【SEOの新常識】トピッククラスターとは?作り方や事例を紹介
SEOに携わっている人であれば、一度はトピッククラスターという言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?トピッククラスターとは、特定のトピックの集合体を指しており、近年注目されているSEO対策の一つです。

トピッククラスターモデルとは
トピッククラスターとは、サイト内のコンテンツを戦略的にまとめることによってコンテンツ群や各コンテンツのSEO評価を高めるというものです。
そもそもトピッククラスターとは、メインとなるトピックとそれを補足するサブトピックで構成されたコンテンツ群を指します。最近注目されているコンテンツの整理方法であり、SEOにも効果的だとされています。
HubspotのMatthew Barbyが提唱した概念
トピッククラスターを初めて定義したのが、インバウンドマーケティングなどのセールスソフトウェアで知られているHubspot社のMatthew Bardyです。Matthew BardyはHubspot社の顧客獲得ディレクターでありながら、SEOの専門家でもありました。
HubSpotでは、マーケティングやセールス、カスタマーサービスに関するさまざまなトピックで膨大な数のブログ記事を書いていましたが、分類はされておらず似通った内容になってしまうものもありました。そのため、検索結果のページで似通った内容のコンテンツがトラフィックを奪い合っており、結果としてSEOに悪影響を与えていたのです。
そこでMatthew Bardyは、具体的でニッチなキーワードで上位表示されるコンテンツを書くよりも、別の手段に力を入れた方が効率的ということを考え、トピッククラスターを提唱しました。
トピッククラスター導入後の例
トピッククラスターでは、メイントピックであるピラーコンテンツと、ピラーコンテンツの補足したり関連する情報を記載するクラスターコンテンツに分けられます。
このモデルでは、ニッチなキーワードで制作していたコンテンツをトピックエリアごとに分類し、そのトピックに関する概要をまとめたページを柱とし、同じエリアに分類される具体的で掘り下げたコンテンツとをハイパーリンクで連結しました。
具体的にHubSpot社が実施した例でいうと、次のようなものがあります。
- トピック:Instagramを使ったマーケティング
- ピラーコンテンツ:インスタグラムマーケティング完全ガイド
- クラスターコンテンツ例:
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トピッククラスターが注目される背景
SEOに効果的なトピッククラスターモデルですが、ここまで注目されるようになった背景には次の2つの理由が挙げられます。
- ロングテールキーワードの重要性向上
- キーワードの共食いリスク
ここでは、それぞれの背景について詳しく解説していきます。
ローカル検索増加によるロングテールキーワードの重要性向上
ローカル検索とは、特定の地域ごとに検索結果を表示させる仕組みのことです。たとえば、「カフェ」と検索すると検索しているユーザーの周辺にあるカフェが検索結果に表示されます。そのため、東京と大阪では検索結果が異なるということになります。
このローカル検索にはGoogleも近年力を入れており、検索の背後にあるユーザー意図を理解し、その意図を反映したタイムリーな情報を表示しようとしています。スマートフォンの音声検索機能の普及も、ローカル検索に力を入れている背景として挙げられます。
このように、ローカル検索が増加したことによりロングテールキーワードの重要性が増してきています。ロングテールキーワードは、サイトドメインが強くなくてもページ単位で上位表示させることができます。
キーワードの共食い(カニバライゼーション)のリスクがある
複数のトピックで書かれた記事の多くは、分類がされておらず内容が似通ってしまうことがあります。その結果、各記事同士が競合してしまいトラフィックを奪い合ってしまうという共食い(カニバライゼーション)がおきてしまいます。
このように、複数のページで同じもしくは似たキーワードをターゲットにしてしまうと、検索エンジンがどのキーワードに対してページを表示すれば良いのかがわからなくなってしまい、結果としてSEOに悪影響を与えてしまいます。
このようなリスクを避けるためにも、トピッククラスターを導入し内部リンクで関連する記事に誘導させることで共食い(カニバライゼーション)を防ぐことができます。
トピッククラスターの効果
トピッククラスターはSEO効果があるとされていますが、具体的にどのような効果があるのでしょうか?ここでは、ユーザーにもたらす効果とサイト運営者にもたらす効果の2つの観点から解説していきます。
ユーザーにもたらす効果
トピッククラスターを導入することで、よりユーザーにサイト構造を分かりやすく伝えることができます。
ユーザーは、検索結果に表示されたサイトに知りたい情報がなければ、サイト内では探さず、別のサイトに移る事の方が多いでしょう。そのたえ、キーワード戦略のみではユーザーが本当に求める情報を与えることは難しくなります。
しかし、ピラーコンテンツとそれに関連するコンテンツを明確な階層構造をもとに繋げることで、ユーザーが知りたい情報を探しやすくなり、利便性が向上します。
サイト運営者にもたらす効果
ユーザーの利便性が向上するだけではなく、運営者側にもメリットがあります。情報の仕分けができてカテゴリごとに情報を管理しやすくなります。
評価が他のコンテンツに影響する
トピッククラスターでは、自然とクラスターコンテンツからの内部被リンクが多くなります。内部被リンクが多くなれば、各ページのSEO評価が他のページにも渡るため結果としてピラーページの評価が高まります。
また、クラスターコンテンツではトピックを絞って作成するため、記事同士の関連性が高くなり、検索エンジンからも評価されやすくなります。
このように、1つのページが評価されていれば関連性の高いページも同じように評価され、上位表示されやすくなるのです。
関連記事: 内部リンクとは?SEO強化のための内部リンクのポイント
ロングテールキーワードとの相性がいい
ロングテールキーワードは、サイトドメインが弱くてもページ単位で十分に上位表示を狙うことができます。たとえば、ロングテールキーワードで作成したコンテンツに内部リンクを貼ることで、ピラーページへの流入も増え上位表示しやすくなるのです。
ロングテール自体は検索ボリュームが大きくないため、難易度も低く記事を量産する場合にはおすすめです。
このように、ロングテールキーワードとの相性が良く、SEO効果を期待しやすいというメリットがあります。
トピッククラスターの作り方
トピッククラスターのは特別なスキルが必要となるわけではないですが、正しく理解した上で作成していく必要があります。
ステップ1: 記事の分類
最初のステップは、記事の分類です。既に多くの記事コンテンツが存在する場合は、ジャンルごとにコンテンツを整理する必要があります。
コンテンツ作成をする際にキーワード調査を行いサイトの方向性は決まっていることがほとんどなため、トピッククラスターの基盤は既に設定しているかと思いますが、ここではさらに大まかなジャンルに分類していきましょう。
たとえば、SEOであれば「内部対策」「外部対策」などとざっくり分類することができます。
ステップ2: 要素の特定
記事の分類が完了したら、次は要素を特定していきます。要素の特定では、主に次の3つを意識して行う必要があります。
ピラーページの特定
ピラーページとは、コンテンツの核となるメインジャンルを指します。そのため、サイトが狙いたいキーワードを設定するといいでしょう。
ピラーページを軸にその他のコンテンツを作っていくこととなるため、サイト全体の方向性にも大きく影響します。
その他にも、ピラーページを深堀りするサブクラスターピラーページがあります。たとえば、SEOがピラーページであれば「内部対策」や「外部対策」などがこれにあたります。
更に具体的に分岐させるコンテンツが、分岐ページとなります。外部対策の分岐ページは、「被リンク」「サイテーション」などとなります。
ここではこれらのページを特定して、分類していくことが重要です。
コンテンツギャップの特定
既存コンテンツがある場合には、次のようなことに注意しなければなりません。
- 既存のコンテンツに関連しているか
- キーワードがどの階層に配置されるべきか
- コンテンツ同士のリンク階層は正しいか
このように、コンテンツ同士の関連性や階層構造が重要となります。キーワードが正しく配置されていなければ、ユーザーの利便性が悪く合ってしまう上に検索エンジンからも評価されない場合があります。
コンテンツギャップがないよう、キーワードの分類や配置、関連性は確認するようにしましょう。
コンテンツ重複の特定
既存コンテンツの中には、コンテンツ内容が重複しているものもあるかもしれません。そのため、トピッククラスターを作成する際には事前にコンテンツの重複を特定しておきましょう。
コンテンツが重複していると、コンテンツ同士の共食い(カニバライゼーション)が起こってしまうためSEO効果を発揮することができません。このような場合には、コンテンツを削除するかコ統合するかなどして対処することが重要です。
ステップ3: リンク削除と再リンク
コンテンツの分類と要素の特定が完了したら、コンテンツ内にある内部リンクの整理を行います。リンク削除や再リンクは、コンテンツ量が多いとその分時間もかかってしまいます。
まずは、内部リンクをすべて削除し階層構造順にピラーページにリンクします。ユーザーの検索意図を想定し、適切なリンクを貼るようにしましょう。また、クラスターコンテンツ同士の内部リンクも効果的です。
ステップ4: 文字数を意識した執筆
トピッククラスターの作成が完了しても、分類の仕方によっては足りないコンテンツがでてくるでしょう。その時は、新たにコンテンツ作成をする必要があります。
設定したキーワードをもとに記事制作をしていきますが、文字数を意識した執筆を行うことが重要です。SEOでは文字数が評価基準となることはありませんが、文字数が2000文字程度と少ない場合は、内容が薄い低品質なコンテンツとして判断されることもあります。
そのため、4000文字以上の文章を意識して執筆していきましょう。ただし、無理に文字数を増やそうとして内容薄いこと書いてしまうとかえって評価されづらくなるため、ユーザーにとって価値のある高品質なコンテンツ作りが重要です。
まとめ
