ビッグキーワード攻略の「入口」になる
検索ボリュームが少ないキーワードは、競争性が低く、ドメイン評価が低いサイトでも上位表示を狙いやすいというメリットがあります。そして、ゆくゆくは、ミドルキーワードやビッグキーワードを攻略するための足がかりとして役立ちます。
原則的に、ビッグキーワードで検索上位を獲得するには、長期間の運営実績と高いドメイン評価が不可欠です。実際に、たとえば「スキンケア」というキーワードを検索すると、大手の化粧品メーカーや化粧品メディアが上位を独占しています。仮に、運営履歴が浅いメディアが「スキンケア」のキーワードで上位表示を狙っても、成果が出るまでに何年もかかるケースがほとんどです。
その一方で、「10代 混合肌 スキンケア」のようなロングテールキーワードであれば、そのテーマに特化した質の高いコンテンツを作成することで、短期間で検索上位を獲得する可能性があります。この理由は、大手メディアがロングテールキーワードをとりこぼしているケースが散見され、競合する高品質記事が少ない傾向にあるためです。
そして、この戦略をマーケティング業界では、面で取る戦略(ロングテール戦略)などと表現します。1点突破ではなく、網の目のように検索クエリを網羅することで、安定的な集客ルートを確保していきます。
このような作業を繰り返して、ロングテールキーワードで上位表示する記事を増やしていくと、サイト全体のドメイン評価が少しずつ高まっていきます。これには、トピックオーソリティという考え方が関係しています。Google検索は、特定のテーマのコンテンツを網羅するサイトに対して、そのテーマの専門メディアとして評価することがあります。
検索流入が安定して資産になる
複数のロングテールキーワードを獲得することで、安定した検索流入を生み出すことができます。これは、ストック型の無形資産という考え方です。
たとえば、月間検索数が10件のロングテールキーワードで1位を獲得したとします。この1記事のみでは、小規模のトラフィックにすぎません。ただし、この記事を数十本、数百本と積み上げていくことで、合算すると大きなアクセス数になります。
ロングテールキーワードは、競合が見逃しがちなテーマです。そのため、上位表示を維持しやすいという利点があります。
この施策は、リスティング広告と比較しても大きな強みといえます。そもそも、リスティング広告の強みは、広告費をかけることで、即効性のある集客を実現できる点です。リスティング広告は予算が尽きれば検索流入も止まりますが、ロングテール戦略は中長期に渡って集客効果を発揮し続けます。
| 施策 | ロングテール戦略 | リスティング広告 |
|---|---|---|
| 持続性 | 中長期 | 予算次第 |
| 即効性 | あり(テクニック次第) | あり |
余談ですが、検索ボリュームの調査ツールで「月間検索数:0」と表示されるロングテールキーワードが散見されます。しかし、実際には、一定数の検索が発生しているケースがあります。検索ボリュームの調査ツールには、閾値(しきいち)と呼ばれる、数値を判定する仕組みが組み込まれています。その仕組みの条件を下回ると、「0」と表示されるということです。必ずしも「0=誰も検索していない」とは言い切れない点があることに注意しましょう。
検索意図が明確でCVにつながりやすい
ロングテールキーワードには、もう一つだけ特筆すべき強みがあります。それは、コンバージョン(問い合わせなど)につながりやすいという点です。
たとえば、「10代 混合肌 スキンケア」という検索クエリからは、明確な検索意図が読み取れます。さらに、検索者のユーザー属性までも推察できます。まず、検索意図は次のとおりです。
- 10代の混合肌に合うスキンケア用品を知りたい(購入したい)(検索意図)
- 10代の混合肌のスキンケアのやり方(検索意図)
さらに、ユーザー属性は次の通りです。
- 美容に関心を持つ若年層(ユーザー属性)
- 混合肌の持ち主(ユーザー属性)
仮に、サイト側が「スキンケア用品の販売(決済)」を成果ポイントに設定していたとします。事例の検索ユーザーは、まさにスキンケア用品を求めていますので、販売ページに誘導できれば、コンバージョンを達成する可能性があります。つまり、サイト側としては、事例のロングテールキーワードを確保すべきということです。
さらに高いコンバージョン率を狙うならば、次のようなタイプのクエリを組み合わせたロングテールキーワードを設定することが推奨されます。
| CVしやすいクエリタイプ | クエリの例 |
|---|---|
| トランザクショナルタイプ | 「化粧水 購入」「美容液 定期購入」 |
| 指名タイプ | 「雪肌精 評判」「オルビス スキンケア 効果」 |
| 比較タイプ | 「化粧水 おすすめ」「化粧水 比較」 |
| 悩みタイプ | 「ニキビ 治らない」「乾燥肌 かゆい」 |
このうち、もっともコンバージョンに近いのは、トランザクションクエリ(取引型クエリ)です。検索ユーザーは、すでに意思決定を終えており、その購入意思が明確にクエリに反映されています。
このほか、指名検索もコンバージョン率が高いクエリに分類されます。ただし、指名検索の場合、指名対象の化粧品メーカーが優先して上位表示されます。指定商品を扱うECサイトにとって重要なクエリといえます。また、比較キーワードも意思決定直前の状況ですので、コンバージョンしやすいクエリです。
悩みキーワードに関しては、悩みを解決するための情報を伝えることで、コンバージョンに近づきます。具体的には、「乾燥肌 かゆい」という悩みであれば、悩みを取り除く商品を記事内でアピールします。そして、ユーザーが魅力を感じれば、行動を一歩前進させられます。
コンバージョン率を上げる方法はこちらINSIGHTS
ロングテール戦略は、「安定した検索流入の確保」「ビッグキーワード対策への布石」「CVRの高さ」の3つの観点で価値があります。
ロングテールキーワードは、SEO、CVの両軸で選定することが大切です。
月間検索数が少ないからといって、ロングテールキーワードを軽視するのは得策ではありません。むしろ、発展途上のサイトこそ、優先してロングテール戦略を取り入れるべきです。
SEO対策において本当に大切なのは、検索数の大小ではなく、検索クエリの質です。検索数が少ないものの、質が高いクエリを1つずつ積み上げていくことが、サイト全体の評価向上とビジネス成果の拡大に結びつきます。
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検索数が少なくてもSEO対策の価値は十分にあります。
結論からいうと、月間の検索数(検索ボリューム)が少ないキーワードこそ、SEO戦略で重要な軸になります。
そもそも、キーワードは、検索数によって分類されます。この分類に明確な定義があるわけではありませんが、月間1万件以上をビッグキーワード、数千件程度をミドルキーワード、そして数十〜数百件程度をスモールキーワードと一般的に区分されます。さらに、複数の単語を組み合わせ、検索意図が明確な検索クエリのことをロングテールキーワードと呼んでいます。
特 徴:抽象的なキーワード
事 例:「スキンケア」
特 徴:やや具体化した複合キーワード
事 例:「スキンケア おすすめ」
特 徴:具体性が高い複合キーワード
事 例:「スキンケア 肌 ニキビ」
特 徴:非常に具体性が高い複合キーワード
事 例:「10代 混合肌 スキンケア」」
たとえば、「スキンケア」はビッグキーワードです。これに対して、「10代 混合肌 スキンケア」のように、複数のキーワードを組み合わせた検索クエリがロングテールキーワードにあたります。一語一語の検索数は非常に少なく、組み合わせ次第で無数に存在する点が大きな特徴です。
このロングテールキーワードを対策する利点としては、
ことが挙げられます。
ロングテール戦略は、SEO、CVR(コンバージョン率)の両方の側面で効果を見込めます。そのため、SEOやCV重視のキーワード選定が重要となります。
さらに詳しく3つの利点を見る