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トランスメディア・ストーリーテリングとは?その基本と実施する上でのポイントや注意点を解説

トランスメディア・ストーリーテリングとは?その基本と実施する上でのポイントや注意点を解説顧客のエンゲージメントを高め、ブランド向上にも役立つ方法の1つはストリーテリングです。そして、このストーリーテリングを複数のメディアを活用し、情報発信するのがトランスメディアストリーテリングです。

 

SEOコンサルタント今回は、このトランスメディアストリーテリングについての基本を詳しく解説し、実施する上での注意点などを解説します。

 

目次

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トランスメデイア・ストーリーテリングとは?

トランスメデイア・ストーリーテリングとは、TV・本・ラジオ・WEBサイト・動画など、複数のメディアを活用してストーリーを断片的に伝える手法のことです。例えば、TVでストーリーの一部分を伝え、後日、動画で別のパートを伝えるといった方法を用います。このようなアプローチをとることで、ユーザーのエンゲージメントが向上するなどの効果があります。

 

クロスメディアとの違いは?

トランスメディアとよく似た概念にクロスメディアがあります。クロスメディアの場合は、1つのストーリーを複数の媒体で提供していきます。例えば、TV、動画、WEBサイトで1つの同一ストーリーを伝えていきます。

 

一方、トランスメデイアとは、複数のメディアで異なったストーリーを伝え、それが最後につながってくるという情報の提供方法です。

 

トランスメディア・ストーリーテリングを活用するメリット

トランスメデイア・ストーリーテリングを自社のマーケティングに活用するメリットとしてどのようなことが挙げられるでしょうか。ここでは3つポイントがあります。

 

  • エンゲージメントの向上
  • ブランド向上
  • リーチ拡大

 

1つずつ解説します。

 

エンゲージメントの向上

各メディアで断片的にストーリーを伝えることで、ユーザーは主体的にそのストーリーに関わろうとしてくれます。逆に1つのメディアですべてのストーリーを伝えてしまったら、情報過多になるため、理解が難しくなりユーザーが受け身になってしまうなどのリスクがあります。

 

しかし、各メディアで断片的なストーリーのみを伝えることになれば、ユーザーは断片的に得られた情報を自分が主体となってつなぎ合わせようとします。このように、トランスメデイア・ストーリーテリングには、ユーザーのエンゲージメントを高める効果があります。

 

ブランド向上

トランスメデイア・ストーリーテリングでは、複数のメディアを活用します。そのため、自社のブランド向上・認知向上につながります。単一のメデイアだけで情報が発信される場合と比較して、自社に対しての信頼度が向上します。また、トランスメデイア・ストーリーテリングでは、ストーリーを伝えるため、顧客と感情的な結びつきも強くなります。

 

リーチ拡大

トランスメデイア・ストーリーテリングでは、複数のメディアを使用するため、これまでリーチできなかったユーザーに認知してもらえます。例えば、これまでオンラインのみの情報発信をしていたのであれば、それをオフラインも含めて活用するようになれば、インターネットをあまり利用していないユーザーにもリーチできます。

 

トランスメデイア・ストーリーテリングのデメリットは?

ここでは、トランスメデイア・ストーリーテリングに取り組む際のデメリットについてお伝えします。こういったデメリットを踏まえて自社で導入するかどうか検討してください。

 

ユーザーがストーリーを誤認識

トランスメデイア・ストーリーテリングを実施しても、ユーザーがすべてのメディアで情報を確認してくれるとは限りません。そのため、ストーリーに対しての誤認識が生じるリスクが常にあります。これは、トランスメデイア・ストーリーテリングを活用する以上、常に生じるデメリットです。

 

ユーザー体験の不均一

トランスメデイア・ストーリーテリングでは、ユーザーがどの順番でストーリーを視聴するのか不規則で予想することが困難です。そのため、ユーザー体験が人によって異なるため、自社や自社の商品などについても異なったイメージを持つ可能性があります。

 

多様な技術が必要

トランスメデイア・ストーリーテリングを実施するには、多様な技術が必要です。例えば、アニメというメディアを使うのであれば、グラフィックに関する技術が必要ですし、WEB動画を活用するのであれば動画の編集技術が必要です。メディアの種類を増やすにに応じて、必要な技術が求められます。

 

なぜトランスメデイア・ストーリーテリングが効果的なのか?

ここではトランスメデイア・ストーリーテリングがなぜ効果的なのか、その理由についてお伝えします。主に次の2つがあります。

 

断片的に情報提供するから

トランスメデイア・ストーリーテリングでは、断片的にストーリーを伝えます。これはまるで推理小説を読んでいるような展開です。いきなり犯人が誰か分かってしまえば、その推理小説に興味を失ってしまいます。

 

しかし、少しずつ犯人に近づくヒントが与えられれば、人は次第にその推理小説に魅力されていき、最後まで読まないと気が済まなくなります。

 

トランスメデイア・ストーリーテリングも同様で、断片的な情報のみを伝えていき、最後にその全貌が分かる仕組みになっているため、顧客の続きを知りたいという気持ちを段階的に高めていくことができます。

 

複数のメディアを活用するから

理由の2つ目はトランスメデイア・ストーリーテリングでは、複数のメディアで情報を分散させて発信するからです。そのため、普段、自社や自社の商品について認知していなかったユーザーの目に触れる可能性が高まります。新しいユーザーに認知してもらえるため、トランスメデイア・ストーリーテリングは集客の点で効果が高まります。

 

トランスメディア・ストーリーテリングを実施する手順

ここではトランスメデイア・ストーリーテリングを実施する際の大まかな手順についてお伝えします。

 

Step1.ストーリーの確立

トランスメデイア・ストーリーテリングを実施するには、中心となるストーリーの全体像だけでなく、各メディアで提供するサブストーリーをどう描くのかと言うことも求められます。複数のストーリーを一本の線としてつなぐ必要もありますので、繰り返し全体像と細部の整合性をつなぐ必要があります。

 

Step2.メデイアの選定

各ストーリーを伝えるのに最適なメディアを選択します。ストーリーの種類によって、どのメディアが適しているのかは異なります。

 

Step3.全体のコーディネート

各メディアで公開する日程やどの順番でストーリーを伝え、全体としてどう整合性を持たせるのかといった最終的なコーディネートが必要です。

 

 

トランスメディア・ストーリーテリングを活用する際の注意点

ここではトランスメデイア・ストーリーテリングを実際に活用する際、どのような点に注意すれば良いのかについて解説します。

 

ターゲットを明確にする

複数のメデイアを活用すると言っても、存在するすべてのメデイアを利用することは現実的ではありません。そこで、まずは自社がターゲットにしているユーザーを明確にしてください。そして、その顧客が普段、どのようなメディアに触れているのかをリサーチする必要があります。そうすることによって、展開するメディアを絞ることができます。

 

ストーリーのつながりが連想できる

トランスメデイア・ストーリーテリングでは、断片的なストーリーを伝えていきます。しかし、各ストーリーがある程度、一貫性を持たなければ顧客の理解が混乱して離脱が起こる可能性があります。そのため、トランスメデイア・ストーリーテリングを展開する前にそれぞれのストーリーにつながりがあり、顧客がそれを頭の中でつなげることができるのかどうか、何度もテストをする必要があります。

 

キャラクター設計

トランスメデイア・ストーリーテリングでは、キャラクターの設定も大切です。各メディアで伝えられるストーリーが異なっていても、キャラクターの設定は同一であることが多いからです。キャラクターにどのような性格や使命を持たせるのかといったことにも配慮します。

 

例えば、TVで伝えるキャラクターは明るい性格なのに、WEB動画で伝えるキャラクターの内向的というように性格が異なっていたら、顧客は混乱し、各メディアで公開しているストーリーに対してつながりを連想できなくなります。

 

デザインの一貫性

各メディアで取り上げるストーリーが異なっていても、デザインはある程度統一する必要があります。全く異なるデザインを用いてしまえば、顧客が自社のストーリーだと認識できなくなってしまい、離脱する可能性があるので注意してください。

 

トランスメディア・ストーリーテリングの事例

トランスメデイア・ストーリーテリングの手法を活用した事例をいくつか紹介します。

 

映画:マトリックス(The Matrix)

映画マトリックスの第一作は「マトリックスとは何か?」という問いかけを広告を通じて顧客におこない、WEB検索に誘導するものでした。また、第二作の『マトリックス リローデッド(The Matrix Reloaded)』については、第一作の要約等をわざと省き、顧客に第一作にも誘導するものとなっています。

 

また、漫画のマトリックスは、新しいキャラクターやプロットを追加し、映画で伝えた内容をより深く掘り下げるものになっています。このように顧客が映画マトリックスの全貌を知ろうと思えば、あらゆるメディアを活用して理解する必要があります。

 

テレビドラマ:ロスト(Lost)

アメリカのテレビドラマLostでは、トランスメディア・ストリーテリングを活用しています。TVを軸に、小説、コミックなど複数のメディアに展開しています。メディアの中にはMobisodesと呼ばれる、モバイル向け専用の短編小説などを公開し、テレビドラマで不明点となっている箇所などが公開され、顧客の理解が深まるように設計されています。

 

小説:ハリーポッター(HalleyPotter)

元々はブルームズベリー出版社から発売された小説です。同種出版社から発売された7冊の本が原点です。その後、8作の映画シリーズと、グラフィックノベル、ユニバーサルスタジオでのアトラクション、物語を補完するWEBサイトやゲームなどの展開をおこなっています。顧客は多様なメディアでハリーポッターの物語を知ることができます。

 

マインクラフト(Minecraft)

2023年現在、世界で最も売れたゲームはこのマインクラフトです。マインクラフトはトランスメデイア・ストリーテリングの手法を活用しました。

 

書籍Minecraftでは、公式のガイドブックとして、建築ハンドブックや日記などがあります。コミックとしてはMinecraft: The Islandなどのシリーズがあります。

 

また、2022年末にはNetflixと共同でアニメシリーズMinecraft: Story Modeがリリースされています。それ以外にも、おもちゃや衣服などにも展開を広げています。マインクラフトは、トランスメディア・ストリーテリングで、広いユーザーにリーチすることに成功しています。

 

トランスメディア・ストーリーテリングのQ&A

ここでは、トランスメデイア・ストーリーテリングに関するよくある質問とその答えについてお伝えします。
 

Q:トランスメデイア・ストーリーテリングではどのようなメディアを活用しますか?

Answer)メディアの媒体はケースバイケースですが一例を挙げておきます。

 

  • WEBサイト
  • TV
  • Podcast
  • 映画
  • 商業施設
  • 動画コンテンツ
  • SNS
  • ゲーム
  • 小説
  • 漫画
  • ラジオ
  • DVD

 

Q:トランスメディア・ストリーテリングに必要な技術としてはどのようなものがありますか?

Answer)トランスメディアストリーテリングを実施するには、いくつかの専門技術が必要です。主なものを下記に整理しておきます。

 

  • ストーリーそのもの
  • グラフィックデザイン
  • WEB制作
  • プログラミング
  • マーケティング

 

トランスメディ・ストリーテリングでは、ストーリーをTV、WEB、ゲームなどさまざまなメディアを通じて提供していきます。そのため、各メディアに応じたストーリーが必要です。また、ロゴやポスター、イラスト、漫画など使用する媒体によっても、グラフィックデザインの技術が必要になります。そして最終的には、ストーリーと自社の収益をどう結びつけるかを考えるマーケターの技術も欠かせません。

 

Q:トランスメディア・ストーリーテリングの発祥はどこの国ですか?

Answer)発祥はアメリカで、メディア学者のHenry Jenkinsが提唱した概念です。アメリカのエンターテイメント分野を中心に広がっていきました。

 

Q:トランスメディア・ストーリーテリングと相性のよい業界はありますか?

Answer)基本的にはさまざまな業界で活用することができます。エンターテイメント業界は相性が良いですが、それ以外でも教育・医療・テクノロジー関連などが挙げられます。

 

 

まとめ

SEOコンサルタントストーリーの構築やメディアの選択など、さまざまなスキルが求められるトランスメディアストリーテリングですが、近年では技術やツールが進歩して、比較的実践がしやすくなっています。小規模な企業であっても、多様なストーリーを語り、顧客を魅了することは十分可能です。ぜひ今回の記事を参考に、トランスメディア・ストリーテリングに挑戦してみてください。

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

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