中小企業ができるSEO対策とは?必要な理由やWebから集客を伸ばす方法
中小企業がWebからの集客を伸ばす方法として、SEO対策を検討している方もいるでしょう。SEO対策を実施することで、広告費を削減しながら、より多くの顧客に製品・サービスを届けられるようになります。

SEOとは
SEOとは「Search Engine Optimization」の略称で、日本語で「検索エンジン最適化」といいます。具体的には、GoogleやYahoo!の検索結果において、自サイトのページを表示するための施策を指します。
たとえば「洗濯機 故障」と検索すれば、次のような検索結果が表示されます。

この検索結果は、広告を除き、200以上のGoogleアルゴリズムによってサイトの表示する順番を決めています。Googleアルゴリズムは非常に複雑に構成されており、また内容も正式に公表されていないものも多くあります。
つまりSEOとは、Googleのアルゴリズムに評価されるようにサイトを最適化して検索上位に上げるように対策するのです。
Webから集客を伸ばすための具体的なSEO対策
一口にSEO対策といっても、その手法は多岐に渡ります。そこでSEO対策について「内部施策」と「外部施策」に分けて紹介します。
内部施策
内部施策とは、自社サイトの中身に手を加える対策です。内部施策には、おもに次のような対策があります。
<「内部施策」の対策例>
内部施策 | 内容 |
コンテンツを充実させる | 自社サイトから良質な記事を発信し、検索結果からの流入数増加および成約につなげる |
サイトの利便性を上げる |
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特に、コンテンツを発信して検索からの流入を増やす「コンテンツSEO」は、中小企業にも相性のよい施策です。
自社に蓄積されたノウハウや知識などをコンテンツで発信することで、検索から自社のファンをつくり、ゆくゆくは成約までつなげるマーケティング手法です。コンテンツSEOは、中小企業Webからの集客を伸ばすために必須のSEO対策です。
外部施策
外部施策とは、外部からの評価を高くするための手法です。この外部施策の内容は、おもに「被リンク(外部リンク)の獲得」です。被リンクとは、外部サイトに貼られた自サイトのリンクです。
この被リンクの獲得が、現在のSEO対策で非常に大切となっています。実際に「Google が掲げる 10 の事実」でも、次のように明言されています。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。 Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。…PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します…(一部抜粋) |
つまり信頼の高いサイトに自社サイトのリンクを貼ってもらうほど、Google内の評価が高くなるようになっています。外部リンクを獲得するための方法として、次のような施策が考えられます。
<優良な外部リンクを獲得する方法>
- 共感や納得感を生むような良質なコンテンツを作成することで、外部サイトに拡散してもらう
- 自社で独自に調査したデータを、引用を条件に外部サイトに使用を許可する
- 外部サイトに取材して、取材記事のリンクを相手に貼ってもらう
ただし、被リンクを購入する方法はGoogleからのペナルティ対象となり、検索順位を大きく落とす要因となります。一昔前に流行った手法ですが、現在ではタブーなので決してやらないようにしましょう。
関連記事:注意!! やってはいけない古いSEO対策の常識とは!?
なぜ中小企業にSEO対策が必要なのか?
なぜ中小企業においてSEO対策が必要なのか、その理由について解説します。
Webから自動でお問い合わせや注文が入るようになる
SEO対策では、検索上位に自社サイトが掲載されるようにすることで、インターネット上での露出を増やしていきます。SEO対策で成果が出てくれば、インターネットの検索からサイトへの訪問数も増えていきます。
つまり成約までの導線をしっかり整えていれば、サイトからお問い合わせや注文などが自動で入ることになります。営業時間外の深夜にもお問い合わせが入ることもあり、効率的に集客できるのがSEO対策ならではの魅力です。
広告費用を削減できる
自社サイトから自動でお問い合わせや注文が入るようになれば、広告を打つ割合を徐々に減らせるようになります。サイト自体が広告の役割を果たしているからです。検索結果からの流入で十分な成約が入るようになれば、広告費を0円にするもの可能です。
現在リスティング広告で検索結果の上に表示させている企業も、SEO対策で自社サイトを検索順位で上に表示できるようになれば、広告を出稿する必要もありません。実際にSEO対策を始めたことで、広告費用を0円にし、売上を10倍以上に伸ばした企業もあります。
そのため、広告費の高騰や成約率の悪さに頭を抱える中小企業には、1つの方法としてSEO対策を検討するのもおすすめです。
潜在層・非認知層にもアプローチできる
インターネット上には、自社製品の購入を考えている顕在層から、自社製品にまったく縁のない「潜在層」まで幅広く存在します。購入を考えていない潜在層も、SEO対策によって潜在層にコンテンツを提供することで、ゆくゆくは成約につなげることも可能です。
インターネット上に存在するユーザーは、自社目線から見ると次の3種類に分類できます。
ユーザー層 | 特徴 |
顕在層 | 自社製品の購入を検討しているユーザー層。あと一歩のアプローチで、成約までいたる。 |
潜在層 | 自社製品に興味はあるものの、購入を考えていないユーザー層。製品について詳しくないのが特徴。 |
非認知層 | 自社製品に関心がなく、購入も考えていないユーザー層。ただし、自社製品につながる悩みを書かている可能性あり。 |
たとえば非認知層に対して、テレアポや飛び込み営業をしても断られれるいことが多いのが難点。それは当然で、その時点で購入するニーズがまったくないからです。
一方でSEO対策の場合、サイトを通じてコンテンツを提供できるので、ふとしたきっかけで興味をもった潜在層や非認知層が顕在層に変わることもあります。
コンテンツを通じて、オフラインではアプローチが難しい非認知層から、Web上の潜在層まで効率的に成約につなげられるのが、SEO対策の魅力です。
関連記事: SEOにおける検索意図の重要性!調べ方から利用方法まで
SEO対策に必須のツール
SEO対策を実施するに必要なツールを3種類紹介します。
Googleアナリティクス

Googleアナリティクスとは、サイトへのアクセスに関するあらゆる数値を分析する無料のツールです。Googleアナリティクスでは、次のような数値を分析できます。
<Googleアナリティクスで分析できること(一例)>
数値 | 内容 |
PV数 | ユーザーがページを閲覧した回数。流入数の多いコンテンツを分析できる |
離脱率 | そのページでサイトを離脱した割合。離脱率が高いほど回遊性が悪いページなので、ほかのコンテンツへ誘導する「内部リンクの設置」や「自社製品への導線設計」などの戦略が必要 |
滞在時間 | 1ページあたりの閲覧時間。滞在時間が長いほどユーザーに読まれているので、満足度の高いコンテンツを分析できる |
このようにアクセスを解析して改善とテストを繰り返し、成約率を高めるために泥臭い対応が求められます。
関連記事:Googleアナリティクスとは?導入手順・使い方・用語の意味まで
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)

Google Search Consoleとは、サイトの掲載順位の管理・改善するための無料ツールです。Google Search Consoleでできることは、次のとおりです。
<Google Search Consoleでできること>
- キーワードごとのサイト表示回数の確認
- 掲載順位の確認
- サイト上の問題の確認、掲載の再申請
- 新たに作成したコンテンツを早く掲載するための申請 など
このようにGoogleアナリティクスと併用して、Google Search Consoleもサイトの掲載順位を管理するために必須のツールです。こちらも無料のツールなので、必ず導入しておきましょう。
関連記事:GoogleSearchConsole(グーグルサーチコンソール)とは?導入方法と使い方
検索順位チェックツール
検索順位チェックツールとは、キーワードごとのページ検索順位を調べられるツールです。Google Search Consoleでも検索順位を知れますが、専用のツールを使う方が便利なケースもあります。
<検索順位ツールの一例>
SEO対策では検索順位を知ることは不可欠なので、GoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleに加えて、ぜひ導入しておきたいツールです。
中小企業がSEO対策をする際の注意点
中小企業がSEO対策をする際の注意点についても紹介します。
特定の地域のみをターゲットにしている事業にはコスパが悪い
SEO対策はインターネット上で行うことから、全国のあらゆるエリアのユーザーに対して一気にアプローチできるのがメリットです。逆に言えば、商圏の狭い製品・サービスでコンテンツSEOをするのはコストパフォーマンスが悪いのでおすすめしません。
たとえば地域に根差したスーパーマーケットがSEO対策をしても、コストパフォーマンスは悪いと言わざるを得ません。余程メリットを打ち出さない限り、スーパーマーケットがSEO対策に成功しても、都道府県をまたいで来店するより地元で買い物するほうが楽だからです。
一方で、全国チェーンのドラッグストアにおけるSEO対策には、大きな効果を期待できます。1つひとつのドラッグストアの商圏が狭くても、全国展開しているので、サイトに興味をもったユーザーが近くの店舗に来店できるからです。
商圏の明確なボーダーラインはないものの、その製品・サービスの商圏が市町村区の規模であれば、コンテンツSEOをするのは避けておきましょう。
コンテンツ制作費用はかかる
たしかにSEO対策が成功すれば、広告費を0円まで削減するのは可能です。一方でコンテンツ制作を外部に委託した場合、その制作費用はかかるので注意しましょう。
たとえばコンテンツSEOで記事制作のみを外注した場合、文字数にもよるものの、費用はおおむね1本あたり数千円~数万円かかります。仮に1本1万円で発注した場合、毎月15本制作を依頼すれば月間15万円の費用になります。
コンテンツ制作以外にも、内部施策や企画設計などのSEOコンサルティングサービスを利用すれば、追加で月10~50万円程度のコストが発生します。
ただし費用だけを見るのではなく、費用対効果を見るのが重要です。SEO対策も有効な手段ですが、広告で運用したほうがCPA(顧客獲得単価)が安い検索キーワードも存在します。
結局のところ、自社の事業が狙うキーワードが「広告で運用するか」「SEO対策で狙うか」のどちらが費用対効果よくなるのか、またはどちらも運用して集客の最大化を図る絶妙が判断が求められるのです。
関連記事:SEOとリスティング広告の違いとは?集客の最大化を図る使い分け方を解説
SEO対策は業者に委託できる
SEO対策を社内で内製することも可能です。一方で、社内に専門的知識やリソースがない場合は、SEO専門業者に依頼するのがおすすめです。
コンテンツ制作にリソースを割く必要がない
SEO対策業者に依頼すれば、コンテンツ制作にリソースを割く必要はありません。SEO対策業者が、自社の事業に合ったライターを選定し、最適なコンテンツを制作してくれます。
またSEO対策では、「読者に好かれるコンテンツ」以外に「Googleに好かれるコンテンツ」を作る必要があります。なぜなら検索順位を決めるのは、サイトを巡回しているGoogleのロボット「クローラー」が自動で決めているからです。
そのためSEO対策で上位を取るためには、Googleが判断しやすいようなコンテンツの作りk方も必要です。SEOの専門的なコンテンツづくりに詳しくない場合は、外注するほうが成果は出やすくなります。
ちなみに、Yahoo!の検索エンジンもGoogleのものを使用しているので、国内のサイトはすべてGoogleへの対応が必須となります。
Googleのアップデートに対して専門的な対応を取れる
Googleの検索アルゴリズムは、日々アップデートしています。特に年1、2回の大型アップデートによって、検索順位を大きく落とすサイトが存在します。このとき、ノウハウの蓄積されたSEO対策業者に任せておけば、被害を軽減することも可能です。
Googleの検索アルゴリズムは200以上もあり、なかには公表されていないものも多く存在します。そのため年々SEO対策はブラックボックス化されており、仮説検証を多く積み上げてきたSEO対策業者にしかわからないことも多くあります。
アップデートによって検索順位を大きく落として売上に響く懸念がある場合は、SEO対策の運用自体を業者に任せておくほうがおすすめです。
まとめ
