SEO内部対策(オンページSEO)
SEO内部対策とは、対象となるサイトの内部を修正することにより検索の上位を狙うことです。
「具体的にどのような対策を行う必要があるか」は、サイトによって異なってきます。
SEOには内部対策と外部対策があり、内部対策はサイト内部やサーバー側、つまりサイト運営者側でコントロールできる部分での対策です。2010年ころまではSEOは外部対策が中心でしたので被リンクをどれだけ集められるかが勝負でした。
現在では、コンテンツSEOとSEO内部対策が主流で、どれだけユーザーに対してロイヤリティの高いサイトに仕上げられるかにかかっています。外部リンクは現在でも重要な施策ではありますが、内部対策の比重が大きくなっているという流れはおそらく覆ることはありません。

SEO内部対策の基本

WEB担当者であれば「Contents is King(コンテンツが王様)」という言葉を聞いたことはあると思います。それだけSEOにとってコンテンツは重要です。
しかし、SEOはコンテンツだけではありません。大きく分ければ内部対策と外部対策の2つですが、内部対策はさらにコンテンツの側面とテクニカルな面があります。
コンテンツは非常に重要なSEO対策ですが、そもそものサイト設計が十分ではない場合にはコンテンツが正しく評価されないこともありますのでテクニカルな面も整える必要が出てきます。
コンテンツSEOとテクニカルSEO
コンテンツSEOとテクニカルSEOはどちらも内部対策(オンページSEO)と呼ばれるものですが、内容は全く異なります。
コンテンツSEOは名称の通り、記事をどれだけ作り込むかに大きく関わってきます。
ユーザーニーズを考慮しつつ、ユーザーの潜在的な欲求を満たす記事を作る必要があります。主にライターによる記事執筆やディレクターによるキーワード選定やライターハンドリングが重要になってきます。
テクニカルSEOはサイトの技術的な面を強化することで検索エンジンに対して最適化する手法です。コーディング、サーバー設定、サイト内要素など技術的な側面が求められますのでコーダー、プロデューサー、サーバーエンジニアなどが協力して行う必要が出てきます。
コンテンツSEO
コンテンツSEOは、サイト内コンテンツを充実させることです。かつての検索エンジンはキーワードさえ入っていれば検索対象として認識していました。
ですが現在Googleでは、ハミングバードというアルゴリズムを導入しています。
ハミングバード(Hummingbird)とは?
いわゆる「会話型検索」を実現する目的で2013年に導入された、従来と異なる検索アルゴリズム。検索キーワードにおける個々の単語を認識するだけではなく、複数の単語の組み合わせを文章ととらえて全体を理解しようとする。
ハミングバードの導入により文章認識の精度が高まった結果、検索エンジンにおいては、検索したワードに対し「より適合すると思われるコンテンツ」が上位表示される形となりました。
「ただキーワードさえ入っていればOK」という時代は終わりを告げたと見てもよいでしょう。
ハミングバードに対応するためには、サイト内のコンテンツ(特に文章)のクオリティを高めなければなりません。
サイトトップページにはキーワードを内包したクオリティの高い文章が必要です。
トップページ以外にも
キーワードに関連する内容の有用なコラムを掲載したり、キーワードに特化したページを作るなど、十分な文章コンテンツを用意する必要があります。
しかも同一ドメイン内の重複コンテンツ・他サイトとの重複コンテンツ・コピーと判断される文章は評価を下げる要因になるため、全てオリジナルで作成しなければなりません。
コンテンツSEOではランキングの部分を改良することになりますが、テクニカルSEOでは主にクロールやインデックスの部分を改良していく作業を行います。
テクニカルSEO
コーディングにより、サイトを最適化させることをテクニカルSEOと言います。SEOは必ずクロール、インデックス、ランキングの3つをセットで考える必要があります。
どれだけ素晴らしい記事を配信していても検索エンジンが知らなければ検索結果に出てきませんし、検索エンジンに見てもらってもデータベースに登録されなければ意味がありません。
登録されたとしても順位が低ければSEOとして成功とはいえません。
まずはクロールされることを目的とし、次にインデックスに値するだけの記事と判断してもらう必要があります。そして、検索上位にランキングされるように改良をする必要があります。
SEOの内部対策では、検索エンジンのクローラビリティを向上させることが有用です。
クローラビリティ(Crawlability)とは?
サイト内の構造が、クローラー(膨大な数のWEBページを巡回して情報を取得するプログラム)にとって巡回しやすいものであるかどうかを表す言葉。「クローラビリティ改善」もしくは「クローラビリティ向上」は、クローラーが巡回しやすくなるようサイト内を修正することをさしている。
クローラビリティが高いサイトとは、正しいソースコードでコーディングし、検索エンジンにとって分かりやすいサイトということです。
しっかりとクローラビリティ向上を行うかどうかは、SEO導入後の効果を左右します。これは大変重要であり、SEOの基礎を支えるものと言っても過言ではありません。
弊社ではクローラビリティを高めるべく、様々な改善策を提案しております。
titleの変更 (30文字程度) | 対策ワードを前の方に配置します。極力文字数を30文字以内に調整し検索結果にタイトルの全文が表示されるように調整します。各ページが同一タイトルにならないように修正します。 |
meta description の設定 ※80~120字程度 | meta descriptionは検索結果に表示される可能性の高い説明文です。何のサイトであるかを説明する文章です。ユーザーアクセス向上の為にも重要です。対策ワードを含んだ説明文を最大で120文字程度で設定します。その他のページもタイトルと同様全てのページが異なったテキストになるように調整します。 |
h1タグの修正 | h1タグに対策キーワードを記述します。タイトルに使った文とは違う文章にします。 |
meta Keywords の設定 | 対策ワードを先頭に設定し、5個程度に抑えます。多すぎるとスパムの原因になる可能性があります。ワードが重複しないようにするほか、トップページと同一ワードにならないようにします。 |
アンカーテキスト の見直し | アンカーテキストは、aタグで囲まれた他ページや画像へのリンクを貼るときに使うタグです。アンカーテキストとリンク先の内容を一致させるよう見直します。 ■例:<a href=”URL”>この場所がアンカーテキスト</a> |
alt属性にて 画像情報を伝える | 画像は、それだけでは検索エンジンは何を表す画像か認識することが難しくなります。 そこでalt属性を付与することで、画像情報を明確にします。 |
サイト更新頻度 の向上 | コンテンツの更新頻度はウェブサイトの評価に影響します。 新着情報などで少なくとも月2回程度以上、対策ページの更新をするのが効果的となっており、サイトに合わせた方法で更新頻度を向上させます。 |
CSS、Javascript の外部化 | 検索エンジンは、100KB以上のhtmlはうまく読み込みません。そこで膨大なCSSファイルやJavascriptの記述があれば別ファイルにしてファイルサイズを小さくするなどで、検索エンジンのクローラビリティを向上させます。 |
URLの最適化 | URL表記を「www」あり、または「www」なしに統一します。 |
サイトマップ の登録 | サイトマップを作成しGoogleへの送信を行います。 これにより、すぐにGoogleに認識されます。 |
SEOの内部対策としてのサイト修正と同時に、ユーザーが使いやすくお問い合わせまで行きやすいページ導線やコンバージョン率を高めるためのユーザビリティ部分のアドバイスもします。
SEOで希望キーワードで上位表示に成功し、ユーザーがたくさん訪問してくれてもお問い合わせをしてもらえなくてはWEB集客成功とは言えません。
そこで重要になってくるのがユーザビリティです。
ユーザビリティ(usability)とは?
ユーザビリティ(usability)とはuse(ユーズ:使う)とability(アビリティ:能力)を合わせた造語で「使いやすさ」や「使用性」と言う意味です。SEOでユーザビリティ言った場合、WEBサイトの使いやすさの面を指します。
クローラビリティが向上する7項目
クローラビリティとはクロールされやすさのことです。対策すべきことは多いですが、以下の7項目をチェックしてみてください。
- サイトマップ
- 内部リンク
- パンくずリスト
- robots.txt
- ディレクトリ構造
- ページネーション
- リダイレクト
サイトマップ
サイトマップにはユーザ向けのsitemap.htmlと検索エンジン向けのsitemap.xmlがありますが、ここではsitemap.xmlのことです。
適切なsitemap.xmlがあることでリンクのないページや新規ページのクロールが促進されます。ただし、誤ったURLを記述したり、大型サイトで全URLを記述したりする弊害もございますので必要十分な記述を意識してください。
内部リンク
検索エンジンはリンクを辿って新しいURLを見つけますので内部リンクを充実させることはとても重要です。特に新規ページは既存ページからのリンクにより見つかることが多いため新しい投稿をしたら必ずリンクがあるかどうかを確認してください。
また、重要なページに内部リンクを集中させたり、アンカーテキストを適切に設定することで検索エンジンに重要度やページ内容を伝達することができます。
パンくずリスト
パンくずリストはユーザーのために設置するものですが、検索エンジンはパンくずリストも参考に新規ページを見つけたり、構造を理解します。
必須とはいいませんが、ユーザビリティの向上にもつながりますので設置を推奨いたします。
robots.txt
robots.txtは検索エンジンのクロールを制御することができます。サイト運営が長くなると必要のないファイルもサーバー上に存在するようになりますが、いわゆるWEBページ以外の情報はクロールさせる必要がありません。
クローラーには巡回できる限界がありますので余計なクロールをさせないことで最適化できます。
WordPressでは初期設定で管理ページにアクセスさせないように設定されていますが、自身で組み込んだcgiやCMSなどを利用されている際には特に注意して設定してください。
ディレクトリ構造
URL構造とディレクトリ構造は非常に近い関係にあり、ほとんどの場合でURL構造はディレクトリ構造と一致します。URL構造にSEOのプラスもマイナスもないといわれていますが、あまりに階層が深すぎるとクロールに問題がでることがあります。
管理が煩雑になったり、リンク階層が深くなることもありますのでうまくクロールされないという場合には見直しを行ってください。
ページネーション
ページネーションとは長い記事を複数に分割して配信するときに使われるページ送りのことです。よくニュースサイトで1ページ目、2ページ目というのを見かけると思いますが、これがページネーションです。
rel=”prev” や rel=”next” といったHTMLタグの属性を正しく設定することでクロールの手助けになります。
リダイレクト
外部からのリンクを受けていてもサイトリニューアルやリライト時にURLを変更するということはあります。この時に正しくリダイレクトをしないとクローラーには存在しないページと認識されてしまいます。
リダイレクトしないことで以前のページ評価を破棄することになってしまいますので、URLが変わったときには必ずリダイレクトしてください。
インデキシング・ランキングが向上する12項目
インデキシングとは検索エンジンがWEBサイトを閲覧しデータベースに登録する作業のことです。
インデックスとも呼ばれます。検索順位のための施策としてはかなり多くの手法がありますが、テクニカル面でチェックすべき12項目は以下の通りです。
- タイトル
- meta description
- 見出し
- 画像のalt属性
- URLの正規化
- canonical
- 構造化データ
- noindex
- nofollow
- 重複コンテンツ・コピーコンテンツ
- 発リンク
- 更新頻度
タイトル
記事タイトルにキーワードを含めるのは検索エンジンが記事内容を理解するためには非常に重要な点です。SEOを意識した場合には1ページにつき1キーワードが紐づけられているはずですので必ず対象キーワードを入れてください。
meta description
meta descriptionはSEOには影響しないといわれていますが、検索結果のタイトルの下に表示されユーザーの目に止まることからクリック率に影響します。アクセスされるかどうかはユーザーのその後の行動に非常に大きくかかわりますので間接的なSEO効果は期待できます。
見出し
記事の見出しもSEOにはほとんど影響しないといわれています。しかし、見出しを適切に設定することで検索エンジンに正しくページを理解させることができます。
優れたコンテンツは必ず見出しも最適化されていますので、ユーザーニーズを考え設定してください。
画像のalt属性
調査内容によってはGoogleは既に画像の内容を理解しているといわれていますが、依然としてテキストが重視されていることは間違いありません。画像があることでユーザー理解を助けますが、画像を入れる際にはalt属性をつけて代替テキストを入れてください。
alt属性の代替テキストは本来は目が見えない方のための読み上げに利用されるものですが、検索エンジンに画像の内容を伝える際にも役立ちます。
URLの正規化
URLの正規化はどのURLが正しいものかを検索エンジンに伝える非常に重要なものです。正規化をしないことでまったく同じページが複数存在することになり、評価の分散が起きてしまい不利です。
canonical
URLの正規化に似ていますが、canonical(カノニカル)設定をすることでどのURLが正統なものかを明示することが可能です。
構造化データ
WordPressを使っている場合にはある程度の構造化データが自動で入ることがありますが、それだけでは不十分な場合があります。構造化データが直接SEO効果を発揮することはありませんが、タイトルや見出し同様にコンテンツの内容を伝えるものですので積極的に活用してください。
noindex
既存ページのインデックスを外す際、重複コンテンツが見つかった際、検索エンジンに登録してほしくない場合など普段は使いませんが時として重要になってくるのがnoindexです。
誤解されがちですが、noindexがプラスに作用されることもありますし、インデックスが減ることがマイナスになるわけでもありません。
また、robots.txtとは目的が全く異なりますのでご注意ください。
nofollow
ほとんどありませんが、極まれに内部リンクに対してnofollowを設定しているケースがあります。マイナスにしかなりませんので必ず外してください。
重複コンテンツ・コピーコンテンツ
重複コンテンツは同じサイト内で非常に似ているコンテンツが存在すること、コピーコンテンツは異なるサイトで非常に似ているコンテンツが存在することです。
自社サイト内で重複コンテンツがあるのであれば片方を削除、リダイレクト、noindexなどの方法を取る必要がありますし、他サイトにコピーされているようであれば削除申請や著作権侵害の申請を行う必要があります。
もし自社サイト内に意図せず他サイトのコピーコンテンツがあるようでしたら、すぐに削除してください。
発リンク
意外に知られていないのですが、記事内にある関連サイトへの発リンクにはSEO効果があります。発リンクがユーザーにとってプラスに作用することがあるからです。
発リンクをすることで自社ページの評価が他サイトに移ると思われている方もいますが、かなり古い考え方ですので必要があれば積極的にリンクを貼ってください。
更新頻度
更新頻度は直接はSEO効果はありません。しかし、更新しているということはユーザーが見に来た時に新しいコンテンツがあるということなのでプラスに作用しますし、既存記事のリライトは非常に重要なSEO対策です。
ユーザビリティが向上する6項目
ユーザビリティを向上させることは滞在時間や離脱率に影響します。Googleはユーザーファーストを徹底していますが、それを抜きにしても滞在時間や離脱率が評価基準の1つになっていると考えられます。
次の6項目は可能な範囲で対応すべきです。
- SSL化
- 文字サイズ
- 404ページ
- ページの表示速度
- MFI対応
- AMP対応
SSL化
SSL化はURLがhttpsで始まるようにすることで、セキュリティが強化されます。現状のChromeではSSL化されていないサイトに警告が表示されるようになっていますし、SSL化していないサイトと比較してSEO上、有利に働きます。
文字サイズ
Googleは文字サイズは16pxです。これは万人受けする読みやすい文字サイズとされています。文字サイズが小さすぎると視認性が悪く離脱する傾向にありますので、細かい点ではありますが対応すべきでしょう。
同様に文字色や背景色など読みやすい工夫は必要です。
404ページ
リンク切れやURL変更などにより404ページに飛ぶことがあります。404ページ用のページを作ることで本来離脱するはずだったユーザーを回遊させることにつながります。CMSで作成したサイトであれば自動的に設定されていることが多いですが、そうではない場合には必ず設定しましょう。
ページの表示速度
ページの表示速度が遅くなるほどユーザーは離脱する傾向にあります。Page Speed Insightsなどのツールを使って表示速度の確認をし、可能な限り早くなるようにしてください。
ページ速度が遅すぎればSEO的にマイナスです。そこまで遅くないとしても早いほどユーザビリティが高いといえます。
特に画像サイズの軽量化やロスレス圧縮などが有効ですが、cssやjavascriptの軽量化、HTMLコードの軽量化などできることは多数あります。
MFI対応
MFIとはモバイルファーストインデックス(Mobile First Index)の略です。現在ではどのようなサイトでもモバイルからのアクセスが一定数ありますし、場合によってはモバイルの比率の方がパソコンよりも多いこともあります。
そのため、モバイルで表示されたときの導線・速度・配置などを十分に考慮する必要があります。
AMP対応
AMP対応はすべてのサイトでできることではありませんが、高速表示という点では非常に優れています。モバイルユーザーにとっては高速表示できるほど満足度が高くなるため検討してみてください。
その他の内部対策でできる4項目
非常に細かい点ですが、状況次第では効果が出るのが以下の4項目です。
SEOは最終的には相対評価ですので競合よりも優れているかどうかです。そのためにはできることはトコトンまでやるという場合にはご検討ください。
- ブラウザキャッシュ
- whois情報
- HTTP/2
- ETAG
ブラウザキャッシュ
.htaccessによりブラウザキャッシュを設定することでサイトの表示を高速化することができます。設定は難しくないので可能であればすぐに行うことをおすすめします。
whois情報
特に権威性や信頼性が必要なサイトではドメインのwhois情報を見ることがあるといわれています。多くの場合、ドメインを取得する際にwhois情報公開代行をしていますが、所有者が明確であるほうが信頼性が高いと判断されることがあるというのが根拠です。
whois情報を書き換えることで検索順位が上がるという直接の情報はありませんが、将来的にどうなるかわからない点、E-A-Tの評価ポイントが公開されていない点からできることはすべてやるという場合には対応してみてください。
HTTP/2
非常に細かい点ですが、現在のプロトコルがHTTP/1.1を使っている場合にはサーバーの設定を見直すことで高速化できることがあります。ただ、レンタルサーバーでは自分で設定できず、順次対応を待つということになる場合があります。すぐに変更したい場合にはサーバー変更も視野に入ります。
ETAG
上級者向けのサーバー設定ですが、ETAG(エンティティタグ)を設定する、または無効にすることでキャッシュを操作でき高速化できることがあります。ETAGを有効にした方がよいか無効にした方がよいかはサイトによって異なりますので一概にはいえませんが、キャッシュを細かいところまで操作したい場合には検討してみてください。
まとめ
