ロングテールSEOとは?ロングテールキーワードの有効な選び方など徹底解説!
検索エンジン最適化(SEO)戦略を再考している方も、これからSEO対策を始める方も「ロングテールSEO」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。ロングテールSEOは、SEO戦略の成功には必要不可欠な概念であり、ロングテールSEOに成功すれば確実に収益を出していけます。
そのため、ロングテールSEOとは何か、そしてロングテールSEO戦略をどのように構築するのかを知ることは非常に重要です。

ロングテールとは

ロングテールとはマーケティングにおいて用いられる用語で、メイン商品の売上合計よりもニッチ商品の売上合計の方が多いという現象のことを意味します。ロングテール(長いしっぽ)と言う意味です。
ロングテールキーワードとショートテールキーワードの検索ボリュームをグラフにすると、ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないためグラフの「最後尾」に表示され、特にショートテールキーワードの検索ボリュームに対して「尻尾」のようなビジュアルになります。
ロングテールSEOとは
ロングテールSEOとは、SEO(自然検索結果)において有効なトラフィックを生成するための手法です。1つのビックワードだけを狙わないで、ロングテールキーワードで上位表示してトラフィックを稼ぎます。
ロングテールキーワードとは、3つ以上の単語で構成される検索キーワードを指します。ショートテールキーワードに比べ、検索ボリュームや競合率が低く、コンバージョン率も高いのが特徴です。
ロングテールキーワードは、1~2語で構成されるショートテールキーワードに比べ、幅広い概念とユーザーの意図を対象としています。その結果、ロングテールキーワードは検索ボリューム、競合率、CPC(Cost Per Click:クリック単価)が低くなります。
あえて、これらの複合ワードのSEO対策を行っていく事をロングテールSEOと言います。
検索トラフィック全体の約70%は、ロングテールキーワードからもたらされています。つまり、SEO戦略でロングテールキーワードをターゲットにしていなければ、ターゲットとする消費者からの貴重なトラフィックを逃していることになります。
ロングテールキーワードの例
では、ロングテールキーワードの例とはどのようなものでしょうか。
例えば、”SEO”というキーワードで検索した場合を考えてみましょう。SEOをしたい、SEOって何なのか知りたい、SEOの勉強をしたい、SEO会社を探しているなど、さまざまな意図で検索されます。同じような例として、「WEBマーケティングのヒント」という検索がありますが、これにはコンテンツマーケティングやWebマーケティングなどのヒントが含まれるでしょう。
これらのキーワードは、「SEO」「マーケティングのヒント」というショートテール・キーワードです。
この2つのキーワードを組み合わせると、「SEOのWEBマーケティングヒント」となり、明確な意図が見えてきます。検索者は、SEOに適用されるWEBマーケティングのヒントを見つけたいのです。だから、このキーワードはロングテールキーワードの一例です。
ロングテールSEOこそが基本となる考え方
Googleは”Contents is King”(コンテンツこそが王様)といい、コンテンツを非常に重要視しています。しかし、ビッグワードを狙って記事を作成しても競合が多く、成功することは非常に難しい現実があります。
ビッグワードで検索上位を取りたいのであれば、まずはスモールワードに注力し、その上でミドルワードを強化することでサイト全体でビッグワードとの関連性が高まり、最終的にビッグワードが取れるというSEO戦略があります。
ロングテールSEOは、1つ2つのビックワードを狙うのではなくサイト全体でスモールワード、ミドルワードを狙っていきます。
例えば、あなたが巣鴨でPC修理ビジネスを営んでいるのであれば、次のようなキーワードをターゲットにすることができます。
「緊急のPC修理 巣鴨」
「壊れたPCを直す方法」
「どのくらいの頻度でPCメンティナンスをすべきか」
このように、ロングテールのキーワードは、いくつかの異なる意図を含んでいます。最初のキーワードは、取引目的です。これらの検索者は、自分の地域ですぐに利用できるPC修理サービスを探しています。しかし、次の例は、情報提供です。これらのユーザーは、壊れたPCを直す方法を探しています。
そのため、ロングテールSEO戦略では、メインのウェブページを最適化するだけでなく、ブログ記事やガイドなどの新鮮なコンテンツでウェブサイトを拡張することに重点を置いています。
ロングテールSEOのメリット
ロングテールSEOは王道なSEO対策手法ですので、いわゆるデメリットはほとんどありません。
反対にメリットは多く、広告を使わない集客を考えたときには必ず導入すべき手法です。コンテンツSEOとセットで概念を理解してSEO戦略の中に入れて対策を進めていきましょう。
ロングテールSEOのメリットには次のようなものがあります。
- ターゲット層へのリーチが早い
- 検索競合が減る
- コスト削減ができる
- 上位表示を狙いやすい
- コンバージョン率が高い
- ユーザーニーズに合ったコンテンツを作りやすい
- サイト全体で売上増を図れる
ターゲット層へのリーチが早い
ターゲットとするユーザーに早くアプローチしたい場合、ロングテールSEOは有効です。ロングテールキーワードは、ショートテールキーワードと比較して、検索の背後にある特定の意図や動機に焦点を当てます。
1ワードの検索クエリよりも3ワードの検索クエリの方がそのユーザーを細かくセグメントすることが可能です。
例えば、
「SEO」はビックワードですが、この検索クエリには、SEOを勉強したい人、SEO会社を探している人、SEOって言葉を知らないので検索した人など様々な検索意図があります。
しかし、「SEO会社 相談」などのロングテールキーワードですと、検索意図がより明確になり、この場合、SEOを相談できる会社を検索ユーザーは探していることがわかります。
検索意図が明確であれば、それに合致するコンテンツを用意すればいいのです。
検索競合が減る
ビックワードのようなキーワードが複数の異なる意図、あるいは複数の意味を持つ場合、競合のレベルが高くなります。
そのキーワードが様々な意味を持つ場合、競合だけでなく、異業種の企業とも競合することになると言っていいでしょう。例えば、「フェンシング」というキーワードは、スポーツを意味することもあれば、障壁を意味することもあります。
ロングテールキーワードは、検索回数が少なく、目的も狭いため、競合が少ないのが特徴です。競合他社は、ビックワードを狙い、ロングテールキーワードに対してSEO対策をしていない可能性があり、その場合、上位表示しやすくなります。
コスト削減ができる
ロングテールキーワードと比較すると、ショートテールキーワード(ビックワード)は膨大な投資となります。検索ボリュームが大きく、競合も多いため、多くの企業がそのキーワードでの上位表示を狙っており、その中で上位表示の順位を獲得・維持するために多くの時間を費やす必要があります。
ロングテールSEOを使えば、SEO上位表示のコストを削減することができます。ロングテールキーワードは競争相手が少なくなります。そのため、検索結果での順位を最適化し、維持することがビックワードと比べて容易になります。
さらに、コンバージョン率の高いキーワードに時間を費やすことができるのも大きなメリットです。これは、より大きな投資収益率(ROI)につながり、あなたのビジネスは、SEO戦略やサービスを成長させるために使うことができるのです。
上位表示を狙いやすい
ロングテールを狙うということはミドルワードやスモールワードを狙うということです。
ビッグワード、ミドルワード、スモールワードの分け方に明確な定義はありませんが、大きくは次のようになっています。
ビッグワード | 月間検索数10,000以上 |
ミドルワード | 月間検索数1,000~10,000 |
スモールワード | 月間検索数1,000以下 |
ミドルワード、スモールワードを狙うということは必然的に競合が少ない可能性が高く、上位表示を狙いやすいのが特徴です。特にスモールワードであれば、競合が少なくなるので、ここに注力してまずは良いコンテンツを作っていくと良いです。
ユーザーニーズを特定しやすい
ミドルワード、スモールワードは複数語(複合語)になることが非常に多く、ユーザーニーズを特定しやすいのが特徴です。
例えば、同じSEO関連のワードでも次のようにミドル、スモールになるにつれて検索意図がわかりやすくなります。
検索クエリ | 検索ボリューム |
SEO | 1,200,000 |
SEOツール | 2,000 |
SEOツール 無料 | 200 |
※検索ボリュームは時期やツールにより変動します。
「SEO」だけでは具体的に何が知りたいのかわかりませんが「SEOツール」であればおおよそのニーズはわかります。さらに「SEOツール 無料」となればユーザーニーズはほぼ把握できます。
検索意図がしっかりと把握できれば作るべきコンテンツは明確になりますので上位表示しやすくなります。
コンバージョン率が高い
前述のようにミドルワード、スモールワード、複合ワードであればニーズを特定しやすく、流入したユーザーが離れにくくなります。これはコンバージョン率に強く影響しますのでロングテールを狙うことで高いコンバージョン率を維持することができます。
上記の例では「SEO」で流入しても自分の欲しいツールがなければ離脱することは推測できます。しかし、「SEOツール 無料」で流入したユーザーは自分が欲しいツールを探すだけで済みますので回遊やコンバージョンが見込めます。
ロングテールキーワードで上位表示する方法
ロングテールキーワードを狙う場合、ユーザーニーズをはっきりと掴んで記事作成をする必要があります。記事の作成方法としては通常のSEO記事の作成と要領は同じですが、タイトルと記事の内容の完全一致や正しいディスクリプションの設置などは必須です。
その上で網羅性や独自性を表現しつつ、関連ページと内部リンクを繋げることで強化しましょう。
ロングテールの網羅性と独自性
ロングテールで記事を作成する際には必ず競合サイトをチェックしてください。競合サイトを読んでいると上位陣の共通点が見えてきます。
この共通点は狙うワードでの必須情報である可能性が高く、参考にしたうえで関連する情報を盛り込み網羅性を高くする必要があります。
また、競合サイトをまとめるだけでは検索エンジン側でも上位表示する意味があまりありませんので、自社で持っている独自情報を追加することで良質な記事を作ることができます。
関連ページとの内部リンク
ロングテールの記事はカテゴリに分類されるはずです。そのカテゴリページからの内部リンクはもちろんですが、記事を書いていて自サイト内の別ページの方が詳しいということがあれば積極的に該当ページにリンクをつけてください。
外部リンクによりSEOが強化されていることは知られていますが、内部リンクも協力に作用しますので関連ページへの発リンクと関連ページからの被リンクをつけることでサイト全体が強化できます。
このことからロングテール記事は増やせば増やすほど内部リンクが強化され、サイトパワーを高めることにつながります。
ロングテールキーワードの見つけ方
ロングテールを見つけるには、まずは自サイトで狙うテーマを明確にする必要があります。SEOをテーマとしているサイトであれば、「SEO」というキーワードを使って様々なツールで調べることをおすすめします。
キーワード一覧を出すためには次のような無料ツールがよく使われます。
- Googleトレンド
- Ubersuggest
- LSIGraph
- ラッコキーワード(旧・関連キーワード取得ツール)
- Googleサジェスト
有料ツールではAhrefs(エイチレフス)やMOZなどが有名です。
ツールで調べたキーワード一覧をGoogle広告(キーワードプランナー)で調査することで月間検索ボリュームもわかりますのでコンテンツ作成の優先度付けに役立ちます。
ロングテールSEOの注意点
ロングテールSEOはリスクの少ないSEO対策方法ですが、ドアウェイページ(誘導ページ)を作ってしまいがちですので注意が必要です。
2015年3月にGoogleによるアップデート(通称:ドアウェイアップデート)によりガイドラインをされている方法ですので絶対にやめましょう。
ドアウェイページとは
ドアウェイページとは低品質なページを量産し特定のページに誘導したり、地域名や固有名詞だけを変えて大量にページを作成する手法です。特にエリアワードを対策する際に悪意はなくてもやってしまうというケースが見受けられます。
もし地域ワードで対策する場合には地域の特色を盛り込んだり、統計データやお客様の声などの独自情報を追加したりして有益なページに作り変える必要があります。
ロングテールSEO実践編
ロングテールSEOを実際に行う方法について解説します。ロングテールSEOは次の4つを行います。
- キーワード調査
- キーワードをコンテンツにマッチさせる
- コンテンツを最適化し、作成する
- テストと再最適化
キーワード調査の実施
ロングテールSEO戦略の最初のステップは、キーワードリサーチです。ターゲットとするユーザーが使用していないキーワードでSEO対策しても、望むような結果を得ることはできません。
では、どのようにキーワードを発見すればよいのでしょうか。以下の戦略を試してみてください。
- Yahoo!知恵袋やFacebook,twitterなどのSNSで消費者や企業が何を知りたいかを調査する。
- キーワード調査ツールでキーワードを探す。
- 顧客とチャットで話す。
- アンケート調査をする
- 競合他社に目を向ける
ロングテールSEOでは、独自の戦略を立てることが重要です。
キーワードをまとめたら、エクセルやグーグルシートに整理します。キーワード調査ツールを使っている場合、多くのツールでは、キーワードデータをGoogleシートやExcelファイルにダウンロードすることができます。
キーワードをコンテンツにマッチさせる
ロングテールSEOと連動して、既存のコンテンツをキーワード最適化するだけでなく、新しいコンテンツも作成する必要があります。つまり、ロングテールキーワードを現在および将来のコンテンツにマッチさせる必要があるのです。
既存のウェブページをキーワード最適化し、新しいウェブページを作成する際には、各キーワードに対してオリジナルで質の高いコンテンツを作成することを心がけましょう。ユーザーの体験や意図を考慮しないと、検索結果の順位が下がり、貴重なリードが失われる可能性があります。
このようなアプローチをとることで、ロングテールSEOを最大限に活用することができます。
コンテンツを最適化し、作成する
ロングテールSEOのキーワードに該当するコンテンツページを作成したら、タイトルタグにロングテールキーワードを含めたタイトルをつけましょう。タイトルタグは60文字以内に収めることが重要です。タイトルタグは、ユーザーを惹きつけ、あなたのウェブサイトをクリックするように仕向けなければなりません。
次にメタディスクリプションです。WEBページのメタディスクリプションは、検索結果にも表示されます。タイトルタグがユーザーを惹きつける一方で、メタディスクリプションはウェブページの要約として、ユーザーにウェブサイトをクリックするよう促す必要があります。
メタディスクリプションを最適化するには、ロングテールキーワードを少なくとも1回使い125文字前後にします。
さらにいくつかのロングテールキーワードをターゲットにしている場合は、それらのキーワードもメタディスクリプションに含めるとよいでしょう。
テストと再最適化
SEOは継続的な戦略です。そのため、ロングテールSEOを最大限に活用したいのであれば、Webサイトの最新ページや最適化し直したページを立ち上げた後に、改善の余地がないかどうかを探す必要があります。PDCAを回し、常にコンテンツページを見直し改善していきましょう。
まとめ
