メタディスクリプションとは? 書き方のポイントを実例を踏まえて解説
WEBサイトを運営しているなら「メタディスクリプション」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。検索結果ページでタイトルの下に表示される短い説明文ですが、ユーザーのクリック行動を左右する大切な要素です。
実際、Backlinkoの調査によると適切に書かれたメタディスクリプションを持つページは、そうでないページに比べてクリック率が約5.8%高いと報告されています。
このように、メタディスクリプションはSEOにも間接的に影響を与える要素で、WEB担当者がクリック率(CTR)改善のために取り組む重要な施策といえます。そこで、その基本から役割、効果的な書き方、設置方法までを分かりやすく解説します。
メタディスクリプションとは?
メタディスクリプションは、WEBページのコンテンツを簡潔に要約した短いテキストです。通常、検索エンジンの結果ページにおいて、ページのタイトル(見出し)とリンクの下に表示されます。その主な役割は、ユーザーにページの内容を知らせ、ニーズとマッチした内容かどうかを判断してもらうことです。
メタディスクリプション自体はGoogleのランキング要因ではありませんが、クリック率を高め、WEBサイトへのトラフィックを促進することで、間接的にSEOに影響します。理想的な長さは80文字前後とされており、長すぎる場合は検索エンジンによって途中で省略されることがあります。
Googleは、提供されたメタディスクリプションが検索クエリの意図と合わない場合や質が低い場合、ページの本文から独自の要約を表示することもあるので注意してください。
メタディスクリプションの役割
検索結果でユーザーの目に最初に触れるのがメタディスクリプションです。たった数行のテキストですが、その質によってクリック率は大きく変わります。そこで、メタディスクリプションの役割を具体的に解説し、なぜSEOやユーザー体験に重要なのかを整理しました。早速、内容をご確認ください。
クリック率の向上
メタディスクリプションは、検索エンジンの結果ページにおけるWEBサイトのクリック率を向上させるうえで重要な役割があります。
なぜなら、ユーザーが検索結果でタイトルの下に表示される短い要約文を読み、その内容が自分の検索意図にどれだけ一致しているかを判断するためです。魅力的で、ページのコンテンツを正確に表現したメタディスクリプションは、ユーザーの関心を引きつけクリック率向上に役立ちます。
また、ユーザーの検索クエリと一致するキーワードをメタディスクリプションに含めると、検索結果上でそのキーワードが太字で強調表示されることがあり、これが視覚的にユーザーの目を引き、クリックされる可能性をさらに高めます。
関連記事:SEOにおけるクリック率(CTR)とは? 順位別クリック率(CTR)を紹介
コンテンツを理解しやすくなる
検索エンジンがWEBページの内容を理解するための補助的な役割も果たします。これは検索エンジンのクローラーがWEBページを確認する際に、最初に確認するコンテンツの1つとして、メタディスクリプションが設計されているためです。
たとえGoogleが検索結果に表示するスニペットを独自の判断で書き換える場合でも、元のメタディスクリプション情報はGoogleがページ内容を把握するために活用されます。こうして検索エンジンはコンテンツをインデックスし、ユーザーの検索意図とページの内容をより適切に照合するのに役立てます。
記述例と書き方のポイント
メタディスクリプションを知識として理解していても、実際にどう書けば効果的なのか迷うのではないでしょうか。クリック率を高めるには、ただ文字数を埋めるだけでは不十分です。
そこで、具体的な記述例と実践できる書き方のポイントを解説します。すぐに使える実例を参考にすれば、自社サイトの改善に役立てられます。
関連記事:How to create a good meta description – Yoast
ページ内容を正確に反映する
自社でメタディスクリプションを記述する際は、ページ内容を正確に反映するようにしてください。なぜなら、ユーザーは、検索結果ページに表示されるこのテキストを参考にクリックしてWEBサイトを訪問するかどうかを判断するからです。
ページ内容と一致していれば、ユーザーは期待通りの情報を知ることができ、良質なユーザー体験となります。逆に、誤解を招くような記述や、ページの内容と異なる記述は、ユーザーを失望させ、WEBサイトへの信頼性を損ね、訪問者が離脱する原因になります。
Googleは、提供されたメタディスクリプションが検索クエリの意図に合わない場合や、ページ内容を適切に反映していないと判断した場合、ページの本文から独自のテキストを自動生成して表示することが多いです。これはWEB担当者が意図しない表示になることもあるため、書き換えが極力起こらないよう正確な要約を作成することが大切です。
では「ページ内容を正確に反映する」というポイントを踏まえた記述例を挙げます。どちらも、ページの概要が分かるようになっています。
記述例1.ハンドクリームの商品案内ページ
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記述例2.観光地「京都五重塔」を紹介したブログ記事
京都を代表する五重塔を紹介。歴史や文化的価値、見どころを詳しく解説し、観光に役立つ情報をお届けします。旅の計画に役立つよう、おすすめタイムスケジュールも公開。
キーワードを含める
記述する際には、関連性の高いキーワードを含めるようにしてください。そうすることで、検索エンジンの結果ページでクリック率を向上させるのに役立ちます。
というのも、ユーザーの検索クエリと一致するキーワードがメタディスクリプション内にあれば、そのキーワードは検索結果で太字で強調表示されることがあるためです。
これが視覚的にユーザーの目を引き、該当ページが自身の検索意図に合致しているという認識を与えることになります。ただし、キーワードは自然かつ文脈に沿って使用するべきで、キーワードを不必要に詰め込むことは、Googleに無視されるか、場合によってはペナルティの対象となる可能性があります。
では、「キーワードを含める」というポイントを踏まえた記述例を紹介します。どちらも、ターゲットキーワードを含めている点に注目してください。
記述例1.中古車販売店 / ターゲットキーワード=「名古屋+中古車」
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記述例2.ショートケーキの作り方を紹介記事 / ターゲットキーワード=「ショートケーキ+作り方」
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行動喚起する
テキストで行動喚起(CTA)を含めることも有効です。CTAを含めることで、クリック率の向上が見込めるからです。例えば「詳しくはこちら」、「今すぐ始める」、「参考にしてください」、「無料で試す」といったフレーズは、ユーザーの興味を引き、行動を促す効果的な呼びかけになります。
このような行動喚起が明確に含まれているメタディスクリプションは、ユーザーにページへの訪問を促しクリック率を向上させます。
実際の具体例は次のとおりです。どちらもCTAが含まれています。
記述例1.学習塾の教室案内ページ
小学生から高校生まで対応する水戸市の学習塾。基礎から応用まで丁寧に指導し、志望校合格をサポートします。無料体験授業を実施中!今すぐお問い合わせください。
記述例2.印刷業のお問い合わせページ
チラシ・パンフレット・名刺など各種印刷に対応。高品質・短納期・低コストを実現し、デザインから納品まで一括サポート。お見積りは無料です。ぜひお気軽にご相談ください。
参考ページ:CTA(Call To Action)の作成と活用におけるポイントを解説
検索意図を含める
検索意図を含めることもポイントです。これは、ユーザーのエンゲージメントやWEBサイトへのトラフィックを向上させるのに役立ちます。メタディスクリプションは、ユーザーが検索結果ページで自身の検索クエリに合致するかどうかを判断する手がかりの1つです。
そのため、ユーザーが抱える問題、必要としている情報の種類、または探している製品やサービスなど、検索意図に合致したキーワードやフレーズを記述するようにしてください。
では、実際の記述例を見ていきます。どちらも検索キーワードからユーザーの意図を想定し、それを踏まえた内容になっています。
記述例1.古本屋 / ターゲットキーワード=「古本+買取り」
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記述例2.スポーツジムの記事 / ターゲットキーワード=「筋トレ+方法」
正しい筋トレ方法を学びたい方に。プロトレーナーが効果的なトレーニング法を紹介。初心者から上級者までレベルに合わせた筋トレメニューを自宅でも実践できます。
関連記事:検索意図とは?SEOにおける検索意図の重要性!調べ方から利用方法まで解説
メタディスクリプションの設置方法
効果的なメタディスクリプションを理解したあとは、それを自社のWEBサイトに設定します。そこで、WordPressやWix、Shopifyなど、使っているツールごとに手順を活節します。正確な場所に記述しなければ、検索結果で表示されないため注意してください。
WordPress
WordPressでメタディスクリプションを設定する一般的な方法は、Yoast SEOのようなSEOプラグインを利用することです。まず、プラグインをインストールして有効化したあと、メタディスクリプションを設定したい投稿やページの編集画面にアクセスします。
画面下部にあるYoast SEOセクションまでスクロールし、「スニペット編集」ボタンをクリックし、指定された欄にページのコンテンツを要約したメタディスクリプションを直接入力します。
このようにプラグインツールを利用すれば、各ページに固有の記述を簡単にできるうえ、推奨される文字数や重要キーワードの使用状況などについてフィードバックもえられます。
関連記事:Yoast SEOとは?導入するメリット・デメリットや基本設定についても解説
Wix
Wixでメタディスクリプションを設定する方法は、Wixに組み込まれたSEOツールを利用することです。設定はWEBサイトの各ページに対して個別におこなう必要があります。
具体的な操作方法としては、Wixダッシュボードから編集したいページを選択し、「SEO Tools」に進み、該当ページの「SEO設定」で「Meta Description」欄にテキストを入力します。
関連記事:Wix(ウィックス)はSEOに弱いのか!? SEO対策のポイントを紹介
Shopify
Shopifyでメタディスクリプションを設定するには、Shopifyの管理画面に組み込まれているSEO編集機能を利用します。個別の商品ページやコレクションページの場合、Shopifyの管理画面で該当する商品やコレクションを選択し、編集画面の「検索エンジンリスティングのプレビュー」までスクロールし「ウェブサイトSEOを編集」をクリックします。
そこで、メタディスクリプションを専用欄に入力します。「ホームページ」のメタディスクリプションを編集する場合は、管理パネルの「販売チャネル」から「オンラインストア」を選び、「環境設定」サブカテゴリ内の「タイトルとメタディスクリプション」で編集をおこないます。
関連記事:Shopifyで必須のSEO対策9選!対策アプリも合わせて解説
メタディスクリプションのよくある質問
ここでは、メタディスクリプションについてのよくある質問をとりあげ解説します。WEB担当者がスキルを高めるためにも、しっかりお読みください。
Q.BtoBサイトでもメタディスクリプションは必要ですか?
Answer)BtoBサイトにおいてもメタディスクリプションは必要です。
Q.季節イベントごとに記述内容を変えるべきですか?
Answer)季節やイベントに合わせて調整するのはクリック率向上にも役立ちます。
例えば「クリスマスケーキ+レシピ」「夏休み+工作」などは、特定の時期に検索需要が急増します。その時期に合わせてメタディスクリプションを更新すれば、検索結果に表示された際に「今の自分に役立つ情報だ」とユーザーが感じやすく、クリック率アップにつながります。
Q.旅行・観光業界での注意すべき点は?
Answer)観光業界の場合、メタディスクリプションには地域名を入れたり、季節やイベント(桜・紅葉・花火など)関連のキーワードを記述してください。
情報が古くならないようにも注意が必要です。また、インバウンド需要を意識して便利な設備なども示すと効果的です。
参考ページ:旅行・観光業界のSEO対策!最新トレンドや具体策など詳しく解説
Q.複数のターゲットがいる場合はどう書けば良いですか?
Answer)ターゲットが複数存在する場合は、両者に共通することを中心に記述してください。
例えばカフェを紹介するページなら、学生は勉強や友人との会話の場をもとめていて、ビジネスパーソンはリモートワーク環境を求めると仮定できます。
そこで「落ち着いた空間」「Wi-Fiや電源完備」「季節限定メニューが楽しめる」など、どちらにも共通する要素をメタディスクリプションに入れると質の高いものになります。
まとめ
メタディスクリプションは直接的なSEO順位の要因ではありませんが、ユーザーの行動を左右する大きな役割を担っています。正確で魅力的な要約文を用意することで、クリック率を向上させ、訪問者の満足度を高められます。
また、実際の記述においては、検索意図を意識したキーワードや行動喚起を含め、より効果的に流入を増やすよう心がけてください。今回お伝えしたポイントを参考に、ぜひ自社サイトのメタディスクリプションを見直し、ユーザーから選ばれるWEBページにしてください。