インターネットで情報発信する際、欠かせないスキルの1つはWEBライティングです。WEBライティングを活用することで、ユーザーに価値ある情報をわかりやすく伝えることができます。

そこでここでは、WEBライティングの基本や原則、書き方の手順などをお伝えします。

WEBライティングについて

WEBライティングとは、インターネットで閲覧されるコンテンツを執筆する技術のことです。ブログ記事やソーシャルメディアへの投稿、メールマガジンなどは、WEBライティングで執筆されたものです。紙媒体とは違って、ユーザーがインターネットを通してコンテンツを閲覧することを前提としています。

WEBライティングの目的は情報を正確に伝え、ユーザーのニーズを満たすことです。そのため、インターネットを通じて情報発信する個人や企業にとって必須スキルといえます。

参考ページ: Writing for the Web – Usability.gov

活用シーン

文章を使ってインターネットで情報発信する場合、さまざまな場面でWEBライティングの技術が使われます。ここでは、具体的な活用シーンをとりあげ解説します。

ブログ記事
個人や企業がブログを公開して情報発信する場合、WEBライティングを活用します。特定のトピックや情報、体験などを公開するのが一般的です。分かりやすく、丁寧な情報発信をすることで読者との交流が促進されたり、企業のブランド構築に役立ちます。

WEBサイトのコンテンツ
企業やお店のWEBサイトには、商品・サービスの情報や会社概要、よくある質問など、さまざまな情報を掲載しています。これらのコンテンツを魅力的で分かりやすい文章で伝えるために、WEBライティングの知識が必要です。

メールマガジン
自社がメールマガジンを発行し、最新ニュースや専門トピックなどを公開することがあります。その際には、ユーザーに向けて直感的に分かりやすい文章で伝える必要があるため、WEBライティングを活用します。

ソーシャルメディア
ソーシャルメディア(Facebook、Xなど）を利用して情報発信する際には、読者の興味を引きつける短いテキストが必要です。このようなインパクトのあるメッセージを伝えるには、WEBライティングの知識が役立ちます。

電子メール
ユーザーや取引先に対して、メールでやりとりをすることがあります。例えば、問い合わせがあれば、それに対して返答をしなければいけません。このような場合もビジネスマナーに沿った文章で伝える必要があり、WEBライティングが使用されます。

オンライン広告
WEB広告を利用する際には、キャッチコピーや説明文などを記述する必要があります。限られた文字数の中で、自社商品の魅力を伝えることが求められます。このような場合にも、WEBライティングが活用されます。

以上は一例ですが、WEBライティングはインターネットで文章を書くあらゆる場面で活用される技術です。

SEOライティングとの違い

WEBライティングとSEOライティングは、両方ともインターネットで文章を作成する技術ですが、目的が異なります。WEBライティングはブログやメールマガジンなどを通じて、ユーザーに有益な情報を提供したり、ユーザーとの交流を促すことが目的です。

一方、SEOライティングは、検索エンジンの最適化を考慮してコンテンツを作成します。目標は、検索結果の上位に表示することです。

つまり、どちらもインターネットで文章を書く技術のことですが、ユーザーに焦点をあてるか、検索エンジンに焦点をあてるかという違いがあります。

WEBライティングの3原則

良質なコンテンツをつくるためには、わかりやすくて役に立ち、親しみあるものになる必要があります。これらがWEBライティングを実践する基本原則です。そこでこの原則について詳しく解説します。

1.分かりやすいこと

インターネットには、不明瞭な文章や雑多な情報があふれています。そのなかで注目を集めるには、一文一文を丁寧に吟味し、ユーザーに分かりやすく伝えることが必要です。曖昧なアイデアや専門用語、中途半端な意見などがないように執筆してください。そのためには取り上げたテーマをライター自身が十分に理解したうえで、書き始める必要があります。

コンテンツを読むユーザーは、必ずしも時間や集中力があるわけではありません。分かりにくい文章は、ユーザーが途中で興味を失い離れてしまうことにつながるので注意してください。

2.役に立つこと

発信する情報は、ユーザーの役に立つものでなければいけません。ユーザーが関心をもっているテーマを選び、ユーザーの問題解決に役立つよう文章を構成します。ユーザーが抱える課題や疑問に対して具体的な意見や提案を伝え、読んだ後に「役に立った」と実感してもらうことを目指します。

また、役立つコンテンツには、信頼性が必要です。役に立ちそうな情報でも、不確かな情報や間違った情報を伝えればユーザーからの信頼を失います。そのため、できる限り根拠となるデータや研究成果を示すようにしてください。

3.フレンドリーであること

パソコンで文章を書く際、忘れがちなことがあります。それは、インターネットの向こうには感情を持った人間がいるということです。そのため、ただ情報を羅列した無機質な文章を書くことは不適切です。

ユーザーにあった適切な言葉を選び、親しみある口調でメッセージを伝えてください。一方的に情報を伝えるのではなく、語りかけるような感じで、文章のトーンには優しさや温かさを感じさせるようにしてください。ユーザーの疑問や不安に対して寄り添う姿勢で執筆するのが望ましいです。

WEBライティングの手順

ここでは、WEBライティングを進める際の手順についてお伝えします。厳密には案件によって手順はいくらか異なります。しかし、基本的には次の4ステップで執筆します。

1つずつ解説します。

参考ページ: The 4-Step Guide to Writing Web Content for Your Business Website – ExpressWriters

リサーチ

執筆するテーマを正確に把握するために、まずリサーチが必要です。具体的には、そのテーマの専門家にインタビューしたり、本を読んだり、世間での評判などをまとめます。

また、同じテーマに関する他社の意見も調べるようにしてください。他社がユーザーに対してどのような表現を使い、どのような情報をユーザーに伝えているのかといった点に注目します。

コンテンツの目標を決める

自社が公開するコンテンツを通して、何を達成したいのかという目標を決めます。例えば、執筆したコンテンツを読んだユーザーに特定の行動をとって欲しい、あるいはテーマになっている事柄の基礎知識を知ってもらうなど具体的に決めます。ユーザーが必要としていること、自社がユーザーに伝えたいことの両方を把握すれば、目標を決めやすいです。

書く

リサーチをして、コンテンツの目標を決めたらいよいよ実際に文章を書きます。時間があるなら、複数の文案を候補として挙げ、いちばんよいものを選ぶようにしてください。いくつかの文案から、言葉やフレーズを入れ替えてたり、削除したりして推敲することで良質なコンテンツに仕上がります。

見直し・編集

コンテンツは一度書いたらそれで完了ではありません。執筆したコンテンツを読み直し、必要に応じて修正します。誤字脱字を見つけたり、口調を確認します。また、必要に応じて原稿をプリントアウトして、静かな場所で読み直します。

また、まとまった量の文章なら段落ごとに構成を見直すことも必要です。アイデアが重複していないか、不自然な文章がないかなどを確認してください。

WEBライティングの構成

WEBライティングに慣れない内は構成の型がある方が書きやすいです。そこでここでは代表的な3つの構成法をお伝えします。

参考ページ: ライティングの種類とWEBライティングで知っておきたいコツ9つを紹介

SDS法

SDS法は、WEBライティングの構成法の1つです。Summary（要点）> Details（詳細）> Summary（要点）の順番で文章を執筆します。

SDS法では、文章の冒頭で要点や結論を述べます。最初に要点や結論を伝えることで、ユーザーのニーズに応えます。その後、要点をさらに詳しく説明し、最後に再度、冒頭で述べた要点や結論を伝えます。

このような文章を構成することで、ユーザーは時間をかけずにコンテンツを把握できます。インターネットでは、ユーザーの注意を引くことがとりわけ重要です。そのため、冒頭で要点や結論を伝えるようにしてください。

PREP法

SDS法以外にもPREP法という構成方法もあります。PREP法は、SDS法を細かくしたものです。Point（要点・結論）> Reason（理由）> Example（具体例）> Point（要点・結論）の順でメッセージを伝えます。

PREP法では、まず文章の要点を冒頭で述べます。これはSDS法と同じです。次に「なぜその要点が事実だと主張できるのか」その理由を述べます。その後、具体例を伝えユーザーの理解が進むように補足します。最後に冒頭で伝えた要点を再度、繰り返します。

参考ページ: PREP Method For Writing – DTevolve

PAS法

PAS法は、Problem（問題を明確にする）> Agitate（問題とユーザーを結びつけ、心を喚起する）> Solution（解決策を提示）という3つのステップで文章を書く方法です。

Problemでは、ユーザーの抱えている問題を明確にします。例えば「このようなことで困っていませんか？」などのことを伝えます。Agitateでは、その問題がユーザーにどう関わっているのかを伝え、問題解決したいという気持ちを喚起します。

最後のSolutionでは、解決策を提示します。解決策ではユーザーに具体的どんな行動をとれば良いのかを伝えます。

WEBライテイング完了後の見直し

WEBライティングが完了したら、早速インターネットに公開したいという気持ちなると思います。しかし一度、立ち止まってコンテンツを見直す時間をとってください。見直すことで、よりクオリティの高いコンテンツをユーザーに届けることができます。

参考ページ: Best Practices for Web Writing – University of Maryland Baltimore

シンプルにする

自分が伝えようとしていることを、もっとシンプルな言葉で置き換えることができないか確認します。また、普通の人が知らないような専門用語を多用していないかといったことも見直してください。もしどうしても専門用語を使わなければならない場合は、手短に定義を述べたり、易しい言葉を使って説明します。

具体的にする

表現が漠然としているとユーザーに内容を誤解されることがあります。そのため、具体的な表現で伝えるようにしてください。例えば「プラン変更をする場合は設定を変更してください」と伝えるよりは「プラン変更をご希望の場合、設定画面から、コース変更へと進んでください」の方が適切です。

用語の統一

名称やラベルは統一します。同じことを別の言葉で表現すると、ユーザーの混乱を招きます。例えば、一箇所で「通知」と記述した場合は、それ以外の箇所でも「通知」で統一します。突然「アラート」などのように違う言葉を使うと、ユーザーが理解できません。

肯定文を使う

極力、肯定文を使います。否定文を使うと文章が長くなる傾向があり、フレンドリーさも欠けるからです。例えば、次の例文を見てください。

• 右に曲がることはできません

上記の代わりに次のように伝えます。

• 左に曲がってください

このように肯定文を使った方が、的確に情報を伝えることができます。

WEBライティングでうまく書けない3つの原因と対策

執筆中、うまく書けない場面に誰もが遭遇します。そこでここでは、その原因と対策についてお伝えします。

リサーチ不足

WEBライティングでうまく書けない原因の1つは、ライターのリサーチ不足です。リサーチ不足のまま執筆を始めると、伝えるべきことがないのに、文章だけを無理に長くしようとしてしまいます。結果として、価値のないコンテンツになるので注意してください。

ターゲットが不明瞭

誰を対象にしてコンテンツをつくっているのかが不明瞭な場合、うまく書けない原因になります。ターゲットとなるユーザーをできる限り明確にしてから、コンテンツの制作にとりかかります。そうすることで、文のスタイルや伝えるべき情報を絞ることができます。

1回の執筆で仕上げようとする

1回の執筆で完成させようとすると、うまく書けません。1回の執筆でコンテンツを完成させようとするのではなく、複数回の編集を経て完成させるつもりで臨みます。そうすることにより、ストレスやプレッシャーから解放され、WEBライティングの質が向上します。

WEBライティングのよくある質問

ここではWEBライティングについて当社に寄せられる質問の中から、よくあるものを取りあげ解説します。
 

まとめ

WEBライティングは、ユーザーに役立つ情報をわかりやすく伝えるためのスキルです。効果的な書き方の基本や手順を学ぶことで、魅力的なコンテンツを作成できます。また、うまく書けない場合にはリサーチし直したり、ターゲットを絞り直すなどのことを試してください。全体を通して大切なのは、信頼性のあるコンテンツを提供し、ユーザーの興味や関心を喚起することです。この点を忘れず、執筆に取り組んでください。

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この記事の監修者

アドマノ株式会社　代表取締役　天野　剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析（Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持）コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。