サーバー処理の高速化とは?メリットや対策など解説
WEBサイトの表示速度は、ユーザーの離脱を左右する重要な要素です。Googleの調査では、モバイルサイトでページの読み込み時間が3秒を超えると、53%の訪問が離脱につながると見込まれています。
つまり、どれだけ魅力的な商品やコンテンツを用意しても、ページがなかなか表示されなければ、見てもらう前にユーザーを失ってしまう可能性があるのです。WEBサイトが遅くなる原因はいくつかありますが、その1つがサーバー側の処理速度です。今回は、サーバー処理を高速化するメリットから、サーバーが遅くなる原因、具体的な高速化の方法まで分かりやすく解説します。
サーバー処理の高速化とは?
サーバー処理の高速化(あるいは最適化)とは、WEBサイトを裏側で支えるサーバーの設定を調整し、データの処理能力を高めることです。サーバーのCPUやメモリ、データベースなどの限られた資源を無駄なく活用できるようにすることで、WEBページの読み込み速度を大幅にアップさせ、ユーザーに対してストレスを感じさせない快適な体験を提供できます。
サーバーの処理を高速化させるメリット
サーバーの処理を高速化すると、ユーザーの離脱を防いだり、商品購入などの成約につながりやすくなるなど、ビジネス面でさまざまなメリットがあります。そこで、サーバー処理を高速化することでえられる主なメリットを3つに分けて解説します。

ユーザー体験の向上
サーバー処理を高速化させる最大のメリットは、WEBサイトを利用するユーザーの体験(UX)向上にあります。ボタンを押したあとに画面がなかなか切り替わらなかったり、表示に時間がかかると、大きなストレスや不満を感じてしまいます。サーバーが最適化されて素早く反応できるようになれば、こうした待ち時間によるストレスがなくなり、ユーザーは快適にWEBサイトを閲覧できます。サーバーの高速化はユーザーに満足してもらうためにとても重要です。
成約率の向上
商品購入や会員登録など、成約率の向上も大きなメリットです。WEBサイトの動きが遅いと、ユーザーは商品を購入しても「適切に注文できているのか」と不安に感じ、途中で離脱する可能性があります。
しかし、サーバーが最適化されていれば、お客さんが「買いたい」と思う瞬間の熱量を逃さず、ストレスのない操作感で決済完了まで導くことができます。高速化は、成約率に大きく影響を与えるため、特にLPや商品購入ページ、決済ページなどでは、1秒でも早く表示できることを目指してください。
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SEOでの優位性
Googleはページの表示速度や操作性などを評価するCore Web Vitalsを検索ランキングの要素の1つとして利用しています。そのため、サーバーの処理速度を最適化することは、SEOの面でもプラスに働く可能性があります。ただし、表示速度だけで順位が大きく上がるわけではありません。検索順位は、コンテンツの質や検索意図への対応、E-E-A-Tなどの総合評価で決まります。
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サーバーが遅い原因
WEBサイトの表示が遅いからといって、必ずしもサーバーのスペック不足だけが原因とは限りません。プログラムの無駄な処理や容量の大きなファイルなど、さまざまな要因がサーバーに負荷をかけている可能性があります。そこで、サーバーが遅くなる代表的な原因を分かりやすく解説します。
共有サーバーでスペックが低い
XServerやさくらのレンタルサーバなど、一般的なレンタルサーバーの多くでは共有サーバーという仕組みが採用されています。共有サーバーでは、他のWEBサイトにアクセスが急増すると、共有している資源がそちらに奪われ、自社サイトの読み込み速度が低下することがあります。
さらに、契約しているサーバー自体の処理スペックがそもそも低いと、同時に対応できるリクエスト数に限界がきてしまうため、少しアクセスが集まるだけでも応答が追いつかなくなり、WEBサイト全体が重くなります。
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無駄なコードが多い
サーバーに対して出されるコードに無駄が多いと、処理が遅くなります。例えば、必要なデータを本棚(データベース)からまとめて持ってくれば良いのに、不適切なコードが原因で、1冊ずつ何回も往復して取りにいくような非効率な処理をしてしまいます。そして、サーバーの頭脳であるCPUやメモリがその作業だけで使い果たされ、結果としてWEBサイトの表示が遅くなります。
ファイルサイズが重い
ファイルサイズが重いとは、サーバーが遅い原因になります。ユーザーがページを開こうとすると、サーバーは本棚から重いファイルを引き出し、ユーザーのPC・スマートフォンに転送しなければなりません。しかし、ファイルが重いと転送(通信)そのものに時間がかかり、サーバーの処理能力も余計に消費されてしまいます。
定期処理が重なっている
定期処理が重なるとサーバーが遅い原因になります。これは、前の処理がまだ終わっていないのに、次の処理が始まってしまう状態のことです。例えば、10分ごとに実行する処理に15分かかっていると、最初の処理が終わる前に次の処理がスタートし、複数の作業が同時に動くことになります。その結果、CPUやメモリに大きな負担がかかり、サーバー内で処理の渋滞が起こります。すると、普段は問題なく表示されていたWEBサイトが、アクセスしてもなかなか表示されないなどの事態に陥ります。
サーバー処理を高速化させる方法
サーバーの処理速度を改善する方法は、1つではありません。サーバー自体のスペックを上げたり、キャッシュを活用して同じ処理の繰り返しを減らすなどの方法があります。大切なのは、サーバーが遅くなっている原因に合わせて適切な対策を選ぶことです。ここでは、サーバー処理を高速化する代表的な方法を分かりやすく解説します。

サーバースペックを上げる
サーバースペックを上げることで、データの読み書きにかかる時間が短縮され、システム全体の応答速度が高速化します。ハードウェアのパーツを拡張するだけで強力に処理性能を引き出すことができるため、WEBサイトが成長し負荷が増加してきたような場合に、適切な改善アプローチといえます。
キャッシュ技術を導入する
サーバーが過去に処理した計算結果や、データベースから探し出した情報を一時的に保存しておき、次に同じリクエストが届いたときに、そのデータを瞬時に再利用することをキャッシュ技術といいます。これも簡単にできる高速化の手法です。
通常、PHPなどのプログラムはユーザーがアクセスするたびに毎回コンピューター用の言葉へ翻訳され、データベースに対しても同じ情報の検索が何度も繰り返されます。そのため、サーバーのCPUは常に同じ仕事を繰り返し、負担がかかります。しかし、あらかじめ翻訳を済ませてメモリに保存しておくことで、サーバーは面倒な再翻訳や再検索のプロセスを丸ごとスキップし、高速でデータを送り返せるようになります。
コンテンツの軽量化
WEBサイトにある画像などのデータ容量を、見た目の品質や機能を落とさず小さく整えることで高速化できます。通常、ユーザーがWEBページを開くたびに、サーバーは保管しているファイルを引き出して、インターネット経由でユーザーの端末へ転送します。
しかし、ファイルサイズが重いと通信そのものに時間がかかり、サーバーが一度に処理できる送信能力を無駄に消費します。そこで、高画質な画像を適正サイズに圧縮したり、WebPと呼ばれるファイル形式に変換したり、プログラム内の不要な空白・改行を削るコードの最小化をおこなうなどして、サーバーが送るコンテンツを軽くします。このようにコンテンツを軽量化し、高速化することができます。
関連記事:次世代画像フォーマットWebPとは?WebPの作り方と使い方を解説
サーバー速度のよくある質問
ここでは、サーバー速度の高速化についてよくある質問を取りあげ解説します。ユーザー体験にも大きく関わることなので、早速お読みください。
Q.サーバーのCPU使用率が低ければ問題ありませんか?
Answer)CPU使用率が低くても、サーバーが快適に動いているとは限りません。例えば、ECサイトでユーザーが「商品一覧」を開いたとします。このときCPUには余裕があっても、データベースから数千件の商品情報を検索する処理に時間がかかっていれば、商品一覧がなかなか表示されないといったことがあるからです。
Q.キャッシュの保存期間が長いほど効果的ですか?
Answer)キャッシュの保存期間を長くすると、保存したデータを再利用できる機会が増えるため、表示速度の向上やサーバー負荷の軽減につながります。しかし、利便性とのバランスを考える必要があります。例えば、ECサイトで「商品価格10,000円」という情報を5日間キャッシュしているとします。その途中でセールが始まり、価格を8,000円に変更しても古いキャッシュが残っていると、一部のユーザーにはしばらく10,000円と表示されてしまう可能性があります。このように、表示速度だけを追求するのではなく、情報の新しさとのバランスを考えてください。
Q.アクセスが集中したときだけ遅くなるのはなぜですか?
Answer)サーバーが一度に処理できる量には限界があるため、短時間に大量のアクセスが集中すると、処理が遅くなることがあります。例えば、普段は1分間に100人程度が訪れるECサイトで、テレビ番組で紹介され、突然1分間に5,000人がアクセスしたとします。多くのユーザーが同時に商品ページを開いたり、購入手続きをおこなったりすると、CPUやメモリの処理が一気に増え、サーバーが対応しきれなくなります。その結果、ページの表示に時間がかかったり、エラーが表示されるなどが生じます。
Q.CDNを使えばサーバーを高速化できますか?
Answer)CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)とは、画像や動画などのコンテンツを世界各地のサーバーに一時保存し、ユーザーに近い拠点から配信する仕組みです。例えば、日本にあるサーバーでECサイトを運営しており、アメリカのユーザーが商品ページを閲覧するとします。CDNを利用していない場合、商品画像などを日本のサーバーからアメリカまで送る必要があります。一方、CDNを利用して商品画像をアメリカに近い拠点へ保存しておけば、ユーザーはそこからデータを受け取れるため、通信にかかる時間を短縮できます。このように、物理的な距離を縮めることで、WEBサイト全体の表示速度向上が可能です。
まとめ
サーバー処理の高速化は、WEBサイトを快適に利用してもらうための重要な取り組みです。処理速度を改善することで、ユーザー体験の向上や成約率の改善など、技術面だけではなくビジネス面での効果も期待できます。ただし、サイトが遅いからといって、すぐに高性能なサーバーへ変更すればよいわけではありません。サーバースペック、プログラム、ファイルサイズ、定期処理などを確認し、どこがボトルネックになっているのかを見極めることが大切です。まずは現在のサイトの状態を確認し、キャッシュの導入やコンテンツの軽量化など、取り組みやすい方法からサーバー環境を改善してください。
出典
[1]AWS「Database caching」
https://aws.amazon.com/tw/caching/database-caching/
[2]Google「Crawl Budget Management」
https://developers.google.com/crawling/docs/crawl-budget?hl=ja





