セキュリティソフト会社のWEB戦略とは?ウイルス対策ソフトなどを販促するための SEO対策について解説
近年では、インターネットが発達し情報社会化が進んでいます。その一方で、情報や資産窃取を目的とするサイバー攻撃、インターネットを利用した詐欺の増加が問題視されています。
こうした背景に加えて、環境変化に対するセキュリティの見直しでセキュリティツールやサービスのニーズが高まっています。それゆえ、セキュリティソフト会社としては、SEO対策を通じてプロダクト製品やサービスをアピールすることが重要となってきます。
関連記事:業種別SEO対策について解説!業界ごとの施策や市場動向など解説
今回は、セキュリティソフトのSEO対策について解説します。サイバーセキュリティに関わる事業を展開している方は、本記事を読んで、具体的なSEO対策のやり方を学んでください。
セキュリティソフト会社がSEO対策すべき理由
近年では、サイバーセキュリティの重要性が高まっています。そして、今後もこの傾向が続くとみられていることから、セキュリティソフト会社としては、SEO対策を通じて、自社のプロダクト製品や各種セキュリティサービスの販売を強化することが大切です。
とくに、SaaS(サース / Software as a Service)のように、オンライン上で決済が完結するビジネスモデルの場合は、自社サイトに対する、検索エンジンのユーザー流入を増やすことが売上増加に直結します。
セキュリティ市場規模が拡大している
特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が発表した2024年国内情報セキュリティ市場調査報告書によると、年々、国内におけるセキュリティ市場規模が高まっていることがわかります。下記データは、セキュリティツール(プロダクト製品)とセキュリティサービス(コンサルティング等)の売上高の合算値の推移です。
年度 | 国内のセキュリティ市場規模 |
2021年度 | 1兆3,321億円(105.2%) |
2022年度 | 1兆4,628億円(109.8%) |
2023年度 | 1兆6,665億円(113.9%) |
2024年度 | 1兆7,995億円(108.0%) |
2025年度 | 1兆9,458億円(108.1%) |
※2024年度と2025年度の数値は推定値
とくに、近年においては、前年対比110%前後で伸び続けています。そして、内訳をみると、ツールとサービスの両方が好調に推移しています。
この理由としては、紛争によるサイバー攻撃、リモートワークなど働き方の変化に伴なうセキュリティの見直しなどによる需要の高まりが挙げられます。また、ツールの高度化や多様化が進んでいて、今後もセキュリティ市場が拡大していくと、同協会は予測しています。
セキュリティソフト会社向けのSEOキーワードの例
セキュリティソフト会社のサイトでは、セキュリティの機能、セキュリティを導入する端末やOSの種類などをキーワードとして設定してください。また、サイバーセキュリティには、高い専門性が求められることから疑問解決系のキーワードを抑えることも大切です。
関連記事:SEOキーワードの選び方とは?WEB集客に成功する効果的なキーワード選定のコツなどを徹底解説!
※本項目で記載する月間検索件数は、2025年6月単体のもの。また、検索結果(SERPs)は、2025年8月調べで、原則として位置情報が東京都内のものです。
セキュリティソフトの同義語
コンピュータウイルスは、端末やネットワークの脆弱性を突く、悪意を持って作られたプログラムです。そこで、検索ユーザーは、コンピュータウイルスから端末を守るために、次のようなキーワードを用いてセキュリティソフトの情報を集めます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
セキュリティソフト | 検索件数:18,100
検索結果:比較・ランキング記事 / セキュリティソフトの案内ページ / 解説記事 |
ウイルス対策ソフト | 検索件数:9,900
検索結果:比較・ランキング記事 / セキュリティソフトの案内ページ |
アンチウイスル | 検索件数:3,600
検索結果:セキュリティソフトの案内ページ / 解説記事 / 比較・ランキング記事 |
検索結果では、ウイルスソフトの情報を扱うランキング記事、セキュリティソフトの販売ページの姿がみられました。ランキング記事では、ビッグカメラやヤマダウェブコムといった、セキュリティソフトの販売を手がける小売業が目立っています。
また、セキュリティソフトの販売に関しては、ソースネクストのZEROやイーセットジャパンのESET、トレンドマイクロのウイルスバスタークラウドのような大手メーカーの製品案内ページが並んでいます。
その一方で、「アンチウイスル」のキーワードでは、解説記事の露出割合が高くなっています。たとえば、筑波大学の学術情報メディアセンターのアンチウイルスソフトを導入する必要性を解説する記事、カスペルスキーのコンピュータウイルスを回避する技術に関する解説記事などがランクインしています。
この理由としては、コンピュータウイルスの対策には、高度な専門性が求められていることが挙げられます。つまり、事例のキーワードには、「アンチウイルスに関する基本情報を知りたい」といった、検索意図が含まれているということです。
セキュリティソフトの機能
セキュリティソフトを導入する際には、どのような目的でツールを使うのかを考慮します。そこで、下記のように、セキュリティソフトの機能に関するワードを交えつつ検索されています。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
ウイルス チェック | 検索件数:6,600
検索結果:ウイルスチェックツール / 解説記事 / セキュリティツールの案内ページ / 比較・ランキング記事 |
ウイルス スキャン | 検索件数:4,400
検索結果:ウイルスチェックツール / 解説記事 / セキュリティツールの案内ページ / 比較・ランキング記事 |
両キーワードの検索結果ともに、トレンドマイクロのウイルスチェックツールがトップに表示されています。事例のキーワードの場合、「今すぐに、無料でウイルスチェックしたい」といった検索意図があるため、検索クエリともっとも合致するコンテンツが検索エンジンに高く評価されている様子がうかがえます。
このほか、ソネットやESETのSaaS(Software as a Service / サース)サービスの案内ページの上位表示がみられました。
セキュリティソフトを導入する端末やOSの種類
日常生活で用いられる端末には、主に、パソコンとモバイルの2つの種類があります。また、端末に搭載されるOSがそれぞれ異なります。
そのため、自身が用いる端末やOSに適切なセキュリティの導入が求められます。まず、パソコンのセキュリティに関する検索クエリとしては、下記のようなものがあります。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
windows の セキュリティー | 検索件数:8,100 検索結果:解説記事 |
パソコン ウイルス 対策 | 検索件数:5,400
検索結果:解説記事 / 比較・ランキング記事 / ECページ |
mac セキュリティ ソフト | 検索件数:1,000
検索結果:解説記事 / 比較・ランキング記事 / セキュリティツールの案内ページ |
検索結果では、解説記事が目立っています。そして、解説記事の配信元をみると、セキュリティソフトやソリューションの提供事業者だけでなく、端末やOSのメーカーやパソコン周辺機器の小売事業者など、さまざまなカテゴリの事業者が入り乱れています。
なお、端末やOSのメーカーのワードは、指名検索に該当します。そのため、「windows の セキュリティー」のキーワードでは、WindowsセキュリティやMicrosoft Defenderに関する解説記事が並んでいます。そして、マイクロソフトのサポートページやラーニングページがランクインしています。
また、スマートフォンのセキュリティ関連のキーワードとしては、次のようなものが挙げられます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
iphone ウイルス チェック | 検索件数:14,800
検索結果:解説記事 |
スマホ セキュリティ ソフト | 検索件数:3,600
検索結果:解説記事 / 比較・ランキング記事 / セキュリティソフトの案内ページ |
ウィルス スキャン スマホ | 検索件数:1,300
検索結果:解説記事 / セキュリティツールの案内ページ / アプリストア |
ウイルス 除去 アプリ | 検索件数:1,000
検索結果:セキュリティツールの案内ページ / アプリストア / 比較・ランキング記事 / 解説記事 |
パソコンの検索結果と同様で、解説記事を中心に、ランキング記事やセキュリティアプリの案内ページが上位に表示されています。また、スマートフォンという特性上、アプリストアの上位表示も見受けられました。
とくに、「iphone ウイルス チェック」のキーワードの場合、すべての上位枠が解説記事に占められています。そして、記事の配信元をみてみると、トレンドマイクロやカスペルスキーといったセキュリティソフト会社のほか、NTTドコモ、Appleのようにスマートフォン端末を扱う事業者の姿もみられました。
比較キーワード
セキュリティソフトの導入を検討している人は、情報を集めたうえで、具体的にどの製品を購入すべきかを検討します。こうしたとき、検索ユーザーは、「○○ おすすめ」の要領で、比較キーワードで情報を探します。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
セキュリティ ソフト おすすめ | 検索件数:5,400
検索結果:比較・ランキング記事 / ECページ |
ウイルス 対策 ソフト おすすめ | 検索件数:2,900
検索結果:比較・ランキング記事 / ECページ |
セキュリティ ソフト 比較 | 検索件数:1,900
検索結果:比較・ランキング記事 / ECページ |
検索結果の上位枠には、セキュリティソフトの製品情報を集めたランキング記事が表示されています。一般的には、比較キーワードはコンバージョンに直結しやすい都合で、競合ページが多くなる傾向がみられ、上位表示を狙う難易度が高いといわれています。
ただし、「セキュリティ ソフト おすすめ」のキーワードでは、セキュリティソフトの販売を手がけるソースネクストの記事が1ページ目に食い込んでいます。記事の内容を詳しくみてみると、セキュリティソフトを選ぶ基準の解説を軸にしつつ、人気のソフトウェアを紹介しています。このように、ユーザー目線で役立つ情報を記事に盛り込むことでSEO面で優位性を保てます。
セキュリティやコンピュータウイルスに関連する基本知識
端末を第三者の攻撃から守るためには、専門的な知識が必要です。そこで、検索ユーザーは、セキュリティの基礎知識をえようと、下記のようなキーワードを入力します。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
ウイルス と は パソコン | 検索件数:6,600
検索結果:解説記事 |
パソコン ウイルス 対策 | 検索件数:5,400
検索結果:解説記事 / 比較・ランキング記事 / ECページ |
ノートン 必要 か | 検索件数:3,600
検索結果:解説記事 |
コンピュータ ウイルス 種類 | 検索件数:2,400
検索結果:解説記事 |
検索結果には、コンピュータウイルスに関する解説記事が並んでいます。主に、それぞれの疑問に回答するもので、「コンピュータウイルスとは?」や「ウイルスソフトは必要か?」といった題材の内容となっています。
そして、事例キーワードのうち、「ウイルス と は パソコン」と「コンピュータ ウイルス 種類」は、検索意図が似ています。そのため、検索結果には、同じ記事がランクインしています。たとえば、proofpoint、FORTINETの記事が両キーワードで上位表示しています。
このうち、前者のタイトルタグをみてみると、「コンピュータウイルスとは?種類と感染経路、対策」となっていて、1本の記事で2つ以上のキーワードに対策する工夫をしていることがわかります。このように、キーワードを設定する際には、記事内容に則しつつ、検索ニーズを満たせる文言を考えることが大切です。
また、検索ユーザーは、特定のコンピュータウイルスの情報を取得するために、次のように検索することもあります。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
ランサム ウェア と は | 検索件数:27,100
検索結果:解説記事 |
マルウェア と は | 検索件数:22,200
検索結果:解説記事 |
トロイ の 木馬 と は | 検索件数:14,800
検索結果:解説記事 |
エモテット と は | 検索件数:1,600
検索結果:解説記事 |
検索結果の特徴としては、官公庁のサイトが上位表示される傾向がみられました。この理由としては、コンピュータウイルスが犯罪行為に関与していて、YMYL(Your Money or Your Life)に該当する可能性を秘めていることから、信頼性が高い警視庁や政府広報のサイトが上位表示しやすいためです。
つまり、セキュリティソフト会社のサイトとしては、上位表示を狙う難易度が高めのキーワードともいえます。
セキュリティソフト会社の効果的なWEB集客の手法
セキュリティソフトの販売を促すうえでは、次のようなWEB施策が効果的です。
- コンテンツSEOの対策でコラム記事を作成する
- LLMO対策を導入する
コンテンツSEOを導入する
セキュリティソフト会社のサイトに集客するためには、コンテンツSEOの導入が効果的です。
セキュリティソフトやコンピュータウイルスの関連キーワードで検索すると、多数の解説記事が表示されます。なぜならば、端末を正しく守るためには、専門知識が求められるためです。つまり、セキュリティソフトの関連キーワードには、「○○を知りたい」という検索意図が込められているということです。
そこで、セキュリティソフト会社としては、検索ユーザーが求めるような、端末のセキュリティに関する解説記事を作成することで、自社サイトに対する検索流入の増加を見込めます。そして、このように、サイト内のコンテンツ品質を高める施策のことをコンテンツSEOといいます。
LLMO対策を導入する
LLMO対策を導入することで、検索流入に加えて、生成AIを経由した新たなアクセスの流入を確保できます。
LLMO対策とは、主にチャット型の生成AIの回答テキストに対して、自社サイトのコンテンツを引用することを促す施策のことです。昨今では、LLM(Large Language Models / 大規模言語モデル)の技術が発展していることから生成AIの性能が高まっています。
そのため、生成AIの利用者が増加しています。こうした背景から、SEO対策と並行して、生成AIのユーザーを確保することが重要視されています。
なお、東京SEOメーカー(本サイト)では、LLMO対策の支援サービスを提供しています。詳しくは、下記をご覧ください。
セキュリティソフトにおけるSEO対策のよくある質問
セキュリティソフトのSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。
Q:セキュリティソフトやサービスの販売を強化するためには、どのようなSEO対策が必要ですか?
Answer)コンテンツSEOが効果的です。
コンピュータやネットワークのセキュリティには、高度な専門知識が求められます。そのため、セキュリティに関する情報を検索する人が多々います。
実際に、セキュリティ関連のキーワードで検索すると、解説記事の露出が目立っています。そこで、高品質な解説記事を揃えて、検索エンジンの上位表示を目指すことが集客するうえで大切です。
Q:セキュリティソフトやサービスの集客がうまくいかないときは?
Answer)プロのSEO会社やWEBマーケティング会社に相談してください。
東京SEOメーカーは、これまでに2,000社を超える企業に対してWEBサービスを提供してきました。セキュリティソフト会社にとっても重要なコンテンツSEOの成功事例も有しています。まずは、下記フォームよりお問い合わせください。
まとめ
近年では、サイバー攻撃やインターネット上の詐欺が横行しています。また、リモートワークの導入などでセキュリティの見直す必要に迫られたことからセキュリティツールやサービスのニーズが高まっています。
こうしたことから、セキュリティソフト会社には、自社製品やサービスの販売を強化するために、SEO対策を中心としたWEB施策が求められています。これから本格的にSEO対策の導入を検討している方は、SEO対策の専門会社に相談してみてください。