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コホート分析とは?Googleアナリティクスの見方や活用例を解説

コホート分析とは?

サイト訪問ユーザーを年齢や初めてアクセスした日付など、似た特徴から分類していく手法がコホート分析です。

 

似た特徴を持つユーザーは同じ行動を取りやすいため、コホート分析からはユーザーの行動傾向について分析でき、将来的にも役立つデータとして活用できます。

SEOコンサルタントそこで本記事ではコホート分析について、基本からGoogleアナリティクスでの見方、そして5つの活用例を解説していきます。

 

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コホート分析とは?

 

Webサイトにアクセスしてきたユーザーを行動や属性など、さまざまな条件でグループ化して分析する手法がコホート分析です。コホートは「同時期に類似した行動をとった人のグループ」を意味し、ユーザーの動向を考える際に役立ちます。

 

例えば「2022年4月1日にアクセスしてきたユーザー」をグループ化すれば、その後1ヶ月以内に再アクセスしてきたユーザー数などを分析できます。

 

思考やライフスタイルが似たユーザーは同じ行動を取りやすいといわれており、コホート分析で得た結果は将来的に役立つ情報として蓄積できる点が強みです。

 

コホート分析の重要性

 

コホート分析はさまざまなサイトや媒体で活用できますが、なかでもECサイトやSNSにおいては、重要な分析手法の一つといえます。

 

なぜならユーザーの定着度合いを示す「ユーザー維持率」を分析できるからです。

 

例えば、極端に高額な商品を販売していない限り、ECサイトの売上向上にはリピーターの確保が欠かせません。とはいってもリピーターを簡単に増加させることは難しく、通常はさまざま施策に取り組みながら効果検証を行います。

 

しかしコホート分析ではユーザーの再訪率を確認できるため、どのようなユーザーがリピーターになりやすいかを分析でき、施策としてすぐに活かせるはずです。

 

他にも商品を再購入した割合など、本来は時間をかけて分析する内容を簡単に確認できる点がコホート分析の強みです。

 

コホート分析の視点

 

コホート分析では同じ世代や時代、そして年齢による変化など、3つの視点から分析する手法になります。

 

  • 年齢効果
  • 時代効果
  • コホート効果

上記の特徴から分析できれば、世代ごとの特徴を確認できるだけでなく、自社の商品やサービスのターゲティング面にあてはめて考えることも可能です。

 

年齢効果

 

年齢効果とは、加齢によって生じたユーザーの行動や意識の変化を指します。一般的にはライフステージと関連する内容が多く、「高齢になるにつれ病院へ通う頻度が増加する」が該当例です。

 

他にも「60歳や70歳の層が運転免許の返還を行う」なども年齢効果となります。

 

このように世代や時代に関係なく変化する部分となり、社会全体で起こりうる内容といえます。

 

時代効果

 

時代効果とは、過ごしてきた環境や時代背景によって生じた要因を指します。昔であればバブル期に流行っていた音楽やお店、現代では新型コロナウイルスによるマスクの品切れなどが該当例です。

 

このように同じ時代を過ごした場合、基本的には思考や行動は似てくるといわれています。しかし似た部分が永続的に続くといったことはなく、時代効果によって生まれた変化は将来的に違ってくることが多いです。

 

コホート効果

 

コホート効果とは、生まれた年代によって生じた要因を指し、世代ごとに要因は異なります。例えば団塊世代やゆとり世代など、自分の生まれた世代ごとに呼び名が付けられることもコホート効果といえます。

 

また各世代ごとにコホート効果を持つものの、世代が交代すると社会全体の価値観が変化することもあります。そのため自分の世代における要因だけでなく、経験していないような世代の要因についても知れる点がコホート効果の特徴です。

 

コホート分析の見方【Googleアナリティクス】

 

コホート分析はさまざまなツールで分析できますが、今回は最も身近なGoogleアナリティクスでの見方を解説していきます。

 

コホート分析を表示するには、まずGoogleアナリティクスにログインしましょう。そして左のメニュー欄から「ユーザー」→「コホート分析」を選択します。

 

その後グラフや表が表示されるため、以下の項目をそれぞれ設定しましょう。

 

  • 種類
  • サイズ
  • 指標
  • 期間
  • セグメント

各々、解説していきます。

 

種類

 

コホートの種類とは、ユーザーが自社サイトでセッションを開始した日付のことです。セッション開始日を条件に一つのコホートとして分類し、その後の行動を分析する仕組みになります。

 

また選択できる日付は過去にセッション開始として記録された範囲内となり、平日や休日など複数のコホートを活用することで、ユーザーの行動傾向を分析できます。

 

サイズ

 

コホートのサイズとは、ユーザーの継続率を測定するうえでの期間です。日、週、月の3種類から大枠を選択でき、詳細な期間は以下の項目から指定できます。

 

月別

  • 先月
  • 過去2か月間
  • 過去3か月間

 

週別

  • 先週
  • 過去3週間
  • 過去6週間
  • 過去9週間
  • 過去12週間

 

日別

  • 過去7日間
  • 過去14日間
  • 過去21日間
  • 過去30日間

 

指標

 

コホートの指標とは、分析する項目のことです。項目は3種類あり、それぞれ以下の指標から細かく選択できます。

 

定着率

  • ユーザー維持率

 

合計

  • セッション
  • セッション時間
  • トランザクション数
  • ページビュー数
  • ユーザー数
  • 収益
  • 目標の完了数

 

ユーザー

  • ユーザーあたりのセッション
  • ユーザーあたりのセッション継続時間
  • ユーザーあたりのトランザクション
  • ユーザーあたりのページビュー
  • ユーザーあたりの収益
  • ユーザーあたりの目標の完了数

 

セグメント

 

Googleアナリティクスのコホート分析では、セグメントを加えると「コンバージョンに至ったユーザー」での絞り込みができます。基本設定は「すべてのユーザー」となっているため、手動で変更する点には注意をしましょう。

 

具体的な設定方法はこちら

コホート分析
  • Googleアナリティクスにログイン
  • 左のメニュー欄から「オーディエンス」→「コホート分析」を選択
  • 最上部「すべてのユーザー」の右から「セグメントを追加」を選択
  • 設定画面が表示され、左上の「新しいセグメント」を選択
  • 左のメニュー欄から「すべて」→「該当する項目」を選択
  • 最終的に「適用」を選択すると設定完了です

 

デバイス指定も可能なため、スマートフォンやパソコンなどで絞り込む場合も活用できます。

 

コホート分析から分かること

 

コホート分析ではユーザーの維持率を分析できるといいましたが、具体的には以下の内容を確認できます。

 

  • ユーザー数の確認
  • セッション時間の確認
  • ページビュー数の確認

ここでは分析から分かること、そして改善する際の対策内容を解説していきます。

 

ユーザー数の確認

 

まず1つ目の内容は、ユーザー数の増減に関する分析です。コホート分析では、1回以上アクセスしているユーザーに対して、再訪問がなくなったタイミングを細かく確認できます。

 

そのためアクセスしなくなった理由を探ることで、リピート率の向上につながります。

 

例えばユーザーが初めてアクセスしてから3日後に再訪がなくなった場合、考えられる改善点はこちら。

 

  • コンテンツ量を増やす
  • コンテンツの更新品を増やす
  • Webサイトからメルマガへ誘導する

ユーザーの離脱を一切なくすことは、どんなに優れたWebサイトであっても不可能です。そのため離脱率の対策では、新規ユーザーの獲得数を増やすことも効果的となります。

 

セッション時間の確認

 

2つ目の内容は、セッション時間の増減に関する分析です。コホート分析では、ユーザーがアクセスしてから離脱するまでの詳しい時間を確認できます。

 

仮にセッション時間が短くなっている場合は、ユーザーの自社サイトに対する興味が弱まっている状態といえます。

 

そのため以下のような対策が効果的です。

 

  • コンテンツあたりのボリュームや質を向上させる
  • コンテンツ量を増やして、内部リンクでつなげる
  • 内部リンクの設定方法を改善し、サイトの回遊率を高める

基本的にWebサイトの回遊率が低いと、セッション時間は短くなります。したがって内部リンクなどで回遊率を高める対策を行いましょう。

 

ページビュー数の確認

 

3つ目の内容は、ページビュー数の増減に関する分析です。コホート分析を用いると、ページビュー数が少なくなったタイミングを細かく確認できます。

 

仮にユーザーが初めてアクセスしてから3日後にページビュー数が減少した場合、考えられる改善点はこちら。

 

  • コンテンツ量を増やす
  • 初アクセスから3日後に内部リンクの多いコンテンツを公開

ページビュー数の減少する日付が明確な場合は、回遊率を高めるような記事を公開しましょう。ただし多くの場合はWebサイト全体のコンテンツ量不足と考えられるため、ユーザーが満足できるコンテンツ量まで増やすことが大切です。

 

コホート分析の活用例

 

コホート分析は離脱のきっかけや施策の効果測定など、さまざまな目的で活用できる分析手法です。

 

ここでは活用機会の多い5つの例から解説していきます。

 

  • 施策の効果測定を行う
  • 顧客獲得数を算出する
  • ユーザーのニーズを予測する
  • ユーザーの離脱を防止する
  • LTV向上の施策を考える

 

施策の効果測定を行う

 

ECサイトであれば、マーケティング施策として期間限定のキャンペーンを打ち出すこともあるはずです。しかし一時的にアクセスが増加しても、どの程度の顧客がリピーターとして定着したのかまでは判断できません。

 

そのためコホート分析を用いることで、短期間のキャンペーンであってもユーザーの行動をしっかりと分析できます。

 

具体的な方法は、キャンペーン期間中の日付をコホート分析の種類で指定し、その後の再訪問率を分析する流れです。初アクセスの2日後や3日後も再訪問率が高ければ、リピーターを獲得できている状態といえます。

 

またキャンペーン前後のユーザー数を確認することで、キャンペーンによる集客効果を図ることも可能です。

 

顧客獲得数を算出する

 

マーケティングで成果を出すには、目標売上に必要なコンバージョン数などから、新規の顧客獲得数を計算することが重要です。

 

コホート分析ではユーザーの離脱率を確認できるため、どの程度のユーザーからアクセスされれば良いのか、新規の顧客獲得数を逆算して求められます。

 

また顧客獲得を計算する際は「1:5の法則」を軸に考えましょう。

 

「1:5の法則」とは、新規の顧客獲得には、既存顧客を維持する際の5倍のコストが必要であることを示す法則を指します。

 

新規の顧客獲得では多くのコストがかかるため、事前に予算を考えることが大切です。新規の顧客獲得と既存顧客の維持はバランス良く取り組みましょう。

 

ユーザーのニーズを予測する

 

コホート分析は年齢層や世代別に分類することで、ユーザーのニーズ予測も行えます。

 

例えば20代をメインターゲットとして設定している場合、年齢効果の特徴を活かし30代を分析することで、将来的に活用される商品やサービスを発見できるようになります。

 

また住宅や車など使用期間の長い商品を扱っている場合も、将来的に考えられる問題点の発見に効果的です。

 

このようにコホート分析は事業に直結する要素を考えられるため、新商品の企画や事業計画を行う際も役立ちます。

 

ユーザーの離脱を防止する

 

前述の「コホート分析でから分かること」でも触れましたが、コホート分析ではユーザーが離脱するタイミングを具体的に分析できる点が強みです。

 

例えば初めてアクセスしたユーザーを日付で分類し、その後何日間で離脱していくかの推移を把握できます。もしも1週間後に離脱するユーザーが多いと判明したら、メールや公式ラインなどを活用して離脱を防ぐことも可能です。

 

また滞在時間と合わせて分析すると、どのページがきっかけとなって離脱をしているのかまで確認できます。年齢などで分類することが可能なため、コホート分析からはさまざまな観点で離脱のきっかけを調べられます。

 

関連記事: リテンションマーケティングとは?重要性や具体的な手法など

 

LTV向上の施策を考える

 

LTVは「顧客生涯価値」を意味する言葉となり、顧客一人が売上にどの程度貢献するのかを示す指標です。

 

コホート分析ではグループごとに効果検証を行えるため、LTVの最大化につながるか施策を考える際は相性が良いといえます。

 

例えば夏季キャンペーンと冬季キャンペーンで比較した場合、夏季キャンペーンでのユーザー維持率が低ければ、まずは冬季よりも夏季の施策に力を注ぐといった判断ができます。

 

他にもさまざまな条件で比較が行えるため、総合的な目線で考えながらLTVを高めていきましょう。

 

コホート分析の注意点

 

分析を実施する際は正確性を高めるために多くのデータを集めることや、集団の行動パターンであることを踏まえて分析するなど、いくつか注意点が存在します。

 

間違った解釈では正しい分析を行えないため、かならず本項目を確認するようにしましょう。

 

データ量が少ないと精度が低い

 

コホート分析を行う際に注意すべき点は、データ量が少ない場合は精度が低くなってしまうことです。コホート分析では何かしらの条件からグループ化し、その後の行動を分析していきます。

 

仮にグループ化が2人や3人であれば、特殊な行動を行うユーザーがいると分析結果は通常と乖離してしまいます。対してグループ化の人数が1万人の場合、特殊な行動を行うユーザーがいても結果には大して影響しません。

 

このようにグループ化するときの人数が多ければ多いほど行動分析の正確性も向上するため、できるだけ少ない人数になるグループ化は避けましょう。

 

すべての人が同じ行動とは限らない

 

コホート分析はあくまで集団の行動パターンとして分析するため、すべての人が同じ行動になるわけではありません。

 

例えば年末年始の仕事調査を行った場合、大半の人が休暇と答えますが、業種によっては年末年始でも働いている人は多くいらっしゃいます。

 

しかし結果がすべてと認識してマーケティングに取り組んでしまうと、予想していた以上の結果が見込めない状態となる恐れがあります。もちろんイレギュラーな場合ばかりを対策する必要はありませんが、コホート分析は集団を軸とした手法であると認識することが重要です。

 

まとめ

SEOコンサルタント本記事ではコホート分析について、基本からGoogleアナリティクスでの見方、そして5つの活用例を解説してきました。コホート分析では年齢や生活環境など、似た属性のユーザーは同じ行動を取りやすいという心理にもとづいて分析していきます。目先の施策改善から将来的な事業計画まで幅広く活用できるため、ユーザーの動向を把握する際はぜひ取り入れていきましょう。

 

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この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、10期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで1000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

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