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Google、返品ポリシーの構造化データを拡張 オンラインの商品売上が増加する可能性も

Google、返品ポリシーの構造化データを拡張 オンラインの商品売上が増加する可能性もGoogle社は、組織(企業やECサイト)全体の返品ポリシーにおいて、構造化マークアップに対応してサポートする旨を2024年6月に発表しました。

 

参考(外部):組織レベルの返品に関するポリシーのマークアップを新たにサポート | Google 検索セントラル ブログ | Google for Developers

 

オンラインショップで購入する消費者は、返品ポリシーの情報を重視していることが国際ショッピングセンター協会(ICSC)の調べでわかっています。そこで、Google検索エンジンとしては、オンラインショップの返品情報を消費者に伝達する役割を果たすために、商品ごとの返品ポリシーを構造化データとして扱うサポートを2023年に開始しました。今回の発表は、このサポートの強化を図り、新たに会社やECサイト全体として、返品ポリシーを構造化マークアップできる環境を用意したものです。

 

今回は、組織全体の返品ポリシーに構造化データを用いることについて解説します。返品ポリシーの掲載は、オンラインで商品を販売するうえで欠かせません。こうしたビジネスを展開する企業の担当者は、本記事を熟読して、商品販売の売上アップを目指してください。

 

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返品ポリシーを構造化データの対象に

Google検索エンジンでは、ECショップなどオンライン上で購入した商品の返品に関するポリシーを構造化データとしてマークアップできる仕組みを2023年に導入しました。

 

関連記事:構造化データとは?メリット・デメリットやマークアップ方法を解説

 

YMYL(Your Money or Your Life)に代表されるとおり、金銭に関連するWEB情報は、検索ユーザーの人生において重大な影響を与える可能性を秘めています。そこで、オンライン上で商品を購入した場合の返品情報を正しく伝えることが大切だとGoogleは考えます。そこで、商品の返品情報を構造化データにする仕組みを用意ことで、検索ユーザーに正しい返品情報を伝える環境を整えました。

 

WEBサイトの運用者にとっての具体的な利用シーンとしては、自社商品を紹介するページ内に返品情報を構造化マークアップするケースが挙げられます。

 

まず、商品の返品ポリシーとして、返品情報を定義します。このとき、返品情報を構造化データ化するにあたり、hasMerchantReturnPolicyプロパティが使われます。このプロパティの情報は、schema.orgと呼ばれる公共団体が公開しています。詳細は、下記ページを参考にしてください。

 

参考(外部):hasMerchantReturnPolicy – Schema.org Property

 

オンラインショッピングにおける返品ポリシーの重要性

市場調査などをおこなう、国際ショッピングセンター協会(International Council of Shopping Centers / ICSC)の2024年の調べでは、オンラインでは、実店舗のショッピングと比較して返品率が高いことがわかっています。さらに、オンラインショッピングでは、決済前に返品ポリシーを確認する消費者が82%にのぼるといいます。

 

参考(外部):Brick-and-Mortar Shopping Drives Lower Return Rate Than Online Shopping

 

つまり、自社商品をオンラインで販売する、またはECショップを運用する事業者にとって、返品ポリシーを構造化マークアップして、Google検索をつうじて消費者に伝えることが商品の売上を伸ばすうえで重要ということです。

 

組織ごとの返品ポリシーを新たにサポートすると発表

Google社は、組織ごとに返品ポリシーを構造化データで定義づけることを新たにサポートすると、2024年6月11日(現地時間)に発表しました。

 

参考(外部):組織レベルの返品に関するポリシーのマークアップを新たにサポート | Google 検索セントラル ブログ | Google for Developers

 

リッチリザルトテストも対応

本サポートにあわせて、同社サービスのリッチリザルトテストも改良されました。企業サイトやECショップに構造化データを実装する際に、正しくマークアップされているかチェックできるようにしました。

 

なお、リッチリザルトテストとは、指定URLのWEBページがリッチリザルトに対応しているか確認できるツールです。試しに、本サイト(東京SEOメーカー)の記事をリッチリザルトテストでみてみると、下記要素が構造化データとして正しくキャッチされていることがわかります。

 

  • 記事(ページタイトルやdescriptionといった基本情報)
  • パンくずリスト(サイト構成)
  • よくある質問(FAQの情報)
  • 組織(会社情報)

 

リッチリザルトテストも対応

 

このうち、「『組織』(または、オンラインショップ)の構造化データ内で返品ポリシーを定義づけできるようにした」というのが今回発表されたことです。

 

ツールURL:リッチリザルトテスト – Google Search Console

 

組織単位で返品ポリシーを定義づけるメリット

組織単位で返品ポリシーを構造化マークアップすることで、下記のようなメリットが生まれます。

 

  • 自社商品の売上が増加する可能性がある
  • 返品ポリシーの構造化データを一元化管理できる

 

自社商品の売上が増加する可能性がある

組織単位で返品ポリシーを定義づけると、自社商品の売上が増加する可能性があります。

 

ECサイトなどは、返品ポリシーの構造化データを組織情報やショップ情報に含めるとなると、Google検索のナレッジパネルやGoogleビジネスプロフィール上で返品ポリシーが表示される可能性が高まります。オンラインショッピングにおける返品ポリシーは、消費者に注目される情報だけに、検索結果によるクリック率(CTR)の向上につながります。結果として、商品購入というコンバージョンの機会創出を見込めます。

 

返品ポリシーの構造化データを一元化管理できる

返品ポリシーの構造化データを一元化管理できるようになります。

 

これまで、ECショップなどでは、商品単位で返品ポリシーを定義づける必要がありました。しかし今後は、会社として、またはECショップ全体のルールとして返品ポリシーを定義づけることができるようになります。つまり、返品ポリシーの構造化データとして必要なHTMLコードを減らせるとともに、会社全体として返品ポリシーを一元化できる利点があるということです。

 

組織単位で返品ポリシーを定義づける方法

組織単位で返品ポリシーを定義づけるためには、次の2つの方法があります。

 

  • Merchant Centerアカウントで返品ポリシーを指定する
  • 構造化データをマークアップして返品ポリシーを指定する

 

Merchant Centerアカウントで返品ポリシーを指定する

Google Merchant Center(GMC)で自社のアカウントを取得することで、企業やECサイト全体の情報として、返品ポリシーを登録できます。

 

Merchant Centerとは、EC情報や商品情報を登録することで、Goole検索やGoogleマップ、Youtubeなどに情報を掲載できるツールのことです。Merchant Centerアカウントの取得方法に関しては、Google Merchant Centerの登録ガイドを参考にしてください。

 

参考(外部):Google Merchant Centerに登録する – Google Merchant Centerヘルプ

 

構造化データをマークアップして返品ポリシーを指定する

Merchant Centerアカウントがない場合は、HTMLファイル上で構造化マークアップすることで返品ポリシーを定義できます。

 

基本的には、個別の商品の返品ポリシーを定義するときの構造化データの書き方と同様です。hasMerchantReturnPolicyプロパティで返品情報を定義することになります。ただし、これまでとは異なり、Offerタイプ(商品を定義づける記述)にネスト(組み込む)するのではなく、Organizationタイプ(組織の定義づけの記述)やOnlineStoreタイプ(オンラインショップの定義づけの記述)を利用します。

 

組織単位の返品ポリシーに関する構造化データの書き方

Google検索セントラル内で紹介されている事例をもとに、組織単位の返品ポリシーに関する構造化データの書き方を解説します。構造化データのマークアップを全体でみると、次のような構造になっています。

 

組織単位の返品ポリシーに関する構造化データの書き方

 

 

合番 解説
①@context 構造化データのボキャブラリーを定義します。事例では、https://schema.orgで記述すると宣言しています
②@type 構造化データの種類を定義します。事例では、オンラインショップについて定義すると宣言しています
③name オンラインショップ名を定義します
④url オンラインショップのURLを定義します
⑤contactPoint オンラインショップの連絡先の情報を定義します。事例では、カスタマー情報を定義しています
⑥hasMerchantReturnPolicy オンラインショップの返品情報を定義します

 

組織単位の返品ポリシーに関する構造化データの書き方2

 

 

合番 解説
⑦@type 構造化データの種類を定義します。事例では、返品条件を定義すると宣言しています
⑧applicableCountry 返品ポリシーを適用する国を定義します
⑨returnPolicyCategory 返品の条件を定義します。事例では、返品期間に制限がある旨を定義してます
⑩merchantReturnDays 返品期間を定義します。事例では、購入から60日以内に返品可能な期間である旨を定義しています
⑪returnMethod 返品方法を定義します。事例では、郵送で返品に応じる旨を定義しています
⑫returnFees 返品時の送料を定義しています。事例では、返品時は送料無料である旨を定義しています

 

返品ポリシーにおける構造化データのよくある質問

返品ポリシーの構造化データに関して、よくある質問をまとめています。
 

Q:返品ポリシーとは?

Answer)返品ポリシーとは、実店舗やECショップで販売する商品を返品する際のルールのことです。たとえば、一度購入された商品の返品に応じる条件、返品時の方法などに対する取り決めを消費者間と共通認識にします。消費者としては、購入商品を返品できないことはリスクにつながります。そのため、万が一、消費者が返品したいと感じた時を想定して、返品のルールを決めておくことが大切です。

 

Q:構造化データとは?

Answer)構造化データとは、WEBページやサイトに関する情報を定義するためのデータのことです。HTMLファイル(WEBページ)内に、専用のコードを記述することで情報を定義して、検索エンジンに共有できます。

 

たとえば、「天野」という人物がいたとします。しかし、「天野」という人物は多数おり、「どの天野」を指すのかが不明です。そこで、構造化データを用いることで、「記事の作成者=アドマノ(弊社)」、「アドマノ=株式会社」、「アドマノの代表取締役=天野 剛志」であることを定義できます。

 

関連記事:構造化データとは?メリット・デメリットやマークアップ方法を解説

 

Q:返品ポリシーの構造化データは、なぜ必要なのですか?

Answer)返品ポリシーの構造化データが必要な理由は、消費者にとって返品情報のニーズが高いためです。

 

オンラインで商品を購入する前に、83%の消費者が返品ポリシーをチェックするというデータが国際ショッピングセンター協会(ICSC)の調べで明らかになっています。つまり、オンラインで商品数の販売数を伸ばすためには、返品ポリシーを消費者に認知させることが不可欠ということです。構造化データを利用すると、返品ポリシーの情報が検索結果に掲載されるなど、認知拡大に役立ちます。

 

 

まとめ

amano_portraitGoogle社は、組織全体で返品ポリシーを構造化データとして扱えるようにサポートする旨を発表しました。2023年から商品ごとに返品ポリシーを構造化マークアップすることが可能でした。今回の発表は、新たに企業やショップ全体としての返品ポリシーを構造化データにできるといったものです。これにより、検索結果のナレッジパネル上に返品ポリシーが掲載され、商品の売上が伸びる機会創出につながるといった利点が生まれます。とくに、オンライン上で商品を販売する事業者にとって、重要なニュースです。本記事を読んだうえで、適切に自社サイトの構造化データに反映してください。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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