近年では、レシピサイトの利用率が高まっています。月に1回以上の頻度で料理をする人が7割にのぼるというマルハニチロ株式会社のアンケート調査結果があり、そもそも、料理レシピのニーズが高いことがわかります。

そして、この調査結果によると、月1回以上料理をする人のうち、75.2%の人が料理レシピを使うと答えています。さらに、そのうちの74.3%の人がレシピサイトやアプリを利用しているとのことです。

その一方で、レシピサイトは食品の販売促進に役立つという性質を持ちます。そのため、食品会社にとって、オウンドメディアとしてレシピサイトを運用すると、自社商品の消費ニーズを促すことも可能です。

ただし、レシピサイトを設置しただけでは効果が生まれません。とりわけ、SEO対策をすることで、検索エンジンから大量の検索流入を確保できるようになります。

レシピサイトのSEO対策について解説します。レシピサイトの運用は、食品会社の商品を販促するうえで役立ちます。食品の売上アップの施策方法を探している方は、本記事を参考にして、レシピサイトを立ち上げることを検討してください。

食品会社がレシピサイトでSEO対策すべき理由

食品会社がレシピサイトを立ち上げて、SEO対策に力を入れることで、商品の販売促進につながります。

SEO業界内では、料理レシピの関連キーワードが大規模な検索ボリュームを持つと知られています。そもそも、人間にとって、毎日の食事が欠かせないものであることから、料理レシピの情報は極めて高い検索ニーズがあります。

そのため、大手のレシピサイトでは、月間で数千万人に訪問されるケースも珍しくありません。なかには、Cookpad（クックパッド）のように、訪問者数が月間で1億人を超える国内有数の大規模サイトも存在します。

※Similarweb　調べ

そこで、食品会社としては、オウンドメディアとして、レシピサイトを立ち上げ、SEO対策をすることで、大規模な検索流入を見込めます。実際に、下記のとおり、すでにレシピサイトの運用に成功している食品会社の姿もみられます。

※Similarweb　調べ

レシピサイト向けのSEOキーワードの例

レシピサイトでは、「料理」や「献立」といったレシピの類義語のほか、調理に使う食材名、料理名、料理道具の扱い方に関連するキーワードを設定すべきです。また、食品メーカーの場合は、自社商品に関連するキーワードをピックアップし、食べ方提案の記事を作成をすることで、商品販促に役立ちます。

関連記事：SEOキーワードの選び方とは？WEB集客に成功する効果的なキーワード選定のコツなどを徹底解説！

※本項目で記載する月間検索件数は、2025年5月単体のもの。また、検索結果（SERPs）は、2025年6月調べで、原則として位置情報が東京都内のものです。

料理レシピの類義語や同義語

食事は、人間が生活するうえで欠かせないものです。そして、食べ物には、人それぞれ好みがあります。そのため、おいしい食事を楽しもうとして、料理レシピを情報を求めます。そこで、検索ユーザーは、料理レシピの情報を探すために、次のように検索します。

検索結果では、ほぼすべての上位枠がレシピのまとめページに占められています。たとえば、「レシピ」のキーワードでは、国内トップシェアを誇るレシピサイトのCookpadが1位、AJINOMOTO PARK（味の素パーク）が2位、みんなのきょうの料理が3位と続いています。

一方、「自炊」では、解説記事が目立っています。記事の内容をみてみると、単純に料理の手順や材料を紹介するページではなく、自炊のコツ、簡単に食事を摂るコツを解説したうえで、おすすめのレシピ集を紹介するものとなっています。

このような記事が上位表示する理由としては、自炊に慣れておらず料理に不安を抱く人は、その悩みを解決するための詳しい料理情報を欲しているためです。このように、検索クエリの本質を見極めて、検索ユーザーのニーズに適したコンテンツを提供すると、高いSEO効果をえられます。

また、オーガニック検索とは別枠になりますが、レシピコンテンツやショート動画のカルーセル枠が表示されがちなのも大きな特徴となっています。

調理に用いる食材名

原則的に、調理は日常生活の一部として毎日おこなわれます。そして、その調理で余った食材は冷蔵庫などに保管されます。ただし、食材には保管できる期間が設けられています。こうした生活上の都合で、余った食材をできるだけはやく消化しなければなりません。そこで、検索ユーザーは、余った食材をもとに、どのような料理を作れるのかを知るために、次のように検索します。

検索結果では、おすすめのレシピをまとめたリストページ、レシピの紹介ページのみが上位に表示されています。事例キーワードのうち、「キャベツ レシピ」の結果をみてみると、Cookpadがトップ、キッコーマンホームクッキングが2位、ミツカンおうちごはんが3位と、まとめページがトップ3を占めています。

このように、食材を交えたキーワードでは、レシピのまとめページが上位表示しやすい傾向がみられます。その理由としては、事例のキーワードには、「食材をもとに、どのような料理を作れるのかを知りたい」といった検索意図があり、リストページと相性がよいためと推測されます。

その一方で、レシピの紹介ページとしては、白ごはん.comのやみつきキャベツのレシピがランクインしています。一般的なレシピページというと、材料と作り方をコンパクトにわかりやすく紹介するページが多々みられます。

しかし、白ごはん.comでは、「いちばん丁寧な和食レシピサイト」を謳うとおり、料理時の手際の情報や画像など、細部まで編集してレシピページを作り込んでいる様子がうかがえます。料理に慣れていない人の場合、レシピをみても「ここの切り方がわからない」といった場面に遭遇することがあります。同サイトの場合は、初心者の悩みを解消する記事に仕上がっているといえます。

食べたい料理名

食事をするときには、その日の気分や自身の嗜好に合わせて、食べたい料理を求めます。そのため、検索ユーザーは、食べたい料理名をキーワードにしてレシピを探します。

料理名を交えたキーワードの検索結果では、レシピの紹介ページがもっとも目立ち、次いで、レシピのまとめページが表示されています。この要因としては、検索ユーザーが作りたいものが明確になっていて、料理の手順や必要な材料に関する情報を求めているためです。

事例のキーワードのうち、「たけのこ ご飯」の結果をみると、白ごはん.comが1位、Cookpadが2位、Foodie（フーディー）が3位と並んでいます。白ごはん.comの記事は、料理の手順を綿密に説明しつつ、Youtube動画を貼り付けることで、視覚的な理解促進を図っています。

Cookpadの記事は、人気レシピ投稿者の☆栄養士のれしぴ☆氏が投稿したレシピとなっていて、その料理の品質の高さが評価されています。Foodieの記事は、記事監修者に料理人の小島喜和氏を起用していて、レシピ記事としての情報の確からしさや品質の高さを担保しています。一重にレシピ記事といっても、上位にランクインする記事には、それぞれの工夫がみられます。

食事シーンや料理のジャンル

作るべき料理は、食事のシーンによって変化します。たとえば、朝食を作るのであれば、朝の忙しい時間帯でも作れて、食べやすく、栄養バランスを考慮した料理が適しています。そのため、食事のシーンに関するキーワードを交えて検索し、レシピを探すケースが散見されます。

検索結果では、レシピのまとめページが1ページ目の大半を占拠しています。このうち、「お弁当 おかず」と「朝ごはん レシピ」のキーワードの検索結果をみると、タイトルタグに料理時間に関するワードが埋め込まれたページが目立っています。

とくに、「お弁当 おかず」では、1ページ目の8枠中5枠のページに料理時間の情報が記載されています。具体的には、「簡単」や「時短」、「短時間」、「10分」など、極めて短時間で作れるレシピであることが強調されています。

この理由としては、「朝ごはん」や「お弁当」の場合、朝の忙しい時間帯の合間を縫って料理することになるため、短時間で作れるレシピが求められているためです。このように、食事のシーンに合った適切なレシピをピックアップし、検索ユーザーに情報を提供することが大切です。

このほか、食べたい料理のジャンルを指定して、次のように検索されることもあります。

料理道具の扱い方に関連するキーワード

料理を作る際には、さまざまな道具を使って食材を調理します。そして、料理に不慣れな人は、「そもそも米を炊くときには水をどの程度いれるの？」といった疑問を数多く持っています。そこで、検索ユーザーは、料理道具の扱い方に関連するキーワードで調理の基本となる情報を取得します。

検索結果には、それぞれの料理道具を用いた料理レシピのページのほか、「○○のコツ」のように、レシピに対して付加価値をつけた解説記事がランクインしています。たとえば、「炊き 方 玄米」の検索結果では、炊飯器メーカーのTiger（タイガー）の解説記事がランクインしています。

記事の内容をみてみると、玄米と白米の違いや玄米の栄養素に触れたのちに、玄米をおいしく炊く方法を詳しく説明しています。さらに、おいしく炊けなかったときの対処方法についても解説しています。

同記事では、シンプルな作業フローを紹介するだけでなく、読者を料理の初心者と想定していて、付加価値となる情報を散りばめて作られています。このように、独自性を盛り込んでいると、上位表示を狙いやすい記事が完成します。

自社商品を用いた食べ方提案

手軽に料理や食事を済ませたい人は、加工された食品を利用します。そして、加工食品を工夫して、いつもと違う味わいを楽しむニーズがあります。

事例キーワードでは、指名検索を含むこともあり、食品メーカーのレシピサイトが上位表示しやすい傾向がみられます。「冷やし茶漬け」のキーワードの検索結果をみると、永谷園のサイトが1ページ目中に2枠ランクインしています。

まず、冷やし茶づけの基本的な作り方のレシピページがトップ、さらに、アレンジレシピのまとめページが3位に表示されています。そして、前者のページでは、レシピに使用した食品として、同社のロングセラーブランドのお茶づけ海苔の案内ページに対するリンクが設置されています。

このように、自社にとって強みの商品に関連するレシピページや食べ方提案の記事を用意すると、商品の販促活動として役立ちます。

レシピサイトの作り方

レシピサイトには、コンパクトにレシピ情報をまとめるタイプ、具体的な調理手順を詳しく解説する作り込むタイプの2種の作り方があります。そして、前者では、データベース型サイトが導入されるケースが多々あります。

データベース型サイトでレシピページを生成する

データベース型サイトとは、サーバー内のデータベースに格納された情報をもとに、自動でページを生成する仕組みのサイトのことです。この技術は、大量のWEBページを用意するタイプの大規模サイトに適しています。

利点としては、自動でページが生成されることからサイト運用の負担が減る、コンパクトなページに仕上がるため閲覧しやすい、といったものが挙げられます。そして、レシピサイトのケースでは、ユーザー投稿型のCookpadなどで用いられている技術です。

なお、東京SEOメーカー（本サイト）では、データベース型サイトの構築とSEO対策のお手伝いをするサービスを提供しています。データベース型サイトの構築を検討している方は、下記よりご相談ください。

>>東京SEOメーカー「データベース型サイトのSEO対策サービス」

ライティングと編集作業でレシピページを作る

ライティングと編集作業を通じて、手動でレシピページを生成するサイトも存在します。作り方としては、一般的なコラム記事と同様です。まずはじめに、記事内のテキストや画像データを作り込んだのちに、手動で記事公開する流れになります。

このように、記事の品質を追求して作成する手法のことをコンテンツSEOといいます。利点としては、充実したレシピ情報を提供できることから、検索ユーザーの満足度が高まり、SEO面で有利に働く点が挙げられます。

食品会社の販促に役立つWEB施策

食品会社が商品を販売促進するうえでは、次のようなWEB施策が効果的です。

食べ方提案のコンテンツを用意する

食品の販売を促進する手法として、特定の食品の食べ方提案に関する情報を発信すると、商品の販売促進につながります。

株式会社おやつカンパニーは、食べ方提案の企画で成功した事例を有しています。同社は、主力商品のベビースターラーメンの消費ニーズを拡大しようと、食べ方提案の企画を実施しました。その内容は、レシピ動画サイトのDELISHKITCHEN（デリッシュキッチン）内で、次のようなレシピ情報、商品の使い方を発信するといったものです。

同社のインタビュー記事によると、こうした取り組みの成果もあって、施策後、ベビースターラーメンの売上高が前年比で110%にまで伸びたとのことです。

レシピ情報として、動画コンテンツを活用する

料理レシピの情報は、調理の手順や手際を視覚的に伝えることができることから、動画コンテンツと親和性を持ちます。実際に、「料理レシピ動画」を謳うDELISHKITCHENやクラシエの人気が高まっています。また、YouTube動画でも、人気の料理チャンネルが多数存在しています。なかには、数百万の登録者数を誇るチャンネルの姿もみられます。

レシピサイトの白いごはん.comは、YouTube動画内に料理チャンネルを設置していて、レシピサイトと連動して運用しています。たとえば、まず、同サイト内には、なすの煮びたしのレシピページを設置しています。

その一方で、YouTubeチャンネル内では、なすの煮びたしのレシピ動画を配信しています。そして、前者のレシピページと後者のレシピ動画を相互リンクしており、どちらのページからでもアクセスできるように工夫しています。

レシピページの視点で見ると、検索ユーザーがなすの煮びたしのレシピの作り方を活字で読んだのちに、動画でもチェックできる作りになっています。この施策の相乗効果もあり、レシピページでは2,000万回表示（2017年時点）、レシピ動画では300万回再生（2025年時点）に達していて大きな反響を呼んでいます。

レシピサイトにおけるSEO対策のよくある質問

レシピサイトのSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。

Q:レシピサイトのSEO対策で重要なこととは？

Answer）レシピサイトのコンセプトによって、重要なSEO対策の施策が異なります。たとえば、ユーザー投稿型のレシピサイトの場合は、大量のページ数を生成することになるため、データベース型サイトを導入し、そのためのSEO内部対策が不可欠です。

その一方で、編集者（ディレクター）が記事品質を徹底管理する運用スタイルを採用するのであれば、コンテンツSEOの優先度が高まります。また、食品会社がレシピサイトを設置する場合、自社サイトのサブディレクトリを使うのか、サブドメインを使うのか、またはオウンドメディアとして別のドメインで運用するのかを判断する必要があります。

Q:レシピサイトのアクセス数がなかなか増えないときは？

Answer）SEO対策の専門会社に相談してください。

東京SEOメーカー（本サイト）は、これまでに2,000社以上の企業にWEB施策を提供してきました。なかでも、レシピサイトで重要なデータベース型サイトのSEO内部対策、サイト品質を高めるためのコンテンツSEOの施策で、多数の成功事例を有しています。

まずは、下記リンク先のフォームよりお問い合わせください。

>>東京SEOメーカーの問い合わせ窓口

まとめ

近年では、レシピサイトを利用する人が増えています。たとえば、国内最大手のCookpadでは、月間の訪問者数が1億人（セッション）を超えています。また、レシピサイトは、食品の販売促進と相性が良く、大手の食品会社では、レシピサイトを運用している姿も目立っています。これからレシピサイトを構築して、商品販促に役立てることを検討している方は、SEO対策やWEBマーケティングの専門家に相談してみてください。

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