【実録】SEOを意識するかどうかがアクセスに影響する例
SEOはオワコン(終わったコンテンツ、時代遅れのこと)という人もいますが、SEOは2022年でもWEB集客に大きく影響します。ではSEOを意識するのはどの程度重要なのか、その事例がありましたのでご紹介いたします。

2つのサイトの2年間の推移
まずは1つ目のサイトです。仮にサイトAとします。2017年4月にサイトを公開し2020年6月に更新を停止しています。2019年6月~2021年6月の数値の推移は以下のグラフの通りです。

続いて2つ目のサイト、仮にサイトBとします。2019年3月に公開し2019年6月に更新を停止しています。2019年6月~2021年6月の数値の推移は以下のグラフの通りです。

共通点と相違点
2つのサイトはまったく同じ分野でキーワードも非常に近いものを扱っています。しかし、ユーザー数を見てわかる通り、サイトAは2年間でほぼ変わっていない(若干減少)しているのに対してサイトBは大きく伸ばしています。
この差は何かを考える前に2つのサイトの状況をご説明します。
サイトA | サイトB | |
ページ数 | 240 | 30 |
対策キーワード | 約150 | 30 |
SNS活用 | 積極的 | ほぼ利用なし |
文字数 | 3000文字~15000文字 | 4000文字程度 |
CMS | 非WordPress | WordPress |
記事制作 | 自社 | 外注 |
オーガニック検索の比率 | 約48% | 約96% |
2年間のユーザー数 | 約50,000 | 約65,000 |
2つのサイト比較から見えること
2つのサイトを比較するとSEOでは常識と思われていたことが必ずしも当てはまらないことがわかります。特にページ数と文字数は多い方がSEOに強いといわれていますがサイト構成や記事構成次第ではそうとも言い切れないことが数値ではっきりと見て取れます。
ページ数の多さはSEOに関係ないのか
サイトAのページ数は240、対してサイトBのページ数は30です。その差は実に8倍です。一般的にページ数が多いほど対策できるキーワードも多くなりますのでアクセスも伸びます。
しかし、2年間のユーザー数とオーガニック検索の比率をみると明らかにページ数の少ないサイトBの方がSEOで成功しています。
これはページ数がSEOに関係するのではなく、サイト全体でユーザーに対してどれほどのベネフィット(利益)が与えられるかが大きいということを意味しています。ページ数が少なくとも、1つの記事の価値が高ければ十分にSEOで戦えるということです。ユーザーにあまり必要のないページ数が多いサイトよりも1つ1つのコンテンツの質が高くユーザーが欲しいコンテンツを持っているサイトがよいと仮説が立てられます。
SNSはSEOに関係ない
SNSは検索エンジン以外からの流入が確保できますし、拡散されることで検索ユーザー以外にもアプローチできます。うまく拡散すれば被リンクが獲得できることもありますし、サイト運営をしているのであれば使わない手はありません。
実際、サイトAはSNSを積極的に活用し、SNSからの流入も全体の10%あり、ダイレクトでの流入は約40%と検索エンジン以外からの流入がかなりの割合を占めています。
一方サイトBはSNSをほとんど利用できていません。SNSからの流入は全体の僅か0.5%、ダイレクトは4%弱ですのでユーザーのほとんどを検索エンジンに頼っています。
普通に考えればSNSを利用したほうが露出の機会が増えますのでプラスに作用しますし、サイテーションも増えますが、SEOに関してはプラスに働くとは限らないということです。
文字数はSEOに関係ないのか
一般的に文字数が多い方がSEOに強い記事だといわれます。これは文字数が多い方が記事の網羅性が高まり、ユーザーニーズを満たすための情報が多く入るためだと考えられます。
しかし、文字数は意味もなく長ければよいというわけではなく、必要十分な長さがあればよく、長いほどSEOに強いとは限りません。やはり、ユーザーが欲しい情報(要素)をいかに持っているかということが推測されます。
数値の違いの要因は?
サイトAは2000ユーザー程度だったものが2年かけて徐々に減少し2000ユーザー弱程度に落ち着きました。サイトBは2年間で約4000ユーザーまで伸びています。公開もサイトAは2017年ですが、サイトBは2019年ですので先行者利益という意味でもサイトAの方がずっと強かったはずです。
成否を分けたのはコンテンツ
SEOで結果を出したのはコンテンツが影響していると考えられます。よい情報、独自な情報という意味ではどちらも満たしていましたがサイトAはどちらかといえば時事ネタを追っているコンテンツを配信していましたのでSNSとの相性はよく、拡散もされましたがネタを追い続けなければアクセスは維持できません。
サイトBは最初からキーワードの根幹にあるユーザーニーズを考え、網羅性の高い普遍的な情報コンテンツを作っています。
著者は誰なのか
サイトAもサイトBもどちらもコンテンツの著者は業界の専門家です。しかし、大きな違いとしてサイトAは専門家が独自情報を発信しているだけでしたが、サイトBはSEOがわかっている専門家が独自情報を発信しています。
ページごとにキーワード被りは起きていないか、タイトルは適切か、見出しはあるか、見出しごとの内容は適切か、ユーザーニーズを満たすだけのコンテンツになっているかなどを考えているかどうかが検索エンジンに評価されたかどうかのポイントになっています。
記事作成を誰に依頼するかはメディア運営をする上で非常に大きな課題です。社内ライターがいない、ライターが集まらない、記事代行サービスは高い、依頼できる専門家がいないなどそもそも書ける人がいないという問題はぶつかることがよくあります。
記事作成代行サービスも悪くはないのですが、イマイチな記事が出てくることはよくあります。ではライターに頼むのか、専門家を探すのかということになりますが、実現が可能なのであれば専門家を探すことに専念したほうが結果的に良いコンテンツに仕上がることが多いです。
ライターに依頼することもありですが、記事の独自性の担保と得手不得手が非常に大きな課題です。専門家は知識はあってもライティングできないということがよくありますが、コツはそこまでわかっていなくても最低限の知識さえあればとりあえず記事は書けます。どうしても文章ができないという場合には専門家に見出しの作成とそこに書く内容を箇条書きで貰って体裁を整えて「監修」してもらうので構いません。
文章を書くのはライターであっても独自情報を扱えるのはやはり専門家だけだからです。とはいえ、ライティングを依頼するにしても、構成を依頼するにしても、監修を依頼するにしても専門家を探すのは骨が折れます。そういう時にSEO記事作成代行会社に依頼したくなるものですが、SEO記事作成代行会社を探すにしても費用体が合い、満足のいくレベルの記事を作ってくれる会社を探すこともまた骨が折れる作業です。
SEOを意識することが重要
タイトルやタグに気をつける、キーワード被りが起きないようにするというテクニカルな点がSEOに影響を及ぼす事例でした。誤解してほしくないのはテクニカルな点に気をつければSEOがうまくいくかといえばそうとは限らない点です。
大前提としてはユーザーニーズを満たすだけの独自コンテンツを配信するというところがありますので、SEOを意識して記事制作をしたとしても他サイトのまとめ記事で終わっているようでは継続して伸びることは期待できません。
記事作成の企画段階でニーズがどこになるのかを突き詰めることができればあとはテクニカルな面で解決できるというのが趣旨です。
まとめ
