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生成AI時代でも生き残れるSEO!WEB戦略はどう変わるのか?

生成AI時代でも生き残れるSEO!WEB戦略はどう変わるのか?Googleは2023年8月30日に生成AIによる検索結果表示の試験運用を開始しました。「SEOはオワコン」と言われるようになって久しいですが、今回の変化は検索業界に非常に大きな影響を及ぼすとされ、特にSEOを生業としている業態の会社にはダメージが大きいといわれています。

 

SEOコンサルタントでは、実際問題として生成AIによる検索結果表示はSEOをどのように変えるのか、今後どのようにすべきなのかを考えていきます。

 

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生成AIによる検索結果表示とは何か

そもそもの生成AIによる検索結果ですが、これはSGEと呼ばれているGoogleの新しい検索結果のことです。SGEとはSearch Generative Experienceの略で、Googleの検索結果の上部に、生成AIによる回答を表示するというものです。

 

参考:生成AIによる検索体験 (SGE) のご紹介(Google Japan Blog)

 

例えば、通常のGoogleで「マーケティングとは」で検索すると次のような検索結果になります。入力したキーワードの下に強調スニペットによる説明が出てきて、その下に「その他の質問」、さらにその下に検索結果が表示されます。

 

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対して、生成AIによる検索結果で「マーケティングとは」を検索してみると次のような結果になります。一番上には背景色を付けてGoogleの生成AIによりマーケティングとは何なのかの答えが表示されていることがわかります。その下には通常の検索結果と同様の検索結果が順位表示されます。

 

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2024年2月までは試験運用

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生成AIによる新しい検索体験の試験運用は2024年2月で終了いたします(上図参照)。2023年8月30日から始まった試験運用ですが、試験運用であるためか、検索結果には「生成 AI は試験運用中のため、品質にむらがある可能性があります。」と注意文が書かれているのが特徴です。

 

本番化される時期についてGoogleは明言しておりませんが、2024年2月に試験運用し、早ければ3月から本番化されるのではないかというのが業界内での意見です。

 

SGEの結果の詳細

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例として、「マーケティングとは」で検索した結果の生成AIの表示について詳細を見ていきます。

 

生成される内容は変わる

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上図はどちらも「マーケティングとは」で検索した結果、Googleの生成AIによる回答です。読んでわかるように、非常に似ている内容ではありますが、微妙な個所で異なります。参照にしているWEBページの数も変わっていますので、Googleでは検索のたびに生成AIにより文章を作っているようです。ただし、まったく同じ文面で回答することもあります。

 

表示方法を変える

右上のボタンをクリックすることで表示方法を変更することができます。初期設定では左側に文章、右側に参考となるWEBページを掲載していましたが、表示方法を変更することで、どの文章をどこのサイトを参照にして回答を生成したのかがわかります。

 

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上記の例では4つのWEBページを参照して回答していますが、この4つは上位4位までではなく、検索結果1ページ目に表示されている10個のWEBページのなかから4つが選ばれています。

 

追加で聞く

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生成AIの回答で「追加で聞く」をクリックすると、入力した言葉に対して生成AIの回答が続き、そこから会話形式で追加の質問をすることができるようになります。上記画面で「有効な方法は?」とだけ入力すると、今度は次のような回答が続いて出てきます。

 

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質問としては「有効な方法は?」とだけ入れていますが、文脈的に「マーケティングとは」を聞いたあとであることから、「マーケティングの有効な方法」であることをAIが判断し、別のWEBページを参照に回答していることがわかります。

 

関連する質問

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「追加で聞く」の右側には「マーケティングはどんな人が向いていますか?」と「マーケティングと営業の違いは何ですか?」とありますが、これをクリックすると下のような画面に遷移します。

 

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このように、関連性の高い質問を生成AIが自動的に作成し、クリックしたときには会話型の検索結果に画面遷移することで、GoogleはWEBページをクリックしなくてもGoogle内ですべてが完結するような生成AIを運用しています。

 

正確性はどこまであるのか?

2022年11月に大きな話題になったChatGPTですが、現在でも正確性が問題視されています。Googleの検索結果はChatGPTとは異なりますが、やはりAIである以上、正確性が疑問視されています。

 

実際に検索結果を見てみると、生成AIの回答には正確ではないものが散見されています。

 

例えば、「株式会社〇〇」のように企業を検索した結果、生成AIは検索結果を元に企業の概要を説明しますが、世の中に株式会社〇〇と〇〇株式会社(前株と後株の違い)が存在する場合には両者を混合し、同じ会社であると判断したうえで回答を作成しているということがわかっています。

 

人間が目視確認すれば株式会社〇〇と〇〇株式会社は完全に別会社だとわかりますが、2023年9月時点ではAIであっても判断がつかないようです。さらに、企業名を調べているわけなので公式サイトの情報を参照にしているかといえば、必ずしもそうではなく公式サイト、Wikipedia、採用サイト、紹介サイトなどを参照して回答しているため、誤った情報や事実とは確認されていない情報まで掲載されていることもわかっています。

 

ただし、2024年2月までは試験運用中であること、運用開始まで最低でも半年あることを考えると、今後の精度向上は十分にありえます。

 

※具体例を挙げたほうがわかりやすいのですが、企業への誤った認知を避けるため敢えて伏字にしております。

 

上位表示は無意味になったのか?

前述したように、検索結果の大部分を生成AIによる回答が占めるため、ユーザーは生成AIの回答を確認するにとどまり、WEBサイトをクリックしないということが考えられます。いわゆるゼロクリックサーチ(検索結果で答えがわかるのでWEBページをクリックしないこと)が起きることが想定されます。

 

以前は強調スニペットの登場により、ゼロクリックリサーチが話題になりましたが、今回のSGEの登場により上位表示が無意味になったのかというと必ずしもそうではありません。確かにクリック数は減少する可能性が高いものの、SEOは依然として有効な手段です。

 

そもそも、SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)ですので、検索エンジンが存在するかぎり無くなることはありません。ユーザーが検索するという行動があるかぎり続くと断言できます。

 

SGEの結果はクリックされるのか

生成AIによる回答は、原則上位表示されているサイトを参照に文章を作っています。しかし、必ずしも参照したサイトの情報が正しくないということから生成AIの回答は正確性に欠けるのが実情です。

 

世界的に有効活用されているChatGPTであっても正確性に疑問があるため、GoogleであってもAIによる完璧な回答はむずかしいと思われます。

 

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一例ですが、ChatGPT-4に芥川賞の受賞者を聞いたところ、上記のような結果になりました。しかし、村上春樹氏は「1973年のピンボール」で芥川賞候補になったものの受賞を逃しており、辻村深月氏は「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞しているもの芥川賞は受賞していません(もっといえば、「ツバキ文具店」は小川糸氏の書籍であり、これも芥川賞は受賞していない)。綿矢りさ氏については事実です。

 

このように生成AIは手軽に質問でき、即座に回答が返ってくるものの、もっともらしい嘘をつくことがあるということを忘れてはいけません。

 

正確ではない情報が出てくることは一部の有識者や検索に一定以上の慣れがある人にとっては当然のことと周知されているので正確性を担保するために生成AIの情報の裏を取りに行くということは必ず起こります。

 

その意味で、SGEの結果はクリックされるものの、そことは別に自身でWEBサイトを検索して探すという行動は十分にあり得ます。

 

以前、強調スニペットが出てきたとき、強調スニペット(検索1位)よりも次に出てくる結果のほうがクリック率が高くなるという現象が起きたように、特定のクエリではユーザーは強調されている部分以外にも目を向けるということを忘れてはなりません。

 

それでも上位表示が有利な理由

しかし、企業メディアや個人ブロガーはクリック数が減ることで打撃を受けるということは事実です。それでも検索上位表示されることは次の点で有利といえますので、今まで以上にSEOに取り組む必要が出てきます。

 

  • 検索上位に出てくると生成AIの回答の参照にされる
  • 有識者や検索慣れしたユーザー向けの導線
  • 生成AIの回答をクリックしないユーザー向けの導線

 

2024年2月までは試験運用中ですので、今後の仕様はわかりませんが、生成AIの回答の参照にされているWEBページは検索結果1ページ目にあるページです。つまり、SEO対策を施した結果、生成AIの回答の参照にされるということは十分にありえます。その際に参照されるサイトは必ずしも上から順に使われているわけではないため、検索結果1ページ目に入ることと同時に、ユーザーの回答にしっかりと答えを出すコンテンツが優遇されることが推測されます。

 

これは従来のSEOである、ユーザーの求めるコンテンツを発信することに準じる考え方ですので、コンテンツ作りの大方針としては大きな変化はないということを意味しています。

 

また、正確性を重視するユーザーや情報の真偽を確認したいユーザーに向けて正しい根拠を元に情報を発信するという姿勢は今後も重要視されることが考えられ、この意味でもSEOは継続できます。

 

総括すると、情報の正確性という観点で生成AIは十分ではないため、ユーザーが本当に求めるコンテンツを作り続けることは今後も重要であり、ユーザーが本当に求めるコンテンツを配信することは生成AIに取り上げられる可能性を上げるものであるという点でも、よりコンテンツが重視される時代が来ると想定されます。

 

SEOはドメインの強さが検索結果と紐づくことが多く、ドメインを強化するために被リンクを強化したり、被リンクされるためのコンテンツ量を増やしたりすることが多かったものの、さらにコンテンツが重視されるということはドメインが強くないサイトであっても情報の正確性や網羅性の高いサイトが評価される可能性が出てくるという意味ではチャンスともいえます。

 

生成AI時代に求められるWEBマーケティング

生成AI時代のSEO対策には大きく、次の4つの観点が必要になってきます。

 

  1. リスティング広告
  2. 生成AIの結果に対応するSEO
  3. 従来のSEO
  4. WPO

 

リスティング広告

リスティング広告はSEOではありませんが、生成AIの結果よりも上に表示され、ユーザーの目に入るという点でSEOよりも良い結果を出す可能性があります。SEOでどれだけ優れたコンテンツを作ったとしてもユーザーの目に触れなければ意味がありません。その意味ではリスティングは生成AI時代であっても戦えるWEBマーケティングといえます。

 

ただし、リスティングには向き不向きがあります。業界や商材によってはクリック単価が高すぎたり、集客に向かなかったりすることがありますので、効果を発揮できるかどうかは十分な検討が必要です。

 

生成AIの結果に対応するSEO

次に考えるべきは生成AIの結果に対応するようなSEO対策です。生成AIによる回答では必ずどこかのWEBページを参照しますので、ここに選ばれることで流入を確保することが可能です。

 

具体的な対策はクエリによって異なるものの、確かなことははっきりとした回答を記事のなかに明記することです。類推や根拠のない記事ではなく、確かな根拠を示したうえで断言できるだけの記事が作れれば客観的に見て正しいと判断できる記事として参照される可能性が高まるはずです。

 

従来のSEO

従来のSEOを継続しておこなうことも必要です。従来のSEOといっても生成AI対策ではないという意味であり、被リンクを集めることだけに注力したり、基本的な対策をおろそかにすることはお勧めできません。

 

GoogleはE-E-A-T(Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性))を重視するコンテンツが優れたコンテンツだと主張しており、他サイトでは発信できないだけの独自性を持った記事を作ることは依然として重要な対策です。

 

また、生成AIによる対話型の質疑応答ができるという観点では、アレクサやスマートスピーカーなどに対する音声対策、つまり、特定の文脈に対する回答を明記するという対応も必要になってきます。

 

WPO

WPOとはWeb Presence Optimizationのことです。WEBプレゼンス最適化と訳されることがありますが、WEB上での自社の存在感を強める対策という意味です。SEOは総合格闘技と呼ばれることもあるように、既に基本的な内部対策や優れたコンテンツの作成だけでは十分な対策とはいえなくなってきています。

 

そのため、SEOの上位概念としてオンライン上で自社メディアがユーザーの目に触れる機会の最大化をするWPOが必要です。

 

基本的なSEO対策はもちろん、WEB広告、SNS、広報活動、ソーシャルブックマーク、MEO、動画配信、音声配信、ウェビナーなどオンライン上のあらゆる手段で自社の存在をアピールすることがこれまで以上に重要視されます。

 

SEOの最終系は指名検索(自社名や自社のサービス名で検索されること)といわれることがあるように、検索したいキーワードに対する第一想起が社名やサービス名になるような中長期対策をすることが生成AI時代でも生き残れるWEBマーケティング施策です。

 

まとめ

SEOコンサルタント2023年8月30日に始まった生成AIによる検索結果表示の試験運用ですが、2024年2月には終了し、その後、本格導入される予定です。生成AIの活用は生産性の向上に役立ちますが、2023年9月時点でも十分な正確性を担保できているとはいえません。そのため、生成AIの回答だけを頼りにするということは当面ありえないことと考えられます。また、SEOは終わったと長年言われ続けていますが、一度として終わったことはなく、むしろ重要な集客要素として高い需要があります。生成AIの台頭によりSEO会社をはじめ、SEO集客を中心にしている業態には大きな打撃があるといわれていますが、社会変化に応じて自社の業態を深化させることはある種当然のことであり、淘汰されずに生き残るには常に改善が必要です。SEOという括りだけでは影響がある生成AIですが、WEB集客という観点ではまだ伸びしろがあり、多方面での対策をするWPOを施すことで指名検索を得るということが最終系になると考えられます。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

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