サイトマップにSEO効果がある!?実はリスクがあるサイトマップ
サイトマップにはいくつかの意味があるので、立場によって何を思い浮かべるか変わります。サイト制作会社であればどのようなページをどういう構成で作るかという設計図になりますし、SEO会社であればsitemap.xmlを思い浮かべることが多いはずです。
SEOの観点では、サイトマップはGoogleにページをクロールしてもらうという点で極めて重要な意味を持ちますが、適切に使わないと設置によるデメリットを被ることもある難しいものです。

サイトマップとは
サイトマップとは、サイト上のページや動画などがどのような導線でつながっているのかを示すファイルのことです。ただし、サイトマップの意味は大きく3つあります。
サイトマップ | サイト制作をする際に使うページの趣旨と導線を記したもの |
sitemap.xml | 検索エンジンに読み込ませるためのもの |
sitemap.html | ユーザーにサイト内のページ一覧を見せるもの |
ほとんどの場合でsitemap.xmlを意味することが多く、SEOの観点でもこちらが話題になります。
なお、sitemap.xmlやsitemap.htmlと書くことが多いですが、拡張子は必ずしも.xmlや.htmlになるとは限りません。
例えば、sitemap.xmlの代わりにRSSフィードやAtomフィードで伝えることもできますし、テキストで一覧を送ることも可能です。sitemap.htmlはWEBページですのでhtmでもxhtmlでも問題ありませんし、WordPressで作っている場合には/sitemap/になることもあります。
慣習的に.xmlや.htmlを使っていることがほとんどです。
sitemap.xml
検索エンジン(主にGoogle用)にサイト内のクロールしてほしいページ一覧を伝えるもの。ページだけではなく動画、画像、ニュースなどを伝えることもできます。
さらに最終更新日、代替言語、動画の再生時間、レーティング、ライセンスなどさまざまな情報を含むことができます。
sitemap.html
サイトを見る際にユーザーが探したいページを特定する際に使うページ一覧を載せたページです。
サイト規模によってすべてのページを載せる場合やカテゴリ一覧と主要ページだけを載せる場合があります。
検索エンジン用ではなくユーザー用のページですので見つけたいページを案内しやすくするために用います。
サーチコンソールによる登録方法

サイトマップの登録方法はいくつかあります。robots.txtに書いたり、pingサービスでリクエストする方法もありますが、もっとも一般的なのはGoogleサーチコンソールを使ってサイトマップを追加する方法です。
上図のように左メニューから項目を選び、URLを入力するだけで簡単に送信可能です。
サイトマップのSEO効果
サイトマップを設置することで検索順位が上がることはありません。しかし、SEOではクロール、インデックス、ランキングの考え方は極めて重要です。その意味でサイトマップには非常に大きなSEO効果があります。
クロールさせる
WEBページを配信していても巡回されないようでは検索結果に反映されませんのでSEOの最初の一歩としてクロールされることが絶対条件です。ページの品質をチェックされて低品質でなければインデックスされますが、巡回されないようではチェックすらされません。
ほとんどのWEBページは何もしなくてもクロールさせることができます。しかし、大規模サイトでは待っているだけでは巡回に時間がかかるということが往々にしてあります。このようなことを想定してサイトマップを送っておくことで円滑に検索エンジンに伝達することができます。
孤立したページの認知
サイトの導線を考えれば推奨はされませんがサイト構成によってはどこからも内部リンクを受けていない孤立したページが存在することがあります。サイト内にLPなどを設置する場合にはよく見かけます。
このような孤立したページは内部リンクを辿ってクロールする検索エンジンには見つけづらいためサイトマップがあることで発見が早くなります。
サイトマップを設置するリスク
サイトマップにはクロールを促進させるという点でSEO効果があることは間違いありません。しかし、設置をすることでリスクがあり、被害を被ることがあります。
サイトマップを設置することがダメということではなく、リスクというあるという意味で以下の3つは知っておいてください。
- クロールバジェットの無駄遣いになる
- クロールの偏りがでる
- インデックスされない原因がわからなくなる
クロールバジェットの無駄遣いになる
クロールバジェットというのはGoogle bot(WEBサイトを巡回するロボット)がサイトを巡回できる上限のことを意味します。
通常、検索エンジンは内部リンクを頼りにサイト内を回遊し、集めたURLをインデックスします。しかし、サイトがあまりにも大型である場合にはすべての内部リンクを辿るのではなく上限数に達した時点で他のサイトに移ります。そうしなければ効率的にWEBサイトの収集ができないからです。
サイトマップを設置する場合、検索エンジンは記載されているURLを参考にしますが、サイトが大きくなればなるほど、URLの記載も多くなり巡回できなくなります。つまり、クロールバジェットの影響で新規で追加しても巡回されないということが起こりえます。
このケースは、サイトマップを設置することにリスクがあるというわけではなく、あまりにもURLが多い場合にすべてのURLを記載することで周回されないというリスクがあるということです。
そのため、ページ数がそこまで多くないサイトには関係がありませんし、サイトマップへの記載方法を工夫することで解消することができます。
クロールの偏りがでる
大型サイトでページ数が大量にある場合、サイトマップに工夫をしなければ巡回を促すということはできません。そのため、特定の条件でURLを載せる・載せないを判断することになります。
よくある例ですが、カテゴリの1ページ目や2ページ目など優先してクロールしてほしいURLだけを載せるという場合(残りは内部リンクを辿ることを期待している場合)、優先ページだけでクロールバジェットを使い切ってしまい、残りを巡回できないということが起こりえます。
大型サイトならではの問題ですが、クロールに偏りがでてしまうのは間違いありません。
インデックスされない原因がわからなくなる
サイトマップを設置していてインデックスされなかった場合、原因がURLが多すぎるためなのか、ページに問題があるのか判断が難しいことがあります。
しかし、サイトマップを設置せずにインデックスされなかった場合、サイトの品質に問題があるのか(巡回はされたが品質チェックでふるい落とされた)、サイト内の回遊経路に問題があるのか(既存ページからの内部リンクがあるか)の特定が比較的容易です。
すべてのページの品質を十分に担保していて、内部リンクを適切に設置していればあまりないケースではありますが、現実問題としてインデックスされずに困ったということは起こります(特に新規サイトで起こります。)ので原因特定はサイト運営において重要な課題です。
インデックスされないという問題はSEOではきわめて大きな課題です。自分では問題ないつもりでも記事が悪いと判断されてしまうことはあります。厳密な見分け方はありませんが、一例としてはコピーコンテンツということが考えられます。
コピーしていない記事であっても、テーマが似ていたり、キーワードを機械的に抽出したりすると記事の類似率や一致率が高くなる傾向はよくあります。
このような場合には一度記事のコピーチェックをすることをおすすめします。
公開当初は問題ない場合であっても改めて見直すと類似率や一致率が高くなりコピーコンテンツと見られやすくなることがありますし、コピーではなくても言い回しや表現を変えることでより分かりやすい記事にすることができます。
サイトマップの必要・不必要
ここまで読まれた読者であればサイトマップは絶対に必要というわけではないことはお分かりだと思います。では、実際にサイトマップの設置が必要な例、不必要な例を挙げてご紹介します。
設置する必要のある例

上図はサイトマップについて(Google検索セントラル )のスクリーンショットです。
サイトマップが必要なケースはGoogleが答えを出している通り、次の4つです。
- サイトが非常に大きい
- どこからもリンクされていない
- 外部リンクが少ない
- リッチメディアコンテンツが多い
既に述べたように大型サイトであればサイトマップを設置することで効率的にクロールすることが可能になります。また、内部リンクで辿れない孤立したページがある場合にも同様に助けになります。
意外に思われる方もいますが、新規サイトは検索エンジンに見つけてもらうまでに多少の時間がかかりますので、公開しても外部リンクがまったくない状態ではインデックスされるまでに時間がかかることがあります。
外部リンクがあればクロールされるのですが、公開間もない時期はリンクが少ない、または、まったくないということも普通です。
リッチメディアコンテンツ(動画、アニメーション、音楽、音声などのコンテンツ)が多いというのは、やや特殊なケースですが、サイトマップには動画の再生時間、レーティング、ライセンスなどURLと最終更新日以外にも情報を載せることができます。これらの情報を適切に開示することでクロールやインデックスを促せることがあります。
新規サイトでは外部リンクがついていないのでクロールされないことがあります。最初は順位を上げやすいミドルワードやスモールワードでの対策がよいのですが、ミドルワードやスモールワードであってもそもそも巡回してもらわないと順位自体が付きません。新規サイトで伸び悩んだ時には東京SEOメーカーにご相談ください。
設置する必要のない例

上図はサイトマップについて(Google検索セントラル) のスクリーンショットです。
サイトマップが不必要なケースは以下3つです。
- 小規模サイト
- 完全にリンクされているサイト
- リッチメディアコンテンツが少ない
そもそも検索エンジンの精度は非常に高く、ほとんどの場合でクロールしてもらうことができます。そのため、サイト規模が小さかったり、内部リンクが十分に張り巡らされていて漏れがない場合、リッチメディアコンテンツが少ない場合などはサイトマップがなかったとしてもクロールされますし、インデックスされることが普通です。
なぜSEO会社はサイトマップを設置させたがるのか
なぜSEO会社はサイトマップを設置することを推奨しているのか。ほとんどの場合で設置することによる弊害がないこととSEO会社のスキームに依存します。
適切なサイトマップを作っていれば大型サイトでもプラスに作用しますし、小規模~中規模のサイトであれば全ページの一覧を載せるだけですのでマイナスにはなりません。
サイトマップにクロールを促進させる効果がある以上は設置するという考え方は妥当です。実際、小規模サイトであってもサイトマップを設置することはよくあります。
また、SEO会社は効率的に多数の案件をさばく必要があるため、どのようなクライアントに対しても必ず行う施策というのを定めていることが多いです。つまり、初月はこれをやる、次月はこれをやる、その次の提案ではこれを試してみると流れが定まっていることがあります。その結果、どのようなサイトに対してもサイトマップを設置するということを推奨していると考えられます。
しかし、あるサイトで効果が出た施策であっても別のサイトで効果が出るかはまったくの別問題です。例え、同じ業界であってもひとくくりにはできません。
サイトマップをどうしたらよいか、全体設計をどうしたらよいかという相談については東京SEOメーカーの無料診断 をご利用ください。
サイトマップはSEO上、有効な施策ですがすべてのサイトで必須ということではありません。事実、弊社クライアントの設置していないサイトでも順調にクロールはされていますし、安定してアクセスの伸びています。当然、URL検査からのインデックス登録申請も行ったことはありません。

上図はサイトのカバレッジ情報ですが、見ての通り順調に登録されていることがわかります。除外が少し(47件)ありますが、ほとんどはRSSやfeedですので動作に支障はありません。誤解されがちですが、想定した通りの動作をしていればカバレッジ情報のエラー・有効(警告あり)・除外はどれだけあっても問題ないものです。

ページ数が500程度のサイトであれば正しい内部リンクだけでSEO対策できる一例です。