百貨店やデパートのWEB戦略とは?ECサイトの活用とSEO対策について解説
かつては小売の王様と呼ばれた百貨店ですが、ここ数十年で売上高が大きく落ち込んでいます。その理由としては、国内の消費環境が著しく変化したこと、コンビニエンスストアやECといった競合事業者が台頭したことなどが挙げられます。
そんななか、百貨店では、EC販売の導入が進んでいます。そして、ECサイトの露出を高めるためには、SEO対策が必須となります。
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百貨店がSEO対策すべき理由
百貨店の売上高は、減少傾向が続いています。とくに、近年では、各種商品のEC化が進んでいます。そのため、百貨店においては、店舗集客だけでなく、EC販売の強化も重要な課題の1つです。そこで、ECサイトの露出を高める施策として、SEO対策が注目されています。
百貨店の売上高は減少傾向が続く
一般社団法人日本百貨店協会は、全国の百貨店の売上高をまとめた、百貨店売上高を発表しています。
集計時期 | 全国の百貨店の売上高 |
2010年 | 6兆2,921億円 |
2015年 | 6兆1,742億円 |
2019年 | 5兆7,547億円 |
2020年 | 4兆2,204億円 |
2021年 | 4兆4,182億円 |
2022年 | 4兆9,812億円 |
2023年 | 5兆4,211億円 |
2024年 | 5兆7,722億円 |
※本表は、百貨店売上高を参考にして、東京SEOメーカーが集計したもの
その売上高の推移をみてみると、マクロ的には百貨店の売上は下降傾向にあることがわかります。この理由としては、人口の減少、物価高による消費の節約、コンビニエンスストアやモール型店舗、EC販売といった競合事業者の台頭など、さまざまな要因が挙げられます。
その一方で、2020年には新型コロナウイルス感染症の影響で、さらに落ち込みました。ただし、この影響は一時的なもので、翌年の2021年には回復基調に向かいました。そして、2024年には、コロナ禍以前の水準にまで回復しています。
百貨店向けのSEOキーワードの例
百貨店のサイトでは、お客様の利用目的、取り扱い商品に関連するキーワードを設定することが大切です。また、店舗集客が目的の場合は、地域キーワードの設定が不可欠となります。
関連記事:SEOキーワードの選び方とは?WEB集客に成功する効果的なキーワード選定のコツなどを徹底解説!
※本項目で記載する月間検索件数は、2025年6月単体のもの。また、検索結果(SERPs)は、2025年8月調べで、原則として位置情報が東京都内のものです。
百貨店サイトのメインキーワード
百貨店は、多種にわたるカテゴリの商品を扱う大型の小売店です。とくに、各方面の高級ブランドを取り揃えており、商品単価が高額になる傾向がみられます。そして、百貨店は、デパートとも呼ばれます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
デパート | 検索件数:110,000
検索結果:百貨店の案内ページ / ECページ / まとめページ |
百貨店 | 検索件数:90,500
検索結果:百貨店の案内ページ / ECページ / まとめページ |
検索結果では、上位枠の大半を百貨店の店舗案内ページが占めています。このほか、ECページやまとめページが上位に食い込んでいます。
店舗案内ページをみてみると、西武・そごう、小田急百貨店、東武百貨店など、大手の百貨店サイトがランクインしています。また、ECサイトでは、三越伊勢丹オンラインストアの姿がみられました。
百貨店の利用目的
百貨店には、さまざまな売り場があります。その代表的な売り場としては、ギフト売り場、デパ地下、物産展などが挙げられます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
手土産 | 検索件数:90,500
検索結果:ECページ / 比較・ランキング記事 |
ギフト | 検索件数:49,500
検索結果:ECページ |
デパ地下 | 検索件数:18,100
検索結果:百貨店の案内ページ / SNS / 解説記事 |
物産展 | 検索件数:18,100
検索結果:百貨店の案内ページ /まとめページ / イベントの案内ページ / ECページ |
キーワード別にみていくと、贈り物を示す「手土産」や「ギフト」の検索結果では、ECページが目立ちました。配信元の内訳は、手土産やギフトに特化したECページや百貨店のECページとなっています。
そして、「手土産」では、三越伊勢丹のサイト内のページが2枠ランクインしています。1つはビジネスギフト専門ECの三越伊勢丹法人オンラインストアで、もう1つはギフト専門ECのMOOD MARK(ムードマーク)です。
このように、三越伊勢丹のサイトは、サブドメインやサブディレクトリでカテゴリを分け、それぞれで特化したカテゴリの情報を発信しています。下記は、その例の1つです。
- 一般向けのショッピングサイト(URL:https://www.mistore.jp/shopping)
- ビジネス向けのショッピングサイト(URL:https://business.mistore.jp)
- ギフト専門のショッピングサイト(URL:https://isetan.mistore.jp/moodmark)
このように、サイト内のコンテンツを整理して、わかりやすい内部構造で設計すると、SEO効果が生まれて上位表示しやすくなります。また、キーワード別に検索ニーズをみてみると、贈答品関連の検索数が目立っていることがわかります。
この理由としては、百貨店では、商品を仕入れる際に厳しい検品がおこなわれていて、高品質の商品が陳列されていることが挙げられます。つまり、商品の品質を担保している面があることから、百貨店自体が安心感あるブランドと化しているということです。
その結果として、百貨店を利用する人のなかには、贈り物の購入を目的とする人が多数いる状況となっています。その一方で、「デパ地下」や「物産展」のキーワードでは、店舗案内のページの露出割合が高くなっています。
この理由としては、これらのキーワードは現実的な場所を指しており、実店舗に関連する情報と検索意図が一致しているためです。なお、「物産展」の場合は、現在おこなわれているイベントに対する情報が求められます。そのため、イベントの最新情報をスピーディーに載せることが重要です。
取り扱い商品に関連するキーワード
百貨店が扱う商品を連想するキーワードが検索されるケースがあります。たとえば、百貨店は、贈答品を購入するために利用されることが多々あります。こうしたときは、季節ごとの行事がキーワードとして検索されます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
父の日 | 検索件数:7,480,000
検索結果:ECページ / 解説記事 |
母の日 | 検索件数:165,000
検索結果:ECページ / 解説記事 |
お中元 | 検索件数:165,000
検索結果:ECページ / 解説記事 |
お歳暮 | 検索件数:18,100
検索結果:ECページ / 解説記事 |
検索結果の大半は、ECページに占められています。ECページの内容は、主に、父の日向けのギフトやプレゼントの特集ページとなっています。そこで、配信元が百貨店のものをみてみると、高島屋、三越伊勢丹オンラインストアがランクインしています。
その一方で、検索ボリュームをみてみると、「父の日」が爆発的な数値となっています。この理由は、同データを集計したのが2025年6月単月のもので、父の日の該当月であるためです。このように、行事に関連するキーワードは、季節によって大きく変動します。
そのため、百貨店サイトとしては、例年、検索ニーズが伸びる時期までに、特集ページやLP(ランディングページ)を用意し、検索エンジンにインデックスしておくことがアクセスを確保するポイントとなっています。このほか、行事だけでなく、下記のような人生の節目のタイミングでもプレゼントが贈られます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
出産 祝い | 検索件数:165,000
検索結果:ECページ / 解説記事 |
誕生日 プレゼント | 検索件数:165,000
検索結果:比較・ランキング記事 / ECページ |
また、贈り先の趣向を把握している場合は、具体的に贈る品物が決まっています。それゆえ、贈答品の名称をキーワードとして検索されることもあります。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
お中元 アイス | 検索件数:2,900
検索結果:ECページ / 解説記事 |
お中元 ゼリー | 検索件数:2,900
検索結果:ECページ / 比較・ランキング記事 |
検索結果には、それぞれの商品を扱うECサイトのページが上位表示しています。配信元としては、ギフト専門ECページや百貨店サイトのほか、総合スーパーマーケットのイトーヨーカドーネット通販といった、百貨店に類似する小売店もランクインしています。
取り扱い商品の基礎知識
一般的に贈り物は、身内や友人、職場、取引先など、日頃からお世話になっている人に贈られます。そして、贈り物をする際には、それぞれの関係値に応じてマナーがあります。そこで、検索ユーザーは、贈り物のマナーに関するキーワードを検索します。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
お中元 とは | 検索件数:18,100
検索結果:解説記事 |
お中元 のし | 検索件数:9,900
検索結果:解説記事 / ECページ |
お中元 お歳暮 | 検索件数:4,400
検索結果:解説記事 |
お中元 お返し | 検索件数:1,900
検索結果:解説記事 / ECページ |
事例のキーワードの場合、「○○について知りたい」という検索意図が含まれています。そのため、検索結果には解説記事が並んでいます。そして、配信元としては、お中元の贈り物を扱う百貨店の姿もみられます。
たとえば、「お中元 とは」のキーワードでは、HANKYU HANSHIN E-STORES、小田急百貨店ショッピング、大丸松坂屋オンラインストア、西武・そごうのe.デパートがランクインしています。
それぞれのサイト内には、コラム企画を配信するためのカテゴリやオウンドメディアが設けられています。このように、検索ユーザーの役に立つ情報を配信することで、検索エンジンの評価を高めることが可能です。
百貨店が立地する地域キーワード
実店舗の百貨店に買い物に行くとなると、現実的にその店舗に訪問できるか否かが重要です。そこで、検索ユーザーは、「百貨店 ○○県」の要領で地域キーワードを交えて検索します。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
近く の 百貨店 | 検索件数:2,400
検索結果:百貨店の案内ページ / まとめページ |
新宿 デパート | 検索件数:6,600
検索結果:百貨店の案内ページ / まとめページ |
大阪 百貨店 | 検索件数:3,600
検索結果:百貨店の案内ページ / まとめページ |
デパート 札幌 | 検索件数:2,900
検索結果:百貨店の案内ページ / まとめページ |
福島 百貨店 | 検索件数:140
検索結果:百貨店の案内ページ / まとめページ |
検索結果では、それぞれの地域に立地する百貫店の店舗案内ページが目立っています。具体的には、「新宿 デパート」のキーワードで、新宿を代表する百貨店として知られる伊勢丹新宿店がトップ、新宿高島屋が2位、京王百貨店の新宿店が3位と続いています。
そして、原則的には、百貨店は大型の小売店ですので、一定の来客が見込める都市部に立地しています。実際に、大都市のキーワードになるほど検索数が大きくなっていることがわかります。
そんななか、「福島 百貨店」のキーワードの結果では、福島県に根付いて営業する、うすい百貨店がリッチリザルト付きでトップに表示されています。地方を指す地域キーワードの検索数は少なめではあるものの、同店に集客するうえでは最適なキーワードとなっています。
つまり、地方で活動する百貨店ほど、地域キーワードの設定が重要ということです。また、検索件数を見比べるとわかるとおり、現実的には、下記のように百貨店の店舗を指名検索で検索されることが多々あります。そのため、百貨店サイトとしては、地域キーワード対策として、サイト内に支店の情報を載せておくことに留めておく程度でも大きな問題はありません。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
京王 新宿 百貨店 | 検索件数:60,500
検索結果:百貨店の案内ページ / 指名対象の関連情報ページ |
東武 池袋 | 検索件数:49,500
検索結果:百貨店の案内ページ / 指名対象の関連情報ページ |
小田急 百貨店 町田店 | 検索件数:12,100
検索結果:百貨店の案内ページ / 指名対象の関連情報ページ |
百貨店で効果的なWEB集客の手法
百貨店の集客に効果的な方法として、下記のようなWEB施策が挙げられます。
- LLMO対策を導入する
- ポータルサイトに店舗情報を掲載する
また、店舗集客では検索マップ対策を、EC集客ではデータベース型サイトを導入することを検討していください。
- 検索マップに店舗情報を掲載する
- データベース型サイトを実装する
LLMO対策を導入する
LLMO対策とは、主にチャット型の生成AIの回答テキストに自社コンテンツの引用を促す施策のことです。昨今では、大規模言語モデルの技術が著しく発展していて、生成AIの実用性が高まっています。
そのため、調べごとをする際に、検索エンジンの代用として生成AIを利用するシーンが散見されます。こうした背景から、サイト運用にあたって、SEO対策と同時並行してLLMO対策を導入することが推奨されています。
東京SEOメーカーでは、LLMO対策の支援サービスを提供しています。詳しくは、下記リンク先のページをチェックしてください。
ポータルサイトに店舗情報を掲載する
百貨店の関連キーワードで検索すると、百貫店の店舗情報をまとめたポータルサイトが上位表示されることがあります。つまり、こうしたサイトに店舗情報を掲載できると、集客効果が生まれるということです。百貨店の情報を扱うポータルサイトとしては、次のようなものが挙げられます。
検索マップに店舗情報を掲載する【店舗集客の場合】
店舗集客のケースでは、Google検索マップに店舗情報を掲載するといった施策が効果的です。
Googleビジネスプロフィールと呼ばれるツールを用いることで、検索マップに店舗情報を登録できます。SEO業界では、この施策のことをMEO対策といい、地域キーワードの設定と合わせて、ローカルSEOとして運用されています。
データベース型サイトを実装する【EC集客の場合】
ECサイトを運用、またはリニューアルを検討しているケースでは、データベース型サイトの導入が推奨されます。データベース型サイトとは、登録した情報を基に自動でWEBページを生成する仕組みのサイトを指します。
一般的に、ECサイトでは、多数の商品を取り扱うことになりことから、大規模なサイトになりがちです。そこで、データベース型サイトを導入することで、サイト運用のリソースを軽減できます。なお、東京SEOメーカーでは、データベース型サイトの導入や運用のお手伝いもしています。
>>東京SEOメーカーの大規模・データベース型サイトの構築サービス
百貨店におけるSEO対策のよくある質問
百貨店のSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。
Q:百貨店サイトにてSEO対策するうえで、優先度が高い施策は?
Answer)百貨店サイトの目的が店舗集客であれば、ローカルSEOがもっとも重要です。その一方で、EC販売を目的とするケースでは、SEO内部対策の優先度が高まります。この理由としては、ECサイトには、データベース型サイトを導入しますので、サイト構造の整理が不可欠となるためです。
Q:百貨店の店舗集客やEC販売がうまくいかないときは?
Answer)SEO対策の専門会社に相談してください。
東京SEOメーカーは、これまでに2,000社以上の企業にWEB施策を提供してきた実績があります。百貨店のサイトでも重要なローカルSEOやECサイト構築においても、多数の成功事例を有しています。まずは、下記リンク先のフォームよりお問い合わせください。
まとめ

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