コンサルティング業界は、IT技術の進化や市場変化に伴い、その需要が拡大しています。事実、コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社の『日本のコンサルティング市場規模将来予測』によると、2022年から2030年の成長率は13%と見込まれており、2030年には約2.1兆円に達すると試算されています。

一方で、このような市場の成長とともに、コンサルタント業界の競争も激化しているため、中・小規模の企業にとっては今後、SEO対策を中心とするWEB集客が最重要課題の1つとなります。そこでここでは、コンサルタント業界向けのSEO対策の最新トレンドを踏まえ、具体的な施策や注意点についてお伝えします。

コンサルタント業界におけるSEOの重要性

そもそも、なぜコンサルタント業界の企業にとってSEO対策が重要なのでしょうか。ここでは、そのポイントをとりあげ解説します。

各業界が変革期

今、あらゆる業界が大きな変化の中にあります。これを第４次産業革命と呼んでおり、人工知能やIoT、ビッグデータ、ロボットなどの技術が急速に社会に浸透しています。そして、あらゆる企業がこの第４次産業革命を乗り切るために求めているのがコンサルティングです。

市場環境が激しく変化する時代には、自社だけでそれを乗り越えることは困難です。そのため、今後、コンサルティング業界への依頼数は大幅な増加が見込めます。そこで、今から需要拡大を先読みしたSEO対策に取り組んでください。このような変革期には、企業の規模よりも、いちはやく行動した企業が競争優位性を確保することができるからです。

参考ページ:第４次産業革命のインパクト – 内閣府

顧客が慣れてきた

かつては一般企業にとってコンサルタントは特別な存在でした。例えば、異業種に参入するなど特別な転換点にあるようなときだけ、コンサルタントに依頼するのが普通です。

しかし、近年では顧客がコンサルタントを使い慣れてきており、常日頃から近くにいてもらい、不明な点や困った点を手軽に相談するというスタイルに変わってきたのです。実際、スポットコンサルの代表的なプラットフォームである「ビザスク」では、2023年の取扱高は約123億円に達しており、これは対前年比で217%の成長率です。

このように、検索エンジンなどを通じてスポット的なコンサルティングを探す機会が増えているため、今後コンサルティング会社にとってSEO対策は必須といえます。

参考ページ:2023年2月期通期決算説明資料 – ビザスク

優秀な人材確保のため

コンサルティング業界は離職者が多いことで有名です。製造業などと比較して、わかりやすい製品やサービスがないため、会社への帰属意識を高めることが困難だからです。そのため、退職防止も重要ですが、積極的に新規採用をおこない優秀な人材を確保する姿勢が重要です。

優秀な人材を集めるには、求職者に自社のことを知ってもらうことが必要ですが、そのためには検索エンジンでの上位表示を果たし、認知度を拡大するようにしてください。実際、ジョブズリサーチセンターによる『求職者の動向・意識調査2021基本報告書』では、正社員の求職者において約20%が求人企業のホームページを情報源とした回答しています。

参考ページ: 求職者の動向・意識調査2021基本報告書 – ジョブズリサーチセンター

コンサルタント業界のSEO最新トレンド

SEOでは、業界の最新トレンドを踏まえて対策をとることが肝心です。そこで、コンサルタント業界で現在スポットライトを浴びている最新トレンドを紹介し、実際にニーズのあるキーワードや、今後注目されるであろうキーワードをとりあげ詳しく解説します。

IT・デジタル関連

ITコンサルティング市場は今後、ますます拡大すると予想されます。実際、株式会社グローバルインフォメーションの調査では、全世界の市場規模は2021年の650億ドルから2028年までに1,000億ドル以上に達すると見込まれています。

このようなIT・デジタル関連の市場拡大が予想される理由として、リモートワークの普及、サイバー攻撃の増加に伴うセキュリティ対策の強化や、個人情報保護に関する法律の強化なとが挙げられます。

そこで、自社がITコンサルティングサービスを提供する場合、SEO対策として「IT＋コンサルティング」「サイバーセキュリティ対策＋コンサルティング」「クラウドサービス導入＋コンサルティング」「データ分析＋コンサルティング」などが考えられます。

参考ページ:ITコンサルティングサービスの世界市場 市場規模・状況・予測：2022年 – 株式会社グローバルインフォメーション

事業継承

近年、多くの企業で経営者の高齢化にともない、事業継承を迫られています。しかし、中小企業を中心として後継者不足が深刻で、このままだと企業の存続すら危ぶまれる状況です。事実、帝国データバンクの調べでは、後継者難による倒産が初の500件越えに至っています。

こういった背景から、事業継承を専門とするコンサルタントのニーズが1つのトレンドになっています。そこで、事業継承のコンサルティングをおこなう場合、SEO対策として「事業継承＋コンサルタント」「後継者問題＋コンサルタント」「経営＋移譲＋コンサルティング」「事業承継＋支援」「中小企業＋継承」などが考えられます。

参考ページ:後継者難倒産 – 帝国データバング

ブティック系

ブティック系コンサルとは、特定の分野や業界に特化した小規模なコンサルティングを指します。ブティック系コンサルタントは、大手コンサルティングファームとは異なり、特定の業界や分野に特化しているため、検索エンジンで情報収集される可能性が高いです。

SEO対策すべき具体的なキーワードとしては「専門分野＋コンサルティング」「業界名＋コンサルティングサービス」などが考えられます。専門分野や業界名の箇所には、自社が扱うニッチ分野をキーワードを使用してください。

補助金

ここ数年、企業が不況に負けずに強固な経営基盤を築くため、補助金の活用に注目が集まっています。しかし、補助金の種類は年々増加しており、自社に適したものを見つけることが困難になってきました。そこで、頼りになるのが補助金コンサルティングです。クライアント企業にとって一番適切な補助金制度を案内し、手続きなどを代行することで収益をえることができます。

補助金コンサルタントとしてSEO対策をおこなう場合、具体的なキーワードとしては「補助金＋コンサルティング」「補助金＋申請支援」「補助金＋専門家」「企業向け＋補助金サポート」などが考えられます。また、ターゲットとする業界や規模に応じて「中小企業＋補助金支援」「スタートアップ＋補助金」のようなキーワードも有効です。

コンサルタント業界のSEO対策

ここでは、コンサルタント業界におけるSEO対策の基本をお伝えします。前述した最新トレンドを踏まえ、次のような対策をとるようにしてください。

課題キーワード

コンサルティング業界においてSEO対策の基本は、対応する課題キーワードです。例えば、自社が営業成績の向上を支援するコンサルティングサービスをおこなうのであれば「営業＋コンサルティング」「営業＋スポットコンサル」などが該当します。このように自社が解決する課題に関連するキーワードを重点的にSEO対策してください。

地域密着型ならローカルSEO

地域密着型のコンサルタントをしているは場合、ローカルSEO対策が重要です。地域に根ざしたサービスを提供しているコンサルタントは、地元の見込み客が検索エンジンを使って検索した際に、自社WEBサイトを上位表示させる必要があります。そのため、ローカルSEO対策として、地域名や地域に関連するキーワードをWEBサイトのコンテンツやメタデータに含めるようにします。また、Googleビジネスプロフィールのようなローカルビジネス向けのプラットフォームもあわせて活用を検討してください。

参考ページ:ローカルSEOとは？地域のSEO対策をするべきケースについて解説

YouTubeの活用

YouTubeの活用もコンサルタント業界のSEO対策において重要です。YouTubeの動画を投稿することが直接的にWEBサイトの検索上位表示に役立つわけではありませんが、YouTubeに投稿した動画がGoogleの検索結果に表示されることがあり、そこからの流入が期待できます。

そこで、YouTubeに見込み客が求めている情報を公開するようにしてください。また、動画に適切なタイトルや説明、タグなどのメタデータを加えることで、YouTube内の検索結果にも上位表示されやすくなります。

参考ページ:YouTube SEOとは？YOUTUBEのSEOについて解説

コンサルタント業界のSEOで注意すべきこと

ここでは、コンサルタント業界のSEOとして注意すべき点を取り上げ解説します。これらの注意点を守ってSEO対策をおこなうようにしてください。そうすることで、検索結果での上位表示に有利になることはもちろん、コンバージョン獲得にも役立ちます。

事例の紹介

自社WEBサイトには、事例を豊富に掲載してください。コンサルティング業界の集客において困難なことの1つは、他社との差別化です。コンサルティングは無形商品のため、見込み客に違いを実感してもらうことが難しいものです。そこで、事例やベストプラクティス、顧客インタビューなどを掲載することが重要です。こういったコンテンツは独自性があるため、検索エンジンからの評価も高まるうえ、見込み顧客が自社への信頼性を高めることにつながります。

プロフィールの充実

見込み客がコンサルタントを選定する際、重要な選定材料として担当者との相性があります。そこで、WEBサイトにはコンサルタントの実務にあたる担当者のプロフィール欄を設置してください。見込み客は、そのプロフィールをみて依頼するかどうかの検討をすることが多いため、親しみや信頼性をもってもらう内容にすることが重要です。

コンバージョンの仕組みをつくる

SEOによって自社WEBサイトに集客したあとは、顧客に転換することが必要です。そこで、WEBサイトにコンバージョンの仕組みを用意してください。例えば、問い合わせフォーム、オンライン説明会の予約システム、資料請求フォームなどが考えられます。このように、自社WEBサイトに訪問した顧客が、興味を持った時点ですぐに行動に移せる仕掛けが重要です。

参考ページ:オンライン営業とは？やり方と成功させるコツを解説！

コンサルタント業界SEOのよくある質問

ここでは、コンサルタント業界の企業が当社によくお問い合わせいただく内容を整理し、回答とともにお伝えします。できる限り簡潔にお伝えしますので、ご不明な点があればいつでも直接、当社にお問い合わせください。
 

まとめ

コンサルタント業界においてSEO対策は、業界内での競争優位性を確保するために必要不可欠な施策の1つです。今回の記事でお伝えしたとおり、SEO対策には、具体的なキーワードの選定からGoogleビジネスプロフィールの活用、高品質コンテンツの提供など、複合的な施策が必要です。このような、さまざまな戦略をとおしてインターネットにおける自社の存在感を高めてください。また、市場環境が激しく変化しているため、最新トレンドを踏まえることも重要です。今後、自社がどういった分野に強みを持ちたいのかを明確にし、進む方向性を明確にしてください。その方向性に見合ったSEO対策をとることで、競争優位性を確保することができます。

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この記事の監修者

アドマノ株式会社　代表取締役　天野　剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析（Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持）コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。