画像最適化とは ~SEO初心者がまずやるSEO対策その5~
WEBサイトの表示速度やSEO評価、そしてユーザー体験を向上させるには、画像の最適化が欠かせません。HTTP Archiveの調査によると、WEBページの平均約40-44%の容量が画像で占められており、多い場合は7割程度に達しています。そのため、画像最適化の有無がサイト全体のパフォーマンスを大きく左右します。
そこで、画質をほとんど損なわずに、画像を適切な形式やサイズ、圧縮して調整する方法をお伝えします。また、実践するための具体的なツールをご紹介しますので、自社の目的に合わせて適切なものを選択してください。

画像最適化とは
画像最適化とは、WEBサイト向けに画像を調整し、高品質を保ちながらも適切な形式・サイズ・解像度で、ファイルサイズを小さくすることです。
ファイルサイズを減らすことで、ページの表示速度が速くなり、ユーザー体験の向上やSEO評価の改善、場合によってはコンバージョン率向上などにも役立ちます。ただし、解像度などを落としすぎると、逆効果になることもあるので注意してください。
画像を最適化するメリット
表示速度やSEO評価、ユーザー体験の向上などに直結するのが画像最適化という施策です。そこで、読み込み速度の改善や検索順位向上など、最適化がもたらす具体的なメリットを解説し、自社WEBサイト運営にどう活かせるのかをお伝えします。
読み込み速度向上
最大のメリットの1つは、ページの読み込み速度が大幅に向上することです。前述した通り、一般的なWEBサイトでは、画像がデータ容量の多くを占めており、画像は表示前に必ずダウンロードされるため、ファイルサイズが小さいほど時間が短縮され、帯域幅の使用量も減らせます。
そのため、高品質を保ちつつ適切に最適化することで、WEBサイト全体の表示速度を飛躍的に改善できます。また、イギリスのデジタルマーケティング会社『Envisage Digital』の調査では、読み込み速度が1秒遅延するとコンバージョン率が7%減少し、顧客満足度が16%減少すると報告されています。
このように、読み込み速度は、ユーザー体験の改善やコンバージョン率など、マーケティングの広範囲に影響します。
検索エンジンのランキング向上
検索エンジンでの順位向上にも、画像最適化が影響します。直接的に順位に影響することはありませんが、前述したとおり読み込み速度が遅延すれば、それだけ離脱するユーザーも増え、SEOランキングに悪影響を及ぼします。
逆に、画像が最適化されページがスムーズに表示されるWEBサイトは、エンゲージメント率も高まるため、結果としてSEO評価が向上します。画像最適化で高速表示を実現することは、検索エンジンでの上位表示において重要な要素といえます。
画像を最適化する方法
これまでお伝えしてきたとおり、画像最適化は、WEBサイトの表示速度を改善し、ユーザー体験やSEO評価を向上させる重要な施策です。
しかし、どのファイル形式を選び、どうサイズに調整し、圧縮すべきかを理解していないと、画質の低下を招き逆効果になります。そこで、ファイル形式の選択方法やリサイズ、圧縮といった実践的な方法を解説します。
ファイル形式の選択
最初に検討したい画像最適化の方法は、適切な画像形式を選ぶことです。どのファイル形式を選ぶかでWEBサイトの表示速度が変わり、結果としてユーザー体験や検索エンジンの評価に影響します。WEBサイトで使用したいファイル形式は、画像のタイプによって異なります。
例えば、写真や複雑なグラデーションに適したJPEG、透過が必要なロゴやアイコンに適したPNG、そしてGoogleが開発し主要ブラウザでサポートされているWebPがあります。
JPEGは品質とファイルサイズのバランスに優れており、PNGは圧縮しても高品質を保てる一方でファイルサイズはやや大きくなります。WebPはJPEGやPNGよりも高い圧縮率を実現し、同等の品質でありながら読み込み速度を大幅に短縮できる点が強みです。
その他、WebPよりも高い圧縮率を持つAVIFや、拡大縮小しても画質が劣化しないSVGもおすすめです。逆に、高品質ではあるもののファイルサイズが大きくなるBMPはWEBサイトでの利用に適していません。
参考ページ:次世代画像フォーマットWebPとは?WebPの作り方と使い方を解説
画像のリサイズ
画像のリサイズは、どのファイル形式でもおこなうことができ、簡単かつ即効性のある最適化方法です。アップロード前に適切な寸法に調整することで、ファイルサイズを無駄なく削減できます。例えば、表示サイズが500×500ピクセルなのに1024×1024ピクセルの画像を使うと、無駄が多くなり表示速度を遅くします。
適切なサイズに調整すれば、ダウンロード量の削減、表示速度の改善、サーバー容量の節約ができます。リサイズにはAdobe Photoshop、Canva、Windowsのペイントなどを利用しておこなうのが一般的です。WordPressを利用している場合は、Image Optimizerなどのプラグインで自動リサイズすることも可能です。
圧縮
視覚的な品質を保ちながらファイルサイズを削減する方法が画像の圧縮です。読み込み速度の改善に欠かせません。圧縮にはロッシー(非可逆)圧縮とロスレス(可逆)圧縮の2種類があります。
ロッシー圧縮は、人間の目にほとんどわからない範囲でデータを削除し、大幅なサイズ削減を可能にします。JPEGはこの方式を採用し、品質とファイルサイズのバランスを柔軟に調整しています。
一方、ロスレス圧縮はデータを一切失わずにサイズを縮小する方法で、PNGやGIFが代表的ですが、ロッシー圧縮よりもサイズが大きくなりがちです。適切な圧縮をおこなうことで、ページ内で最も大きなコンテンツが表示される速度を表したLargest Contentful Paint(LCP)などのCore Web Vitals指標が改善され、結果としてユーザー体験や検索エンジンでの評価が向上します。
画像最適化に役立つツール
これまでお伝えしてきたとおり、画像最適化はWEBサイト運営に大きなメリットをもたらします。しかし、実際に最適化するには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、代表的な専用ツールを紹介し、画像を圧縮する方法について解説します。適切なツールを使うことで、ファイル形式の変換、サイズ調整、圧縮などを短時間でおこなうことができます。
Canva
画像最適化に役立つツールの1つはCanvaです。特に素早く画像サイズを変更したいときや、オンラインで利用したいときに便利です。Adobe Photoshopのように高度で精密な編集機能を備えた業界標準ソフトと比べると、シンプルな操作性が特徴で、ブラウザ上で簡単にトリミングやリサイズをおこなえます。
例えば、デジタル一眼レフカメラで撮影した非常に大きな画像を、Canvaのページにアップロードし、500×500ピクセルのような適切なサイズに調整するといったことが可能です。このようにCanvaはオンラインで使用する画像を最適化するのに、非常に有効なツールといえます。
Adobe Photoshop
Adobe Photoshopは、画像最適化において業界標準とされる高度な編集ソフトウェアです。PhotoshopでWEBサイト向けの画像を準備するには、書き出しオプションの中の「Web用に保存」という機能を使うのが一般的です。これなら簡単に、ファイルを大幅に圧縮しながらも画像品質を損なわずにサイズを削減できます。
また、JPEGをプログレッシブ形式で書き出せば、ブラウザが画像を段階的に読み込み、ユーザーにより早く表示しているような印象を与えることも可能です。このように、Photoshopは高度な画像最適化ができるツールといえます。
Image Optimizer
Image Optimizerは、WordPress向けのプラグインとして広く利用されています。画像ファイルのサイズを自動的に削減し、WEBサイトのパフォーマンスを向上させてくれます。画像をアップロードした際に自動で最適化をおこなうだけでなく、既存のメディアライブラリ内の画像を一括で圧縮することもできます。
WEB担当者としては、手動で1枚ずつ圧縮処理する手間を省くことができ、プラグインを設定するだけで作業が完了するので非常に便利です。また、設定した最大サイズへの自動リサイズやWebPなどの次世代フォーマットへの変換機能を備えており、多くのWordPressユーザーから支持をえています。
GooglePageSpeedInsights
Google PageSpeed Insightsは、WEBサイトの読み込み速度などのパフォーマンスを診断するツールです。Largest Contentful Paint(LCP)などCore Web Vitals指標に影響を与える要素のパフォーマンスを診断し、改善の方向性を示してくれるため、WEB担当者は定期的にこのツールを使ってページの状態を確認するようにしてください。このツールを使えば、視覚的に、自社の画像最適化が適切におこなえているかどうかを調べることができます。
画像最適化のよくある質問
ここでは、画像の最適化に関して、WEB担当者からよく寄せられる質問をとりあげ解説します。WEBパーフォーマンス全体にかかわることなので、細部までしっかり確認してください。
Q.画像の最適化は、なぜ必要なのですか?
Answer)WEBページに掲載する際に、ページ表示速度を落とす要因になるためです。
画像データは、WEBページ内のコンテンツとして容量面で大きなウェイトを占めます。画像データのファイルサイズを小さくすることで、サイト全体のページ表示速度の向上につながります。
Q.画像サイズとファイルサイズの違いとは?
Answer)「サイズ」という単語が指す対象が異なります。
画像サイズとは、画像に含まれるピクセルの総数のことで画像ファイルの縦横の長さを指します。一方、ファイスサイズとは、画像ファイル自体の総合的な容量を指します。
Q.ファイルサイズを小さくする方法は?
Answer)画像ファイルの形式を変更する、または圧縮ツールで容量を減らします。
画像ファイルを生成するための形式にはさまざまな種類があります。なかには、画像ファイルが大きくなりがちな形式と画像データを小さくできる形式があります。このほか、画像ファイルを圧縮するツールやサービスがありますので、こういったものを利用して画像ファイルサイズを小さくします。
Q.どの画像形式を使えば良いですか?
Answer)複数のファイル形式があるため迷ってしまいますが、WEBページに掲載するのならWebPを第一選択としてください。
WebPはJPEGより20-35%小さいファイルサイズを実現しつつ、ほぼすべてのブラウザに対応しています。また、透明背景が必要な場合はPNG、ロゴやアイコンならSVGがおすすめです。従来のJPEGは古いブラウザでのサポートが必要な場合のみ使用してください。
Q.コアウェブバイタルとは何ですか?
Answer)GoogleがWEBサイトのユーザーエクスペリエンス品質を測定する指標のことです。
LCP(Largest Contentful Paint)とFID(First Input Delay)そしてCLS(Cumulative Layout Shift)があります。詳しくは下記のページを参考にしてください。
Q.画像の品質を落とすことのデメリットはありますか?
Answer)画像を圧縮しすぎてしまうなど、品質を落としてしまうと表示上のさまざまなデメリットが生じます。
具体的には輪郭がぼやけてしまったり、色の再現性が低下したりします。ユーザーからすれば、プロフェショナルではないと思われ、結果として信頼性を損ないます。このような自体にならないようにするためにも、最適化と画質の両方のバランスをとるようにしてください。
Q.画像SEOで上位表示するには?
Answer)画像SEOで上位表示するにはいくつかポイントがあります。まず最初に重要なのがオリジナルの画像であるという点です。
素材集の画像では、上位表示することは困難なので、自社で用意した素材を使ってください。また、掲載するページのテーマに沿った画像である必要もあります。オリジナル画像であっても、無関係な画像を掲載していたら画像SEOで上位表示できないだけでなく、ページの評価自体にも影響します。詳細は下記を参考にしてください。
まとめ
画像最適化は、WEBサイト全体のパフォーマンスを底上げする重要な施策です。適切なファイル形式の選択、必要なサイズへのリサイズ、画質を保ちながらの圧縮、そして効果的なツールの活用により、WEBサイトの表示速度が向上します。それは同時に、検索順位の改善やユーザー満足度の向上にも直結します。WEB担当者は、日々の更新や運営の中で画像最適化を常に意識し、長期的な成果につながるように運用してください。
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