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カニバリゼーションとは?SEOへの影響から、カニバリ対策までを解説

カニバリゼーションとは?SEOへの影響から、カニバリ対策までを解説運営しているWebサイトのSEO効果を出すためには、検索アルゴリズムに対するWebサイトの価値を高める必要があります。そして、Webサイトの価値を高めるための定番の施策がコンテンツページの増産です。質の高いコンテンツページの増産は、ロングテールSEOにも繋がり、オーガニックで流入が見込めるキーワードのボリュームとパターンが増えます。

 

そうしたコンテンツページの増産の結果、SEOに対して逆効果が働くケースがあります。それが、今回お伝えするカニバリゼーションです。

 

SEOコンサルタント場当たり的なコンテンツの増産を行っていると、カニバリゼーションが増え、検索アルゴリズムに対する評価が下がります。今回はカニバリゼーションの基本的な知識、SEOに対する影響から、カニバリを見つけて改善する方法までを分かりやすく解説していきます。

 

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カニバリゼーションとは?

カニバリゼーションとは、「カニバル(cannibal)」と「シビリゼーション(civilization)」を組み合わせた造語で、「共喰い」を意味します。カニバリゼーションは、様々な分野の文脈で使われますが、Web担当者が押さえておくべきカニバリゼーションは主に2つあります。

 

  • マーケティングにおけるカニバリゼーション
  • キーワード・カニバリゼーション

 

以下、説明します。

 

マーケティングにおけるカニバリゼーション

マーケティングの分野でのカニバリゼーションとは、同じ生産者やブランドが新商品をリリースした結果、既存商品の売り上げや市場のシェアが減少してしまうことを指します。

 

自社商品どうしが、他社と競合するのではなく、社内で競合している状態です。

 

参考:マーケティングとは?種類や効率化を図る方法について解説!

 

キーワード・カニバリゼーション

キーワード・カニバリゼーションとは、ある検索キーワードに対して、サイト内の複数のページが競合してしまっている状態です。例えば、あるキーワードで検索した際、検索結果に自社の複数のページが並んでいる状態です。これは、検索順位を自社のページが競い合っている状態と言えます。

 

同じキーワードで検索して、検索する時期やタイミングによって、検索結果に表示される自社のページが異なってしまうこともカニバリゼーションです。同じキーワードなのにも関わらず、タイミングによって、ページAとページBのどちらかしか表示されないのであれば、ページAとページBは、あるキーワードに対して、1つの表示枠を競っている状態と捉えることができます。

 

具体的には、ある特定のキーワードが検索エンジンやユーザーにとって重要で、そのキーワードに関連する他のキーワードやフレーズが、その重要なキーワードと一緒に使用されることで、関連性や影響力が高まると考えられています。これにより、特定のキーワードが他のキーワードを引き寄せ、共に注目されやすくなる現象が起こります。

 

SEOの文脈では、ウェブサイトやコンテンツが特定のキーワードに対して最適化され、それが他の関連するキーワードやトピックにも波及することで、検索エンジンのランキング向上やユーザーのアクセス増加を狙う戦略として利用されることがあります。

 

参考:重複コンテンツが発生する理由と修正方法

 

キーワード・カニバリゼーションが起こる原因

キーワード・カニバリゼーションが起こる原因は、検索アルゴリズムが、あるキーワードに対して、Webサイトの複数のページに対して同質の評価を下し、検索結果に表示させたためです。Webサイトを運営したサイトにカニバリゼーションが起こる原因は主に6つあります。

 

  • 類似の内容のページが複数存在しているから
  • 内容を派生させた結果、複数のページで内容が重複したから
  • 用語や概要の説明でページの類似性が強まっているから
  • キーワード選定の時点で内容が類似しているから
  • Webサイトのリンク構造やカテゴリーの関係性がはっきりしていないから
  • 検索キーワードに対して、サイト自体が高い評価を得ているから

 

以下、説明します。

 

類似の内容のページが複数存在しているから

ある検索キーワード、ある検索意図に対するアンサーとなるページが複数存在し、なおかつ、そのページどうしの内容に被りがあると、カニバリゼーションが起こりやすくなります。Webサイトのワークフローの中で起こるカニバリゼーションでは、複数の発注者が同様の記事を発注したり、同一ライターに大量発注した際に、そのライターが文章を使いまわしたりした際に、ページどうしの類似性が高まり、カニバリゼーションがネガティブな意味で起こってしまいます。

 

参考:オウンドメディアでライターに外注する方法とは?作業範囲も解説

 

グローバルな内容を派生させた結果、内容が重複したから

ある分野の「導入事例」や「成功事例」の記事を業界別に派生させてページを増やした場合、内容が重複し、カニバリゼーションが起こる可能性があります。世代別、男女別、季節別、年収別、ニーズ別など、あるキーワードに対して、グローバルに答えた記事に加え、ターゲット別でより詳細な記事を作るようなイメージです。

 

検索ワードの検索ボリュームが小さく、競合ページが少ない場合、ターゲット別の記事を派生させて増産した記事が複数表示されやすく、カニバリゼーションが起こりやすくなります。

 

参考:検索ボリュームの調べ方やSEOキーワード選定における活用方法を解説

 

キーワード選定の時点で内容が類似しているから

SEO目的の記事やページを作る場合は、まず、キーワードを選定しますが、その選定の時点で、ピックアップしたキーワードどうしは違うにも関わらず、必要としている内容が同質のコンテンツになり、カニバリゼーションが起こります。

 

例えば、「デザイナー 年収ランキング」「デザイナー 年収 高い企業」という2つのキーワードで、1記事ずつ書いてしまっている場合です。

 

その他にも、「おすすめ」と「人気」という違いだけで、他は同じ文章のタイトルの場合、キーワードの単語自体は違いますが、ユーザーの検索意図は同じベクトルなので、構成や内容が類似し、カニバリゼーションが起こります。

 

参考:SEOキーワードの選び方とは?WEB集客に成功する効果的なSEOのキーワード選定を解説

 

用語や概要の説明でページの類似性が強まっているから

同じ専門用語や同じロジックに対する概要を、どんなページでも1から説明してしまうと、コンテンツの類似性が高くなり、カニバリゼーションが起こります。

 

専門性の高いサイトを、企業の担当者に分かりやすく伝えるようなオウンドメディアでは、専門用語をその都度、分かりやすく説明する必要があります。特に、冒頭や前半部分で分かりやすく伝えようとして、内容のコアな部分に入る前の箇所が意図せずに類似してしまうと、カニバリゼーションが起こります。

 

Webサイトのリンク構造やカテゴリーの関係性がはっきりしていないから

Webサイトの中にある記事同士のリンクの関係が薄く、お互いの差異や関連性が構造化できていない場合、検索アルゴリズムはもちろん、そのWebサイト内にあるページの差異や関連性を把握しづらくなります。その結果、はっきりした違いを持たない複数のWebページが、あるキーワードにおいて、検索結果に表示されてしまいます、

 

検索キーワードに対して、サイト自体が高い評価を得ているから

カニバリゼーションとは、Webサイト運営者がこれをすれば、絶対に防げるというものではありません。ブラックボックスな検索アルゴリズムによって生じるものになります。そして、カニバリゼーションはネガティブな意味で捉えられがちですが、ポジティブに捉えることもできます、

 

カニバリゼーションは、検索エンジンが特定のサイトが検索キーワードに関連する多くのコンテンツを提供していると認識した場合に起こります。カニバリゼーションとは、そのキーワードに対する専門性を備えたWebサイトとして評価されているという証とも言えます。

 

カニバリゼーションの問題点

検索結果によるWebサイト内競合が生じるカニバリゼーションの問題点は、主に2つあります。

 

  • 検索順位に悪影響を及ぼす
  • CTRやCVへの対策がしづらくなる
  • ユーザーの混乱を招く

 

以下、説明します。

 

検索順位に悪影響を及ぼす

同じキーワードに対して、運営サイト内の複数のページが競合することで、検索エンジンが混乱します。本来1ページであれば、分散した2つのサイト分の評価を1つに集中させ、より高い検索順位になっていた可能性もあります。検索のアルゴリズムに非公開である以上、カニバリゼーションは、検索ランキングが分散される可能性があります。これにより、特定のページが上位に表示されにくくなる可能性があります。

 

参考:Googleのアルゴリズムとは?概要やアップデートの歴史など解説

 

CTRやCVへの対策がしづらくなる

成果や収益に関わるページでカニバリゼーションが起こっている場合は、CTRやCVへの対策がしづらくなることが、問題点として挙げられます。あるキーワードに対して、1つのページだけが確実に表示されるような状況では、そのページに対する改善を行うことで、CTRやCVの改善に繋げることができます。

 

ただし、カニバリゼーションが起こっていると、あるキーワードに対して、2つのページで順位が逆転したり、どちらか1つのページだけが表示されたりと、ランダム性が高まります。CTRやCVが高いページの検索順位が下だったり、非表示になっていたりすると、成果や利益が低くなってしまいます。

 

参考:SEOにおけるクリック率(CTR)とは? 順位別クリック率(CTR)を紹介

 

ユーザーの混乱を招く

カニバリゼーションとは、ユーザーの検索意図に対して、2つの答えが用意されているようなものです。検索からクリックまでの導線だけでなく、サイト内検索やページ一覧などでも、内容の差異が分からなければ、ユーザーは混乱します。

 

カニバリゼーションを見つける方法

運営サイトの中でカニバリゼーションが起こっているかどうかを見つける方法は主に3つあります。

 

  • Google Search Consoleで見つける
  • Google検索を実行する
  • 管理画面等で検索する

 

以下、説明します。

 

Google Search Consoleで見つける

Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」をクリックします。「検索キーサード」という部分にキーワードを入れると、そのキーワードに関するWebページの一覧が表示されます。表示回数やクリック数が複数ページ見られた際はカニバリゼーションが起こっていると言えます。

 

複数のサイトでクリックがあった場合は、アクセスが分散しているということが分かります。Google Search Consoleでチェックする場合は、「期間」を様々なに変更して、どれくらいの期間に、どの程度のカニバリゼーションが起こっているかをより詳しく捉えていきましょう。

 

参考:Google Search Consoleとは?グーグルサーチコンソールの導入方法と使い方を解説

 

Google検索を実行する

Googleの検索窓の中で「site:サイトのURL キーワード」を入力して検索を実行。例えば、本サイトであれば、「site:https://www.switchitmaker2.com/ SEO 効果」といったように検索します。すると、指定したサイトのみのGoogle検索が可能になります。

 

実際に、複数のページが見つかったら、Googleで同じキーワードで検索し、順位の差などを確認してみると、どれくらい順位が近接なのか、お互いの影響度を確認すると良いでしょう。

 

管理画面やサイト内検索で確認する

WordPressの管理画面や、自社サイトに設置しているサイト内検索からも、キーワードに対するカニバリゼーションを発見することができます。Google Search Consoleのログイン権限がない場合は、隙間時間で手軽にチェックしたい場合などには、この方法が有効です。

 

カニバリゼーションを防ぐ方法・対策

カニバリゼーションを防ぐ方法は、主に5つあります。

 

  • 検索順位の低いページを非公開にする
  • ページを統合して1つにまとめる
  • リライトを行い、別の検索ワードに対するページへ変更する
  • 内部リンクによるページの差異や関連性を加える
  • 繰り返し内容を違うページへ独立させてリンクさせる

 

以下、説明します。

 

検索順位の低いページを非公開にする

検索順位が低いページを非公開にし、検索アルゴリズムが混乱を招くのを回避する方法です。ページを非公開にした際は、サイトマップを更新し、Google Search Consoleで、ページ削除の申請を行うようにしましょう。

 

ページを統合して1つにまとめる

カニバリゼーションが起こっている複数のサイト間で、コンテンツの内容などに違いのある箇所を統合し、1つのページにまとめる方法です。編集次第では、内容がアップグレードされるため、さらに高い検索順位が見込める可能性も出てきます。最終的には、検索順位が最も高かったページに統合します。

 

リライトを行い、別の検索ワードに対するページへ変更する

カニバリゼーションを起こしているページが2つの場合、検索順位が低い方のページをリライトし、別の検索ニーズに対しての上位表示を目指すという方法です。上手くリライトを行うことで、それぞれを独立させたキーワードに対するページにすることができます。

 

参考:リライト方法と進め方 SEO効果を得るための書き方を解説

 

内部リンクによるページの差異や関連性を加える

両者のサイトの内部リンクを見直し、内部リンクの内容によってコンテンツの差異や関連性を色づける方法です。

 

参考:内部リンクとは?SEO強化のための内部リンクのポイント

 

繰り返し内容を違うページへ独立させてリンクさせる

専門用語や出来事や機能など、どのページでも繰り返し説明しているような部分に対しては、用語集などとして独立させる方法です。例えば、用語集で専門用語等を独立させることができれば、用語の説明をよりコンパクトにまとめ、用語説明ページへリンクを送れば、内容がすっきりし、ページ間の文章の重複も減っていきます。

 

カニバリゼーションのよくある質問

 

Q:「カニバリゼーション」とはどういう意味ですか?

Answer)カニバリゼーションとは、「カニバル(cannibal)」と「シビリゼーション(civilization)」を組み合わせた造語で、「共喰い」を意味します。抽象的な表現では、ある社会や空間の中で、既に成り立っていたものが、新しく誕生したものや他のものの影響を受けるという意味です。ポジティブな意味では、新しく生まれたものが、既にあるものと融合し、多様な展開が実現されるような現象を指します。ネガティブな意味では、同じカテゴリーの中で、後から生まれたものが先に生まれたものを取り込み、淘汰してしまう現象を指します。

 

Q:経営におけるカニバリゼーションとは?

Answer)経営におけるカニバリゼーションとは、ビジネスの中で、自社で生み出されたものどうしが、ライバルになって、影響し合うことです。例えば、自社内で、営業マンとWeb広告で、同じ見込み顧客にアプローチしてしまい、結果的に利益を失ってしまうというようなケースです。ビジネスの世界では、「カニバる」と略して使われるケースがあります。

 

Q:キーワード・カニバリゼーションとは?

Answer)キーワード・カニバリゼーションとは、ある検索キーワードに対して、サイト内の複数のページが競合してしまっている状態です。例えば、あるキーワードで検索した際、検索結果に自社の複数のページが並んでいる状態です。これは、検索順位を自社のページが競い合っている状態と言えます。

 

Q:カニバリゼーションを防ぐには?

Answer)カニバリゼーションを防ぐには、カニバリゼーションが起こっている複数のページを削除、統合し、1つのページにまとめることです。SEO効果が最も高い1ページだけを残し、他のページは、別の検索ワードに対して上位表示されるようにリライトするといった防ぎ方もあります。

 

Q:カニバリゼーションの具体例は?

Answer)「DX ツール」で検索した場合に、「DXを実現するためのツール一覧」と「業界別に選ぶ、効果的なDX支援ツール」といった自社の2つのページが検索結果に表示されてしまった現象がカニバリゼーションの具体例です。「DX ツール」で検索した場合、時期によって、前述したページのどちらか1つがランダムで表示される現象もカニバリゼーションの具体例です。

 

 

まとめ

SEOコンサルタントSEO効果を狙うために、特定のキーワードに対するコンテンツページを増産していくなかで、カニバリゼーションは自然に起こり得る可能性があります。また、カニバリゼーションは、Googleの検索アルゴリズムが出した答えの結果として起こるものです、Googleがアップデートした際は、カニバリゼーションが起こる可能性も高まります。カニバリゼーションにおける対策を丁寧に行えば、検索アルゴリズムだけでなく、ユーザーにとっても分かりやすいページ構成のサイトに改善できます。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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