SEOに強いディレクトリ構造の作り方
SEO対策では、サイトのディレクトリ構造の最適化が必要です。では、ディレクトリ構造とは何でしょうか。
ディレクトリ構造とは、いうなればサイトのページ構成のことであり、「適切に設定すれば、検索エンジンに評価されやすいサイトになる」とも言われています。
評価が上がれば検索順位上昇にも繋げやすくなることでしょう。
ディレクトリ構造の構築や見直しを行うタイミングとしては、新たにWebサイトを開設したり、Webサイトの大規模リニューアルしたりする時です。

ディレクトリ構造とは?
ウェブサイトを構成しているフォルダの構造のことです。「ディレクトリ」は「フォルダ」と同じ意味の言葉だと考えてください。
各種ファイル(文字データ・画像データ・音声データなど)をまとめているものが「ディレクトリ(=フォルダ)」であり、「ディレクトリ構造」とはそれらがどのように構成されているかを指す言葉です。
例:あるシンプルなブログサイトのディレクトリ構造
ディレクトリを整理するメリット
情報を整理し、ディレクトリを適切に分割するメリットとしては、次のようなものが考えられます。
ディレクトリを分ける主なメリット
- 掲載情報が整理され、そのサイトやページのテーマが伝わりやすくなる
- サイトへの来訪者を、最適なページへ最短誘導できるようになる
- 来訪者が情報を探しやすいため、滞在時間を延ばせる可能性がある
- サイトが見やすくなり、来訪者からの問い合わせや収益に繋げやすくなる
- 情報が整理されているため、定期メンテナンス等の作業がスムーズになる
- 情報が適切に整理されることでページ毎のキーワードを定めやすくなる
- サイト内のページが検索エンジンから認識(インデックス)されやすくなる
「SEOにおいてディレクトリ構造は重要だ」と言われているのは、これらのメリットに理由があります。
ディレクトリ構造がSEOで重要な理由
SEOにおいてはユーザビリティをおろそかにすることはできません。
その理由1つめとして、Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーにとっての利便性等を重視していることがあげられます。サイト閲覧者が検索した時の利益を考え、ユーザビリティが高いと思われるサイトを評価する傾向にあるからです。
ディレクトリを適切に分割することによりユーザーがサイトを巡回しやすくなるため、ユーザビリティが高いサイトとして評価される可能性が生まれることでしょう。
また巡回しやすくなるのは訪問者となる人間だけではなく、検索エンジンのクローラーも同様です。これによりWebサイト内のページがインデックス(検索エンジンへの登録)されやすくなります。インデックスは検索結果に表示されるために必要なステップのひとつです。
理由2つめとしてディレクトリを適切に分割することにより、運営側がサイトの全容を把握しやすくなることが考えられます。
ディレクトリ構造が分かりやすくなれば、サイト管理業務において「あのファイルはどこにあったけ?」などの無駄が減ることから、作業効率が上がれば、そのぶんの時間を各種SEO対策へと充てることが可能となるでしょう。
理由3つめとして、ディレクトリの整理を行った結果、サイト内の各ページごとに掲載コンテンツのテーマがはっきりすれば、効果的なSEO対策を行いやすいことが考えられます。
SEOにおいてはまず、対策キーワードを明確に定めなければなりません。サイト全体のメインとなるキーワードとは別に、サイト内の各ページで別個にキーワードを定めるケースの場合、各ページのコンセプトがしっかりしていればいるほど対策を講じやすくなるはずです。
Webサイトのディレクトリ構造の作り方
それではここからは、ディレクトリの作り方を見ていきましょう。
ただし「SEO効果を得るためには、具体的にどのようなディレクトリ構造にすればよいか?」という点については、各サイトの目的やコンセプト・掲載するコンテンツ等によっても異なってきます。
また検索エンジンのアルゴリズムの変動によっても評価基準が変化する可能性があることから、注意深く今後の動向を見守っていく必要があるでしょう。
ここでは2020年7月段階で一般的に評価されやすいと思われるディレクトリ構造の作り方を、簡単にご紹介したいと思います。
情報を整理する
まずはサイト内に入る情報の整理を行う必要があります。
これから新しくサイトを作る場合であれば、「先にサイト内のディレクトリ構造を決めてから、それに合わせサイトに掲載する情報を集めたり作成したりしていく」という手順でも良いでしょう。
まずはサイト内にどのような情報が入っているかを整理していきましょう。
この際のポイントとしては、訪問者と検索エンジンの“視点”を共に意識することです。
SEOにおいては、検索エンジンにとって認識しやすく理解しやすいWebサイト構成にすることが非常に重要です。
検索エンジンのロボットは定期的に様々なサイトを巡回しています。このロボットのことを「クローラー」、そしてクローラーが巡回することを「クローリング」と呼んでいます。クローラーが理解しやすい構造のサイトの場合、巡回時にサイトのページ内容が登録(インデックス)されます。これでようやく検索結果に表示される準備ができたと言えるでしょう。
サイトの構成が複雑になっている等の場合、お目当てのページがなかなかクローラーに巡回されない可能性もあります。これでは検索上位になるどころか、検索結果に表示すらされない状況を招いてしまいます。そして検索エンジンだけでなく、訪問者にとっても使いやすいサイトにすることも忘れてはなりません。
サイトを訪れた方の気持ちになり、その動線を意識しつつ導線を組んでみましょう。訪問者がどのような情報を求めているかで適切なレイアウトやデザインやページ構成は変わってきますし、掲載すべき情報の内容も変わってくるはずです。
現代ではスマホユーザーが大半だと言われていますが、サイトの内容によってはパソコンユーザーの割合が多いものも存在します。サイトデザインに関してはできればその両方を意識した「レスポンシブデザイン」を選択するのが望ましいです。
もし迷ったなら、ご自身のサイトと類似する情報が掲載されているサイトをいくつも見てみましょう。ユーザー目線で、それぞれのサイトにおける「良いと思う点」「使いにくいと思う点」を書き出し、ご自身のサイト構成にいかしてみてはいかがでしょうか。
なお訪問者にとっての使いやすさと、検索エンジンにとっての理解しやすさは、基本共存可能となっています。なぜなら検索エンジンの仕組みは「ユーザーにとって利益になること」を前提にして作られており、上記の2つが相反するケースはほとんど存在しないといってよいからです。
キーワードを決め、それに合わせ情報を分類する
情報がある程度整理できたら、自身のサイトを上位表示させたいと思う検索キーワードを洗い出していきましょう。
SEOにおいてはキーワードが重要です。どのキーワードに対して対策を施すかを決定して初めて、対策を開始することが可能となります。
まずは、思い浮かんだキーワードを全て書き出していきます。
絞り込みは後ほど行いますから、この段階では少しでも迷ったらとりあえず書いておいてください。もし何も浮かばない場合は、類似サイトを研究し、どのような言葉が使われているかを参考にしてみましょう。
ある程度リストアップ出来たら、次は、書き出したキーワードを分類してみましょう。書き出した言葉は、おそらく自然と幾つかのジャンルのグループに分けることができるはずです。この分類が、ディレクトリ構築の原案となります。ざっくりとした分類が終わったら、キーワードのグループを重要度順に並べていきます。
並べ替えることにより情報は見やすくなるでしょう。これにより、さらに気づくことがあるかもしれません。サイト構築が進んだ段階で調整をかけるよりこの段階で調整しておいたほうが、全体の作業としては少なく済むはずですから、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
ディレクトリ構造を決定していく
キーワードおよびその分類がおおよそ固まったら、ディレクトリ構造を決定していきます。
サイトの目的や業種などにより、どのようなディレクトリ構造が向いているかは異なってくるはずです。もしイメージがわかない場合は、似たようなジャンルのサイトをいくつか参考にしてみましょう。参考にしたいのは、実際に巡回し「情報が見やすいサイト」「欲しい情報がすぐに探せるサイト」などです。
ディレクトリ構造決定のポイント
- 簡潔さと見やすさを重視する
- URLとなるフォルダ名やファイル名は、コンテンツと関連した簡潔な単語や英数字を使用(英字は小文字統一が望ましい)
ディレクトリの種類
ディレクトリの種類には以下のようなものがあります。
- サブディレクトリ
- ルートディレクトリ
- カレントディレクトリ
サブディレクトリ
サブディレクトリは、1つのディレクトリの中に存在する別のディレクトリです。ディレクトリは階層構造になっているので、サブディレクトリの中にもディレクトリが存在するケースもあります。
例えば、https://sample.com/というサイトがあるとします。このサイトには、https://sample.com/page1やhttps://sample.com/page2といったページが存在します。このページをhttps://sample.com/のサブディレクトリと呼びます。
ルートディレクトリ
ルートディレクトリとは、階層構造になっているディレクトリの最初のディレクトリのことです。その他のディレクトリは、このルートディレクトリの内部に派生していくという形になります。ルートとは根源という意味を持つので、ディレクトリの根源となるもの、と認識すると理解しやすいはずです。
カレントディレクトリ
カレントディレクトリは、今現在自分が表示させているディレクトリです。表示させていればカレントディレクトリとされるので、サブディレクトリもルートディレクトリもカレントディレクトリになり得ます。
今現在表示させているディレクトリから別のディレクトリに移れば、移った先のディレクトリがカレントディレクトリになるため、カレントディレクトリが2つ同時存在することはありません。
ディレクトリ4つの要素
ディレクトリはURLを最適化する際に役立ちます。
URLは以下の4つの要素からできています。
- プロトコル名
- ホスト名とドメイン名
- ディレクトリ名
- ファイル名
例えば、https://sample.com/aaa/index.htmlというURLで考えると、それぞれの要素は以下のように振り分けられます。
プロトコル名 | https |
ホスト名とドメイン名 | sample.com |
ディレクトリ名 | aaa |
ファイル名 | index.html |
URLを最適化する際は、ディレクトリ名やファイル名を変更する必要があります。
URLを最適化する理由
URLを最適化する理由は以下のとおりです。
- クローラーからの評価が良くなる
- URLが長くならない
クローラーからの評価が良くなる
WEBサイトのページを検索結果に表示させるためには、ページをクローラーに正しく評価してもらう必要があります。クローラーとは、インターネット上にアップロードされたWEBサイトを順番に評価して回るロボットです。
そのクローラーがページを評価する際に参考にするものの1つがURLです。そのため、コンテンツと関係のないURLや複雑なURLだと、正確に評価されないケースがあります。
また、Googleも以下のようなガイドを公表しています。
コンテンツが適切に整理され、訪問者がサイト上のどこにいるのか判断しやすいディレクトリ構造を使用します。ディレクトリ構造を利用して、その URL で見つかるコンテンツの種類を表すようにします。
以上により、URLは最適化するべきだと言えます。
URLが長くならない
WEBサイトをインターネット上にアップロードするCMSによっては、自らURLを設定しないと日本語のURLになります。
日本語のURLは、URLバーで表示される際は日本語ですが、記事内に貼り付けると暗号のようなURLになってしまいます。理由は、URLはアルファベット、数字、一部の記号でしか構成できないからです。
例えば、https://sample.com/サンプルというURLを貼り付けるとhttps://sample.com/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%ABというURLに変換されてしまいます。
このような長いURLには以下のようなデメリットがあります。
- スペースを取る
- クローラーに正しく評価されない恐れがある
- URLを見ただけだと何のコンテンツなのかがわからない
上記の理由から、URLは最適化した方が良いと言えます。
URLを最適化する際はディレクトリ部分を工夫する
URLを最適化する際はディレクトリ部分を工夫します。
具体的な方法としては以下のとおりです。
- コンテンツの内容に関連のある言葉にする
- ディレクトリ構造は浅くする
- 2つ以上の単語を入れる場合はハイフンで区切る
コンテンツの内容に関連のある言葉にする
URLはコンテンツの内容に関連のある言葉にします。例えば、サッカーに関するページであれば、https://soccer.com/shoot/practice.htmlのようなURLです。このように、コンテンツと関連のある単語にしておけば、ユーザーからもクローラーからも良い評価を得られます。
ディレクトリ構造は浅くする
URLを最適化するには、ディレクトリをシンプルにします。例えば、ディレクトリが深いURLだとhttps://soccer.com/shoot1/shoot2/shoot3/shoot4/shoot5/practice.htmlのような長いURLになります。このようなURLでは、ユーザーがサイトのどの位置にいるかが把握できないうえに、SEO的にも悪影響です。そのため、URLのインデックス部分は浅くしてください。
2つ以上の単語を入れる場合はハイフンで区切る
WEBサイト内にコンテンツが増えていくと、URLに記載する単語も複数になるはずです。もしも、URLに複数の単語を記載する際は、単語同士をハイフンで区切ってください。
例えば、https://soccer.com/shoot-course/というURLです。shootとcourseの間をハイフンで区切ることにより、ユーザーが認識しやすくなります。
アンダーバーを用いる方法もありますが、Googleが公表しているガイドではハイフンがおすすめされています。
まとめ
