SEO順位をあげたいけど時間が無い……そんな方に「最低限これだけ」のSEO対策は?
インターネットが飛躍的に広がるにつれて、様々な検索エンジンが開発されました。
そして検索エンジンが普及し、その影響力が無視できないものになったことで、検索上位に表示されるテクニックであるSEO対策という存在も広く知られてきたのではないでしょうか。

SEOの現状
ひと昔前には「リンクさえ付けていれば順位が上がる」「とりあえずキーワードだけ入れておけば大丈夫」等と言われていた時代はありましたが、現在はそうもいきません。
Googleも日進月歩の進化を遂げ続けています。
何度もの大きなアップデートを経てGoogleの検索アルゴリズムの精度は非常に高くなり、黎明期に比べると別物と言ってもよいでしょう。
そのため中途半端に聞きかじっただけの対策を行った場合、結果に繋がらないどころか、かえって順位下落を招いてしまうこともあるのです。
今回の相談者様は、SEO対策の必要性は感じつつも、なかなか対策に踏み切れていないのだそうです。
相談内容:対策したいけど時間が無い……
1年位前に頼まれて両親が経営するお店のホームページを作成いたしました。地元の商店街に長く店を構える個人経営の美容院となります。ササッと作った割にはなかなか見栄えがよいホームページが完成し、サイト自体の出来上がりには両親も大満足だったようです。
ですが最近ふと思い立ち検索したところ、せっかく作ったはずのホームページが検索ではすぐに表示されていませんでした。調べたところ『SEO対策』というのがいいらしいと聞いたのですが、私は別に本業もあるため両親の手伝いにかかりっきりにはなれません。時間が無い場合でも「最低限これだけはやったほうがいい」という対策はありますか?
最近のSEO対策というのは、地道に時間をかけてコンテンツを作成していくのが基本です。
とはいえポイントさえ押さえれば、短時間やっただけでも“それなりに”効果を期待できる対策は存在するので、簡単にご紹介していきましょう。
※もちろん本格的な効果を期待するならば、しっかり時間をかけて対策しない限り現在のアルゴリズムに合わせることは難しいです。これからご紹介するのはあくまで「やらないよりはだいぶ良い」という対策になります。
検索上位に表示されやすいサイトとは
SEO(検索エンジン最適化)を進めていくにあたり、まずはGoogleの検索エンジンの特性を熟知することが大事です。
特性を知ることにより、検索上位に表示されやすいサイトの傾向が自然と見えてくるでしょう。
Googleの特性を知るには、Googleが公開しているSEOのガイドラインを熟読するのが手っ取り早いです。
こちらのガイドラインは様々な読者層を想定し、SEO・ホームページ運営を行う上でGoogleが推奨する方針や、おすすめのSEO対策方法など詳しく紹介されています。これを読むことでGoogleの理想やGoogle自体の方針も理解できるため、目指す先を見極められるのではないでしょうか。
リスティング広告から考える
検索エンジン内の検索結果画面にて、小さく表示されている広告ゾーンをリスティング広告と言います。
ここを検索ユーザーがクリックするたび、広告主からGoogleへ手数料が支払われる仕組みです。
手数料で収入増を目論んでいるのであれば、検索ページをこの広告で埋め尽くしてしまえば収益が上がるようにも思えますが……必ずしもそうとは限りません。
検索するユーザーの立場で考えてみましょう。
もし検索結果の大半がリスティング広告で埋まってしまっていたら、「ユーザーが調べたい情報」がなかなか出てこず、その結果、求める情報に出会えずじまいになってしまう可能性があります。
そんなサイトを、また利用すると思いますか?
またこの状況はGoogleの提唱する趣旨に反していると思われます。
Googleの生みの親であるラリー・ペイジ氏は、「完璧な検索エンジンとは、検索利用ユーザーの意図を正確に掴み、そのニーズにぴったり一致するものを返すエンジンである」というような内容を述べたそうです。
SEOガイドラインを公開し、サイト運営者へはコンテンツの質向上を求め、お互いにユーザーにとって有益となる検索エンジンにすることが、最終的にGoogle・サイト運営者・検索ユーザーの三者にとって有益となるとGoogleは考えています。
Googleは目先の収益にとらわれず将来を見据えた戦略を展開しているわけですから、SEOもその辺を踏まえた対策が必要ということではないでしょうか。
検索上位に表示されやすいサイトの条件
上記をふまえ、検索上位に表示されやすいサイトの条件を考えてみます。
1.Googleのガイドラインを遵守しているサイト
このガイドラインというのは、Googleが理想として考える「ユーザーの利益になるサイト運営の方向性」を示しているものです。よってこれを守ることで、Googleに評価されやすくなることは間違いないでしょう。
またウェブマスター向けガイドラインには、推奨しない方法(コンテンツの自動生成・隠しテキスト等)も掲載されています。目を通しておくことで、知らず知らずのうちにGoogleからペナルティを受けるような事態も防げるかもしれません。
2.ユーザーが求めるコンテンツが掲載されているサイト
Googleはガイドラインの中で、「独自性や、価値、魅力のあるサイト」を目指すことを推奨しています。
そして近年評価されやすいサイトの傾向として、オリジナリティのあるテキストコンテンツ(=同キーワードで検索結果に表示される他サイトに内には類似・一致するものが無いと思われるテキストコンテンツ)や、質が高いと思われるテキストコンテンツが掲載されている、というのが見られます。
なおもしオリジナリティや質が同程度の場合、そのページ内の文字数や、サイト内のページ数が多めなサイトのほうが評価されやすい傾向にあるようです。
今一度、ご自身が運営するサイトを見返してみましょう。果たして、ユーザーとして想定する層に求められるコンテンツが掲載されているでしょうか?
3.Googleが掲載情報の内容を確認しやすいサイト
ユーザーにとって需要が高いコンテンツが多数掲載されるサイトであっても、見てもらわないことには始まりません。
そのためにはまず「Googleがコンテンツを認識しやすいサイト構成になっていること」が必要不可欠です。Googleに認識してもらって初めて、コンテンツの評価が行われるという段階に入ります。
4.来訪したユーザーが求める情報をすぐに発見できたり閲覧できたりするサイト
せっかくユーザーが求めている情報が掲載されていても、それをすぐに見つけ出すことができなければ意味がありません。
ここで重要なのは分かりやすい導線と表示速度です。例えばトップページを訪れたユーザーが、ぱっと見た瞬間にメニューなどを見て「あ、これが自分が求める情報だ!」と理解しクリックする、というのは1つの理想的な導線ですね。またクリックした瞬間に即座にページを表示できれば、ユーザーの動きを止めることなく情報を閲覧可能です。
この時にもし、求める情報がどこにあるか分からなければ、それを探す手間がかかります。またもしも表示速度が遅ければ、ページが表示されるまでに待機時間が必要になってしまいます。
そして最近はスマホユーザーも増えましたから、スマホやPCなどどの端末からアクセスしてもサイトが綺麗に表示されるデザインであるレスポンシブWebデザインに対応するというのも忘れてはなりません。
SEO対策、最低限これだけやろう!
ここからは時間がなくても最低限やっておきたいSEO対策を、簡単に見ていきましょう。全くの初心者であれば、[2022年完全版]SEOとは?SEO対策最新ガイド【上位表示の対策を解説】を先に一読してからこのページを読んでください。
キーワードを決定し、サイトに反映する
サイト修正を行う前に、まず決めておきたいのが「キーワード」です。
既にサイトを作成済でキーワードも決定済である方の場合、キーワードの再考という形になるかもしれません。
ユーザーがGoogleで検索する際は、検索窓にキーワードを入力して検索し、その結果を確認することになります。
極端な話、全ての検索キーワードでの検索結果に自身のサイトを表示させるというのは不可能に近いわけですから、「対策するキーワードはこれとこれにしよう」と絞り込む必要があるのです。
そしてキーワードを絞り込むことで、サイト修正やサイト運営の方向性も見えてくるでしょう。
最初の段階で目標や方向性を絞り込んでおけば、効果が出やすい対策だけを行う事ができるため、限られた時間を効率よく使うことができるはずです。
キーワードを決める場合、まずは
・メインキーワード
を1つ決め、それに合わせて
・メインキーワードに関連するサブキーワード(複数)
を絞り込んでいくのが王道です。
キーワードの決め方
まずはターゲット層を想定し、予想される検索キーワードの中で主要となるキーワードを調べてみましょう。
そこで有用な無料ツールとして、Google広告の「キーワードプランナー」があります。このツールの基本は、広告を出す中で、検索ボリューム(検索数)の大きいキーワードを調査し、出す広告に反映していくことですが、「広告を出さず、検索キーワードだけを調査する」ことも可能です。
調査結果の中で、表示される「月間平均検索ボリューム」 には「1,000 ~ 1万」 や「 1万~10万」 という大まかな値ですが、主要キーワード探しには有効です。
いきなりツールを使いこなすのは難しいかもしれません。
まずは思いつく言葉を片っ端から入れてみて、その結果を確認してみましょう。結果をいくつも観察しているうちに、きっと何か見えてくるものがあるかもしれません。
また自分で考えるだけでは限界がありますが、こういったツールを使うことで類似となる言葉を提案してもらえます。自分1人だけでは思いつかなかった最適キーワードに出会える可能性もあるでしょう。
キーワードの検索ボリュームについて
キーワードの検索ボリュームが多ければ多いほど、それを見ているユーザーが多いということになります。
ですがご自身のサイトのキーワードとして、あまりにも検索ボリュームが多すぎるものを選ぶのは推奨できない可能性もあります。なぜなら対象ユーザーが多いキーワードの場合、競合も強力になる確率が高いからです。
かといって検索ボリュームが少なすぎると、見ているユーザーが少ないということになります。(キーワードによってはニッチな層を狙う隙間産業的な動きもできるため、これが正解になる場合もありますが)多くの場合、あまりにも検索ボリュームが少なすぎる言葉はキーワードとしては避けたほうが無難です。
検索ボリュームは、キーワードを取り巻く状況を推察するために、非常に重要な要素となります。
ですが最も重要なのは「ターゲットとなる層が、何を求めているか?」をしっかり見極め、それに合わせて対策することです。
今回の相談者様の場合、ご両親が経営する美容院のホームページということですから、王道のキーワードとしては【美容院 ○○(=地名)】ではないでしょうか。
地名も都道府県名・区市町村名など、様々な選択肢があります。場合によって適切なキーワードは異なりますから、状況に合わせて選択しましょう。
なお、調査結果で得られたキーワードリストは保存が可能です。
保存されたキーワードリストの中で、検索ボリュームが「少ない」もしくは「全くない(“-”表示)」キーワードは、いうなればほとんど検索されないキーワードとなります。規模の小さなキーワードの中には成果に結びつきやすいものもありますが、基本はある程度の規模を持つキーワードに絞っていくのが効率的でしょう。
キーワード精査に際して、ポイントとなるのは、
①あきらかに狙う必要のないキーワードは除外する
②意味の不明なキーワードは検索して調べる
等です。
①は、想定するターゲット層が使用するものではないと明らかに分かるワードをさします。
②については、例えば「オーストラリア 留学 予防接種」という検索ワードの場合、ぱっと見た瞬間はその検索意図が良く分からなかったとします。ですが調べてみると「留学する際には、事前に予防接種を受け証明書を作成する必要であり、これらの手続きや注意点がまとめられたWebページが、上位表示されている」ということがわかります。あくまでこちらは参考となる情報であり、実際にご自身のサイトにそれを取り入れるかどうかは別問題ではありますが。
キーワードプランナー等のツールで得られる上位表示キーワードリストは貴重な資料です。
今後コンテンツを作成する場合に参考になるので、時々チェックしておくことをお勧めします。
キーワードに沿ってサイト構成を見直そう
キーワードを決めたら、次はサイトの構成を見直しましょう。先ほどピックアップしたキーワードに沿って、1ページ1キーワードを目安に、サイト構成を考えていきます。
また業種によっては、会社概要ページなども必要となるはずです。
特にサイトタイトルやディスクリプションを、Googleが評価しやすく、ユーザーに伝えやすいものにしていくことで、検索結果に良い影響を与えられる可能性があるでしょう。
検索エンジンでユーザーに読まれる文章は、キーワードや実態に沿った記載が効果的
Googleの検索結果で、各Webページのサイトタイトルの下の文章を「スニペット」と呼びます。
スニペットに表示されるコンテンツの概要文を「ディスクリプション(description)」と言い、きわめて重要な要素と言われています。なぜかと言えば、検索した利用ユーザーは、検索結果の上位に表示されてくる各Webページのdescriptionを一読し、一番自分が調べたい内容にマッチしたWebページをクリックするからです。
ということは、このdescriptionの記載内容がユーザーの検索キーワードにどこまで応えられているかで、その先の行方が決まってしまうと言ってもいいかもしれません。
しかも昨今のモバイル端末という限られた領域(一般的に50~60文字程度以内と言われています)の中で、それを達成させなくてはいけません。この中に、titleと連携をとった重要キーワードを盛り込みながら、関連キーワードも含めつつ、コンテンツを構成する各ページのキーワードとダブることなく、簡潔明瞭な文章を作成していく必要があるのです。
更に、ユーザーの目を引くよう具体的な数字(例えば「経費削減20%」など)を盛り込むのが効果的と言われています。CTR(クリック率)が伸びなくともコンバージョン率で実績が望めます。
いずれにしても、コンテンツがユーザーにとって価値あるものにできていることが前提になります。
スニペットの出来だけが良くても意味がないのです。
リンクは適正に設置しよう
リンクには、グローバルメニューやサイドメニューで使用する一般的に知られているもののほか、コンテンツ本文内で使用できるリンクもあります。
Googleは、サイト全体で共通に使用されるリンクより、コンテンツ本文内で使用されるリンクの評価を重要視しています。ただし不自然すぎるものは評価されないどころか、ペナルティを受けてしまうことも。適正なリンクを過不足なく設置しておくことが望まれます。
コンテンツ内で使用するリンクには、いくつか種類があります。
内容の裏づけを示す引用目的の「参照リンク」、補足説明のためにサイト内の別コンテンツヘ誘導する「サイト内リンク」、ユーザーのアクシヨンを引き出す「CTA (Call To Action)」などです。
記事の信頼性を証明するために、信頼できる機関が発表した調査データなどを参照リンクとして掲載することも大切です。
サイト内リンクについては、GoogleはWebサイト共通で設置される「サイトワイドリンク」よりも、人の手で本文内に設置した「アンカーテキスト(リンクが設定されたテキスト)」でのリンクを高く評価しているようです。関連コンテンツへのリンクなどは、滞在時間向上にも貢献します。
「CTA」とは、「資料請求する」や「カートに入れる」など、ユーザーアクションを促す役割を持つボタンやリンクのことです。適切な場所に設置すれば効果的でしょう。
例えば、
- ブログ最後に記載するもの
- SNSにつなげるため使用するもの
- クリックしてツイートするもの
などで、状況に合わせ使用すれば効果的です。ただし、あまり売込みイメージが強いと逆効果になってしまいますので注意が必要です。
既存コンテンツの改善や追加は継続的に
Googleでは、継続的にコンテンツが更新されているサイトのほうが評価されやすい傾向にあります。サイトを運営していく上で、定期的にページやコンテンツを追加していくのがおすすめです。
例えばサイト内に連載やブログを作成し、月に1記事だけでもよいので更新する、などであればコンテンツ追加しやすいのではないでしょうか。
コンテンツを改善するタイミング
考え抜いて作成したサイトであっても、何年も経てば、実際の状況とのずれが出てきてしまう場合があります。デザインにも流行り廃りがありますから、作成時は最新だったとしても、数年後には古臭く見えてしまう可能性もあるでしょう。
また時が過ぎれば、同じキーワードでも検索ユーザーの意図が変わってくる場合があります。「関連キーワード取得ツール」等で、その変化をフォローしていくような取り組みが必要です
そのために必要なのが、既存のコンテンツを随時改善・強化していくことです。
ブログで取り上げている情報も日進月歩となる分野では瞬く間に陳腐化してしまいます。常に最新の情報となるよう更新をまめに実施していきましょう。
一方、競合コンテンツもSEO(検索エンジン最適化)対策のもと日々改善されているものと思っておいた方がいいでしょう。とすれば、さらなる改善をこちらも行っていかないと取り残されてしまいます。常に情報の幅、濃さ、独自性という三位一体で情報の質を高めるようにします。
この時は、更新日付の変更も忘れずしておきましょう。ただし、既存コンテンツのURLを変更してしまうと、折角蓄積した評価もリセットされてしまうため、極力避けましょう。
次にコンテンツ追加による改善・強化についてのポイントです。
当初作成したコンテンツを改善していくうちに、成果も徐々に上がってくるでしょう。その成果に満足せず、情報の幅と濃さをグレードアップできるような次の施策検討も並行して進めていくことで、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のPDCAサイクルを意識していきましょう。
既存コンテンツの改善ばかりでなく、内容によっては、複数の既存コンテンツを統合するという方法も改善に役立つかもしれません。統合のしかたとしては、コンテンツのトピックを1ページにまとめ、内部リンクを補正し、“301リダイレクト”を設定後、最終確認と不要になったページの削除といった手順で行います。
その他、別の視点として、信頼度向上により結果的として改善・強化を図る方法もあります。
SEOに気を取られすぎて、大事なユーザーとの接点を増やすことを忘れがちになってしまうという毛^-スも。ユーザーが必要とする情報を吸いあげる手立てとして、商品購入前・後のユーザーが調べる情報を調査しておくのもいいでしょう。
例えば、購入前は、各メーカー商品の特徴、値段等が主体であり、購入後は、アフターサービスやF&Aなどです。こういった情報を充実させることで、引き続きユーザーとのパイプをつなぎとめておく施策も大事です。ここで生まれる信頼は、SEOでの成果と同様に貴重なものとなるでしょう。
まとめ
