NotebookLMとは?活用事例とChatGPTとの違いを解説
Googleが開発したAIツール「NotebookLM」は、個人専用の知識アシスタントを作成できるサービスです。
2023年夏に米国でベータ版がリリースされ、2024年6月のアップデートにより日本を含む世界200以上の国と地域で利用可能になりました。このツールは、ユーザーがアップロードした資料をもとに質問に答える、カスタマイズ可能なAIアシスタントとして機能します。

NotebookLMとは
GoogleのNotebookLMは、Gemini 1.5 Proを搭載したAI情報整理ツールです。多様な形式の文書をアップロードし、AIが解析・要約・質疑応答を行います。現在、日本語を含む、200以上の国と地域で利用可能です。
膨大なデータの迅速な検索や複雑な情報の整理、テキスト解析が可能になります。
NotebookLMの特徴
特徴については、以下が挙げられます。
- 高度な情報処理能力
- 多言語に対応
- 様々な形式ファイルのアップロード可能
- リアルタイムで共同編集が可能
それぞれの特徴について解説していきます。
高度な情報処理能力
膨大なデータをアップロードしても、その内容を迅速に解析し、重要なポイントを抽出して要約を作成することが可能です。さらに、検索機能も強力で、単なるキーワード検索にとどまらず、文脈や背景情報を考慮した検索が可能です。
加えて、回答を生成する際には、根拠となるデータや引用もとをインラインで示すため、提示された引用箇所へ簡単にアクセスできます。
多言語に対応
200を超える国や地域で利用可能な生成AIプラットフォームです。最先端の「Gemini 1.5 Pro」言語モデルを採用しており、日本語をはじめとする多くの言語において優れた精度を実現しています。
さらに、異なる言語での質問や回答にも柔軟に対応できるため、言語の壁を越えた情報共有や円滑なコミュニケーションを可能にできます。
関連記事:Webサイトの多言語対応とは?メリットや方法などを徹底解説!
様々な形式ファイルのアップロード可能
多様な形式のファイルを取り扱うことが可能です。現在対応している主なファイル形式は以下のとおりです。
- Googleドキュメント
- Googleスライド
- PDFファイル
- テキストファイル
- Webページのテキスト
GoogleドキュメントやGoogleスライドなどとスムーズに連携が可能です。また、パソコンで作成したtxtファイルやPDFのようなデジタル書類にも対応しているため、様々な情報を取り込むことができます。
さらに、Webサイトのテキストをコピーして貼り付けることで、必要な情報を取り扱うことも可能です。取り込んだドキュメントをもとに、チャットを通じて質問や指示を入力することで、効率的に情報を検索や処理を行うことができます。
NotebookLMとチャットGPTの違い
どちらもAIを活用した対話型ツールですが、以下のように仕組みや用途に大きな違いがあります。
項目 | NotebookLM | チャットGPT |
利用料金 | 無料 | 無料版と有料版(月額20ドル) |
ユーザーインターフェース | ノートブック形式 | 対話形式 |
活用目的 | アップロードしたデータをもとに、情報の分析、分類、検索、管理を得意としている。 | 文章生成や質問応答など、幅広い用途に対応している。 |
学習データの特徴 | 利用者が提供した資料やデータを学習・処理の中心に据えている。 | 事前学習で得たインターネット上の知識をもとに応答している。 |
どちらのツールも強みが異なるため、目的に応じて使い分けることで、仕事や学習を効率的に進めることができます。
関連記事:ChatGPT-4o(GPT-4o)とは 使い方とできること、活用事例を紹介
NotebookLMの活用事例
活用事例は、以下の4つが挙げられます。
- 紙媒体の参考書の内容をマインドマップ化
- 外国語文献の翻訳
- AIポッドキャストの作成
- 文章の要約
それぞれについて解説していきます。
紙媒体の参考書の内容をマインドマップ化
NotebookLMとWhimsical Diagramsを活用することで可能となります。紙の書籍をOCRでPDF化し、NotebookLMで内容を要約や質問応答が可能です。
さらにWhimsical Diagramsでマインドマップ化し、リッチな資料に仕上げることもできます。時間のない人向けの効率的な情報整理・学習方法として注目されています。
外国語文献の翻訳
NotebookLMは英語論文PDFをアップロードするだけで、日本語での質問応答が可能になります。
回答には論文内の該当箇所が引用され、英語が苦手な人でも海外論文の理解が容易になります。時間節約と内容理解の深化が実現でき、英語論文読解の負担を大幅に軽減が可能です。
AIポッドキャストの作成
NotebookLMの「Audio Overview」機能は、アップロードした資料をもとに、2人のAIホストが対話形式で要約・解説する音声コンテンツを自動生成します。この機能は、長文の文書や複雑な情報を理解しやすい形式で提供し、通勤中や作業中など、視覚的に情報を確認できない状況でも学習や情報収集が可能になります。2025年4月には日本語対応も開始され、より多くのユーザーが利用できるようになりました。生成された音声はダウンロード可能で、再生速度の調整やカスタマイズも可能です。ただし、現在もベータ版であり、内容の正確性や生成時間に課題があるため、注意が必要です。
YouTubeの分析が可能
NotebookLMは、YouTube動画のURLを入力するだけで、動画の内容を自動的に文字起こしし、要約を生成します。これにより、長時間の動画でも短時間で主要なポイントを把握することが可能です。さらに、動画の内容に関する質問をチャット形式で行うと、AIが該当部分を引用しながら回答を提供します。この機能は、学習やビジネスの場面で、効率的な情報収集と理解をサポートします。
NotebookLMの料金プラン
無料版と有料版「NotebookLM Plus」を提供しています。Google Workspace経由では月額20ドル〜のアドオン料金で利用可能です。Google Cloud経由ではAgentspaceなどのアクセス権が必要で、料金は問い合わせが必要です。
2025年初旬からはGoogle One AI Premiumプランでも提供予定という情報がありますが、料金未定です。無料版と有料版では機能や容量制限に差があり、ユーザーのニーズに応じて選択可能です。
NotebookLMの使い方
使い方については、以下のとおりです。
- 公式ページにアクセスし、「Try NotebookLM」ボタンをクリック
- Googleアカウントを使用してログイン
- ホーム画面から「新しいノートブックを作成」を選択
- ドキュメントをアップロードする際に、対応するファイル形式を選ぶ
- インポートした内容をもとに、自動で要約を提示
チャット形式を活用して、質問をしたり検索をしたりすることで、さらに深掘りした情報を得ることができます。さらに、システムが返答した内容に基づいて追加の質問を投げかけたり、異なる視点からデータを分析したりすることも可能です。
対話の内容は自動で保存されるため、重要な部分をハイライトしたりメモを追記したりする作業が簡単です。さらに、他のユーザーと共有する機能も利用可能です。
NotebookLMの起こるトラブルと解決策
使用していて、起こりがちなトラブルとして以下があります。
- アカウントが利用できない場合
- ユーザーと共有ができない場合
- ファイルのアップロードができない場合
- 「サービスが許可されていません」とエラーが出る場合
このトラブルの解決法を解説していきます。
アカウントが利用できない場合
NotebookLMで「お使いのアカウントでは利用できません」と表示される場合、アカウントのアクセス権を確認します。権限があるのに使えない時は、ブラウザ変更、キャッシュ・クッキークリア、Googleアカウント再ログインを試してみましょう。これらの対処法で多くの場合解決できます。
ユーザーと共有ができない場合
NotebookLMでノートブック共有に失敗した場合、共有設定と相手のGoogleアカウント所持を確認します。適切なアクセス権限(閲覧者、編集者)を設定しているか確認しましょう。
解決しない場合は、ブラウザ変更、キャッシュ・クッキークリア、または時間を置いて再試行を推奨します。
ファイルのアップロードができない場合
NotebookLMでのファイルアップロード問題は、非対応形式や容量超過が主因です。PDFやテキストファイルなど対応形式を確認し、大容量ファイルは分割・圧縮が必要です。
また、ブラウザ更新やGoogle Drive経由のインポートも有効です。1ソース最大50万語、ファイルサイズ上限200MBという制限があります。
「サービスが許可されていません」とエラーが出る場合
NotebookLMで「サービスが許可されていません」エラーが出た場合、Googleアカウントの設定を確認します。業務用のアカウントではIT部門に確認が必要です。
ブラウザ拡張機能やVPNによる地域制限の影響も考えられるため、一時的に無効化して試すことを推奨します。問題が解決しない場合はGoogleサポートに問い合わせが必要です。
まとめ
