医療業界のSEO対策とは?医療コンテンツの制作に関する注意点も解説
医療機関において、Webからの集客を伸ばすためにSEO対策をしようと考えているところもあるでしょう。また医療系のSEO対策で気になるのは、YMYLへの対策です。

SEOとは
SEOとは「Search Engine Optimization」の略称で、日本語で「検索エンジン最適化」といいます。具体的には、インターネットの検索結果で上位に表示させるための施策です。
SISTRIX社の調査によると、検索ユーザーの55.2%が、上から3つめまでのサイトをクリックしていることがわかっています。さらに、28.5%ものユーザーが検索1位のサイトを閲覧しています。

出典:SISTRIX
このように、医療業界でWebからの集客を伸ばすには、SEO対策によって検索上位にサイトを表示させることが重要になります。
なぜ医療業界でSEO対策が必要なのか?
医療業界においてSEO対策が必要な理由について紹介します。
新規患者からの信頼を高められる
医療業界でSEO対策をする大きなメリットは、新規患者からの信頼を上げられる点です。なぜなら新しく訪れる医療機関に不安を感じており、それを払拭するためにサイトを検索するからです。
たとえば、急激な腹痛で新宿の内科を受診を検討するとき「新宿 内科」と検索します。すると新宿の内科が検索結果に表示されるので、そのなかで比較検討することになります。
このとき、有利になるのはSEO対策を実施している内科です。特に記事を書いている内科は上位に上がりやすく、またコンテンツがあることで患者からの信頼を獲得しやすくなります。
患者は自分の大切な体の一部を医療機関に任せるので、少なからず不安をもっています。その不安を払拭して来院してもらうための方法こそがSEO対策なのです。
サイトから自動で集客できるようになる
SEO対策によってページが上位に表示されるようになれば、サイト自体が広告の役割を果たし、自動的に検索ユーザーを集客できるようになります。なぜなら、検索上位(1ページ目)に表示されると、サイトが閲覧される機会が増えるからです。
サイトから十分に集客できるようになれば、チラシや新聞広告などの広告を出す必要もなくなります。なぜなら、広告を出さなくても、ユーザーが検索して自ら来院してくれるからです。
サイトから集客できるというのは、このように広告費の削減にもつながるのです。広告費の高騰や成果が出ていない状況に頭を抱えている場合は、SEO対策を検討してみましょう。
ターゲットのエリアを広げられる
SEO対策のメリットとして、インターネット上のあらゆるエリアにいるユーザーにアプローチできるメリットがあります。つまり、その医療機関がある地域にとどまらず、少しエリアを拡げて患者に来院してもらえるようになるのです。
のちに解説するSEO対策の手法「コンテンツSEO」を実施した場合、発信している情報によって患者からの信頼を高め、自院のファンをつくれます。そうすると、少し医療機関が遠くても、来院してもらえるようになるのです。
そのためターゲットとするエリアを広げたい場合は、SEO対策を実施するのがおすすめです。
医療業界がSEO対策でWeb集客を伸ばすなら「コンテンツSEO」
SEO対策には、おもに「コンテンツSEO」と「MEO」の2つがあります。医療機関が大きく集客を伸ばしたいと考えているならば「コンテンツSEO」のほうがおすすめです。なぜならコンテンツSEOのほうが、より多くのターゲットにリーチできるからです。
<コンテンツSEOとMEOの違い>
コンテンツSEO | Web上で良質な記事を継続して発信することで、ユーザーからの信頼を高め、インターネット検索から成約につなげるマーケティング手法 |
MEO | 「地域名+場所」で検索したときに、広告を除いた一番上に表示される情報 |
<MEOのイメージ(「新宿 病院」の検索結果)>

上の画像のようなMEOの場合、ターゲットになるのは特定の地域のみです。たとえば「新宿 病院」に対して対策するMEOは、新宿以外以外のターゲットにできません。
一方でコンテンツSEOは、全国のユーザーが閲覧できるインターネットにコンテンツを投稿します。つまり医療機関のある地域以外のユーザーも、集客のターゲットにできるのです。
またコンテンツSEOは、新規患者が病院を探すときに、大きな判断材料となるものです。あらたな患者の来院を増やしたいと考えている場合は、コンテンツSEOがぴったりです。
Googleが注意喚起している医療業界のSEO対策について
医療業界がSEO対策をする場合、特に注意すべきことがあります。それは医療コンテンツの作り方です。医療コンテンツがGoogleの「YMYL領域」に該当するため、コンテンツ以外にも注意するべき点があります。
YMYLについて
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略称で、人生に大きな影響を及ぼす可能性のあるコンテンツです。YMYLにはお金や法律、そして「医療」が該当しています。YMYLの領域で検索上位を取るためには、高品質のサイトでなければならないとされています。
つまり医療コンテンツで検索上位を取るには、医療機関のサイトのほうが上に表示されやすくなっているのです。この点、医療機関が自院のサイトで医療コンテンツを発信するのは問題ありません。
関連記事: YMYLとは?対象ジャンルとSEO対策方法
E-A-Tについて
YMYLのジャンルで執筆するには、E-A-Tが重要になります。E-A-Tとは、YMYLの領域に置いて、専門性・権威性・信頼性を示すものです、E-A-T充実しているほど、YMYLのコンテンツは上位に上がりやすくなります。
医療機関が知っておくべきE-A-Tの内容は、次のとおりです。
<E-A-Tの内容>
頭文字 | 意味 | 内容 |
E
(Expertise) |
専門性 | 特定の分野の分野に特化してコンテンツをつくると、専門性が高いと認められやすい |
A
(Authoritativeness) |
権威性 | サイトの権威の度合を示す指標。具体的には被リンク(外部サイトに貼られた自サイトのリンク)が質の高いものであるほど、権威性が評価されやすい |
T
(Trustworthiness) |
信頼性 | 資格や専門知識をもつ人が執筆・監修しているコンテンツほど、権威性が評価されやすい |
たとえば医療コンテンツを作る際は、医院長が書いたコンテンツや、権威のある医師に監修してもらったコンテンツの方が、検索上位に上がりやすくなります。
このように医療コンテンツの場合、ユーザーの役に立つコンテンツを作るのはもちろんE-A-Tへの対応もセットで行いましょう。
具体的なSEOコンテンツの進め方
それでは、医療機関がコンテンツSEOを実施する流れを紹介します。
- ターゲットが検索しそうなキーワードを選定する
- キーワードに沿って記事を制作する
- 公開後にアクセス解析し、改善とテストを繰り返す
各項目について、詳しく解説します。
患者が検索しそうなキーワードを選定する
まずは、患者が検索しそうなキーワードを選定します。キーワードをもとに患者はサイトに辿り着くので、患者が検索しそうなキーワードを選ぶことが重要です。
たとえば内科の場合、次のようなキーワードを選定します。
<内科の来院につながるユーザーが検索するキーワード(一例)>
検索キーワード | 月間平均検索ボリューム※ |
吐き気 原因 | 22,200 |
人間ドック 費用 | 22,200 |
花粉症 症状 だるい | 2,400 |
発熱 腹痛 | 880 |
風邪 しんどい | 170 |
※月間に検索される平均回数
月間に検索ボリュームが大きいほど、検索上位に表示されたときにサイトの訪問者が多くなります。一方で検索ボリュームが大きいキーワードほど、競合のサイトが強くなり検索上位に表示するのが難しくなります。
これからコンテンツSEOを実施する場合、検索回数の少ないキーワードからコンテンツをつくるのがおすすめです。
なお、キーワードを選定するには、Googleが提供するキーワードプランナーが便利です。本来はリスティング広告(検索結果のもっとも上に表示される広告)用のツールですが、毎月少額でも広告費を支払えば、キーワードや月間検索平均ボリュームを抽出することが可能です。
関連記事: SEOにおける検索意図の重要性!調べ方から利用方法まで
記事を書く
キーワードを選定したあとは、コンテンツをつくります。コンテンツづくりで重要なのは、キーワードの検索意図を読み解くことです。
人は検索ボックスに何かしらのキーワードを打ち込むとき、何らかの不安や知らないことを解決したいと考えています。たとえば「花粉症 症状 だるい」と検索するユーザーには、次のようなケースが想定できます。
<「花粉症 症状 しんどい」と検索するユーザー層>
- 花粉症の時期になり、目のかゆみやくしゃみなどの症状がひどくなっている
- 花粉症にはどのような症状が出るのか知りたい
- 花粉症の症状を治すために内科で薬を処方してもらうことを考えている
上記のユーザー層に対して、花粉症の悩みや知らないことを解決するコンテンツをつくります。
<「花粉症 症状 しんどい」に対するコンテンツ>
- 花粉症の概要
- 花粉症の代表的な症状
- 花粉症を悪化させるダメな行動
- 花粉症を改善するには病院で薬を処方してもらのがおすすめ
このように、ユーザーの悩みや知らないことを解決しながら、上手に自院へ誘導できるのがSEO対策のメリットです。昨今の、Googleアルゴリズムでは、ユーザーの検索クエリの意図を読んだ検索結果を表示するようにアップデートしているので、良くコンテンツ内容を考えて、ユーザーが本当に必要と思える情報を提供することが重要です。
アクセスを解析し改善とテストを繰り返す
コンテンツは公開したら、それで終わりではありません。アクセス解析ツールを使ってサイトを分析し、細かく改善とテストを繰り返すのが不可欠です。患者のアクセス状況を数字に出すのは、患者の来院数を増やすために不可欠です。
たとえば「コンテンツAはアクセスが多いのでほかの見本にしよう」「コンテンツBはすぐにブラウザバックする患者が多いので、内容を充実させよう」と適切な対応が取れるようになるのです。
なおアクセスを解析するには、Googleが提供している2つの無料ツールが非常に便利になっています。
<無料のアクセス解析ツール>
Google Analytics(グーグルアナリティクス) | PV数や離脱率、滞在時間など、サイトのアクセスを解析できるツール |
Google Search Console(グーグルサーチコンソール) | サイトの検索順位やクリック数などを解析できるツール |
なお、アクセス解析については下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。
関連記事:ECサイトの分析手法!初心者が見るべきポイントについても解説
医療業界がSEO対策業者にコンテンツ制作を依頼する方法もある
医療業界は特にYMYLが関係することもあり、SEO対策が難しいのが実情。さらにコンテンツ製作する余裕がない場合は、SEO専門業者へ外注するのがおすすめです。
医療の専門知識があるライターを手配してくれる
SEO対策業者に依頼すれば、自らコンテンツをつくる必要はありません。代行でコンテンツを作成してくれるため、リソースを割かなくてもSEOできるメリットがあります。
特に医療系のコンテンツの場合、正確な情報を発信する必要があるため、誰でも書けるわけではありません。そこでSEO専門業者によっては依頼することで、医療専門ライターを手配してくれます。
さらにSEO対策には、Googleのアルゴリズムを理解したSEOライターが執筆するほうが、検索上位に上がりやすくなります。SEOに強い医療ライターを手配してほしい場合は、SEO専門業者への依頼が良い場合がほとんどです。
リソースを割く必要がない
SEO対策業者に依頼すれば、コンテンツ制作にリソースを割く必要はありません。コンテンツ制作には、当然手間と時間がかかります。
コンテンツSEOで成果を出すには、ある程度の量の記事を継続的に発信する必要があります。目安としては、週2~3本の投稿が理想です。一方で医療機関を運営しながら、コンテンツを制作するのはリソースがどうしても不足します。
そこでSEO専門業者に依頼することで、コンテンツ制作自体を外注できます。リソースを割かずにSEO対策したい場合は、SEO専門業者に委託するようにしましょう。
Googlアルゴリズムのアップデートに専門的な対応を取ってくれる
SEO専門業者に依頼することで、検索順位に影響するGoogleのアップデートに対して、適切な対応をしてくれるメリットがあります。
Googleの検索順位を決めるのは、200以上の検索アルゴリズムです。検索アルゴリズムは日々変動しており、さらに年1、2回以上の大型アップデートによって検索順位を大きく落とす可能性があります。
しっかりとしたSEO専門業者であれば、Googleの最新のアルゴリズムアップデートを理解しており、検索順位が落ちた場合も適切な対応を取ってくれます。検索順位を落として来院数を減らしたくない医療機関は、SEO専門業者への依頼がおすすめです。
まとめ
