企業のWebマーケターやSEO担当者にとって、ユーザーの行動を数値で把握することは非常に重要です。その中でも「平均セッション時間」は、訪問者がWebサイトにどれだけ興味を持ち、どれだけ長く滞在してくれたかを測る重要な指標のひとつです。しかし、「平均セッション時間」の正確な意味や、その数値をどのように解釈し、改善に活かすべきかを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。

本記事では、「平均セッション時間」とは何かという基本から、Googleアナリティクスにおける計測の仕組み、業界別の目安、そしてセッション時間を延ばすための具体的な施策までを徹底解説します。SEOやUXの観点からも役立つ内容となっておりますので、ぜひWebサイト改善の参考にしてください。

GA4における滞在時間とは

Googleアナリティクス4（GA4）では、従来のユニバーサルアナリティクス（UA）で用いられていた「平均セッション時間」や「ページ滞在時間」に代わり、「平均エンゲージメント時間（Average Engagement Time）」という指標が中心的に活用されるようになりました。

この平均エンゲージメント時間とは、ユーザーがWebサイトまたはアプリをアクティブに閲覧していた時間の平均を指します。具体的には、ブラウザやアプリが表示状態にあり、ユーザーが実際に画面を見て操作している時間のみが計測されます。別のタブに移動したり、画面を非表示にした状態では、計測は一時停止されます。

またGA4では、イベントベースの計測方式が導入されており、ユーザーが10秒以上Webサイトに滞在した場合、2ページ以上を閲覧した場合、あるいはコンバージョンイベントが発生した場合に、「エンゲージメントのあったセッション」として認識されます。

これにより、ユニバーサルアナリティクスで課題とされていた「1ページだけ閲覧して離脱したセッションでは滞在時間が常に0秒になる」問題が、GA4ではユーザーが実際にアクティブに滞在していたかどうかを基準に判断されるようになり、より実態に即した分析が可能となりました。

このようにGA4では、ユーザーのサイトへの関心度やアクティブな滞在時間をより正確に把握することができるようになっています。SEOやUX改善においては、このエンゲージメント時間を分析し、ユーザーが「どれだけ本気でコンテンツを読んでいるか」を測ることが、より実践的なアプローチとなります。

セッション時間とは

Googleアナリティクス4（GA4）において「セッションタイム」は、ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの1回の訪問（セッション）全体にかかった時間を指します。つまり、1つのセッションの中で、ユーザーがどれだけ長くサイトと対話していたかを表す時間です。

GA4では、従来の「平均セッション時間」の代わりに、よりユーザーの実際の活動を反映した「平均エンゲージメント時間（Average Engagement Time）」が導入されています。この指標は、ユーザーがWebサイトまたはアプリの画面をアクティブに表示していた時間の平均を測定します。

GA4では、セッションタイムそのものよりも、ユーザーがどれだけ「エンゲージ（積極的に関与）」していたかを重視しており、以下の場所で確認できます。

• レポート ＞ エンゲージメント ＞ 概要
  → 平均エンゲージメント時間が表示されます。

• レポート ＞ エンゲージメント ＞ ページとスクリーン
  → 各ページごとのエンゲージメント時間も把握可能です。

ページ滞在時間とは

Google アナリティクス 4（GA4）では、従来のユニバーサルアナリティクス（UA）に存在した「平均ページ滞在時間」という指標は廃止され、代わりに「平均エンゲージメント時間」が導入されています。これは、ユーザーが実際にそのページをアクティブに閲覧していた時間のみをカウントする指標で、タブを切り替えて別の画面に移動した場合や、画面から離れて操作が行われていない時間は除外されます。

そのため、GA4ではページ滞在時間を把握する際は、「ページとスクリーン」レポートで平均エンゲージメント時間を確認するのが一般的です。この指標により、単なる滞在時間ではなく、ユーザーがどれだけ積極的にページ内容と関わっていたかをより正確に分析できます。

アナリティクスの滞在時間の特徴

滞在時間に関する特徴を解説します。

平均滞在時間が0秒になることもある？

GA4では、「平均ページ滞在時間」の代わりに「平均エンゲージメント時間」が使われています。これは、ユーザーがそのページを実際にアクティブに操作していた時間だけを計測します。

そのため、ユーザーが1ページだけ見てすぐ離脱したり、スクロールなどの操作を行わなかった場合は、エンゲージメントが記録されず、滞在時間は0秒と表示されることがあります。

これはGA4の計測仕様によるもので、実際にまったく滞在していなかったという意味ではないことを理解しておきましょう。

おおよそ何分くらいが滞在時間の目安となる？

「平均セッションタイム」の目安は、業界やサイトの種類によって異なります。一般的に、平均セッションタイムが2分以上は高いとされています。ただし、これはあくまで目安であり、サイトのターゲット、業界、コンテンツの種類などによって異なることもあります。また、平均セッションタイムが長いことが必ずしも良いとは限らないこともあります。

コンテンツ別の滞在時間の目安を以下の通りです。

滞在時間はどのように計測されているのか

GA4（Google アナリティクス 4）における滞在時間は、「平均エンゲージメント時間（Average Engagement Time）」という指標で計測されます。これは、ユーザーがウェブサイトまたはアプリをアクティブに閲覧・操作していた時間のみを対象とし、タブの切り替えや離席中の時間は含まれません。

GA4では、ページが前面に表示され、かつ一定のアクション（スクロールやクリックなど）が行われている間だけがエンゲージメント時間として記録されます。そのため、ユーザーがページを開いたまま何も操作せずに離脱した場合は、滞在時間は「0秒」として処理される可能性があります。

また、この時間は各セッション単位のアクティブ時間の合計を、セッション数で割った平均値としてレポートに表示され、「00:分:秒」の形式で確認できます。

GA4ではこのエンゲージメント時間をもとに、ユーザーの関心度やページの品質、コンテンツの改善効果などをより精度高く分析することが可能です。

参考：[GA4] ユーザー エンゲージメント – アナリティクス ヘルプ

滞在時間とUXの関係性

逗留タイム（とうりゅうタイム）は、ユーザーがWebサイト上にいるタイムを示す指標であり、UX（ユーザーエクスペリエンス）については、ユーザーがWebサイトを使用する際の感情や体験を指します。

逗留タイムはUXの一部を構成する要素となりますが、それだけでUXを評価するのは不十分です。逗留タイムが長いとUXが良いとは限りません。たとえば、特定のページに滞在しているタイムが長いが、そのページのコンテンツが難しく理解できなかったり、探している情報が見つからなかった場合、UXは悪いと評価されます。

正確にUXを評価するためには、逗留タイムだけでなく、コンバージョン率、リピーター率、バウンス率などのデータも参考にし、ユーザーがWebサイトを使用する上での体験全体を分析することが重要です。

※「逗留」は、ある場所にしばらくの間滞在することを意味する日本語です。「逗留タイム（とうりゅうタイム）」という言葉は一般的にはあまり使われていませんが、「逗留（とうりゅう）」という語と「タイム（time）」を組み合わせた造語または表現だと考えられます。

平均セッション時間と平均ページ滞在時間

Googleアナリティクスによって、訪問者がWebサイトに逗留したタイムを測定することができます。その中で、2つの指標があります。1つは、1人の訪問者が複数のページを移動しながらWebサイトに留まったタイムの平均値、すなわち「平均セッションタイム」であり、もう1つは、特定のページで訪問者が留まったタイムのアベレージの値、すなわち「平均ページ滞在タイム」です。このように、2つの指標があることがアナリティクスの逗留タイムの特徴です。

「平均セッション時間」と「平均セッション時間」とは

「平均セッションタイム」は、1人の訪問者がWebサイトに逗留していた全体タイムの平均値を指します。つまり、1つのWebサイト内にて複数のページ間を移動しながら逗留している合計のタイムのアベレージの値を示しています。

一方で、「平均ページ滞在タイム」は、特定のページの閲覧タイムのアベレージの値を指します。1人の訪問者が特定のページを閲覧していたタイムのアベレージの値を示しています。

これらの違いは、訪問者がサイト内での逗留タイムを全体的に見るのか、特定のページに絞って見るのかの違いです。

アナリティクスの滞在時間の見方【GA4仕様】

GA4では、従来の「平均セッションタイム」や「平均ページ滞在タイム」に代わり、ユーザーがサイトやアプリを実際にアクティブに操作していた時間を示す「平均エンゲージメント時間」が主要指標として用いられます。

平均エンゲージメント時間（セッション単位）

GA4の「レポート > エンゲージメント > 概要」セクションで確認できます。これは、すべてのセッションにおけるアクティブな操作時間の合計をセッション数で割った値で、セッションごとの関与の深さを測る目安となります。

平均エンゲージメント時間（ページ単位）

「レポート > エンゲージメント > ページとスクリーン」で確認できます。ここでは、各ページ（またはスクリーン）ごとに、ユーザーがアクティブに滞在していた平均時間が表示されます。

この2つの指標を活用することで、ユーザーがどのページにどのくらい関心を示しているか、またはサイト内での行動の質を把握できます。数値が高ければ、ユーザーがコンテンツに強く関与していることを示しており、逆に極端に短ければ改善余地のあるページである可能性もあります。

GA4ではエンゲージメントという概念が中心にあるため、単なる滞在時間ではなく、操作・行動の有無をもとにユーザー体験（UX）を評価できる点が大きな特徴です。サイトの目的に合わせて、これらのデータを施策立案やコンテンツ改善に活かすことが重要です。

アナリティクスの滞在時間を見るときに避けたいこと

アナリティクスの滞在タイムを見る際には、誤った方法を使うとサイトの改善に役立たない可能性があります。例えば、特定のページだけを見て、逗留タイムが短いページを無視しても、サイトのパフォーマンスを正確に把握することはできません。

特定の指標に絞った滞在時間だけ見る

アナリティクスの滞在タイムを見る際に、特定の指標だけを見ることは、サイトの問題点を見落とす可能性があります。例えば、サイト全体のアベレージの逗留タイムが長いと判断してしまっても、特定のページの逗留タイムが短い可能性があります。そのため、サイト全体の逗留タイムだけでなく、各ページ毎の逗留タイムも分析することが重要です。

滞在時間の短いページだけ無視する

アナリティクスの滞在タイムを正しく分析するためには、逗留タイムの短いページも含めて確認することが重要です。 無視してしまうと、品質の低いページを放置することになり、Googleからの評価が低くなったり、コンバージョンが難しくなる可能性があります。 そのため、逗留タイムが短いページも確認し、その問題点を解決することがアナリティクスの逗留タイムを見る上で重要です。

平均セッション時間を伸ばす方法とは？

平均セッションタイムが長いことは、ユーザーがサイトのコンテンツを真剣に読んでいることを意味します。 それにより、ユーザー満足度が高いサイトを作り、SEO対策にも良い影響を与えることができます。 以下では、アベレージのセッションタイムを伸ばす方法を6つ紹介します。

見出しを使い1つのコンテンツを短くまとめる

見出しを使い1つのコンテンツを短くまとめることは、ユーザーがコンテンツを読む際に目的を確認しやすくなり、コンテンツを読み進める意欲を高めることができます。また、見出しを使ってコンテンツを組み立てることで、読者が意図的に特定のセクションを見つけやすくなり、逗留タイムが長くなります。

検索意図に合った構成

検索意図に合った構成を作ることで、検索エンジンの検索結果に表示されるため、検索結果に表示される検索結果に合ったコンテンツを提供することができるため、ユーザーが求める情報をすぐに見つけることができるようになり、逗留タイムが長くなる可能性が高くなります。また、検索結果に表示されるため、アクセス数も増加し、アベレージのセッションタイムを伸ばすことに貢献します。

文章を補足できる画像を使う

文章を補足できる画像を使うことは、文章を読んでいるタイムを延ばす効果があります。 画像を使うことで、文章を理解するのがより容易になり、ユーザーはより長くサイトを閲覧し続ける可能性があります。 また、画像は文章だけでは伝えきれない情報を追加することができるため、訪問者がサイト内に留まりやすくなります。

文字の装飾でメリハリをつける

文字の装飾でメリハリをつけることは、コンテンツをより見やすく、読みやすくすることができます。これにより、ユーザーはより長いタイムコンテンツを読み続け、サイトに留まり続ける可能性が高くなります。また、文字の装飾は、コンテンツの重要な部分を強調することができ、ユーザーがコンテンツを理解するのに役立ちます。これにより、アベレージのセッションタイムを伸ばすことができます。

内部リンクの構造を見直す

「内部リンクの構造を見直す」ことで、サイト内をスムーズに移動できるため、ユーザーはサイト内のコンテンツを詳細に読み込むことができます。また、関連するコンテンツを簡単に探せるため、サイトを深く調べるようになり、逗留タイムが延びる可能性があります。それにより、サイトのインデックス化が改善され、検索結果により高いランキングを獲得できる可能性があり、検索意図に合った構成になり、ユーザー満足度が上がります。

コンテンツの質を高める

平均エンゲージメント時間を伸ばすには、コンテンツの質を高めることが最も効果的です。

質の高いコンテンツとは、ユーザーにとって新鮮で興味深く、目的に合った情報が適切に整理されているものです。関連する画像や動画を取り入れることで、視覚的な理解が深まり、滞在時間の向上にもつながります。

また、十分な文章量を確保しつつ、読みやすい構成や見出しで可読性を高めることも大切です。内部リンクを設けて関連ページへ導くことで、サイト全体の回遊性も向上します。

さらに、具体的な情報や実用的なアドバイスを含めることで、読者の満足度が高まり、エンゲージメントの維持につながります。CTAや問い合わせフォームなど、行動を促す要素を適切に配置することで、コンバージョンにも結びつけることができます。

このように、構成・表現・導線の工夫を重ねることで、滞在時間を自然に伸ばすことが可能です。

まとめ

ここまで平均セッションタイムについて解説してきました。工夫次第でアベレージのセッションタイムを伸ばすことが可能となりますので、企業のWebマーケターやSEO担当者は、今後の運営の参考にぜひ参考にしてみてください。

SEOとWEBマーケティングの東京SEOメーカーTOPへ戻る