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Googleアナリティクスのサンプリングとは?確認と回避方法を解説

Google analyticsのサンプリングGoogleアナリティクスを活用する際に、サンプリングというワードを目にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、「Googleアナリティスクのサンプリングって何?」「サンプリングは回避するべき?」など、さまざまな疑問を抱えるでしょう。

 

SEOコンサルタント‐天野そこで本記事では、Googleアナリティクスのサンプリングについて詳しく解説します。発生する理由や条件、確認から回避する方法までまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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Googleアナリティクスのサンプリングとは

Googleアナリティクスのサンプリングは、大量のデータを処理する際に、その一部をサンプルとして抜き出し、統計的な推測に基づいてレポートを作成する手法です。

以下では、Googleアナリティスクスのサンプリングについて、基本的な内容を解説するので、概要を把握するためにもチェックしておきましょう。

 

  • サンプリングの条件
  • サンプリングの対象ケース
  • サンプリングの精度

 

サンプリングの条件

ぺージビューが多く、分析するデータ量が膨大になる場合はサンプリングが行われます。特に、レポートを生成する際に無料版なら50万セッションを超えるデータを扱うとサンプリングが適用されます。これに対して、有料版のGoogleアナリティクス360では、発生条件が1,000万セッションまで引き上げられるため、サンプリングが発生しにくくなるでしょう。

また、カスタムレポートを作成した場合はサンプリングが起こり得る一方、あらかじめ設定された標準のデフォルトレポートでは、基本的にサンプリングが発生しないことが多くあります。どのレポート形式・プランかで条件が変わるため、発生条件を理解しておくことが重要です

 

参照:大企業向けの分析ツールとソリューション-Google アナリティクス 360

 

サンプリングの対象ケース

サンプリングは主に以下のような場面で発生します。

 

  • カスタムレポートを作成した場合
  • 長期間のデータを分析する場合
  • フィルタを適用した場合

 

基本的に、デフォルトのレポートではサンプリングは発生しませんが、カスタムレポートを作成したり、デフォルトレポートにセグメントやフィルタを適用したりすると、サンプリングが発生する可能性があります。

カスタムレポートでは、ユーザーが指定した条件に基づいてデータを抽出するため、データ量が膨大になります。そのため、サンプリングが発生するので、避けたい時にはデフォルトレポートでの作成が適しているでしょう。

また、分析対象期間が長くなる際も、データ量が増えることによりサンプリングが発生する傾向にあります。特に、数ヵ月や1年以上の期間にわたるデータを一度に分析しようとすると、セッション数が膨大になりかねません。

さらに、Googleアナリティクスで特定の条件でデータをフィルタリングする際にもサンプリングは発生します。具体的には、特定のユーザー層やトラフィックソースに絞ったデータを抽出する場合です。

これらの場合は、データ量が大きくなりがちなため、サンプリングが適当されます。対象ケースを理解しておくことで、必要に応じてサンプリングを回避することもできるので、これらの内容を把握しておきましょう。

 

サンプリングの精度

サンプリングされたデータの精度は信頼できる範囲で抽出されますが、全てのケースで正確な情報とは限りません。サンプリングされたデータは全体のデータを代表するサンプルに基づいてレポートが作成されます。しかし、非常に詳細なデータ分析や数値の変動が少ない場合には、生成される結果の精度が下がってしまう可能性があります。

また、レポート画面で表示する数値の割合が低いほど、元データの正確な反映が難しくなるため、分析結果に誤差が生じる可能性があります。

さらに、サンプリングは特に小規模な変動を追跡する際や、コンバージョン率のような詳細な指標を確認する場合には影響を受けやすくなってしまいます。一方、全体的なトレンドや大まかな傾向を把握する目的であれば、サンプリングされたデータでも十分に正確で信頼できる場合が多いです。これらの内容をもとに、どのような目的で分析するのかを明確にして、サンプリングを回避するべきか否かを判断しましょう。

 

Googleアナリティクスでサンプリングが発生する原因

サンプリングが発生するのは、主にデータ処理の効率化とユーザーに迅速に解析データを提供するための対策です。以下では、それぞれの内容について解説しているので、確認しておいてください。

 

  • データ処理の効率化
  • ユーザーに解析データを表示する

 

データ処理の効率化

Googleアナリティクスは膨大な数のセッションやイベントをリアルタイムで処理する必要があるため、全てのデータを完全に解析しようとするとシステムの負荷が増加し、レポート生成に時間がかかってしまいます。特に、データが数百万セッションに達するような大規模なWebサイトでは、全てのデータを処理するには非常に多くの計算リソースが必要です。

そこでサンプリングを行うことで、膨大なデータの一部をもとにした統計的推測を行うことで、迅速なデータ処理を可能にしています。これにより、全てのデータを処理するよりも少ないリソースで即座に結果を表示できるようになるでしょう。このように、サンプリングはカスタムレポートや特定のセグメントにフィルタをかけた分析を行う際に役立ちます。

また、大規模なデータセットを持つ企業にとっては、データ処理の遅延がビジネスに与える影響が大きいため、全体の処理速度の最適化ができるサンプリングが効率的です。特に、ユーザーが急いでデータを確認したい場合、サンプリングによる効率化は重要な役割を果たすでしょう。

 

ユーザーに解析データを表示する

多くのデータをまとめて分析するには時間がかかり、ユーザーが必要なデータをタイムリーに確認できない可能性があります。特に、カスタムレポートや複雑なフィルタ条件を使用した場合、処理時間が長くなりかねません。

しかし、サンプリングが行われるとデータの一部しか使用しないため、短時間で迅速にレポートを生成してくれます。これにより、ユーザーはリアルタイムに近い形でデータを確認でき、ビジネスの意思決定に役立てられるでしょう。処理スピードは、特にWebトラフィックの急増やキャンペーンの効果測定を行う際に重要です。

例えば、特定のキャンペーンを実施中にリアルタイムでトラフィックやコンバージョンを確認する場合、サンプリングされたデータを迅速に提供する方が全データの処理よりも有用です。データが正確であるかに加えて迅速に利用できることが重視される場面に、こうしたタイムリーなレポートが役立ちます。

 

Googleアナリティクスのサンプリング確認方法

サンプリングが発生しているか否かの確認方法は事前に把握しておくことが大切です。以下では、Googleアナリティクスのバージョンごとに解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

  • ユニバーサルアナリティクスでの確認方法
  • GA4での確認方法

 

ユニバーサルアナリティクスでの確認方法

サンプリングが適用されると、レポート画面の右上に通知が表示されます。具体的には、カスタムレポートやフィルタ、セグメントを使用した場合、レポート画面の右上に「このレポートはセッションの〇%に基づいて計算されています」というメッセージが表示されるでしょう。

数値が大きければ大きいほど、より多くのデータが使われているため精度は高くなります。しかし、反対に数値が小さい場合はデータが少なく、レポートが実際の内容を完全に反映していない可能性があるので把握しておきましょう。

参照:ユニバーサルアナリティクスはGoogle アナリティクス 4 に置き換わりました

 

GA4での確認方法

GA4もユニバーサルアナリティクス同様に、レポート画面にサンプリングが行われていることを示すメッセージが表示されます。GA4では、特にカスタム探索レポート(Explorerレポート)を使用した際にサンプリングが発生しやすいため、この場合もメッセージを確認しておくことが大切です。

また、GA4はより柔軟なデータ処理が可能であり、無料版であってもサンプリングは10億件のイベントに達するまでは行われません。そのため、ユニバーサルアナリティクスに比べてサンプリングが発生しにくく、基本的には大規模なデータでなければサンプリングに悩まされることは少ないでしょう。しかし、それでもデータ量が非常に多い場合にはサンプリングが行われるので、確認方法については理解しておくようにしましょう。

参照:[GA4] 次世代のアナリティクス、Google アナリティクス 4 のご紹介

 

Googleアナリティクスのサンプリング回避方法

データ量が増えると自動的に発生し、サンプリングにより全体のデータが正確に反映されない可能性が高まります。そのため、正確なデータが必要な場合や詳細な分析を行いたい場合には、サンプリングを回避しなければいけません。必要に応じて以下の回避方法を試すようにしてください。

 

  • データ抽出期間の日付を絞る
  • GA4にアップグレードする
  • BigQueryにエクスポートする
  • Googleアナリティクス360を使用する
  • デフォルトレポートを使用する

 

データ抽出期間の日付を絞る

最もシンプルな回避方法は、データ抽出期間を短縮することです。1年分のデータを抽出しようとするとサンプリングが発生する可能性は高まりますが、その期間を1ヶ月や3ヶ月などに絞ってデータを取得すると、サンプリングが発生しない範囲に収められるでしょう。

また、短期間のデータを複数回に分けて抽出し、後ほど、手動で集計や比較をする方法も最適です。特に、月次レポートや週次レポートでのデータ確認を行う際には、この方法が有効となるでしょう。

GA4にアップグレードする

Googleアナリティクスの新しいバージョンであるGoogleアナリティクス4(GA4)のあ活用もおすすめです。なぜなら、GA4はイベントベースのデータ収集を採用しており、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)に比べてサンプリングの発生頻度が大幅に低くなっているからです。具体的には、無料版のGA4でも10億件のイベントにしきい値が設定されており、サンプリングの回避が期待できます。

そのため、GA4にアップグレードすることで、サンプリングの心配をせずにより詳細で正確なデータ分析が可能となるでしょう。特に、ビジネス規模が大きい企業や大量のイベントトラッキングを行うサイトにおいてはとても効果的です。このように、できる限り多くの場面で回避したいと考えるなら、GA4の利用を検討しましょう。

参照:[GA4] 次世代のアナリティクス、Google アナリティクス 4 のご紹介

 

BigQueryにエクスポートする

サンプリングを完全に避けたい場合、GoogleのデータウェアハウスサービスであるBigQueryにデータをエクスポートする方法もおすすめです。BigQueryは、Google Cloudの一部で、膨大なデータをサンプリングせずに処理・分析するための強力なツールです。そのため、GoogleアナリティクスのデータをBigQueryにエクスポートすれば、全てのデータを完全に保存し、正確なデータに基づいた分析が可能になるでしょう。

また、BigQueryにデータをエクスポートすれば、カスタムレポートやフィルタを使ってもサンプリングがされません。これは、特に大規模なサイトや継続的に大量のデータを処理・分析する必要がある場合に有効な手段となります。このように、正確なデータ分析を求める企業にとっては非常に価値のある方法ですが、BigQueryを利用するにはGoogle Cloudのアカウントとデータベースの設定が必要なので注意しましょう。

 

参照:BigQuery エンタープライズ向けデータウェアハウス|Google Cloud

 

Googleアナリティクス360を使用する

Googleアナリティクス360を利用することで、サンプリングが発生しにくい環境で利用し続けられるでしょう。Goolgleアナリティクス360は、Googleアナリティクスの有料版であり、大規模なデータ分析が必要な企業向けに提供されています。具体的には、サンプリングが適用される基準が大幅に緩和され、1,000万セッションまでデータを扱えます。

そのため、サンプリングを避けたい場面が頻繁にある大規模サイトや、特定のマーケティング施策の詳細な結果を正確に把握したい場合には、Googleアナリティクス360の利用が適しているでしょう。また、Googleアナリティクス360には、より高度なサポートや機能も付いていて、データに基づく意思決定が重要な企業にとって非常に価値の高いツールとなるでしょう。

参照:大企業向けの分析ツールとソリューション-Google アナリティクス 360

デフォルトレポートを使用する

Googleアナリティクスでは、サンプリングはカスタムレポートや特定のフィルタ・セグメントを適用した場合に発生しますが、デフォルトレポートでは基本的にサンプリングが発生しません。なぜなら、デフォルトレポートが全データを基に作成されているからです。

しかし、デフォルトレポートにはカスタムレポートほど詳細な分析機能がないため、必要な情報が表示されない場合があります。この場合、フィルタやセグメントの使用を最小限に抑え、必要なデータを最も簡素な形で取得するようにしましょう。

 

Googleアナリティクスの現在と過去

Googleアナリティクスは、初期バージョンから現在のGoogleアナリティクス4に至るまで、データ収集の手法や解析の仕組みが大きく改善され、今やウェブサイト運営者・マーケターにとって必要不可欠なツールです。

 

  • Googleアナリティクスの対応の違い
  • より正確なデータを抽出する方法

 

Googleアナリティクスの対応の違い

従来のユニバーサルアナリティクス(UA)は、ページビューをもとにセッション単位でデータを収集するモデルを採用していました。このアプローチでは、ユーザーがサイト内で複数のページを閲覧する、特定の行動をとる場合にその行動がセッションとしてまとめることができます。

しかし、複数のデバイスやアプリをまたぐユーザー行動の追跡が困難で、モバイルアプリやウェブのデータを一貫して管理するには限界があり、データ精度が落ちることが課題となっていたでしょう。

これに対して、現在のGoogleアナリティクス4(GA4)は、ページビューに依存せずにイベントベースのデータ収集を行うため、より包括的なユーザー行動の追跡が可能となっています。ページ閲覧だけでなく、クリックやスクロール、動画再生といった個々のユーザーアクションがイベントとして記録されます。さらに、サンプリングが発生しにくい設計となっており、従来のUAに比べてデータ精度が向上し、GA4はより正確なデータ収集が期待できるでしょう。このように、現在と過去のGoogeアナリティクスでは大きな違いがあるため、可能であれば現在のバージョンを使用することをおすすめします。

参照:[GA4] 次世代のアナリティクス、Google アナリティクス 4 のご紹介

 

より正確なデータを抽出する方法

データがサンプリングされる場合でも分割してデータを抽出することをおすすめします。例えば、長期間のデータを扱う場合に、一度にまとめて分析を行うのではなく、数ヵ月ごとに期間を区切ってデータを取り出す方法です。そうすることで、サンプリングを回避しやすくなり、データ抽出の精度を高められます。

また、サンプリング回避方法でも前述したとおりですが、GA4やGoogleアナリティクス360の導入も1つの方法です。サンプリングを回避しやすい設計が導入されているので、サンプリングを回避して大規模なデータでも詳細な分析が可能となるでしょう。特に、大規模なマーケティング活動を行う企業は、正確なデータに基づく意思決定が欠かせません。そのため、誤った情報での意思決定を避けられるように、Googleアナリティクスのバージョンアップをするようにしましょう。

 

まとめ

SEOコンサルタント‐天野Googleアナリティクスのサンプリングは、データ処理の効率化を図るために導入された仕組みであり、特に大量のデータを扱う際に発生します。サンプリングが行われると全データが正確に反映されないため、分析結果に誤差が生じる可能性があります。しかし、データ抽出期間を短くしたりGA4やBigQueryなど活用することで、正確なデータに基づいた解析ができるでしょう。特に、Googleアナリティクス4(GA4)は、サンプリングが発生しにくい構造を持っており、正確なデータを保持しながらもウェブとアプリ両方の解析を統合的に行えます。最終的には、サンプリングが発生しているかどうかを常に確認し、必要に応じて回避策を講じることでより精度の高いデータ解析を行うことが重要です。ぜひ本記事で解説した内容を参考にして、Googleアナリティクスを最大限に活用し、データに基づいたビジネスの成長を目指しましょう。
監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
天野 剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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