パーソナライズド検索とは?結果に影響する要因やSEO対策など解説

検索エンジンは、万人に同じ結果を返すのではなく、個人の好みや文脈を反映して結果を変えるパーソナライズが進んでいます。実際、法律業界専門のWEBマーケティング会社FindLawによると、2024年11月のコア・アップデートを機に、Google 検索では同一キーワードであってもログイン状態や検索履歴など、ユーザーの条件によって検索結果の順位変動がこれまでより 2.82ポイント平均で変化したと報告しています。
こうしたデータからも分かるとおり、検索は、地域・履歴・デバイス・言語といった個々の条件を反映するパーソナライズド検索へと既に大きくシフトしているため、SEOにおいてもそれを踏まえた施策が急務となっています。早速、今回はパーソナライズド検索の基本とWEB担当者がSEO対策で考慮すべき点について解説します。
パーソナライズド検索とは
パーソナライズド検索とは、すべての人に同じ結果を表示するのではなく、個々のユーザーの好みや行動に合わせて検索結果を変える方法です。機械学習により、キーワードだけで検索意図を予測するのではなく、文脈を加味して情報を提供します。この技術は主に、ユーザーの過去の検索クエリや閲覧履歴、ロケーション、使用しているデバイス、言語などの情報をアルゴリズムが読み取って実現しています。
デバイスによって検索結果が変わる
パソコンやスマートフォン、タブレットなど現代においてさまざまなデバイスを使うことが一般的となっています。同じユーザーであっても、それぞれのデバイスによって検索結果は変わります。順位だけでなく検索結果画面に表示される方法も同じではありません。これは、2018年に開始されたMFI(Mobile First Index、モバイルファーストインデックス)の影響によりパソコンとスマートフォン、タブレットでのインデックスは別なものであるためです。
MFIとは、スマートフォンやタブレットで表示されるモバイル向けのWEBサイトを優先してクロールやインデックスして、検索結果表示をすることです。スマートフォンが普及したことによりモバイルユーザーが増え、モバイルユーザーのユーザビリティを高めるのが大きな目的です。
レコメンド機能
ユーザーごとのこれまでの検索内容や行動内容において、関連性のあるWEBサイトを優先的に表示します。レコメンド機能は通常の検索結果を表示する自然検索以外にリスティング広告にも適応します。
ローカライズ検索との違い
パーソナライズド検索は、ユーザーごとの行動履歴や訪問したWEBサイトなどを基準として、検索結果に反映されるのが特徴です。ローカライズ検索は現在地情報を基準としており、エリアを絞った飲食店やクリニックなどを検索するのに便利です。
パーソナライズド検索のメリット
Googleなどの検索エンジンは、ユーザーの検索履歴や位置情報、デバイスなどを分析し、より個人に合った情報を優先的に表示します。このパーソナライズド検索によって、ユーザーや企業にどのようなメリットをもたらしているのか詳しく解説します。
関連性が高まる
パーソナライズド検索のもっとも重要なメリットの1つは、検索結果の関連性が高まることです。従来の画一的な検索とは異なり、パーソナライズド検索はユーザーの過去の検索履歴やクリックパターンなどを踏まえているため、その個人にもっとも関心のあるコンテンツが表示されやすくなっています。このように関連性が高まったことで、ユーザーは自分が求めている情報に効率的にアクセスできます。
コンバージョンに結びつきやすい
パーソナライズド検索は、コンバージョン率が高まりやすいです。検索エンジンがユーザーの行動データを学習し「今まさに購入や申し込みを検討している人」に対して、最適な検索結果を表示するからです。
例えば、過去に同じジャンルの商品を調べたり比較したりしていたユーザーの場合、検索エンジンはその関心を認識し、より購入意欲が高い状態で自社ページを上位表示する傾向にあります。このように「買う気のあるユーザー」に自社ページを見てもらえる確率が高まるため、自然とコンバージョンに結びつきます。
関連記事:コンバージョン(CV)とは?マーケティングにおける定義や種類など詳しく解説
パーソナライズド検索に影響する要因
そもそも、パーソナライズド検索では、どのような要因を考慮して検索結果を決めているのでしょうか。ここでは、各要因について詳しく解説します。WEB担当者がこれを知ることで、より効果的なSEO戦略を立てやすくなります。
言語
言語は、パーソナライズド検索に影響します。検索エンジンは、ユーザーが設定している言語に基づいて、検索結果をカスタマイズするからです。
例えば、日本語を設定しているユーザーに対しては日本国内のサイトや日本語で書かれたページを優先的に表示します。逆に、英語を設定しているユーザーには海外サイトや英語コンテンツが上位表示しやすいです。このように、検索エンジンはユーザーの言語を参考にしています。
ロケーション
検索エンジンがユーザーのロケーション(検索場所)を考慮し、その場所により関連性の高い結果を表示します。Googleなどの検索エンジンは、ユーザーがログインしているかログアウトしているかにかかわらず、IPアドレスを通じてユーザーの現在地を把握し検索結果を調整します。
このロケーション情報が利用されるのは、特に「飲食店」や「美容室」など、特定の場所に存在していることに重要な意味があるケースです。例えば、北海道の札幌にいる人が「パスタ」と検索した場合、Googleはそのロケーションから、札幌市内にあるパスタ店を表示します。
仮にユーザーが「札幌+パスタ」と地名を入れなくても、検索エンジンが自動でユーザーのロケーション情報に基づいて距離を計算し、検索結果に表示します。
例えば「恵比寿 ラーメン」で検索すると恵比寿エリアの人気ラーメン店が紹介されます。

「渋谷 ラーメン」で検索をすると次のようになり、近いエリアであってもまったく違う検索結果となります。

このように、ユーザーが調べる(現在の所在地を含め)エリアは大幅に検索結果に影響していることがわかります。
検索・閲覧履歴
ユーザーの検索・閲覧履歴も、パーソナライズド検索に影響します。検索・閲覧履歴は、検索エンジンが個々のユーザーの興味や好みを理解するもっとも重要な手掛かりの1つです。従来の検索がキーワードの一致だけを考慮していたのに対し、パーソナライズド検索は、ユーザーが過去にどのような検索クエリを入力したか、そして検索結果からどのページをクリックしたかなどの情報を踏まえます。
例えば、ユーザーが「富士」と検索したあと、続けて富士山に関するページをクリックしたと仮定します。すると次回「富士」と検索した際には、「富士」がついた企業のWEBサイトではなく、「富士山の画像や観光情報」、「登山の地図」、「富士山ライブカメラ」など富士山に関するページが優先的に表示されます。
エンゲージメント
パーソナライズド検索ではエンゲージメントも重視します。これは、ユーザーが過去に検索結果画面でどのような操作をしたかという情報です。例えば、検索結果からどのページをクリックし、そのページでどれくらいの時間を過ごしたか、そしてそのページを見たあとにすぐ検索結果ページに戻らなかったか(離脱したかどうか)などの要因を考慮します。
検索エンジンは、ユーザーが特定のコンテンツに対して一貫して肯定的なエンゲージメントを示した場合、その特定のユーザーに対して同種のコンテンツを意図的に上位表示させます。エンゲージメントの指標は、ユーザーがより関連性の高いコンテンツを見つけやすくなる点において有益です。
関連記事:エンゲージメントとは?SNS運用におけるポイントと注意点を解説
デバイスタイプ
デバイスタイプは、パーソナライズド検索に影響します。例えば、PCで検索した場合と、スマートフォンで検索した場合とでは、上位に表示されるWEBページが異なることがあります。
これは、モバイルファーストインデックスが積極的に展開されているため、表示速度が遅いと見なされたページは、モバイルの検索結果ページで順位が下がるなどのことが要因です。そのため、パーソナライズド検索においては、ページがスムーズに読み込まれ、小さなディスプレイでもユーザーエクスペリエンスが損なわれないよう設計することが重要です。
例えばPCでダイエットと検索すると、1位がハウス食品の記事、2位が資格のキャリカレの記事です。

しかし、スマートフォンで同じくダイエットと検索すると1位がグリコの記事、2位が楽天の記事となっています。

このようにデバイスによって大幅に検索結果が変わります。スマートフォンで閲覧する場合はモバイルフレンドリーなサイトやスマートフォンのアプリが検索順位が高くなりやすいのが大きな影響です。
SNSの投稿
SNSにおいての投稿内容や、フォローしているユーザーの情報などもパーソナライズド検索に影響します。投稿している内容によっては、検索されるWEBサイトの内容に大きな影響を与えることも少なくありません。
パーソナライズド検索においての注意点
パーソナライズド検索においては次の点に注意が必要です。
- 自社サイトの順位は正確に調べられない
- ローカライズ検索の影響を防ぐことはできない
自社サイトの順位は正確に調べられない
パーソナライズド検索はユーザーごとの行動履歴を基準としているため、ユーザーによって検索結果が異なります。そのため、業務をするうえで頻繁に表示する自社サイトは必然的に上位に表示されがちです。そのため、パーソナライズド検索は自分が興味のあることを調べる場合は効果的ですが、客観的に調べるためには向いていません。
ローカライズ検索の影響を防ぐことはできない
パーソナライズ検索の影響を防ぐ方法はいくつかありますが、ローカライズ検索の影響は防げません。ローカライズ検索は、検索する地域を反映するためことが要因です。ローカライズ検索において、自社サイトを上位表示させるのは容易ではありません。コンテンツに地域に関連のある内容が含まれていたり、良い口コミを増やしたりすることによりローカライズ検索対策をすることが可能です。
パーソナライズド検索の影響を受けない検索方法
パーソナライズド検索の影響を受けない検索方法は次の3種類あります。
- 「&pws=0」を活用
- 検索順位チェックツールを活用
- シークレットモードを活用
「&pws=0」を活用
パーソナライズド検索において正確な自社サイトの順位を調べるためには、自社を検索するキーワードを入力して検索結果を表示させます。検索結果のURLの最後の部分に「&pws=0」を追加するとパーソナライズド検索が反映されない状態で検索することが可能です。
検索順位チェックツールを活用
GRCをはじめとした検索順位ツールを使うことによって、パーソナライズド検索の影響を受けない検索が可能です。
シークレットモードを活用
シークレットモードの特徴として、cookieや閲覧履歴などが一切保存されないウィンドウを使うことが可能です。そのため、これまでのユーザーの行動履歴は反映されません。
SEOへの影響
検索エンジンが個々のユーザーに最適化された結果を返すようになったため、従来のSEOの常識が大きく変わりつつあります。そこで、パーソナライズド検索におけるSEOへの具体的な影響についてポイントを解説します。
パフォーマンスを予測できない
パーソナライズド検索によって、検索結果によるパフォーマンスを予測しにくくなりました。従来のSEOでは特定のキーワードで上位にランクインすれば、すべてのユーザーに対して同一のページが表示されるため、「これくらいのトラフィックが集まるだろう」と予測できました。
しかし、パーソナライズド検索では、ユーザー1人ひとりの好みや場所、検索・閲覧履歴、使用デバイスなどの要因に基づいて検索結果ページが調整されます。その結果、WEB担当者は従来のツールに頼ってトラフィック数などのパフォーマンスを正確に予測することが困難です。
ローカライゼーションの重要性が高まる
パーソナライズドによって、ローカライゼーション(地域対応)の重要性が高まっています。特に「飲食店」や「美容室」、「整体」など場所が重要な意味を持つ業種では、その地域に関連性の高いローカルな結果を優先的に表示します。そのため、地域密着型のビジネスの場合、店舗の所在地を明確にしたり、ローカル情報を掲載するなど、ロケーションに応じた対応が必要です。
パーソナライズド検索を踏まえたSEO対策
検索結果がユーザーごとに変化するため、従来の「特定キーワードで上位表示を狙う」SEO戦略だけでは十分ではありません。位置情報や検索履歴、デバイスなどの情報によって、検索結果が異なるという条件を踏まえた対策が必要です。そこで、パーソナライズド検索時代に必要なSEO対策を具体的に解説します。
モバイル最適化の徹底
ユーザーが使用するデバイス(デスクトップ、タブレット、モバイル)は検索結果に影響を与える要因の1つです。そして、Googleはモバイルファーストインデックスを積極的に推進しているため、モバイル端末での最適化は必須といえます。
具体的には、WEBサイトがすべての画面サイズで綺麗に表示されるようレスポンシブデザインを採用したり、ページの読み込み速度を速くすることなどが挙げられます。自社のWEBサイトがモバイルに最適化されているかどうかは、Page Speed Insightsなどのツールを使用して評価してください。
関連記事:モバイルファーストインデックスとは? SEOへの影響とMFIについて詳しく解説
地域特化のページ制作
地域特化のページを制作することも、パーソナライズド検索に有効です。特にローカルビジネスや複数拠点のある企業の場合、この対策に力を入れる必要があります。具体的には、その地域固有のキーワード(都市名やローカル情報)を含め、住所や営業時間などのビジネスの詳細情報を記載し、埋め込み地図を追加するなどしてください。
また、WEBサイトに掲載する情報もローカルなテーマを取りあげます。例えば、工務店なら「地域の住宅事情」や「地元の気候に合った家づくりのポイント」など、その土地に密着したテーマを取り上げると効果的です。地域性と専門性を掛け合わせた内容は、検索エンジンからの評価が高まりやすいです。
レビュー獲得
検索エンジンは、パーソナライズド検索においてランキングを決定する際、関連性や距離だけでなく、知名度を主な要因としています。レビューはこの「知名度」を高める重要な施策の1つです。
Googleはレビューの内容を読み取り、WEBサイトの事業主が特定の市場で実際に事業をおこっているかどうかの事実確認をし、検索順位の決定に役立てます。そのため、既存客に対してレビューキャンペーンなどをおこない、積極的に記述してもらうことを促してください。
パーソナライズド検索のよくある質問
Q.GoogleのAI Modeでもパーソナライズされますか?
Answer)Googleの「AI in Search: Going beyond information to intelligence」という記事によると、検索内容によっては一部パーソナライズされた結果を表示しています。しかし、検索の意図が一般的なものであれば、あまり個別化されない可能性があります。
Q.パーソナライズド検索の影響をなくして、検索結果を見る方法は?
Answer)VPNを使いシークレットモードで検索し、クッキーを削除して検索するなどのことが考えられます。しかし、それでもIPアドレスをもとに地域最適化が施されるため、完全に中立な結果を見ることは困難です。そのためSEOの検証をする際には、複数の環境で検索して平均を取るなどの対策をとってください。
Q.検索結果ページが完全に個別化する可能性はありますか?
Answer)その可能性は高いです。Googleは、AIによって質問の意味を理解し、知識データ(ナレッジグラフ)と組み合わせて答えを作る仕組みを進化させています。これが進むと、将来は興味・関心や過去の行動に合わせて「自分だけの検索結果」になる可能性があります。
Q.端末によってパーソナライズの重みづけは変わりますか?
Answer)変わります。モバイルの場合は「位置情報」が重視され、デスクトップでは「過去のクリック履歴」と「関心」が優先される傾向です。
Q.パーソナライズド検索はどんなデータを基準としていますか?
パーソナライズド検索機能では、閲覧したWEBページや検索したキーワード、検索しているユーザーの所在地などのデータをもとに検索結果を表示しています。そのため、ユーザーに関連性の高い順位となります。
Q.一般の人にとってどのようなメリットがありますか?
自分が求めているデータを分析して表示してくれるため、WEB検索の利便性を高めるのが目的です。検索ワードを正しく入力しなくても、必要なデータを入手できることがあります。
Q.SEO効果はありますか?
ユーザーごとのニーズに沿った検索結果のため、SEO効果はありません。パーソナライズド検索において、客観的なデータは得られません。
まとめ
パーソナライズド検索は、ユーザーにとっては「求める情報をすぐに見つけられる」便利な仕組みです。一方、企業にとっては「関心度の高いユーザーに自社のことを知ってもらうチャンス」になります。しかし同時に、検索順位が個々で変動するため、従来のSEOのように順位だけを追う戦略は通用しづらくなっています。これからの時代に求められるのは「誰に、どんな文脈で、どんな価値を届けるか」という本質的な戦略です。この記事を参考に早速対策をとってください。また、東京SEOメーカーでも最新の情報に基づいたパーソナライズド検索について具体的なアドバイスをおこなっていますので、お困りの際はすぐにご相談ください。





