Pardot（パードット）は効果的なマーケティングを自動化できるMAツールです。確度の高い見込み顧客を抽出し、成果につながりやすい顧客へ育成するまでのマーケティングを自動化できます。

Pardotはセールスフォース・ドットコム社が提供するMAツールとしては世界No1のシェアを誇ります。Pardotを導入する世界中の企業が実績をあげているため、導入を検討する価値があります。

今回は、Pardotの特徴や機能から導入するメリットを解説します。

Pardot（パードット）とは

PardotはMAツール（マーケティング自動化ツール）で、世界的にも人気のCRM（顧客管理ツール）を販売しているSalesforce（セールスフォース・ジャパン）のツールです。現在では、Account Engagementと名称を変更しています。

Pardotは見込み顧客の獲得や育成、評価などの一連の顧客管理を自動化するため、顧客情報や行動情報からシナリオに従って適切なマーケティング施策を自動でおこないます。

Salesforceのマーケティングに役立つツールとPardotを連携させたマーケティングも可能です。

Pardotは、大手企業からスタートアップ企業まで幅広く導入されており、DXを担う有力なMAツールといえます。

Pardotの特徴

Pardotは顧客管理を自動でおこなえるツールですが、さまざまな特徴があります。

見込み顧客の抽出

顧客情報や行動情報からスコアリングなどの評価をおこない、成約確度が高い見込み顧客の抽出をおこないます。数値で見込み顧客を判断できるため、優先的にアプローチする必要のある見込み顧客を可視化できます。

スコアリングについては、独自のカスタマイズに変更可能であるため、正確なスコアリングが可能です。

顧客と適切なコミュニケーションをはかる

Pardotは顧客情報や行動に伴ったコミュニケーションをはかり、成約確度を高められます。例えば、顧客の購買意欲に応じて商品やサービスなどの内容に関するメールを送信するなど、最適なタイミングでプロモーションをおこないます。

メールを送信したあとの効果測定も可能であるため、マーケティング施策の改善にも役立つツールであるといえます。

投資対効果の測定

Pardotは投資額に対する効果を数値化するレポート機能が搭載されており、ダッシュボード上で確認可能です。費用対効果を判断でき、マーケティング施策の継続もしくは違う施策の実施などの判断をサポートします。

効果測定の一つの基準として活用できる、とても便利な機能です。

Salesforceと連携

PardotはSalesforceのツールと連携ができる大きなメリットがあります。SalesforceのCRM(顧客管理ツール)と連携することにより、Pardotで収集した顧客のWEBサイト閲覧・行動履歴、メールの開封状況などをCRMに反映することが可能です。

CRMで管理する顧客情報が充実し、組織内で見込み顧客の関心度や購買意欲を把握できるため、顧客との商談などのプロセスで利用できます。

Salesforceのツールと連携することにより、スムーズにマーケティング施策を実施できます。

Pardotの機能

Pardotはさまざまな機能を搭載していますが、代表的な機能は以下のとおりです。

など

それぞれの機能について解説します。

Webトラッキング

WEBトラッキングとは、WEBサイトにアクセスした見込み顧客の行動を記録したり、追跡したりする機能です。Pardotでは特定のWEBページ内の行動を記録、追跡できます。また、サブドメインやディレクトリ違いのWEBサイトを一つのWEBサイトとしてトラッキング可能です。

PardotのWEBトラッキングは、cookieによるものであるため、アクセスした見込み顧客の情報を細かく収集できます。例えば、セミナーやウェビナーの参加を申し込んだ見込み顧客がどのようなコンテンツやWEBページを閲覧したのかなどを確認できます。

WEBマーケティングでは欠かせない機能です。

スコアリング

WEBサイト内での行動記録や顧客属性などをもとに数値評価する機能です。例えば、WEBサイトの閲覧回数や購入ページへの訪問回数などから、プロモーションの優先度を判断するための数値を算出します。

一定以上のスコアが算出されたら、次のステップのプロモーションをおこなうなどの判断が可能です。

グレーディング

見込み顧客を、成約確度によってグレードでカテゴライズする機能です。顧客情報からPRする商品やサービスの相性がいい見込み顧客を可視化できます。

ターゲットが限定されるような商品やサービスの販売などに効果的な機能です。

メールシナリオ設定

あらかじめ設定したシナリオに沿って、メール配信をおこなう機能です。例えば、資料請求のためにメールアドレスの登録をした見込み顧客に対し、翌日に感謝を伝える内容とイベント告知のリンクが掲載されたメールを配信するなどを自動でおこなえます。

WEBサイト内で設定したシナリオに沿って見込み顧客が行動することにより、顧客育成のためのメール配信を自動でおこなう機能です。

シナリオについては、Salesforceが公開している定番シナリオを利用することも可能です。

レポーティング

WEBサイトへアクセスした見込み顧客の行動をリアルタイムで把握する機能です。アクセスのあるWEBページやアクセス数を確認でき、ダッシュボードで投資対効果や広告設定、SEOの効果測定もできます。

WEBサイトを運営している場合、Google Analyticsを利用している場合が多いですが、Pardotと併用できます。

ナーチャリング（顧客育成）

Pardotは前述した機能を併用することにより、ナーチャリング（顧客育成）できます。スコアリングやシナリオメールなどを組み合わせることにより、顧客と良好な関係を築き、見込み顧客からよりよい状況に顧客を育成して商談につなげられます。

また、商談成功後に他の商品やサービスなどの成約につなげるための、優良顧客への育成施策の実施も可能です。

ダイナミックコンテンツ

スコアリングの結果によって顧客へのアプローチ方法を分ける機能です。例えば、特定のWEBページを見た見込み顧客のみ表示させるコンテンツを表示させたり、メールを配信したりできます。また、国情報によってメールの言語を切り替えることも可能です。

ランディングページ（LP）やフォーム作成

PardotはシンプルなLP（ランディングページ）や問い合わせフォームの作成など、初歩的なクリエイティブな内容についてもサポートします。しかし、この機能については本格的なクリエイティブツールと比較すると、劣る部分が多いです。そのため、おまけ程度の機能であると考え、サポートツールとして活用してください。

Pardotを導入するメリット

Pardotのその特徴や機能から、導入している企業が多くのメリットを見出しています。その中でも多くのユーザーがメリットであると感じている内容を紹介します。

操作性が高い

Pardotはシンプルで操作性の高いUI（ユーザーインターフェース）が魅力的です。直感的に操作できる設計であるため、初めて利用するユーザーも安心して利用できます。

また、LPや問い合わせフォームなどのクリエイティブな内容についても、操作性の高さを活かして簡単に作成できます。

サポート体制が整っている

Pardotは導入した直後のサポート体制が整っているため、初めて利用する企業でも安心して導入できます。マーケティング戦略や具体的なシナリオ設計など、施策や分析、改善まで全てサポートします。

コミュニティに参加できる

Pardotユーザー向けのPardotコミュニティに参加でき、初期設定やおすすめの利用方法などを、ユーザー同士で情報交換できます。インターネット上でも情報取集可能ですが、Pardotコミュニティで、より具体的でピンポイントな情報を収集できます。

Salesforceと連携・機能が充実

PardotはSalesforceのCRMと連携できるメリットがあるため、顧客管理からマーケティング施策まで自動化できます。また、UIが統合されているため、スムーズに連携操作可能です。

AI計測が魅力的

PardotのAI計測は顧客発掘やアプローチのタイミング、効果的なキャンペーンの提案など、さまざまな用途で利用できます。マーケティング施策のさまざまな内容をAIで効果的に実施できるため、マーケティング担当のリソースを軽減できます。

Pardot導入の注意点

Pardotはさまざまな便利な機能を搭載していますが、知っておく必要がある注意点があるので紹介します。

解決したい課題を明確にしておく必要がある

MAツールを導入する場合に共通する注意点ですが、導入して解決したい課題を明確にしておくことが大切です。課題を解決するための具体的な活用イメージ持つことにより、付与する機能やプランを選択できます。

Pardotを導入することで成果をあげられるというわけではなく、マーケティングで発生する多くの課題を解決するツールであるという認識を持つことが必要です。

Pardotを利用する担当者のモチベーションを確認

Pardotは初期設定から運用までのサポート体制が整っていますが、MAツールを使うモチベーションが必要です。MAツールを使う場合、マーケティング施策をサポートする機能を自分で見出したり、サポートに問い合わせたりする必要があります。

Pardotはさまざまな要素において優れているツールですが、主体的に利用するモチベーションは最低限必要です。

Pardotの評判

Pardotのユーザー使用した感想や口コミ、評判は以下のとおりです。

前述している機能やメリットの内容と重なる部分がいい評判につながっています。

Pardotのように人気の他のMAツールも、お試し期間を実施していることが少なく、ツールを配信している営業担当者と入念な打ち合わせをおこなって導入するケースが多いです。

また、Pardotには説明書というものが存在しませんが、前述したように充実したサポート体制とコミュニティを利用することにより、使用方法などを知ることが可能です。これらの評判以外にも多く存在しますが、Pardotをどのように活用するのかを明確にすることにより、便利に使いこなせます。

その他のMAツールと比較

Pardotと人気のMAツールであるAdobe（アドビ）のMarket（マルケト）、Hubspot(ハブスポット）のMarketing Hub（マーケティングハブ）を比較します。導入するMAツールを選ぶ際に参考にしてください。

Marketo（マルケト）と比較

Marketo（マルケト）はPardotと同様に世界中の企業が導入している人気のMAツールです。全世界で5000社以上が採用するMarketo Engageのマーケティングオートメーションは、デジタルからアナログまで顧客接点をカバーするマーケティングツールです。

BtoBとBtoC両方の界隈で便利に活用できるため、幅広い見込み顧客に効果的なマーケティング施策を自動でおこなえます。Pardotの方がBtoBに対応する機能が豊富であり、MarketoはSNS運用などのBtoCに対応する機能が多いです。

BtoCにおけるマーケティングツールであれば、Marketoを検討してください。

Marketing Hub（マーケティングハブ）と比較

Marketing Hub（マーケティングハブ）は、HubSpot（ハブスポット）という会社が配信するMAツールであり、顧客育成を効率的におこなうツールです。Pardotと比べて、運用費用が安いですが、cookieなどのビッグデータを利用したマーケティングをおこなう場合はPardotがおすすめです。

しかし、小規模のマーケティングをおこなう場合やMAツールを実験的に導入する場合は、Marketing Hubの導入がおすすめです。

HubSpot と Pardot の比較では、各プラットフォームに独自の強みがあります。

• HubSpot は、 「トップ オブ ファネル」マーケティング、特にインバウンド マーケティングで輝いていることで定評があります。
• Pardot は、考慮された購入 (つまり、営業担当者が関与するもの) を含む、セールス イネーブルメントとカスタマー ジャーニーに焦点を当てています。

Pardot は、Salesforce プラットフォームを利用して、データを Pardot に渡すことができますが、より多くのインテグレーション機能を利用する必要があります。HubSpot は、コネクタを使用して多くのサードパーティ ツールと統合します。小規模スタートや外部との連携を重視するならHubSpotを利用し、salesforceを使うならPardotを選びましょう。

Pardotの具体的な活用事例

Pardotは世界的にも人気のMAツールであるため、多くの企業が導入しています。導入している企業がどのような活用をしているのかを知り、具体的な活用イメージを持ってください。

KirkpatrickPriceの事例

KirkpatrickPrice は、アメリカのテネシー州の会社で、情報セキュリティ公認会計士事務所であり、48 州、カナダ、ヨーロッパ、アジアなどの 1,000 を超えるクライアントに保証サービスを提供しています。

PCAOB に登録されている KirkpatrickPrice は、情報セキュリティとコンプライアンス管理を強化する監査、評価、および侵入テストを実行する情報セキュリティ保証の経験が 15 年以上あります。

Pardot を使用して、リードの生成と育成活動を管理しています。

参考：https://marcloudconsulting.com/pardot-case-studies/kirkpatrick-price

江崎グリコ株式会社の事例

江崎グリコはPardot導入により、マーケティング戦略を改め、WEBサイトのリニューアルやマーケティング施策の自動化をおこないました。

Pardot導入前は、最適なWEBマーケティングをおこなうシステムがなく、顧客からの問い合わせ以外の情報発信がおこなえていない状況でした。

Pardotの導入でマーケティングを自動化し、資料請求やメール配信、顧客育成までを自動でおこなう環境を整えています。

結果として、WEBサイトから見込み顧客を多く獲得する結果につなげています。

参考：https://www.salesforce.com/jp/customer-success-stories/glico/

まとめ

Pardotの魅力はさまざまありますが、Salesforceと連携ができることが大きな魅力です。確度の高い見込み顧客を発掘し、適切なタイミングでアプローチするマーケティング施策を自動化できます。レポート機能で情報を収集し、分析を行うことにより、マーケティング施策の効果測定やより良いマーケティング戦略の立案が可能です。Pardotを利用することにより、質の高いマーケティングを効果的に実施できます。

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この記事の監修者

アドマノ株式会社　代表取締役　天野　剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析（Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持）コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。