オウンドメディアとは?目的やメリット・デメリットについて解説
従来までのような広告媒体に頼らず、自社保有によって運営を行うのがオウンドメディアです。
Web広告の効果が弱まっている背景もあり、多くの企業が取り組んでいるマーケティング施策の一つといえるでしょう。とはいえオウンドメディアといっても種類が多く、適した方法を選択することは簡単ではありません。

オウンドメディアとは?
企業が自社で運営し保有するメディアのことを「オウンドメディア」といい、Webサイトをはじめブログや採用サイトなど、さまざまな種類が存在します。
従来までのマーケティング施策は、企業が一方的に情報を発信する構造でした。しかしオウンドメディアでは顧客が必要とする情報を公開するため、発信内容は多岐にわたることが特徴です。
また情報発信だけにとどまらず、商品やサービスの成約へと促す役割もあります。そのため現代のインターネット社会において、オウンドメディアは非常に効果の高いマーケティング施策の一つといえるでしょう。
ここではオウンドメディアを含むトリプルメディアと、オウンドメディアが注目されている背景について解説していきます。
メディアは3種類に分類できる
オウンドメディアを含め、メディアは3種類に分類できます。3種類のメディアは、別名「トリプルメディア」です。
トリプルメディアとは、インターネット上にあるメディアを3つに分類したものです。オウンドメディア以外にはペイドメディアとアーンドメディアが存在し、2010年ごろから日本独自のモデルとして浸透している考え方になります。
トリプルメディアは、次の3つのメディアを指します。
<トリプルメディアの3つのメディア>
- ペイドメディア
- アーンドメディア
- オウンドメディア
このうち「ペイドメディア」と「アーンドメディア」「オウンドメディア」について、次から詳しく解説します。トリプルメディアは各々に別の特徴がありますが、組み合わせることで高いマーケティング効果を発揮することが特徴といえるでしょう。
オウンドメディア
オウンドメディアは前述のとおり、企業が運営し保有するメディアのことです。自社へ興味を持っているユーザーやすでに関わっているユーザーをターゲットとし、ユーザーに合わせた内容を発信していきます。
また自分たちで扱うメディアをコントロールしやすい分、成果を得るには時間がかかることが特徴。そのためオウンドメディアでは長期的に運用し続ける必要があります。
<オウンドメディアの一例>
- 自社商品やサービスの記事
- 自社コラム
- 商品特化サイト
オウンドメディアにペイドメディアとアーンドメディアを足したトリプルメディアで、デジタルマーケティングを展開していくことが大切です。
ペイドメディア
ペイドメディアとは、不特定多数のユーザーに向けてアプローチする広告媒体のことをいいます。4マス広告と呼ばれるテレビ・ラジオ・新聞・雑誌をはじめ、ディスプレイ広告などのWeb広告、そして交通広告などが該当します。
トリプルメディアのなかでは最も効率良く認知拡大を行えますが、広告費用としてコストの発生は避けられません。そのため他のメディアがアプローチできないユーザー層をターゲットにするときや、短期的に成果を高めたいときの活用が効果的です。
<ペイドメディアの一例>
- テレビやラジオや雑誌、新聞などのマス媒体
- リスティング広告やディスプレイ広告、バナー広告などの広告
ペイドメディアのメリットは、閲覧するユーザーを最初からある程度確保できる点です。オウンドメディアを1から作り上げて、ユーザーから読まれるようになるまでは6ヶ月から1年はかかります。
一方でペイドメディアの場合は、すでに閲覧するユーザーを確保しているので、広告料を支払うだけで最初から見られる数が多いのがメリットです。即効性のある効果を得たいときに、ペイドメディアはぴったりです。
アーンドメディア
アーンドメディアとは、第三者のユーザーが情報発信を行うメディアのことをいい、FacebookやInstagramなどのSNSが該当します。
例えばインフルエンサーと呼ばれるフォロワー数の多いアカウントから商品を宣伝することや、報道ニュースに話題として取り上げられる場合がアーンドメディアの施策です。
情報のコントロールはしづらいものの、拡散力の高さが特徴。そのためオウンドメディアでは届かないユーザー層へのアプローチや、情報を効率良く広めたい場合に活用できます。
<アーンドメディアの一例>
- 人気ブロガーが書いたブログ記事
- SNS上の評判、つぶやき
- テレビや新聞、ラジオなどに取り上げられること
このようにアーンドメディアは、簡単にコントロールできないものばかりです。SNS上のつぶやきなど企業にコントロールするのは不可能ですし、こちらから依頼しない限りテレビや新聞にいつ取り上げられるかはわかりません。
一方、アーンドメディアで人気が出るようになれば、無料で集客を見込める大きなメリットがあります。拡散性も高く、広告料も支払わずにお客様自ら自社製品を利用してもらうのはとても魅力的です。
注目されている背景
オウンドメディアが注目されている理由は、主にWeb広告の効果が弱まったためです。従来までは効果の即効性や明確なターゲティングを武器に、Webマーケティングの軸として活用されていた手法でした。
しかし近年ではユーザーがWeb広告そのものを嫌がるようになり、以前までの効果は簡単に出せないといえます。
また従来よりもWeb広告の規制が強まり、ユーザーの個人情報保護の観点からトラッキング広告などを利用しづらくなっている点も、効果を発揮できない原因の一つです。
そのためペイドメディアのような一般的な売り込みスタイルではなく、オウンドメディアのようにまずはユーザーへ価値を届け、徐々にアプローチするスタイルが求められています。
関連記事: オウンドメディアとは?企業に必要な理由や作り方、運用手順など
オウンドメディアの目的
オウンドメディアの目的は一般的に自社事業に対する見込み客の獲得ですが、その他にもブランディングや人材採用などさまざまな目的が考えられます。
構築するオウンドメディアの種類や運営方法に違いもあるため、まずは目的を明確に決めてから実行に移しましょう。
現代では多くの企業が自社サイトをもち、またTwitterやインスタグラムで企業アカウントを作成して運用しています。それではなぜ企業は、オウンドメディアを運用するのでしょうか?
ここでは、オウンドメディアの目的について詳しく解説していきます。
見込み客の育成
オウンドメディアでは見込み客へアプローチするだけでなく、最終的には成約へとつなげるための育成も行います。ここでいう育成とは自社への興味を高めることをいい、オウンドメディアであれば適切なコンテンツの発信です。
コンテンツを通して見込み客が求めている情報や悩みを解決することで、企業への見込み度を自然に高められます。そのため一度質の高いコンテンツを制作できれば見込み客の育成を自動で行える点も、オウンドメディアに取り組む目的といえるでしょう。
ブランディング
オウンドメディアで情報発信を続けることで、自社・商品・サービスとあらゆるイメージのブランディングにつながります。実際ブランディングが確立している企業では、以下のようなメリットが得られるでしょう。
- 企業への信頼獲得
- 商品イメージの定着
- 企業イメージの定着
企業への信頼が獲得できれば、自社のファン獲得は行いやすくなります。最終的には継続して商品やサービスを購入するリピーターへとつながるため、オウンドメディアを活用したブランディングは重要な目的の一つです。
広告料を払わずに集客
2つめの理由は、広告料を支払わなくても集客できる点です。自社で所有するWebサイトやSNSで情報を発信して集客する場合は、当然広告料は必要ありません。
自社ですべてのWebサイトを管理・運営する場合、かかる費用はサーバー代やドメイン取得費用、SSL費用ぐらいです(人件費は考慮していません)。月額1万円程度から運用可能で、多くの顧客を集客できるようになれば、コストパフォーマンスは絶大です。
またTwitterやYouTubeなどのSNS運用も、広告を出稿しない限りは、当然広告料を支払う必要もありません。一部、企業が運用するSNSには費用がかかるものあるものの、それでも一般的な広告料と比べればコストを抑えられます。
情報過多な現代社会では、広告が多く表示されることに人は疲れ、故意または無意識に避ける傾向があります。広告の効果が昔ほど高くないと言われる現代において、コンテンツを通じて顧客との接点をもてるオウンドメディアは、重要な存在であるといえます。
人材採用
顧客へのアプローチ以外にも、オウンドメディアでは人材採用を目的とした活用も効果的です。
一般的なコーポレートサイトの場合、求人に関するページが用意されているだけとなり、具体的な内容や企業情報を伝えることはできません。
しかし採用に特化したオウンドメディアであれば、求人情報に限らず新卒採用・中途採用と、ターゲットに合わせたコンテンツ制作が行えます。
そのため自社を理解したうえでのエントリーを集められ、求職者とのマッチング率向上にもつながるでしょう。
収益化
オウンドメディアは自社のメディアとなるため、単体でも収益化が行えます。
考えられる収益化の方法は以下のとおりです。
- 広告掲載
- 自社商品やサービスの販売
- 有料コンテンツの配信
最も行いやすい方法が自社商品やサービスの販売ですが、広告掲載や有料コンテンツ配信も活用している企業は多くいます。
しかしオウンドメディアの目的として見込み客の育成や獲得を掲げている場合、収益化ばかりに目がいかないように運営することが重要です。
効果検証
オウンドメディアはアクセスしたユーザーを、ツールを使って分析できるようになっています。つまりオフラインに比べてユーザーの行動を分析しやすく、オウンドメディアの運用改善や、新製品の開発で役立てられるからです。
たとえばWebサイトのアクセスを解析できる「Googleアナリティクス」というツールがあります。Googleアナリティクスでは、次のような数値を分析できるようになっています。
<Googleアナリティクスで分析できること>
- PV数(ユーザーがページを閲覧した回数)
- セッション数(特定の期間内にユーザーが訪問した回数)
- 直帰率(サイトのセッション数のうち、最初のページだけを見て離脱したユーザーの割合)
- 離脱率(特定のページのPV数のうち、そこでサイトの閲覧を終了したユーザーの割合)
- コンバージョン率(サイトのセッション数のうち、目標に達した割合)
たとえば、Googleアナリティクスの重要な指標の1つである「コンバージョン率」では、Webサイトの目標に対してどれほどの成果を上げられているかを把握できるようになっています。コンバージョン(成約)には「お問い合わせ」や「商品購入」など、企業がWebサイトに定める目標に応じて自由に設定可能です。
コンバージョン率が悪い場合、お問い合わせまでの導線設計がわかりづらかったり、そもそもコンテンツで顧客に訴求できていなかったりすることが考えられます。そこで、お問い合わせのボタンをわかりやすいデザインにしたり、コンテンツを書き直したりする(リライト)などの具体的な改善策を考えられるのです。
企業のストック資産
オウンドメディアのコンテンツは、WebサイトやSNSなどが閉鎖されることのない限り、未来永劫残り続けます。つまり、オウンドメディアで一度つくったコンテンツは企業の「ストック資産」となり、ずっとユーザーを集める集客装置になるのです。
広告は一過性のものが多く、期間が終了すれば当然、情報が顧客に知られることはなくなります。一方でオウンドメディアの場合、Webサイトで配信したコンテンツはインターネット上に残り、SNSで発信した情報はそのアカウントに残り続けます。
たとえばWebサイトで魅力的なコンテンツを1つ作れば、それはインターネット上にずっと残り、長くユーザーを集客し続けるようになるのです(ただし、定期的な情報の更新は必要)。
このように集客におけるコストパフォーマンスの良さが、オウンドメディアならではの魅力です。
オウンドメディアの種類
オウンドメディアと一口にいっても現在ではさまざまな方法があり、主な種類は以下のとおりです。
- コーポレートサイト
- ブログ
- ブランドサイト(サービスページ)
- ECサイト
- 採用サイト
- メールマガジン
オウンドメディアの目的によっても適切な種類が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで活用していきましょう。ここでは、オウンドメディアの種類について詳しく解説していきます。
コーポレートサイト
コーポレートサイトは企業を紹介するためのサイトとなり、オウンドメディアとして活用の幅を広げやすい方法です。
通常のコーポレートサイトでは、企業に関する情報のみを発信します。しかしオウンドメディアとして運営する際は、企業で提供している商品やサービスに関連性のある幅広い内容からコンテンツを制作していきます。
企業の得意分野に絞った発信によって専門性をアピールしやすく、企業ブランディングにも効果的な方法といえるでしょう。
ブログ
ブログは最もイメージをしやすいオウンドメディアの例となり、コーボレートサイト以上にターゲット層が広いことが特徴です。基本的にジャンルや分野を絞るものの、発信するコンテンツの内容は最も多い方法といえるでしょう。
そのためニーズが明確化されていないユーザーへのアプローチも可能となり、アクセス数を増加させたい場合にも効果的な方法です。
ブランドサイト(サービスページ)
ブランドサイトは企業のブランディングに特化したサイトのことをいい、サービスページは商品やサービスの良さを知ってもらうためのページをいいます。
オウンドメディアでは商品やサービスを絞り、関連性のある内容からコンテンツを発信していきます。そのためコーポレートサイトやブログより、一つの事柄に特化した構造といえるでしょう。
またコーポレートサイトとは別に運営することになり、見込み客の育成やファン獲得に効果的な点が特徴です。
ECサイト
近年ではECの市場が拡大していることもあり、ECサイトを活用したオウンドメディアも増加しています。
ECサイトのオウンドメディアでは、商品購入を検討しているユーザーに向けて悩みを解決するコンテンツを発信し、購入へと促すことに効果的です。
通常のECサイトでは商品の簡易的な情報しか掲載されていないため、具体的な活用方法を紹介するコンテンツも需要は高いと考えられます。
また商品の誕生秘話などを発信することで商品へのファン化も行え、リピート率の向上にも効果的な方法といえるでしょう。
採用サイト
一般的なコーポレートサイトでは求人情報を採用ページとして掲載することが多いですが、オウンドメディアでは採用サイトとして運営していきます。
採用サイトでは求人情報だけでなく求職者が求める情報に焦点を当てるため、面接に関するコンテンツなど幅広い内容を扱うことが特徴です。
また求人広告では記載できない情報も伝えられるため、企業情報を知ってもらうには非常に効果の高い方法といえるでしょう。求職者とのミスマッチを減らしたい場合にもおすすめです。
メールマガジン
メールマガジンは定期的に顧客へ情報発信を行う手法となり、内容を読んでもらうだけでなく、Webサイトへの誘導や商品の購入へつなげる役目があります。
またメールマガジンの主な特徴は、コストが低く継続的なファン獲得に効果的な点です。
オウンドメディアとして活用する際は、配信時間や顧客に合わせた内容を検証することが大切なため、ユーザーの心理を考えたうえで配信することを重視しましょう。
オウンドメディアのメリット
一般的なWebサイトでは難しい競合との差別化や、自社で集客を完結する仕組みづくりを行えるのがオウンドメディアのメリットといえるでしょう。またコンテンツが資産として残るため、営業の効率化にも活用できる施策の一つです。
ここでは、オウンドメディアのメリットについて詳しく解説していきます。
コンテンツが資産として残る
Web広告やテレビCMなどの広告媒体は配信すれば消えてしまいますが、オウンドメディアはコンテンツが資産として残り続ける点が特徴です。
そのため一度コンテンツを蓄積できれば、新たにアクセスしてきたユーザーにも過去のコンテンツを閲覧してもらえます。新規の見込み客へアプローチする手間が省け、営業の効率化にもつながるでしょう。
コンテンツ量やアクセス量が増加するほどSEOの評価も高まるため、将来的にはコストを抑えて運営し続けることも可能です。
競合他社との差別化が図れる
オウンドメディアの運営は顧客からの信頼獲得につながり、競合との差別化を図れます。
通常のWebサイトを運営している企業の場合、多くのユーザーは商品の購入にあたって他社との比較を行うことが一般的です。
しかしオウンドメディアとして顧客をファン化させていれば、比較なしに購入へと促すこともできるでしょう。
また検索上位に表示されることで専門性の高さを伝えられるため、ファン化していない顧客からの信頼獲得にもつながります。
自社で集客を完結できる
最大のメリットともいえることが、新規の顧客獲得からリピーターの獲得まで自社で完結できることです。
Web広告などのペイドメディアの場合、どんなに顧客の獲得ができたとしても、広告媒体がなければ成り立たない状態となります。長期的に考えると広告費用も膨大になるでしょう。
しかしオウンドメディアであれば広告媒体に依存するリスクがなく、広告費用をかける必要がありません。自社のタイミングで集客の調整が行えるため、安定した売上につながる点も強みです。
オウンドメディアのデメリット
近年のSEOは難易度が高く、短期間で成果を出すことは簡単ではありません。メリットの多いオウンドメディアですが、効果を実感するためには長期的な対策と運用コストをかける点がデメリットと考えられます。
ここでは、オウンドメディアのデメリットについて解説していきます。
SEOでは難易度が高い
オウンドメディアを運営する際、主なアクセス流入元は検索エンジンからとなるでしょう。しかし近年では検索アルゴリズムの影響や多くの企業がWebメディアに力を入れていることもあり、SEOの難易度は非常に高いといえます。
実際Googleではコンテンツの質を重視しており、内容の専門性はもちろんのことSEOに関する知識も必須です。
そのためSEOを加味したWebサイト構築や、ユーザーのニーズを満たすコンテンツ制作を意識しましょう。
短期間では成果が見込めない
前述ではSEOの難易度について触れましたが、オウンドメディアは短期間での成果は見込めないと考えましょう。
なぜなら数年運営しコンテンツを蓄積しているWebサイトほど、SEOの評価を得やすい仕組みだからです。
特に新しくWebサイトを立ち上げる場合、SEOで評価を得るにはコンテンツの内容以外にもドメインパワーなど、さまざまな要素が関係します。
そのためオウンドメディアを運用する際は長期的な対策はもちろんのこと、市場調査から勝てる見込みを考えることも重要です。
運用に人材やコストが必要
通常のコーポレートサイトは更新頻度が少なく、一人でも十分に運営できます。しかしオウンドメディアの場合はコンテンツの更新が欠かせないため、運用にあたって人材やコストが必要です。
コストをかけずに制作もできますが、質が問われる現代で中途半端なコンテンツは評価されません。
そのためオウンドメディアを運用するからには、人材確保と制作費用に予算をかけ、質の高いメディア運営を目指しましょう。
オウンドメディアの作り方(Webサイト)
オウンドメディアのなかでも、Webサイトを作る方法は主に2つあります。
<オウンドメディア(Webサイト)をつくる方法>
- WordPressのようなCMSを使う
- 外部にサイト制作を依頼する
CMSとはコンテンツ管理システムのことで、専門知識がなくてもWebサイトの作成や管理、更新などができるシステムです。CMSの代表が「WordPress」で、簡単にWebサイトを作成できながらも、高度な管理運営ができることで定評があります。これまでメディア運用をしたことがない場合、まずはWordPressから始めて操作感を知っておくのもおすすめです。
またCMSとは別に、制作会社やフリーランスなどにサイト制作を依頼する方法もあります。ページの規模によっては数十万~数百万円の予算が必要になるものの、自社の要望にあったページを作成してくれるのがメリットです。本格的なWebサイトを運営したい場合は、外部に制作を依頼するのがおすすめです。
売上につなげるための具体的なオウンドメディア運用手順
オウンドメディア運営によって売上につなげるための、具体的な運用手順について紹介します。
1. ゴールを設計する
オウンドメディア運用で失敗するケースの多くが「サイトを運営すれば儲かると思った」「とりえずやってみた」のような、ゴールが曖昧なケースです。ゴールが曖昧な場合、日頃何をすべきかわからず、またアクセス解析の精度が低いので、思うような効果を得られず途中で挫折してしまうのです。
そこでオウンドメディア運用を考えるときは、まずゴールを明確化しましょう。ゴール設計はKGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)の設定から始めます。まずは、次のようにKGIの設定から始めてみましょう。
<オウンドメディアのKGI設定例>
- 自社製品をWeb上で販売する
- 自社製品に関するお問い合わせが入る
- 資料請求される
- オウンドメディア経由で広告収入を得る など
次に上記で設定したKGI設定を、KPIで目指すべき数値に落とし込みます。
<オウンドメディアのKPI設定例>
- オウンドメディア経由の売上月間50万円
- お問い合わせ数月50件
- 資料請求月30件
- 広告収入月100万円 など
このようにまずは「なんのためにオウンドメディアを運用するのか」を明らかにすれば、目標達成のために何をすべきなのかが明らかになります。
2. ペルソナを設計する
オウンドメディア運用の目標が明らかになれば、次はペルソナを設計します。ペルソナとは、自社がターゲットとするユーザー像のことです。ペルソナ設計では仮の人物像を作成し、どのようなユーザーに向けてオウンドメディアを運用するのか明確にします。
<ペルソナの設計例>
性別 | 女性 |
年齢 | 27歳 |
職業 | 会社員 |
収入 | 350万円 |
会社 | 文房具のメーカー |
既婚・未婚 | 未婚 |
同居家族構成 | 1人暮らし |
居住地域 | 東京都内 |
学歴 | 大学卒 |
仲のよい友達の数 | 10人 |
SNSでの友達の数 | 100人 |
休日の過ごし方 | 友達とカフェやインスタ映えスポットに行くこと |
よく買い物をするお店 | 近くのショッピングセンター |
所持しているPC、モバイル端末 | スマホ1台 |
好きな雑誌 | 女性誌 |
習慣 | 友達と夜に飲みに行くこと |
趣味 | お酒を飲むこと |
ペルソナ設計は詳細に設計するのが理想ですが、あまりにも細かくつくる必要はありません。細かすぎると自社本位の勝手なユーザー像ができあがってしまい、往々にして現実的ではなくなります。そのため上記ぐらいの粒度で、ペルソナを設計してみてください。
またペルソナ設計は1人のみではなく、2~3人で設定するのが一般的です。また「自社製品について知らない人」から「もうすぐ購入までいたる人」まで、顧客の購入フェーズ別にペルソナを設計するようにしましょう。
3. カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナを設計したあとは、カスタマージャーニーマップを設計します。カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社製品を認知してから成約にいたるまでの一連の流れを、旅(ジャーニー)のように設計したものです。
顧客は商品・サービスを購入するまでに次のような流れをたどります。
<カスタマージャーニーマップの流れ>
- 認知
- 情報収集
- 比較・検討
- 購入
この一連の流れに、先ほど作成したペルソナをカスタマージャーニーマップに当てはめます。たとえばBluetoothイヤホンを販売する企業を例に、カスタマージャーニーマップを作成してみましょう。
<Bluetoothイヤホンをカスタマージャーニーマップに当てはめた例>
- 認知(ランニングで音楽を聴くためにBluetoothイヤホンがいいことを知る)
- 情報収集(Bluetoothイヤホンの特徴や性能、使い方などをインターネットで調べる)
- 比較・検討(1万円の予算でBluetoothイヤホンを比較する)
- 購入(家電販売店でBluetoothイヤホンを購入する)
このようにペルソナをカスタマージャーニーマップにマップに当てはめることで、顧客のフェーズごとにコンテンツを企画できるようになります。顧客フェーズを意識したコンテンツは、顧客への訴求ポイントが明確になるメリットがあります。
4. コンテンツを企画・作成して公開する
カスタマージャーニーマップをつくったあとは、顧客の購入フェーズに合わせてコンテンツを企画・作成します。2で設計したペルソナに向けて、コンテンツをつくってみましょう。
コンテンツは「検索キーワード」に基づいて作成します。検索キーワードとは、インターネットで検索ボックスに入力する単語です。検索キーワードからユーザーが求める情報を分析し、それに合ったコンテンツを作成しましょう。
コンテンツは文字媒体の記事に限定する必要はありません。漫画のイラストを掲載してもいいですし、YouTubeで動画をつくってWebサイトに埋め込むのも有効な方法です。何はともかく、顧客の求める情報に合わせたコンテンツづくりを意識しましょう。
5. アクセス解析で精度を高めて成約につなげる
コンテンツを公開したらそれで終わりではありません。公開後は定期的にアクセスを解析して、成約までの精度を高めましょう。
Webサイトの解析には「Googleアナリティクス」や「Google Search Console(サーチコンソール)」など、Googleが無償で提供しているツールがあります。これらのアクセス解析ツールを駆使して自社サイトを分析することで、日々クオリティを高めていきます。
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