SEOに強いディレクトリ構造の作り方について解説
WEBサイトのディレクトリ構造はユーザーにとって使いやすく、検索エンジンにも高く評価がしてもらうことが求められます。しかし、ディレクトリ構造を適切に構築することは容易ではありません。

ディレクトリ構造とは?
ディレクトリ構造とは、WEBサイトのファイルを整理する方法のことです。ディレクトリは、ファイルを入れる入れ物のようなもので階層的に構成されています。
イメージとしては、ディレクトリは普段使用しているPCの「フォルダ」に該当します。
各種ファイル(文字データ・画像データ・音声データなど)をまとめているものが「ディレクトリ(=フォルダ)」であり、「ディレクトリ構造」とはそれらがどのように構成されているかを指す言葉です。
例:あるシンプルなブログサイトのディレクトリ構造
ディレクトリの種類
ディレクトリの種類には以下のようなものがあります。
- サブディレクトリ
- ルートディレクトリ
- カレントディレクトリ
1つずつ解説します。
サブディレクトリ
サブディレクトリは、1つのディレクトリの中に存在する別のディレクトリのことです。ディレクトリは階層構造になっているので、サブディレクトリの中にもディレクトリが存在するケースもあります。
例えば、https://sample.com/というサイトがあるとします。
このサイトには、https://sample.com/page1やhttps://sample.com/page2といったページが存在します。このページをhttps://sample.com/のサブディレクトリと呼びます。
ルートディレクトリ
ルートディレクトリとは、階層構造になっているディレクトリの最初のディレクトリのことです。その他のディレクトリは、このルートディレクトリの内部に派生していくという形になります。ルートとは根源という意味を持つので、ディレクトリの根源となるもの、と認識すると理解しやすいはずです。
カレントディレクトリ
カレントディレクトリは、今現在自分が表示させているディレクトリです。表示させていればカレントディレクトリとされるので、サブディレクトリもルートディレクトリもカレントディレクトリになり得ます。
今現在表示させているディレクトリから別のディレクトリに移れば、移った先のディレクトリがカレントディレクトリになるため、カレントディレクトリが2つ同時存在することはありません。
ディレクトリ4つの要素
ディレクトリは以下の4つの要素からできています。
- プロトコル名
- ホスト名とドメイン名
- ディレクトリ名
- ファイル名
例えば、https://sample.com/aaa/index.htmlというURLで考えると、それぞれの要素は以下のように振り分けられます。
プロトコル名 | https |
ホスト名とドメイン名 | sample.com |
ディレクトリ名 | aaa |
ファイル名 | index.html |
ディレクトリ構造の歴史
ディレクトリ構造はWEBサイトが登場した初期の頃から存在しています。初期のWEBサイトでは、静的HTMLページで構成されていたため、ユーザーが特定のページを閲覧するのに、そのページのファイル名を正確に知っておく必要がありました。
このような状況を改善するためにディレクトリ構造が導入されたのです。ディレクトリ構造の導入により、WEBサイトの各ページを階層的に分類でき、ユーザーは以前より目的ページを見つけやすくなりました。
しかし、初期のディレクトリ構造は簡単な階層のため、WEBサイトの規模が大きくなるにつれ問題が生じるようになったのです。現在のディレクトリ構造は複数の構造を持ち、各ページが階層構造内で適切に分類されています。
さらに検索エンジンの進化に伴い、キーワードに合わせたディレクトリ構造が重視されています。
ディレクトリを整理するメリット
情報を整理し、ディレクトリを適切に分割するメリットとしては次のようなものが考えられます。
ディレクトリを分ける主なメリット
- 掲載情報が整理され、そのサイトやページのテーマが伝わりやすくなる
- サイトへの来訪者を、最適なページへ最短誘導できるようになる
- 来訪者が情報を探しやすいため、滞在時間を延ばせる可能性がある
- サイトが見やすくなり、来訪者からの問い合わせや収益に繋げやすくなる
- 情報が整理されているため、定期メンテナンスなどの作業がスムーズになる
- 情報が適切に整理されることでページ毎のキーワードを定めやすくなる
- サイト内のページが検索エンジンから認識(インデックス)されやすくなる
「SEOにおいてディレクトリ構造は重要だ」と言われているのは、これらのメリットに理由があります。
ディレクトリ構造がSEOで重要な理由
ディレクトリ構造を整理することによって、ユーザビリティは向上します。そして、SEOにおいて、このユーザビリティが肝心です。
その理由の1つは、Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーにとっての利便性を重視していることがあげられます。サイト閲覧者が検索した時の利益を考え、ユーザビリティが高いと思われるサイトを評価する傾向にあるからです。
ディレクトリを適切に分割することによりユーザーがサイトを巡回しやすくなるため、ユーザビリティが高いサイトとして評価される可能性が生まれます。
また巡回しやすくなるのは訪問者となる人間だけではなく、検索エンジンのクローラーも同様です。これによりWebサイト内のページがインデックス(検索エンジンへの登録)されやすくなります。インデックスは検索結果に表示されるために必要なステップのひとつです。
2つ目の理由としてディレクトリを適切に分割することにより、運営側がサイトの全容を把握しやすくなることが考えられます。
ディレクトリ構造が分かりやすくなれば、サイト管理業務において「あのファイルはどこにあったけ?」などの無駄が減ることから、作業効率が上がれば、そのぶんの時間を各種SEO対策へと充てることが可能となります。
理由の3つ目として、ディレクトリの整理を行った結果、サイト内の各ページごとに掲載コンテンツのテーマがはっきりすれば、効果的なSEO対策を行いやすいことが考えられます。
SEOにおいてはまず、対策キーワードを明確に定めなければなりません。サイト全体のメインとなるキーワードとは別に、サイト内の各ページで別個にキーワードを定めるケースの場合、各ページのコンセプトがしっかりしていればいるほど対策を講じやすくなるはずです。
参考ページ: Building Your Website Structure for Great SEO & UX – ahrefs
Webサイトのディレクトリ構造の作り方
それではここからは、ディレクトリの作り方をお伝えします。
ただし「SEO効果をえるためには、具体的にどのようなディレクトリ構造にすればよいか?」という点については、各サイトの目的やコンセプト・掲載するコンテンツなどによっても異なってきます。
また検索エンジンのアルゴリズムの変動によっても評価基準が変化する可能性があることから、注意深く今後の動向を見守っていく必要があります。
ここでは2023年3月段階で一般的に評価されやすいと思われるディレクトリ構造の作り方を、簡単にご紹介します。
情報を整理する
まずはサイト内に入る情報の整理をおこなう必要があります。
これから新しくサイトを作る場合であれば、「先にサイト内のディレクトリ構造を決めてから、それに合わせサイトに掲載する情報を集めたり作成したりしていく」という手順でも良いでしょう。
まずはWEBサイト内にどのような情報が入っているかを整理していきます。
この際のポイントとしては、訪問者と検索エンジンの“視点”を共に意識することです。
SEOにおいては、検索エンジンにとって認識しやすく理解しやすいWebサイト構成にすることが非常に重要です。
検索エンジンのロボットは定期的にさまざまなサイトを巡回しています。このロボットのことを「クローラー」、そしてクローラーが巡回することを「クローリング」と呼んでいます。クローラーが理解しやすい構造のサイトの場合、巡回時にWEBサイトのページ内容が登録(インデックス)されます。これでようやく検索結果に表示される準備ができたといえるでしょう。
WEBサイトの構成が複雑になっている場合、お目当てのページがなかなかクローラーに巡回されない可能性もあります。これでは検索上位になるどころか、検索結果に表示すらされない状況を招いてしまいます。そして検索エンジンだけでなく、訪問者にとっても使いやすいサイトにすることも忘れてはなりません。
WEBサイトを訪れたユーザーの気持ちになり、その動線を意識しつつ導線を組みます。訪問者がどのような情報を求めているかで適切なレイアウトやデザインやページ構成は変わってきますし、掲載すべき情報の内容も変わってくるはずです。
現代ではスマホユーザーが大半だと言われていますが、サイトの内容によってはパソコンユーザーの割合が多いものも存在します。サイトデザインに関してはできればその両方を意識した「レスポンシブデザイン」を選択するのが望ましいです。
もし迷ったなら、ご自身のサイトと類似する情報が掲載されているサイトをいくつも見てください。ユーザー目線で、それぞれのサイトにおける「良いと思う点」「使いにくいと思う点」を書き出し、ご自身のサイト構成にいかしてみてはいかがでしょうか。
なお訪問者にとっての使いやすさと、検索エンジンにとっての理解しやすさは、基本共存可能となっています。なぜなら検索エンジンの仕組みは「ユーザーにとって利益になること」を前提にして作られており、上記の2つが相反するケースはほとんど存在しないといってよいからです。
キーワードを決め、それに合わせ情報を分類する
情報がある程度整理できたら、自身のWEBサイトを上位表示させたいと思う検索キーワードを洗い出していきます。
SEOにおいてはキーワードが重要です。どのキーワードに対して対策を施すかを決定して初めて、対策を開始することが可能です。
まずは、思い浮かんだキーワードを全て書き出していきます。
絞り込みは後ほど行いますから、この段階では少しでも迷ったらとりあえず書いておいてください。もし何も浮かばない場合は、類似サイトを研究し、どのような言葉が使われているかを参考にしてください。
ある程度リストアップできたら、次は、書き出したキーワードを分類してみましょう。書き出した言葉は、おそらく自然と幾つかのジャンルのグループに分けることができるはずです。この分類が、ディレクトリ構築の原案です。ざっくりとした分類が終わったら、キーワードのグループを重要度順に並べていきます。
並べ替えることにより情報は見やすくなります。これにより、さらに気づくことがあるかもしれません。WEBサイト構築が進んだ段階で調整をかけるよりこの段階で調整しておいたほうが、全体の作業としては少なく済むはずですから、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
ディレクトリ構造を決定する
キーワードおよびその分類がおおよそ固まったら、ディレクトリ構造を決定していきます。
WEBサイトの目的や業種などにより、どのようなディレクトリ構造が向いているかは異なってくるはずです。もしイメージがわかない場合は、似たようなジャンルのWEBサイトをいくつか参考にしてみましょう。参考にしたいのは、実際に巡回し「情報が見やすいサイト」「欲しい情報がすぐに探せるサイト」などです。
ディレクトリ構造決定のポイント
- 簡潔さと見やすさを重視する
- URLとなるフォルダ名やファイル名は、コンテンツと関連した簡潔な単語や英数字を使用(英字は小文字統一が望ましい)
URLを最適化する理由
URLは必要に応じて最適化する必要があります。その主な理由は以下のとおりです。
- クローラーからの評価が良くなる
- URLが長くならない
クローラーからの評価が良くなる
WEBサイトのページを検索結果に表示させるためには、ページをクローラーに正しく評価してもらう必要があります。クローラーとは、インターネット上にアップロードされたWEBサイトを順番に評価して回るロボットです。
そのクローラーがページを評価する際に参考にするものの1つがURLです。そのため、コンテンツと関係のないURLや複雑なURLだと、正確に評価されないケースがあります。
また、Googleも以下のようなガイドを公表しています。
シンプルなディレクトリ構造を作成する
コンテンツが適切に整理され、訪問者がサイト上のどこにいるのか判断しやすいディレクトリ構造を使用します。ディレクトリ構造を利用して、その URL で見つかるコンテンツの種類を表すようにします。
以上により、URLは最適化するべきだと言えます。
URLが長くならない
WEBサイトをインターネット上にアップロードするCMSによっては、自らURLを設定しないと日本語のURLになります。
日本語のURLは、URLバーで表示される際は日本語ですが、記事内に貼り付けると暗号のようなURLになってしまいます。理由は、URLはアルファベット、数字、一部の記号でしか構成できないからです。
例えば、https://sample.com/サンプルというURLを貼り付けるとhttps://sample.com/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%ABというURLに変換されてしまいます。
このような長いURLには以下のようなデメリットがあります。
- スペースを取る
- クローラーに正しく評価されない恐れがある
- URLを見ただけだと何のコンテンツなのかがわからない
上記の理由から、URLは最適化した方が良いと言えます。
URLの分析
URLを最適化する重要性については上述したとおりです。これを読んで早速、URLを最適化したいとお考えなのではないでしょうか。しかし、その前に、実際にURLを最適化すべきかどうかを分析する必要があります。そこで、ここではその分析方法について解説します。
Google Analyticsのページレポート
Google Analyticsのページレポートから、WEBサイトのトップページやランディングページなどのアクセス数を確認することができます。これにより、ユーザーがどのようなページによくアクセスしているか、あるいは逆にアクセスしていないかを把握することができます。
もしアクセス数の少ないページを見つけたら、URLを改善することでクローラーから再評価されアクセス数増につながる可能性があります。
検索クエリレポート
Google Search Consoleの検索クエリレポートから、ユーザーがどのようなキーワードで検索してWEBサイトにアクセスしているかを確認することができます。これにより、WEBサイトのキーワードに合わせてURLを改善します。
URLの最適化方法
URLを最適化する際はディレクトリ部分を工夫します。具体的な方法としては以下のとおりです。
- コンテンツの内容に関連のある言葉にする
- ディレクトリ構造は浅くする
- 2つ以上の単語を入れる場合はハイフンで区切る
コンテンツの内容に関連のある言葉にする
URLはコンテンツの内容に関連のある言葉にします。例えば、サッカーに関するページであれば、https://soccer.com/shoot/practice.htmlのようなURLです。このように、コンテンツと関連のある単語にしておけば、ユーザーからもクローラーからも良い評価を得られます。
ディレクトリ構造を浅くする
URLを最適化するには、ディレクトリをシンプルにします。例えば、ディレクトリが深いURLだとhttps://soccer.com/shoot1/shoot2/shoot3/shoot4/shoot5/practice.htmlのような長いURLになります。このようなURLでは、ユーザーがサイトのどの位置にいるかが把握できないうえに、SEO的にも悪影響です。そのため、URLのインデックス部分は浅くしてください。
2つ以上の単語を入れる場合はハイフンで区切る
WEBサイト内にコンテンツが増えていくと、URLに記載する単語も複数になるはずです。もしも、URLに複数の単語を記載する際は、単語同士をハイフンで区切ってください。
例えば、https://soccer.com/shoot-course/というURLです。shootとcourseの間をハイフンで区切ることにより、ユーザーが認識しやすくなります。
アンダーバーを用いる方法もありますが、Googleが公表しているガイドではハイフンがおすすめされています。
ディレクトリ構造のよくある質問
ここではディレクトリ構造についてよくある質問と答えをお伝えします。
Q:ディレクトリ構造とは?
Answer)ディレクトリ構造とは、WEBサイトのページを階層的に整理する方法のことです。WEBサイト内の各ページは、そのページの情報や種類に応じて、適切な階層のディレクトリに分類することが望ましいです。例えば、ECサイトであれば、その商品カテゴリごとにディレクトリを分けるなどのようにします。
Q:ディレクトリの数はいくつが適切ですか?
Answer)ディレクトリの数は、ウェブサイトの種類や規模に応じて異なります。あまりにも多くのディレクトリを持つとWEBサイトが複雑になりすぎるため注意してください。あくまでも、ユーザーにとって使いやすいという視点で決めていきますが、一般的には3〜4階層程度が適切です。
Q:ディレクトリ名はどのように決めれば良い?
Answer)ディレクトリ名はキーワードを含めることで、検索エンジンのクローラーがページを見つけやすくなります。そのため、この記事でも紹介した方法を参考に設定してください。
Q:ディレクトリ構造を変更する必要は?
Answer)ディレクトリ構造はWEBサイトの規模が大きくなるにつれて重要性が増します。大規模なWEBサイトの場合、ページを適切に整理しないとユーザーが目的のページを探しにくくなるからです。そのため、WEBサイトの成長に合わせ変更してください。
まとめ
