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アクセシビリティガイドラインとは?具体例、サイト改善に役立てる方法を解説

アクセシビリティガイドラインとは?具体例、サイト改善に役立てる方法を解説WebサイトやWebのアプリケーションは、どんな境遇のユーザーにも「平等の利便性」を追求すべきです。視覚、聴覚、身体、認知、言語、神経などの障害にも考慮し、あらゆるユーザーの利用性を高めることはアクセシビリティと呼ばれています。

 

SEOコンサルタントアクセシビリティを高めるサイト作りは、多様なユーザーへのWebサイト体験を満足さえることに寄与します。結果的に、サイトの滞在時間や1訪問あたりのページビュー数が増え、SEOの評価も高まります。そこで、今回はアクセシビリティ対策に有効な材料となるアクセシビリティガイドラインについて分かりやすく解説していきます。

 

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アクセシビリティガイドラインとは

アクセシビリティガイドラインとは、コンテンツや媒体に対して、できるだけ多くの人にとって利用しやすくなるようにするための指針や規定です。

 

ガイドラインは、指針や規定なので、アクセシビリティに関するガイドラインは国内外で多数存在し、ガイドライン毎にポイントが異なっています。

 

多くの場合、アクセシビリティガイドラインは、特に障害を持つ人々や異なる能力を持つユーザーがデジタルコンテンツに対する利用のしやすさを考慮した規定が重要な意味となります。

 

そもそもアクセシビリティとは

アクセシビリティとはaccessとbilityが組み合わさった単語です。「-bility」は英語の単語の語尾で、能力や「出来得る可能性」、「行いやすさ」を示す意味があります。

 

端的に言うならば、アクセシビリティ「アクセスの行いやすさ」です。

 

アクセシビリティの範囲は広く、交通機関の通路や駅の改札通りもその一部です。たとえば、歩行者や車椅子利用者にとって通路が歩きやすいかどうか、改札の通りやすさなどはアクセシビリティの観点から評価されることがあります。これは一般的なアクセスに関する配慮であり、障害者だけでなく一般の人々にとっても利用しやすい環境を提供することが目指されています。

 

アクセシビリティガイドラインが求められるようになった背景

アクセシビリティにおけるガイドラインは、Webの発展共にそのニーズが高まりました。その背景は、古典的な紙媒体での情報享受のような単一的な利用性から、インターネットやスマートフォンの誕生によって、発信側が多様で複雑な利用性を創出することができるようになったからです。

 

例えば、紙媒体に比べ、Webでは相互作用性や動的なコンテンツの提供が可能です。双方向性のコンテンツや機能とは、ユーザー側に様々なアクションやレスポンスを求めるようになります。言い換えれば、ユーザー側が対処すべき内容が多岐にわたり複雑化したとも言えます。

 

Webは誰しもが自由なアプリケーションを作ることができる反面、制作者がその自由に傾倒し過ぎると、聴覚や視覚に障害を持つ人々にとっては、アクセスや操作の面で非常に苦労する結果を招くようになります。

 

そこで登場したのが、アクセシビリティガイドラインです。Webにおける設計の段階で、アクセシビリティガイドラインに準じることができれば、様々な障害を抱えた人に対しても、健常者と平等なWebの体験を提供することができます。

 

また、ウェブは多様なデバイスで利用されることが一般的であり、異なる環境やデバイスに対応する必要があります。これにより、幅広いユーザーエクスペリエンスに対応することが求められ、アクセシビリティの重要性が一層高まりました。

 

総じて、ウェブの柔軟性や技術の進化により、異なる能力や状況にあるユーザーに対してより包括的なアクセスが可能になり、それに伴いアクセシビリティがより重要視されるようになりました。

 

アクセシビリティガイドラインWCAG

最も有名なアクセシビリティガイドラインはWCAGです。WCAGは、Web Content Accessibility Guidelinesの略です。WCAGは世界中のウェブ技術の標準を開発し、推進するための国際的なW3C(World Wide Web Consortium)が定められています。

 

WCAGに従うことで、全盲や視覚障害、聴覚障害や難聴、学習障害、認知障害、運動制限、発話困難、光感受性発作、およびこれらの複合障害など、さまざまな障害のある人々に対してWebコンテンツをアクセシブルにすることができます。さらに、このガイドラインに従うと、健常者へのアクセシビリティ向上が同時に期待できます。

 

WCAGのポイントは主に6つあります。

 

  • 認識可能性
  • 操作可能性
  • 理解可能性
  • キーボード操作のサポート
  • 十分な時間の提供
  • センシティブなコンテンツの安全性

 

以下、説明します。

 

参考:W3Cとは?SEO対策で欠かせないW3C勧告のメリットを解説

 

認識可能性

ユーザーが情報を感知できるようにする。例えば、テキストの代替テキストの提供や視覚的な要素に対する認識可能性の確保。

 

参考:alt属性とは?SEOの効果を最大化する記述方法

 

操作可能性

ユーザーがWebページ上を容易に操作できるようにする。キーボードだけでサイトが利用できるようにするなど、様々な入力方法に対応。

 

理解可能性

コンテンツや操作方法が理解しやすく、予測可能であること。ユーザーがサイト内での移動や機能の理解が容易であるようにする。

 

参考:顧客理解とは?その重要性や実施方法、マーケティングへの活かし方など解説

 

堅牢性

異なるユーザーエージェントやアシストテクノロジーとの互換性を保ち、将来のテクノロジーの進化にも対応可能な設計とする。

 

キーボード操作のサポート

キーボードだけで全ての機能を利用できるようにする。これにより、ユーザーがマウスを使用できない場合でもアクセスが可能になる。

 

十分な時間の提供

ユーザーがコンテンツを読み、操作するために十分な時間を提供する。動画やスライドショーなどの時間制約がある場合は、それに対する対策を講じる。

 

センシティブなコンテンツの安全性

ユーザーの生理的な特性に敏感なコンテンツ(例: 異音、明滅する光など)に対して、安全な使用を確保する。

 

WCAGは、アクセシビリティの難易度をA、AA、AAAと3つのレベルに分けて公開しています。国や地方公共団体はレベルAA、民間企業はレベルA~レベルAAが推奨されています。

 

上記のようなWCAGに考量すると、テキストの読み上げ、拡大縮小機能、音声認識などを組み込み、障害を持った人へのユーザーテストなどへのリソースを投下することができれば、アクセシビリティガイドラインに沿ったWebサービスやWebアプリケーションを提供することができるようになると言えるでしょう。

 

日本におけるアクセシビリティガイドライン

日本におけるアクセシビリティガイドラインに該当するものは主に3つあります。

 

  • JIS X 8341-3:2016
  • 障害者差別解消法
  • ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック

 

以下、説明します。

 

JIS X 8341-3:2016

JIS(日本工業規格)が定め、主に情報通信技術に焦点を当てています。ガイドラインの対象となる製品は、Webサイト、Webアプリケーション、Webシステム

 

携帯端末などを用いて利用されるコンテンツ、イントラネットの業務用システム、電子マニュアル、CD-ROM などの記録媒体を介して配布される電子文となっています。

 

JIS X 8341-3:2016は、情報通信技術のデザイナーや開発者がこれらのガイドラインに基づいて製品やサービスを設計し、実装する際の手順や基準を提供しています。

 

障害者差別解消法

2013年6月に制定された障害者差別解消法は、社会全体が障害の有無による差別なく、互いの人格と個性を尊重しながら共生することを目指しています。

 

注目すべきは2024年4月の改正で、「合理的配慮」が、事業者にも義務化される点です。

 

合理的配慮とは、言い換えれば、合理的に障害のある人の過度な負担となるセクションやフローを取り除くような考慮と言えます。大きなバリアとなるものは取り除き、バリアフリーに近づけることを義務がするというものです。

 

具体的には、道を過度にせまくしない、壁になるべくスロープをつける 握りやすいカードにする、大きく色が認識しやすいガイドに徹底するという施策が合理的配慮です。

 

また、合理的配慮とは、サービスを通じて、利用者が困難に陥った際は、提供者側が手助けをしっかりと行うといったことも含まれています。

 

合理的配慮は、理想を突き詰めると、予算の問題とのバランスも考える必要があります。土地のキャパシティ、人材の数などにも合理的配慮のパフォーマンスが影響されます。同じサービスの設計でも、満員電車のように、ニーズの差異による、合理的配慮も想定が必要です。

 

公的機関のウェブサイトには、2016年に施行された「みんなの公共サイトガイドライン」があり、総務省はこれに基づいて国の府省庁や地方公共団体に対して指導を行っています。このガイドラインはWeb上のアクセシビリティに焦点を当て、公的機関に対して対応期日を設定しています。これにより、ユーザーフレンドリーで誰もが利用しやすいWeb環境を構築し、アクセシビリティの推進を促進しています。

 

合理的配慮については、政府の取り組みとして、「総務省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応」の内容も非常に参考にすることができます。

 

ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック

ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックは、デジタル庁が制作したウェブアクセシビリティ初心者向けのガイドブックです。56ページで構成され、図解なども含まれており、ウェブアクセシビリティの本質をより深く掴む際にはとても有益な資料となっています。

 

ウェブアクセシビリティガイドラインは、Web事業に携わるビジネスパーソンはすべて目を通すべき内容だと言えます。

 

例えば、顧客の要望に沿うWebディレクターは、顧客の要望とアクセシビリティとのバランスを考えたディレクションを行うことが求められるようになります。Webマーケターは、利益や売上の向上とバランスの取れたマーケティング施策を打つ必要があるでしょう。Webデザイナーは、デザイン性とアクセシビリティを備えたデザインに仕上げなければいけない場面が増えていくでしょう。

 

海外のアクセシビリティガイドライン

海外のアクセシビリティガイドラインは、主に4つの国の例が参考になります。

 

  • アメリカ
  • 韓国
  • フランス
  • カナダ

 

以下、説明します。

 

アメリカ

アメリカでは、1998年に、連邦政府による開発、調達、維持に使用する電子・情報技術に対する障害者のアクセシビリティの保障を義務付ける リハビリテーション法508条が誕生しました。

 

また、アメリカ障害者法(ADA法)、アシスティブ・テクノロジー法などがあります。

 

参考:アメリカの越境ECを成功させるには?市場規模やアメリカ進出のポイントを解説

 

韓国

韓国の「障害者差別禁止法」では、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)をアレンジした独自基準「KWCAG 2.1」を設けています。

 

フランス

2020年には年間売上高2億5千万ユーロ以上の企業にウェブアクセシビリティの基準と独自の罰則金制度を設けています。

 

カナダ

カナダのオンタリオ州の法律では、従業員が50人以上の企業へ、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)を基準とし、レベルAに準拠したウェブアクセシビリティを実現することが義務付けられています。 WCAGはW3Cが策定したアクセシビリティの品質基準ガイドラインであり、企業はこれに基づいてWebコンテンツをアクセシブルにする責務が課されています。

 

アクセシビリティガイドラインのよくある質問

 

Q:アクセシビリティはいつから義務化されるのか?

Answer)障害者差別解消法の改正により、2024年4月からアクセシビリティは義務化が求められます。

 

Q:アクセシビリティ義務化に対する罰則は?

Answer)日本では、アクセシビリティ義務化に対する具体的な罰則は今のところ指定されていません。障害者差別解消法の動向をチェックすることで、これからの義務化に対する罰則を正しく理解することができます。

 

Q:アクセシビリティのAとAAの違いは何ですか?

Answer)WCAGにおけるアクセシビリティの難易度であるAとAAの違いは、最も優先すべき配慮がAであり、その上位のレベルがAAとなっています。WCAGはアクセシビリティの難易度をA、AA、AAAと3つのレベルに分けて公開しています。国や地方公共団体はレベルAA、民間企業はレベルA~レベルAAが推奨されています。

 

Q:ウェブアクセシビリティはどこまでが対象ですか?

Answer)WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)、JIS X 8341-3:2016、障害者差別解消法等に準じたアクセシビリティが対象となります。アクセシビリティの対象を決める際には、ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックや、「総務省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応」が非常に参考になります。障害を持ったかただけでなく、高齢者や訪日外国人などに対して、幅広い考慮が対象となります。

 

 

まとめ

SEOコンサルタント企業のWebにおけるサービスやコンテンツ作りは、自社の課題解決を促したり、利益を追求したりしながらも、アクセシビリティを担保する必要性が出てきています。このことから、オウンドメディアや自社サイトのSEO対策についても、アクセシビリティに配慮しながら、SEO効果を出す技術が求められていきます。むしろ、これまで対処してこなかったアクセシビリティへの改善を行うことで、SEO効果が高まっていく可能性もあります。法律や時代の流れによっては、アクセシビリティがSEOの大きな指標となる検索アルゴリズムへ変遷する可能性もあります。この機会にアクセシビリティガイドラインに関するドキュメントなどを読み込んでおくようにしましょう。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

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