トピックオーソリティとは？概要とSEO評価を上げる対策について解説
2023年5月23日Googleがトピックオーソリティに関するニュースをリリースしました。
トピックオーソリティとは、専門的な金融関係メディアやローカルメディアなどが発信する報道を上位に表示させるランキングの仕組みです。Googleは専門的で役に立つ記事が一般的な報道の中に埋もれてしまうことを危惧しており、この仕組みを構築しました。
この仕組みはドメインパワーの強い大手メディアだけでなく、特定のトピックを深掘りしている中小規模のメディアを上位表示する仕組みです。
しかし、このニュースを読んだだけでは不明な点も多く、いまいちトピックオーソリティについて理解できない人もいるのではないでしょうか。そこで、この記事では、トピックオーソリティの概要、評価ポイント、評価を上げるための対策を詳しく解説します。
トピックオーソリティとは
トピックオーソリティとはどのようなものでしょうか。ここでは、この仕組みについて具体的に解説します。
専門的なニュース性のあるクエリに対して上位表示する仕組み
トピックオーソリティは専門的な金融関係メディアやローカルメディアなどが発信する報道を上位表示させるランキングの仕組みです。主にニュース系のクエリで利用されており、Web検索とニュース検索で、専門的で役に立つ記事を上位表示させます。つまり、ドメインパワーの強い大手メディアだけでなく、特定のテーマを深堀している中小規模のメディアを上位表示させる仕組みです。
ローカルニュースをメインターゲットとしたランキングの仕組み
特にローカルニュースを重要視する傾向にあります。例えば、どこかの地域で地震などの災害が発生した場合に、全国版の大きなメディアの記事よりも地元メディアの記事を上位表示させます。
それに加え、この仕組みでは信頼を得ている可能性が高いメディアの記事を上位表示します。
実は数年前から導入されている
この仕組みに関しての情報がリリースされたのは2023年5月ですが、実は数年前より導入されていたようです。
そのタイミングで公表したのは、トピックオーソリティがどのような役割を果たしているのか共有しただけで、発表のタイミングに深い意味はないようです。
トピックオーソリティが評価するポイント
ここで具体的にトピックオーソリティが評価するポイントを解説します。ポイントは下記の５つです。
- トピックの関心の高さ
- ニュースの影響力と独自性
- 情報ソースの評判
では1つずつ解説します。
トピックや情報源の関心の高さ
この仕組みは特定のトピックや場所が関連すると思われるメディアを判別し、認識します。トピックオーソリティに関する発表では、ナッシュビル高校のフットボール部に関する報道を例にして説明していました。
同高校フットボール部に関するニュースを、ユーザーが地元メディア「The Tennessean」のようなサイトを閲覧しているということをこの仕組みは把握し、上位表示するようです。
つまり、この仕組みはニュース内容により、ユーザーがよく閲覧するメディアをこの仕組みによって把握し、その報道の情報源と関連性の高い記事が上位表示されるようです。
ニュースの影響力と独自性
この仕組みは元のニュース（ある記事を取り上げ初めにニュースをアナウンスしたメディアによるものなど）がそのトピックに関してどれだけ影響力や信頼性があるかを判別できます。
例えば、あるトピックについてドメインパワーの弱い地元メディアが初めに報道した記事でも、ドメインパワーの強い全国規模のニュースサイトに引用されて報道された場合、規模の小さいメディア記事でも、影響力のある記事として判別されます。
実際、2022年Googleのトップニュースでさまざまなメディアから頻繁に引用されている記事を、簡単に見分けられるように「Highly Cited」というラベルを追加しています。「Highly Cited」を日本語訳すると「引用回数が多い」という意味です。このラベルができたことで、今後はWebを閲覧するユーザーも引用回数が多いメディアやニュースを簡単に判別できるようになります。
今後、Googleはこれまで以上にコンテンツの独自性と影響力を重要視する傾向にあるようです。
情報ソースの評判
Googleは、これまでの報道の実績、専門家や専門家団体、学会からの推薦も参考にしています。たとえば、オリジナリティ溢れる報道をした実績や報道に関する賞の受賞は、ニュースメディアの評判を示す大きなエビデンスとなります。
つまり、専門学会やジャーナリズムの賞を過去に受賞しているメディアを最大限評価するようです。
トピックオーソリティで評価を上げるための対策
トピックオーソリティの評価を上げるためには、この仕組みに応じた対策が必要です。しかし、具体的にはどのような対策をしていいか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、ここではトピックオーソリティの評価を上げるための対策を具体的に説明します。運営するWebサイトの評価を上げたい場合は、次のことに取り組んでみてください。
E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作
トピックオーソリティの評価を上げたいのであれば、E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作をすることが重要です。E-E-A-Tとは、Googleが独自に定めたWebサイトの評価基準のことでそれぞれの４つの言葉の頭文字をとった造語です。
それぞれのアルファベットには「Experice(経験）」「Expertise(専門性）」「Authoritativeness（権威性）」「Trust（信頼性）」という意味があります。
GoogleはE-E-A-Tの考え方をWebサイトの評価基準として重要視しています。トピックオーソリティの評価を上げるためにも以下の4つのファクターを意識してWebコンテンツの制作をしましょう。
Experirnce（経験）
Experirnce（経験）はコンテンツ製作者が持つ経験や、実体験の量を表すものです。
例えば、同じテーマのコンテンツが２つあるとします。
1つは、そのテーマを詳細に伝えているものの、Web上に溢れている一般的な情報しか発信していません。
もう一方のWebサイトは、そのテーマに関する詳しい解説に加え、他では入手できない実務での経験などが含まれています。
上位表示されやすいのはもちろん後者のWebサイトです。
テーマに関しての実務や実際に体験した情報を含んだコンテンツはGoogleからだけでなく、ユーザーからも高い評価を得られるでしょう。
Expertise（専門性）
Expertize（専門性）は、特定のテーマや分野において高い知識や技術の高さを表すものです。
コンテンツの内容が、専門的で詳細に発信しているコンテンツであり、ユーザーが価値の高い情報を得られるかが評価ポイントです。具体的には、あるテーマに関して特化した内容であること、専門性の高い価値を得られるかどうかが重要です。
例えば、同じテーマのコンテンツが２つあるとします。
1つは、そのテーマを詳細に伝えているものの、Webサイトには1ページの情報しかありません。
もう一方のWebサイトは、理解を深めるための関連トピックが紹介され、加えてトピックそれぞれについての具体的な解説ページがWebページ下部に配置されています。
上位表示されやすいのはもちろん後者のWebサイトです。
Webサイトはさまざまなテーマが含まれているものと、あるテーマに特化したサイトではExpertize（専門性）評価が変わってきます。Expertize（専門性）の評価を高めたいのであれば、特定のテーマに特化してWebサイトのコンテンツを制作すれば専門性の評価を高められます。
Authoritativeness（権威性）
Authoritativeness（権威性）はそのWebサイトのメインコンテンツが価値の高いものだと第三者が認識しているか、信頼できる情報ソースとして認識されているかが評価ポイントです。
例えば、同じテーマのコンテンツが２つあるとします。
1つは、個人で運営されているWebサイトで、誰が書いたかも不明で、特に誰からも紹介されていません。
もう一方のWebサイトは、運営者が過去に本を出版している経歴も分かるようにサイトに記載されており、加えて「参考になる」などの感想がリンクされ広く拡散されています。
上位表示されやすいのはもちろん後者のWebサイトです。
被リンクやサイテーション（サイトや運営者が他サイトやSNSで言及されている）の数が評価の基準となりますので、これらの数が増えるようなコンテンツ制作をしていきましょう。
Trust（信頼）
Trust（信頼）とは、Webサイトの内容や運営者の信頼性や、Webサイトの安全性が評価基準です。
例えば、同じテーマのコンテンツが２つあるとします。
1つは、個人で運営されているWebサイトで、SSL化もされていません。
もう一方のWebサイトは、企業が運営しているWebサイトで、企業情報の他、閲覧者に対する安全性や責任も含んだ規約やプライバシーポリシーも公開している。
上位表示されやすいのはもちろん後者のWebサイトです。
コンテンツのオリジナリティ性が高い、または、WebサイトのSSL化、運営者情報や企業情報・利用規約などが明確に記載されているかがポイントです。
SNSの活用
トピックオーソリティの評価を上げるにはSNSの活用も有効です。X（旧Twitter）やInstagramといったSNSを通してWebサイト運営者が持っている知識や経験に基づいた
情報を投稿することで、Webサイトの権威は高まります。
寄せられるコメントにも返信し、専門的な助言をするなどしてサイトに対する印象を上げていけば、ユーザーとの信頼関係を構築できます。信頼関係が築ければ、影響力の高いWebサイトとして認識され、トピックの権威性を高められます。
また、コンテンツがSNSで拡散されれば他のさまざまなメディアでも扱われる可能性が高まり、他の権威あるサイトからの被リンクやサイテーション数の増加が期待でき、サイトの権威性の向上、検索順位の向上につながるでしょう。
良質なコンテンツを継続的に制作し提供す
トピックオーソリティの評価を上げるためには、良質なコンテンツを継続的に制作し提供することも有効です。
コンテンツ制作者が伝えたい内容をただ発信するコンテンツは良質なコンテンツとはいえません。良質なコンテンツとは、ユーザーのニーズを把握し、ユーザーが求めている情報が含まれていることが重要です。ユーザーが求めるコンテンツをタイミングよく、継続的に提供すれば、ユーザーのサイトの訪問頻度も増えていくでしょう。また、必要としている情報に加えて、ユーザーが役立つ有益な情報も含まれているかも重要なポイントです。
良質なコンテンツ制作には、独自性も重要な項目です。他社の記事をコピーしたような内容では、Googleおよびトピックオーソリティの評価も低下します。自社でコンテンツ制作をし、そのWebサイトだからこそ得られるユーザーにとって役立つ有益な情報を伝えていきましょう。
発信するスピード
発信するスピードもトピックオーソリティの評価を上げるために重要な要素です。特にニュース系のメディアであれば最も早く記事を提供して、その記事が引用されていけば、情報の発信源になり、専門性や権威性の高いメディアとして上位表示されます。そのため、情報を発信するスピードも重要な要素です。
トピックオーソリティに関するよくある質問は？
Q:トピックオーソリティはどのように機能していますか？
Answer）トピックオーソリティがどのように機能しているか、詳細は誰も知りません。
Q:トピックオーソリティを計測する方法はありますか？
Answer）トピックオーソリティをという概念自体が明確では無いため、計測する具体的な方法はありません。
まとめ
トピックオーソリティは、専門的な金融関係メディアやローカルメディアなどが発信する報道を上位に表示させるランキングの仕組みです。この仕組みは専門的で役に立つローカルな記事が一般的なニュースに埋もれてしまうのを危惧したGoogleが構築したもので、ローカルニュースを発信しているメディアにとっては、有用なものです。トピックオーソリティを正しく理解して、この記事で紹介したトピックオーソリティの評価を上げるための対策を参考にして、自身が運用しているWebサイトの見直しを一度してみてください。
この記事の監修者
日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析（Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持）コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。
