WEB担当者が悩むSEO対策に必要な文字数と評価指標
- 2020.10.13
- SEO対策
- WEB&SEOお悩み相談室
変わりゆくGoogleアルゴリズムの中、SEOで上位表示をするには、コンテンツを大量に入れページ数が多ければ数年前は検索エンジンに評価されて順位が上がりました。更に、良いコンテンツと称してキーワードを詰め込んだ長いコンテンツを量産することでサイトが評価されるようにもなりました。しかし、2020年の現在では文字数やページ数よりもはるかに重要視すべき点があります。
特に2020年では文字数を意識しただけのサイトはグーグルのコアアップデートの影響を大きく受けています。
本当に必要なのはユーザーを意識し、ユーザーのためにどこまで丁寧に記事を作れるかです。ユーザーが求めること以上の記事を作ることで評価を上げることが可能です。
2020年では文字数が多くても検索順位1位は取れない
コンテンツの長さと検索順位には関係があり、上位表示をするために長い記事が必要といわれれることは依然として多いのですが、重要なことは長いことではなく”ユーザーが求めるものをどれだけ満たしているか”です。
では何がユーザーが求めている内容なのかとなりますが、次の3つがよく挙げられます。
- 関連する検索キーワード
- サジェスト
- 共起語(LSIキーワード)
しかし、ジャンルによってはこの3つだけでは不十分な場合もありますので、Google検索以外での関連語の見つけ方もご紹介いたします。
関連する検索キーワードとは
図は「SEO」の検索結果の下に出てくるキーワード群です。検索結果を見ることでユーザーが求めているだろう実態が見えてきます。そして、定期的に見返すことで更新していることがわかります。キーワードが変わるということはトレンドが変わっているということです。新しいトレンド情報が入った時にいち早く取り入れることで記事の質を高めることができるようになります。
サジェストとは
図はGoogleの検索窓に「SEO」と入れた場合の検索候補です。この候補はユーザーの情報(地域情報や言語)によって異なりますが、他のユーザーが検索したキーワードを見ることができるため非常に有用です。
共起語(LSIキーワード)とは
キーワードを意識して記事を作っていると必然的に出てくるキーワードがあります。例えば、「スパゲッティ」を狙っているのであれば「パスタ」や「ソース」などは非常に親和性が高くよく使われる言葉です。
共起語は良質なコンテンツを作るためには必須ですが、無理に入れるのではなく、入れるべき必然性があるような記事構成にする必要があると意識しましょう。
Google検索以外での関連語の見つけ方
実はGoogle以外にも利用できるエンジンがあります。代表的な方法がYahoo、Amazon、楽天での検索結果です。試しに「ドッグフード」というキーワードで比較してみます。
Yahoo | Amazon | 楽天 | |
楽天 おすすめ ロイヤルカナン ランキング 楽天 楽天市場 モグワン アレルギー ブッチ | おすすめ 無添加 アレルギー ニュートロ 食べない 国産 ブッチ 缶詰 アカナ 保存方法 | ウェット ヒルズ 柴犬 シニア るいやるかなん ロイヤルカナン ワイルドレシピ ニュートロ アカナ パピー 愛犬元気 | 無添加 こだわり食材 wondershop お試し ロイヤルカナン アレルギー ストッカー 無添加 ニュートロ シニア 缶詰 アレルギー 皮膚 |
※検索結果は2020年10月9日時点
※比較のため「ドッグフード」は除く
比較すると分かりますがGoogleだけではカバーできないキーワードが他のツールから見て取ることができます。もちろん業界によってはAmazon、楽天の結果は参考にならない場合もありますが、自分たちの主戦場がどこなのかを見定め、必要な情報を集めることは継続して行う必要があります。
サイト全体の最適化を考える
文字数ではなく必要な情報があるかどうかが重要ということは説明しましたが、もう1つ重要なことはサイト全体での最適化をどこまで考えているかです。
特定のキーワードについて競合やツールを使って情報を集め、記事を作成して記事単体だけで上位表示を取ることは現在では非常に難しくなっています。そのため、可能であれば特定の分野に特化したサイトを作り、そのサイト全体で必要な情報が網羅されているかを意識してコンテンツを作らなければなりません。
最重要なものは検索意図(インテント)
コンテンツを作る際に最も重要なことは検索意図(インテント)を考えて作成することです。競合が載せているからという理由で要素を集めても記事の独自性は出てきません。それよりもユーザーが何を考えてそのキーワードで検索をしているのかを考えて、その答えを出す必要があります。
そして、できればユーザーが意図していなかった内容、気づきを与えてより必要な情報を出すことによって検索エンジンに評価してもらうことができます。
2020年5月のコアアップデートで見えた検索意図
多くのアフィリエイトサイトが影響を受けました。この要因の1つはアフィリエイトサイトがランキングをつけていたことに起因しているといわれています。「〇〇 ランキング」で検索するユーザーは特定の商品の人気や話題性など検索しているのですが、アフィリエイトサイトでは報酬の高いものから順にランキングを付ける傾向にあるために大きくトラフィックを失うということもあったようです。
反対に「ランキングは信用してはいけない」系の記事は大きくは影響を受けていないこともあります。「ランキングの嘘」を見抜いていて、ユーザーが偏った情報に流されないようなユーザーファーストの記事が評価されたということが考えられます。
それでも文字数が多い方が強い理由
検索上位の記事がそれだけ網羅性が高い記事であり、網羅性が高いということはそれだけ濃い情報が多く、結果的に文字数が多くなったためだと推測できます。網羅性を高くするためには必然的に要素を多く含むことになるので長くなりがちですが、長いか短いかではなくユーザーが求めるかどうかを考えるべきでしょう。
統合した方が強いことが多い
必ずしも記事を統合した方が良いとはいえませんが、似たような検索意図を持っている記事であれば統合した方が評価されやすいという結果が見えています。キーワードの重複(カニバリ)により評価分散を防ぐという意味でも記事の統合により評価されるケースはあり、全体最適化という意味でもユーザーファーストという意味でも検討の余地があります。
文字数が少なくても検索上位は取れる
検索結果を見ると明らかに他の記事よりも文字数が少ない記事が見つかることがあります。これは文字数(要素数)だけではなく他の基準で評価されているからです。コンテンツの網羅性や独自性はもちろん重要ではありますが、どの程度の被リンクを受けているか、誰が書いたのか、どこまでの影響力があるのかなどを総合的に判断して検索結果が出ています。
そのため、近年では「何を発信しているのか」よりも「誰が発信しているのか」を高く評価する傾向にあり、YMYL(Your Money or Your Lifeの略。生活やお金に強くかかわるジャンルのこと)の領域では特に専門家による記事の作成が強く求められています。
次のようなサイトでは特にE-A-T(Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、TrustWorthiness:信頼性)が必要であり、専門家による執筆や監修が求められます。
- 医療系サイト
- 法律系サイト
- 転職系サイト
- クレジットカード系サイト
医療系サイト
今から3年も前のことですが、2017年の通称”WELQアップデート”は業界人にとっては記憶に新しいでしょう。医療系サイトは特に専門家の意見が必要とされる領域ですので、例え本当に知識を持っている人が独自性・網羅性の高い記事を作成したとしても個人では上位表示は難しいでしょう。反対に医療従事者や医者が作成したコンテンツであれば高く評価される傾向にあります。文字数が少なくとも権威性が高く評価された結果です。
法律系サイト
法律系サイトも専門家の意見が特に必要な領域です。メディアや法律系相談サイトなどでは記事の最後に執筆者や監修者の氏名や簡易プロフィールが載せられていますが、これは誰が書いたのかを強く意識しているためです。検索した結果、文字数が少ない弁護士や司法書士の公式サイトが上位表示されるのは、やはり権威性が評価対象となっているからです。
転職系サイト
転職系サイトではユーザーが求めているものが情報ではなく、具体的な求人票であったり、転職エージェントであったりするため、企業サイトが上位表示されやすい傾向にあります。以前はどの転職エージェントがおすすめなのかという比較サイトが上位に出てくることもありましたが、現在ではこの手法は難しくなってきており、文字数が多く網羅性の高い記事であっても企業サイトに競り負けることがよくあります。
クレジットカード系サイト
お金関係は全て上位表示が難しいキーワードですが、2020年になって特に影響が大きいといわれているのがクレジットカード系のサイトです。2019年まではクレジットカードを比較し、契約まで誘導するアフィリエイト系のサイトが上位表示されていることもありましたが、2020年では個人で作成した記事よりもクレジットカード会社などの公式ページが上位を独占する傾向にあります。
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