わせて共有設定を行いましょう。共有するユーザーを追加したいときは管理画面のアクセス管理から追加することができます。

