検索意図を反映したQ&Aの設計方法
FAQの質問と回答とする際の最大のポイントとなるのが、検索意図を踏まえて設定できているかです。質問の本質(検索意図)を捉えて、「ユーザーが何を知りたいのか」を把握することが最大の争点となります。
そもそも、FAQページの役割は、「ユーザーが実際に抱く疑問」を質問として設定したうえで、その答えを提示する点にあります。そして、ユーザーが検索クエリを入力するときには、何かしらの目的があり、それが検索意図です。たとえば、肌荒れに悩む人がいたとします。そして、その人は、普段使っている洗顔フォームを見直すことにしました。すると、次のようなキーワードを入力します。
- 「肌荒れ 洗顔フォーム」
これが、事例のキーワードに含まれる検索意図の1つです。そこで、スキンケア用品の販売事業者側は、自社サイトで肌荒れに悩むユーザーに答えを提示することが大切です。そこで、次のようなFAQを作成します。
<h2>Q:肌荒れを直すためには、どの洗顔フォームを使えばいいですか?</h2>
<p>A:抗炎症成分や殺菌成分を配合した薬用洗顔料が向いています。</p>
回答テキストを作るときのコツは、答えをすぐに提示することです。このように、ターゲットの悩み(クエリの検索意図)を具体的な質問テキストに書き起こし、わかりやすい回答テキストを配置すると、検索エンジンやLLM(大規模言語モデル)に高評価されやすくなります。
また、次のような情報を参考にすることで、FAQの質問文の選定時に役立ちます。
- 自社のサポート窓口に寄せられた問い合わせ内容を参考にする
- Googleサーチコンソールで検索されているクエリを参考にする
- Google検索結果に表示される「関連する質問」を参考にする
- 競合サイトのFAQページを参考にする
構造化データを実装する方法
SEOとLLMOの両方で効果的にFAQページを運用するうえで欠かせないのが、構造化マークアップです。具体的には、HTML内に構造化マークアップを記述して、「この項目=FAQページ」であることを定義付けます。そして、定義付けられたこの情報のことを構造化データと呼びます
そもそも、構造化マークアップとは、検索エンジンやLLMに対して、テキスト情報の正しい意味を伝える技術のことです。Googleは、このFAQの構造化データをもとにして、検索結果に「よくある質問」のリッチリザルトを表示しています(※2026年現在は政府機関など一部サイトのみ)。一方、LLMにおいては、「問いと答えが明確だ」と捉えますので、AI回答の情報源として引用しやすくなります。
構造化データを実装するためには、schema.orgと呼ばれる規格(構造化マークアップのルール)で、JSON-LD形式(構造化マークアップの記述方法)のFAQPage(具体的なコード)をHTML内で指定します。そして、HTMLファイルのheadタグ内か、またはbodyタグの後ろに、次のようなコードを記述します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "肌荒れを直すためには、どの洗顔フォームを使えばいいですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "抗炎症成分や殺菌成分を配合した薬用洗顔料が向いています。"
}
}
]
}
</script>
ここで、専門技術の話をしましたので、それぞれの属性やプロパティ(@contextなど)の情報をざっくりと整理します。
| 属性やプロパティ | 解説 |
|---|---|
| @context | 規格の指定。schema.orgを指定している。 |
| @type(1つ目) | コンテンツの種類を指定。FAQページを指定している。 |
| mainEntity | メインコンテンツの指定。 |
| @type(2つ目、3つ目) | コンテンツの種類を指定。質問(Question)と回答(Answer)を指定している。 |
| acceptedAnswer | メインの回答テキストを指定。 |
この作業自体は、エンジニアが担当することになります。ただし、現実的には、現場では、手動記述せず、構造化マークアップのツールで設定することが多々あります。たとえば、WordPressでサイト運用している場合は、構造化データを実装するプラグインが使われます。
なお、構造化データの実装後は、リッチリザルトテストで正しく読み込まれるかチェックすることを推奨します。
構造化データについてはこちらAI回答に引用されたFAQの実例紹介
実際に、FAQがAI回答に引用された事例を紹介します。
まず、検索型生成AIのPerplexityに下記の質問をしてみます。
- 「洗顔フォームを購入したときの支払い方法を変更する方法は?」
すると、Perplexityの回答には、「決済完了後に途中変更できるケースは限られる」旨の説明が表示されました。
そこで、AI回答に引用されているページを確認してみると、資生堂のFAQページなどの姿を確認できます。
そして、同ページの内容を詳しくみてみると、「注文した後、支払い方法の変更はできるの?」の問い、「ご注文手続きの完了後にお支払い方法を変更することはできません。ご了承ください。」の回答のFAQコンテンツが設置されています。
つまり、Perplexityは、同ページを含む、複数のサイトの情報を総括して、「決済完了後に途中変更できるケースは限られる」という回答を生成したということです。
さらに、同ページのソースコードをみると、FAQpageの構造化データが実装されていることがわかります。
このように、検索クエリに対し、明確な回答を持つFAQコンテンツを設置していて、かつFAQPageの構造化データを実装することで、AIに引用される可能性が高まります。
INSIGHTS
FAQページは、SEOとLLMO双方の評価基準を同時に満たせるコンテンツです。
質問の選定、構造化マークアップの2点を抑えることで、FAQページで検索流入とAI引用の両方の対策になります。
FAQページの設置は、コンテンツマーケティングのなかでも、重要な施策の1つに位置付けられます。SEOとLLMOの両軸で効果を見込め、費用対効果、時間効率の面で優れています。
SEOの観点では、FAQページはロングテールキーワードを自然に盛り込める構造です。また、LLMOの観点では、質問と回答が区切られた明確な構造であることから、AI回答の生成時に参考にされがちです。
この施策のポイントは、単純に「よくある質問をまとめたページ」として捉えるのではなく、ユーザーの検索意図を起点にした質問と回答を用意することです。また、構造化マークアップでFAQページの情報を定義づけることも不可欠です。
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本当です。ただし「検索意図を踏まえて質問と回答を用意する」「構造化マークアップを実装する」の2点が重要です。
FAQページ(よくある質問)とは、ユーザーの質問、その回答をまとめたページです。コンテンツ構成は、質問テキストが見出しに置かれて、その見出しの本文に回答テキストが配置されるスタイルです。
そして、LLM(大規模言語モデル)や検索エンジンは、理解しやすいコンテンツを評価する傾向がみられます。そのため、このシンプルな構造のFAQページを高評価するケースが散見されます。
そんなFAQページは、
という特徴を持ちます。
一般的に、検索エンジン上では、「〇〇とは」「〇〇の方法」と、さまざまな切り口のクエリが入力されます。そして、FAQの「問い」は、これらのクエリの検索意図を言語化し、さらに詳しい条件を指定する役割を担います。SEO対策の観点でみると、ロングテールキーワードを抑えやすい構造になっています。
一方、LLMは、回答生成時に、結論ファーストのコンテンツを優先して情報源に採用します。この背景には、生成AIのRAG(Retrieval-Augmented Generation)と呼ばれる仕組みが関係しています。RAGは、ページ内の一部のテキストを情報源として扱う仕組みですので、結論の情報が冒頭に置かれるFAQと親和性を持ちます。
つまり、FAQページの設置は、SEO対策とLLMO対策の両方で効果を期待できる施策であるということです。ただし、FAQページであれば、無条件でSEOとLLMOに適合するというわけではありません。
その効果を発揮するためには、
の2つの条件を満たす必要があります。
この2つの条件を満たすことで、FAQページは、Google検索結果と生成AIの回答テキストの両面からアクセス流入を獲得する存在として役立ちます。そこで、今回は、次の3つの項目についてお伝えします。
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